「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)9月5日(土曜日)
通巻第6637号
書評
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世界で赤狩りが始まった、日本はどちらにつくのかナ
米英仏、そして豪、NZにカナダ。もちろん台湾でも
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黄文雄『親中派の崩壊』(徳間書店)
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日本の新政権(もう菅できまりだが)の要に親中派の親玉が陣取っている(ちなみにアルバニア人の姓名にも「ニカイ」って政治家がいるが。。。。)
米国の有力なシンクタンクCIISが最新報告書で、親中ラインと規定したほど、ワシントンでも「ニカイ+ イマイ」が「注目の的」(?)になっている。
与党の連立相手の政党はと言えば、親中ラインに輪を掛けて北京にべたべたと媚びる連中ばっかり。財界を見渡せば、中国とうまくやっていけば、まだまだ稼げるという拝金主義の手合いが目立ち、こうなると、同盟国アメリカと日本とのデカップリングたるや、米中のデカップリングどころのレベルじゃないのでは?
しかし冷静に世界を見渡せば、どう見ても西側世界はアンチ・チャイナに傾きつつあり、EUもギリシア、伊太利亜、ドイツなどを除くと、ぞろり親中路線を捨てつつある。
象徴的な出来事がビストルエル(チェコ上院議長)ら90名のチェコ使節団が台湾を訪問し、台湾は大歓迎、猛反発した北京は王毅外相が『チェコは一線を越えた』と恐喝的言辞を吐いて報復を示唆した。
これまで西側ではパンダハガー達が中国との連携を強め、いろいろな工作(つまり悪事)を働いてきたが、その手口も殆どばれてしまった。世界でいま始まっているのは親中派狩りである、と黄文雄氏は力説するのだ。
しかし西側で日本だけが例外である。
スパイ防止法は、人権に悖るなどと野党とリベラル新聞が騒ぐため、なかなか制定へ漕ぎ着けられない。
五年前に起きた李春光事件を思い出す、と黄文雄氏はいう。
中国大使館一等書記官だった李春光は不正に取得した身分証明やら、虚偽申告の銀行口座を持ち、ウィーン条約で禁止されているスパイ活動を展開した。彼は『人民解放軍の諜報部に在籍した過去があり、しかも松下政経塾に入り込むことにも成功し』、当時の農水有力議員に接触、多くの機密文書が漏洩した。
結局、日本にはこのスパイを拘束する法が未整備のため、李春光は堂々と中国へ帰国してしまった。
本書を読むと、なるほど日本はスパイ天国と言われる所以が120%呑み込める。
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以前に書いた日記の一部です。
↓
~~何だか、今日もまた、どうでもいいようなことを書いている。
が、実はこういうのって、意外に重要情報だったりする。
以前に辛坊治郎氏が言っていた。
「内閣情報調査室、ってのに行ったことがあるんですよ。日本にはCIAとかKGBとかMI6とか言うような諜報組織がないから、内閣調査室がその仕事をしてるみたいなもんです。でね、すごい厳重なセキュリティーになっててその部屋に入ったんだけど、中に大きなテーブルがあって、そこに週刊誌、週刊誌だよ、置かれてるの。それが秘密情報源だって。『辛坊さん。ここで見たことは口外しないでください、機密情報だから』って。誰が言うか!そんなもん。恥ずかしいわ!」
これ、辛坊治郎氏のネタの一つみたいだけど、この話を聞いた時、妙に納得した記憶がある。
大事なことは隠そうとする。そのために大変な努力をしているから、そう簡単にそれを見つけることはできない。だから諜報活動が必要になる。
けれど逆に言えば、隠そうと努力すればするほど「それ」は空白状態になって見えなくなる代わりに、輪郭・全容が明らかになってしまう、ということだ。
ベスビオ火山の噴火で埋もれてしまったポンペイの街を発掘した時、火山灰の中にあった不思議な穴に石膏を流し込んだら、降灰に埋もれて死んだ人々の形が浮かび上がった、という話が似た感じかもしれない。
週刊誌の中にある野次馬根性丸出しの話、ただの与太話、面白おかしい世間の寸評、当時の流行の実態、等々。
同調バイアスの掛かったどこかの大新聞社の社説なんかよりもよっぽど大きな情報が見つかるんじゃないか。
が、実はこういうのって、意外に重要情報だったりする。
以前に辛坊治郎氏が言っていた。
「内閣情報調査室、ってのに行ったことがあるんですよ。日本にはCIAとかKGBとかMI6とか言うような諜報組織がないから、内閣調査室がその仕事をしてるみたいなもんです。でね、すごい厳重なセキュリティーになっててその部屋に入ったんだけど、中に大きなテーブルがあって、そこに週刊誌、週刊誌だよ、置かれてるの。それが秘密情報源だって。『辛坊さん。ここで見たことは口外しないでください、機密情報だから』って。誰が言うか!そんなもん。恥ずかしいわ!」
これ、辛坊治郎氏のネタの一つみたいだけど、この話を聞いた時、妙に納得した記憶がある。
大事なことは隠そうとする。そのために大変な努力をしているから、そう簡単にそれを見つけることはできない。だから諜報活動が必要になる。
けれど逆に言えば、隠そうと努力すればするほど「それ」は空白状態になって見えなくなる代わりに、輪郭・全容が明らかになってしまう、ということだ。
ベスビオ火山の噴火で埋もれてしまったポンペイの街を発掘した時、火山灰の中にあった不思議な穴に石膏を流し込んだら、降灰に埋もれて死んだ人々の形が浮かび上がった、という話が似た感じかもしれない。
週刊誌の中にある野次馬根性丸出しの話、ただの与太話、面白おかしい世間の寸評、当時の流行の実態、等々。
同調バイアスの掛かったどこかの大新聞社の社説なんかよりもよっぽど大きな情報が見つかるんじゃないか。