「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和四年(2022) 3月10日(木曜日)弐
通巻第7254号
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(速報)
韓国大統領、野党「国民の力」が勝利
日本は歓迎を表明せず、政策に注目する態度
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どちらが勝っても反日に変わりはない。
10日午前四時、大接戦のすえ、なんと0・8%の僅差で尹錫悦前検事総長が当選を決めた。
与党「共に民主党」の李在明前京畿道知事は敗北を認めた。5年ぶりに韓国に保守政権が出現し、五月就任以後、文政権への報復が始まるだろう。
唯一、期待できるのは次期韓国大統領が公約の中で「日米間三国の北朝鮮の核」に関しての協議に前向きな点である。
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ウクライナ戦争の陰に隠れたが東欧に地殻変動
モルドバ、ジョージアがEUに加盟申請。結論は数年先だが。。。
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モルドバは旧バッサラビア、ルーマニアの版図にある。つまりルーマニアとの合邦を望むが、ドニエステル河東側にロシア人が多数住まい、約1000名前後のロシア兵が駐屯して睨みをきかせている。モルドバの首都はキシニュー。人口は260万人程度。
ジョージア(旧グルジア)は、国内にロシア傀儡の南オセチア、アブハジア共和国をかかえ、山を越えた国堺地帯には逆にロシアからの独立を叫ぶチェチェン、イングーシがある。
ジョージアの人口は400万人とされるが、一割は外国へ出稼ぎにでている。
独立したときの初代大統領は民族派の詩人ガムサフルージア(暗殺された)、弐代目が旧ソ連外相だったシュワルナゼ。そして三代目が米国から帰国したサアカシビリだった。
サアカシビリは米国の援助は堅いと即断して、ロシアとの軍事対決を挑み、敗北した。サアカシビルはウクライナへ逃れ、今度はウクライナ国籍を取得してオデッサ知事となった。ポロシェンコ政権では顧問をつとめていた。
ところが、職権濫用で収監され、ポーランドへ移送され、ウクライナにゼレンスキー大統領が誕生すると国籍が復活した。それも束の間、2021年にジョージアへ帰国した所、今度は母国官憲によって拘束された。
このモルドバとジョージアが、ウクライナに続いてEUへの加盟を申請したのだ。
厳しい条件、規約があり、EUから監査団が調査に入るので、申請から認可までに数年、クロアチアの場合は十年かかった。EU加盟は同時にユーロ加盟に繋がるかと言えば、それは当該邦の選択となる。
他方、中立を維持してきた北欧のフィンランドとスウェーデンが、ウクライナ危機を目の前にして国民の意識が大きく変わり、世論調査でNATO入りに賛成はが過半数を超えた。
バルト三国は、旧ソ連への恨み骨髄に徹す状態とはいえ、とくにラトビアにはロシア人多数が残留しており(人口の27%)、非ロシア政策は難しい問題がある。それでも公用語からロシア語は除外された。