世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

林檎のある静物

2016-07-10 04:39:54 | 霧の風景


ポール・セザンヌ、19世紀フランス、後期印象派。

休憩だ。ちょっときついのが続くからね。
林檎は甘酸っぱい実をつける。葡萄の実は甘く、人生の苦しみを忘れさせるが、林檎の酸っぱさは逆に記憶を鮮明に呼び起こす。アダムとイヴが食べた知恵の実が林檎に擬せられるのもうなずける話だ。過去にまいた種が、血のように赤い実を結ぶ。そのことも象徴的だ。
人間には、決して忘れてはならない記憶がある。そのことを、林檎は教えてくれるのだ。





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