おいしい国ブルガリアでのフボボな生活

ブルガリアのこと、まだ忘れ難く・・・
でも、アラフィフからまた新たな挑戦をはじめます!!

Middle of nowhere... Once upon a time...

2015-08-22 07:27:53 | アート・文化

チプロフツィからの帰り、友人たちが「ちょっとお茶したいね、どこ行こうか?」と言い出しました・・・ チプロフツィからベルコービッツァまであまり大きな町もなかったみたいだし、これは友人たちの家の近くのどこかに行くのだろう、と思っていると、

「モニュメントのところに行こうか?」・・・ モニュメント? 本当にどこか分からないところをぐるぐる回ってまさに「ミドル・オブ・ノーウェア」(訳すと人里離れたところ、もしくは荒野の真っ只中・・・ でも、う~む、荒野ではないなァ・・・)と呼ぶにふさわしい場所にドーンとすっごく高~い塔(記念碑?)が立っています。

もちろん「共産アート」!! でも、なぜこんなところに? そして何にもないところの真っ只中に塔があるだけでなく、かなり長い間ほったらかされてる・・・ 荒れ放題です。塔の中に入ってみると・・・ 

ウチのアパルタメントよりもぶ厚いコンクリートでできてる・・・(笑) ウチのアパートなんて近所がレモントしてるだけでガンガン響いてくるのに、ここの壁はビクともしなさそう・・・ でも今じゃツバメたちの「共産団地」?

塔の周りには石碑、多分ここには水が流れていたであろうプール、整備されていればキレイな庭園のはずなのに、好き放題な方向に伸びた庭木、

そしてもしかしたらここには火が灯されていたのではないかと思われる、古代トラキア人だったら犠牲をささげたような岩・・・ 


石碑を見ると「1688,1923,1944」と3つの数字・・・ これらの3つの年のいつも9月に「解放のための闘い、蜂起」があった・・・ 1688年はオスマントルコに対してチプロフツィ蜂起、1923年はゲオルギ・ディミトロフの9月蜂起、そして1944年はナチズム、ファシズムに対してパルチザンが闘いそしてソ連軍と一緒にブルガリア共産党が自由と平和をもたらした・・・ 

と言いたいのでしょう。

ホントにここって「荒野の真っ只中」って表現がふさわしいトコなのに、地元の人たちで知らない人がいないところだそうで・・・ それはなぜか?というと、この記念碑のすぐそばにある、それこそ私たちがお茶しに来たところ! 「バロヴァ・シュマ」という場所(もしくはレストラン?)で、バンガローもある!! 多分地元の人たちはここで何か共産党の記念行事があったときだけでなく、結婚式やアビトレンスキ・バル(卒業パーティー)などで必ずここを使っていたのでしょう・・・ ここで一休み・・・ 

カフェとアイスクリームで一休みしていると足元に黒猫が!! そしておんなじ大きさの黒猫がもう一匹!! 子猫たちですが一匹はひざにまで登ってくるほど人懐っこくてもう一匹は花壇の草の陰に隠れて人見知り・・・

おんなじ時に産まれた子猫たちでしょう?!

チラッとメニューを見ると、「アヒルの丸焼き、鶏の丸焼き、七面鳥の丸焼き・・・」と言うラインナップ。ちょっとトイレを借りにレストランの裏のほうに回ると、まるで動物園のように「グワッグワッ!!」と・・・ そのメニューに載ってる鳥たちが!! ああぁー!! オーダー入ると死ななきゃいけないのネ・・・ じゃあ絶対オーダーしなーいっ!!

帰る前にもう一度モニュメントを見てみました。モニュメントの横にある銅像、何だかバランスが悪い・・・ 

よく見ると銅像の一人分がぶった切られて靴だけが残っている・・・ (ちなみにここが現役だった頃の写真を見つけました。リンクはこちら) 

この部分の金属が切り取られて売られちゃったのかなぁ・・・ それとももうソフィアの「共産アート美術館」にあったりして・・・ 社会主義体制が倒れたのは、「昔々、人里離れたあるところで・・・」って言うにはそんなに昔のことじゃないはずなのにあまりにこの廃墟感。体制の崩壊と共にブルガリア全体がいろいろ変わっちゃった、って事なんでしょうか・・・? う~む。10年いても知らなかった所、ブルガリアにまだまだいっぱいあるのネ。この地方ももっと「開発」の余地、ありかも!!   

コメント
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