~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

あの日が蘇る 初女さんとランディさん

2016-06-07 19:51:30 | 日記

青森在住のコラムニスト山田スイッチさんより、心響く文章が

届いたのでここに載せさせて頂きます。

スイッチさん、ありがとう!あの日が立ち上がってきました。

7月15日の講演会に向けて、チカラがでました!

 

山田スイッチです。
エッセイというか、ランディさんの詩の書き起こしみたいですが、
読んでください。(^ ^)/
スイッチより


2014年11月24日に、佐藤初女さんと田口ランディさんの
講演「深き森の語らい」を聞きに、青森から

逗子文化なぎさホールへ出かけた。

初女さんはこの時、たしか92歳だった。
大好きな初女さんと、ランディさんの対談。
どんなことを語られるのかと、のんきにわくわくしていた私は
講演が始まってすぐ、田口ランディさんが初女さんへと

朗読された詩によって、あまりにも深い深い場所へ

意識を連れていかれ、呆然と涙を流していた。

「自分が
 自分が
 そう思って生きて来た
 自分のことばかり考えて
 自分の都合を押しつけて
 何かをしてあげようと思い
 してあげることに夢中になり
 相手の話はよく聞かず
 一を聴いて十を知った気になり
 何かが上手くいかないと
 外側に理由を探し
 苦しいのは自分だけだと感じ
 持っているものの有り難みをわかろうとせず
 ないものばかりの数を数えて
 ああしようこうしようと計算し
 思い通りにならないと
 腹を立てて苦しみ
 苦しいことも全部人のせいにして
 誰かが自分を幸せにしてくれると思い
 叶わぬと嘆いて
 手に入らぬものは あれはすっぱい葡萄だといい
 手に入れたものは たいしたものではないと満足が出来ず
 そういう自分をどうにかできると思い
 自分ではないものに憧れて
 自分が
 自分がと
 自分のことばかりしゃべってきた
 自分のことばかり考えていると
 だんだん苦しくなってどうしようもなくなって
 心が破れそうになった
 そんな時
 初女さんは
 そっと教えてくれました
 言葉を超えてね
 言葉を超えるってどういうことかな
 と思った
 ずっと分からなかった
 言葉はいつもここにある
 私を満たしている
 私は考えで一杯
 でも初女さんの隣にいる時
 しんとする
 初女さんはとても静か
 ああ、なんて静かで深いんだろう
 深い森の中の湖のよう
 ほんとうは静かになりたい
 求めているのは静けさなのに
 心はいつも波だっている
 この静けさに、触れたい
 何も話さなくていい
 ただじっと、この沈黙の中にいたい
 沈黙の中にある 無音に耳を澄ます
 こんなに豊かな静寂が
 言葉と言葉の間に満ちている
 すると、はるか遠くから
 私を呼ぶ声がする
 呼ばれた時
 やっと私はここにいると気づいた
 呼ばれている
 空の果てから美しい鐘の音に
 なんだ、私はあの音に
 ずっと呼ばれていたんだ」
 
田口ランディ「いのちのエール 初女おかあさんから娘たちへ」

(中央公論新 社)より

詩が朗読されて、一瞬のうちに
会場の空気が変わった。
誰もが、自分の深い場所へと連れていかれ、
自分の心と呼応していた。

朗読を聞き、初女さんが
「まあ有難うございました。何と申し上げてよいのか。

胸がいっぱいになりまし た……」とおっしゃって。

初女さんとランディさんは、本当に一つ一つ の気持ちを、

正確に伝えようと丁寧に、お話をされて。

どんな深く抽象的なことにも、明瞭に答える初女さんは、

本当に年齢を感じさせなかった。

たくさん涙を流した講演の後、
楽屋でお休みになっていた初女さんのお姿を見て、

お声をかけられなかった。
初女さんは来場者の方のすべての質問にランディさんと答え、

講演時間は長かった。
あれほどがんばった初女さんに、これ以上の気遣いを

させたくなくて。
心の中に「行っちゃダメ」という声が響いた。

この変な気持ちを帰り道、細々とランディさんにお伝えすると
「みんな、初女さんを見ているけど、
本当は、初女さんの横に立って、初女さんと同じものを

見つめなければいけない のよね」と、おっしゃってくれた。
初女さんの観ている世界。そこに、少しずつ近づいていきたい。

この講演会が、「森のこもれび」を主宰する
山直さんという、普通の主婦の方が企画し、運営したと聞いて
私は驚いた。
大きなホールに人をこれほど呼ぶには、大変な苦労が

あったはずだ。

そして初女さんは、直さんが一つの講演会を成功させると、
「次はこんなことをしましょう」と、新たなお題を出されたという。

初女さんが最期に出されたご著書『いのちをむすぶ』(集英社)
では、こんなことが語られていた。

動く

「悩んでいる人も
本当はどうすればいいかわかっています。
私は、本人が気づくのを見守るだけ。
自分で納得して答えが出せた人は
すぐに行動に移ります。
まわりが驚くほどに
あっさりと変わっていきますよ。

過去にとらわれると
後悔だけになってしまいます。
「過去は終わりました。
また新しく進んでいきます」
と考えてください。
お水もじっととどまっていると
くさってしまうでしょ。
心もまたおなじで
動くことによって生かされるのです。」

初女さんからの、メッセージだと思った。
同じところにとどまらず、動いていきなさいと。
「さあ、動いていきなさい」と。
 
私たちは、初女さんの教えを守って
動いていこうと思う。

  

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする