2月26日(土)
モツ煮込み。玉子サラダ。鶏肉ステーキ大根おろしソース添え。里芋煮。エビチリ。鯖の煮付け一切れ。
これが今晩の肴。6品も並べるのは久し振り。
だったのだが、モツ煮込みはホルモン焼きそばの残りのホルモンに蒟蒻一枚を千切って入れたもの。
だから普通の酒の肴と考えたら、おそらく三人前くらいの分量。
里芋も小袋一つ分に鶏のもも肉を半分入れたら手鍋一杯になった。
でも、みんな食べてしまった。
食べては飲み、を繰り返す。肴はまだ十分にある。
繰り返すうちに、左手の親指が温かくなった。
酒を飲むようになって五十年ほどになるが、こんな不思議な感覚は初めてだ。
「気が通った」とか何かに「目覚めた」といった「解脱」のような心境ではない。ただ、何故か左の親指だけが温かい。
気が付いて見ると、親指が猪口の中に入っていた。飲みながらうたた寝をしていたということになる。よくもまあ杯をひっくり返さなかったものだ。
酒一合強と焼酎一合五勺(湯割りだから実際の分量は三合分)を飲み切り、稲荷寿司二個も食べて、十分に満足して片付けを始める。
レンジが目に入った。そこで鯖の煮付けを温めただけでそのままレンジの中に置いていることに気付く。
「もうちょっと飲もうか?」という考えが一瞬頭をよぎったが、「いや、煮付けは明日の朝食に」と。
何しろ肴を一品忘れ、左手親指にまで燗をつけている。これは飲み過ぎ。
「辛抱したのは偉い」と褒めてやろう。