二回目の空気圧調整なのに、何、威張って書いてんだ、と自分でも思うけれど、やっぱり自分としてはちょっとした自慢。
何故って、六十半ば過ぎてんだよ。頑固一徹になって人の言うことなんか聞かない、聞こうともしない、何しろ世間の中心は自分の子供の年齢になってるんだから(子供も嫁もいないけどね、初めから)、
「世間はオレの言うことを聞いて当然。とにかく近頃の若い者は薄っぺらでいけねえ」
、と、なってたっておかしくない年代だ。
日本を復興させるという大仕事を成し遂げたにもかかわらず、ネットの世界では日本人をダメにしたとボロクソに言われるのが団塊の世代だ。彼らのすぐあとの「しらけ世代」の自分としては、彼らと一括りにされるのは少々迷惑だけれど、現役の四十代、五十代から見れば同じ「老害」でしかない。
そんな奴が頑固一徹にならなかった、ということが自分では自慢。
ん?「頑固一徹になってないのが自慢」、なんて随分な自画自賛だな。そんなところが問題なんじゃないの?
まあ、いいや。実際のところ、何をしたんだ、という話なんだけど。
とにかく、三十数年バイクや車に乗ってきて、自分で空気圧調整をしたのがわずかに二回。その二回目を、先日、やった。
過去に自分でやろうとしたことは、ある。(バイクだけど)自転車用のポンプで入れようと苦戦したり、ゲージを買ってきて空気圧を確かめようとしたり。コンプレッサーを買おうかと真剣に考えたこともある。
けど素人だ、前に書いた通りで全く自分の作業に自信が持てない。特に三十数年のほとんどがバイクだけだったから、安全のために微妙な調整が必要と思い始めると、疑心暗鬼になってしまって確認ばかりになる。それくらいなら、通勤ライダーたる者、プロの腕を信じてやってもらったほうが良い。
加えてバイクは、ガソリンスタンドで断られる(というよりできない)ことが結構あった。大径のディスクブレーキや、ドラムブレーキだったら、コンプレッサーのアダプターがちゃんと当てられず、空気が漏れてしまったりする。給油はしてもらったのに、空気圧調整はしてもらえない。しょうがないから行きつけのバイク店に行き、空気だけ入れてもらう、なんてことが何度もあった。
七年前、車に乗り始めたころは、それでもガソリンスタンドで調整してもらっていたのだけれど、いつの間にか、周辺はセルフスタンドばかりになってしまった。もういけない。
ということで、酒を買いに出かける前日
「さて、給油はいいとして、空気圧調整はどうしたもんだろう」
、と悩んでいた。ベッドに入ってからも悩んでいたんだけど、不意に、
「何だ。教えてもらえばいいだけのことじゃないか」
、と気が付いた。
タイヤは四つある。一つやってもらって、あとは自分で教えられたとおりにやってみる。できた。
そして、翌日はSR,翌々日はカブの空気圧調整をする。
「分からないなら聞けばいい」
「初めから上手にできる筈がない」
こんな当たり前のことさえ自分に引き寄せて考えようとしなくなっている。
それに、ふと気が付いた。
それが自慢。