CubとSRと

ただの日記

右だけ四角

2020年09月13日 | 日々の暮らし
 9月9日
 
 昨日は一日延期してもらった、初めての治療。
 歯の状態は思ったより悪く、根のところまで神経を伝って腐食が進んでいて、ここから膿が顎関節にまで広がったら!!!・・・と、いうことみたいだ。
 で、肝腎の虫歯の処置は、というと、何とか抜かないで歯の根の部分の腐食部を消毒、その上で虫歯だったところに土台を作り、被せ物をする、と。
 何しろ犬歯で、そいつが歯列に尋常に並ばず、外側に向かって飛び出しているものだから、何処を削ってもややこしい。

 治療が終わって、口を漱げと言われたが、麻酔が右下顎だけにかかっているので、含んだ水が閉まり切らない唇から思わぬ方向に飛び出した。どういう理屈なのか分からないが、掛けられていた前垂れの左胸の上部を濡らしてしまう。
 痛くなった時はこれを飲んでください、と痛み止めを持たされて、帰った。

 帰ったら早速痛くなる。勿論、痛み止めを飲む。当たり前だが麻酔と違ってすぐには効かない。「なかなか効かないなあ」と思っていたが、そう思うことがめんどくさくなってきた頃、いつの間にか痛みが薄らいでいた。
 午後3時頃、うどん一杯を食べた。痛みは辛抱できる範囲内だったけれど、夕食は摂る気になれなかった。
 日付が変わる頃、また痛くなってきた。二度目の痛み止め、服用。

 今朝、目が覚めた時はそうでもなかったが、30分もしないうちに何んとなし、顔の右下半分が腫れてきたような気がした。触ってみると間違いなく起き掛けより腫れている。左顎に比べ、厚ぼったくなって張っている。
 血圧を測ってみたら、痛みを辛抱して息を詰めたからか、上が155。
 「まさかそんなに?」と測り直したら今度は160。
 血圧はともかく、この痛みじゃ朝食は摂れない。噛むために顎に力を入れると痛い。
 痛み止めは三回分しかなかったから今日服めば終わりだ。次回は十日後の18日だから、とてもじゃないけどそれまで辛抱できない。
 「まずは痛み止めだけでも貰いに行こうか」、と腫れて右顎だけが四角になった顔を鏡に映しながら思う。
 11時頃から雨、という予報だったので、降られないうちに、と薬だけ受け取るつもりで電話を入れた。

 小粒の雨が降り始める中、カブで出る。
 着いて、薬を受け取るだけのつもりだったのを、今から診ようかと言われ、雨に濡れるのと、痛みが治まるのと、天秤にかける。考えるまでもない。

 蓋をしていた部分が開けられ、「ちょっとこれ持って見て下さい」と小さな手鏡を渡される。穴を開けられた歯の表面に血が溜まっているのが見えた。
 空から火口に水が溜まった火口湖を見ているような感じ。
 空が映って青い、とかエメラルドグリーンの穏やかな湖面、とかじゃなくって「血」だから。いくら贔屓目に見ても美しいとは思えない。
 血膿だそうだ。昨日言われていた、膿が出るのが収まるまで、数回、同じ治療を繰り返す。今日は相当に多かったらしい。
 「明日は休診日なので、明後日、また来てください」
 
 これを数回繰り返して、歯の根の消毒が終わる。基本的には毎週一回。
 そうすると、間違いなく今月一杯、下手をすれば十月も終わりまでかかるかも。
 血膿を取ってもらっただけで痛みはほとんどなくなった。だからと言って顎の腫れは引かない。そりゃすぐには無理だろう。二、三日引かない場合もあるし、その日に引く場合もある、とは聞いていたがとにかく先は見えない。ほとんどなくなった痛みだって、また血膿が溜まれば痛みも再発するだろう。
 つまり「予断」はできない。先は見えない。正しいと信じたことを続けるしかない。

 個人のことだってこんなんだから。国政なんかになると血膿はなかなか止まらないし、言うこと聞いて療養をすべきところ、自分の不摂生を棚に上げて文句を言うのに血道をあげるばかりの患者も多いし。
コメント
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