ヴァランタン・ド・ブーローニュ
アッシリア軍がベツリアの町を包囲したとき、ベツリアの寡婦ユディトは神を強く信じていたので、一計を案じてアッシリア軍の司令官ホロフェルネスの下に向かう。彼女の美しさと条件に油断したホロフェルネスは彼女を酒宴に招き泥酔する。その隙をついてユディトはホロフェルネスの首を打ち、故郷に帰る。司令官を失ったアッシリア軍は動揺し、ユダヤの軍に追撃されて敗れた。
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これはもちろん創作でしょう。女性の力で男の首が切れるとは思えない。弱い者が強い者に勝つという話を、人間は好みました。それはまだ人間がとても弱かったからです。弱い者が強い者に勝つには、奸計に頼るほかはない。だがそればかりではきついことになる。ケースによってはよいだろうが。こればかりやっては、汚いことになりますね。