ジェローム・マルタン・ラングロワ
暁の女神エオスはある日ケパロスという男の気を引こうとしたが、ケパロスは妻プロクリスを恋しがって思い通りにならなかった。おもしろくなかったエオスはプロクリスを試してやることにした。そしてケパロスを別人に変身させてプロクリスのもとにおくった。プロクリスが夫が化けた男とも知らずに心を傾けると、ケパロスは自分が夫であることを明かして妻の迷いを責めた。それがもとでプロクリスは家を出たが、のちに二人は和解する。しかし互いへの疑問は晴れなかったのか、やがてケパロスは勘違いを元に妻を槍で殺すことになる。
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愛をためしてはいけません。人間はまだ弱いもの。愛がどんなものであるかをまだよく知らない。ちょっとした誤解や行き違いが、万年の悔いをつくることもある。まだ根の弱い愛をためしなどしてはいけない。しっかりと根付くまで、大事に育ててやらねばなりません。