世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

ダウジング

2015-05-21 06:51:21 | ちこりの花束

ダウジングのように
いつもそこで立ち止まってしまう
そんなところがある

いつもここで 失敗する
いつもここで 目標を見失う

今度
そこにぶつかったら
引き返さずに
足元を掘ってみなさい
きっと鉱脈がみつかるだろう
ほとばしる星のように
そこから噴き出す光が
あなたをすっかり
変えてしまうだろう


(2004年3月ちこり30号、短詩)




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素直になるのって

2015-05-20 06:36:06 | ちこりの花束

素直になるのって
むずかしい
誰かに嫌われたくないって
思うから
でも誰に嫌われたくないかって
考えてみると
ほんとはよくわからないの

ふり向いた自分の影が
自分を指さしている気がして
振り向けない
そんな気持ちで 凍りついて
息苦しくて

空を見て 泣き叫びたい
誰かが わたしを
愛してるって
言ってくれたら…



(2005年7月ちこり34号、短詩)




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オオチコノメワカヒコの神

2015-05-19 07:12:08 | 画集・ウェヌスたちよ

2002年頃、切り絵。
「小さな小さな神さま」挿絵。



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いつまでそこに

2015-05-18 06:43:31 | ちこりの花束

いつまでそこに
いるつもり?

セミの幼虫が
木を登り始めたよ
カブトムシは
空を飛んでいるよ

わかってるふりをしても
だめだよ
聞こえてるふりをして
うなずいたってだめだよ
飛ばなきゃ
今 飛ばなきゃ!

ほら 水の音が聞こえる
潮が満ちてくる
嘘はみんな 流されてしまうよ


(2004年7月ちこり31号、短詩)




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にんげん

2015-05-17 07:25:19 | ちこりの花束

神様、私は
にんげんが好きです

愚かさの暗い森の中で
傷ついた足を癒すこともできずに
ただ泣いていた私を
静かに照らしていた白い月の光

神様、私は
にんげんが好きです

切り立った崖の縁から谷底へ
魂を突き落とされたあの日
粉々に割れた鏡の中から
生まれた蒼い叫び
ほとばしる血の祈り

神様、それでも
私は
にんげんが好きです


(1999年7月ちこり16号、詩)





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わたしは銀のかたつむり

2015-05-16 06:57:59 | ちこりの花束

夜も泥田に立ち尽くす
はすの葉宿すたまつゆに
ひかりまぎれて目を覚ます
わたしは銀のかたつむり

あおくたたずむあじさいに
そらのしずくがしみこんで
ころりころころ生まれます
わたしは銀のかたつむり

とおいおそらのあまぐもに
とうさまのすむ国がある
わたしは銀のかたつむり
暗い葉かげのつゆにすむ

そらはたしかに遠けれど
とどかぬものではありませぬ
そらのとうさま恋いよべば
銀のなみだが降りてくる

雨はそらの手風は耳
はるかとおいとみえますが
そらはそこらにありふれて
わたしのつのをなでまする

わたしは銀のかたつむり
風の吐息にいずれかは
つゆと消えゆく日がこよう
ときに埋もれる日がこよう

けれどいのちのともしびは
ずっとちじょうの星のよに
とうさまの目を飾るだろう
とうさまの目に住むだろう

わたしは銀のかたつむり――



(1997年3月ちこり9号、詩)





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世界が変わる予感

2015-05-15 06:59:57 | ちこりの花束
世界が変わる予感


(2006年7月ちこり37号、ワープロで描いたイラスト)





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私の額のあたりには

2015-05-14 06:36:51 | ちこりの花束

私の額のあたりには
小さな一脚の椅子がありまして
いつもは私がどっかりと
真ん中に座っているのですが
時々 後ろのドアがとんとんと鳴って
神さまがいらっしゃることがあるのです

そのとき私は椅子を立って
神さま どうぞお座り下さいと
申し上げます
すると神さまは
しばし私の椅子にお座りになって
わたしの手や眼や口をお使いになり
ご自分を表現なさいます

詩のことばは
そんな風にやってくるのです




(2004年11月ちこり32号、短詩)




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ちこりの花束

2015-05-13 07:02:51 | ちこりの花束

文芸同人誌「ちこり」は、かのじょが1994年から2006年まで、10年以上続けていた活動である。20人ばかりの会員たちと一緒に、詩や小説などの作品を集めて、年三回小さな小冊子を発行していた。

自分の力を上げるために、勉強のつもりでいろいろなことをやっていた。これらの同人誌には、まだ30代の若いかのじょの未熟さが漂っているが、真心のこもった美しいものになっている。

40代に入って本格的な表現活動を始めると、ワンランク上がった表現力が花開き始めたが、まだこの頃は修行中だという印象が強い。しかし、そういう時代だからこそできる表現がある。まじめでまっすぐなかのじょの魂が、このちこりという小さな本の中で、努力し、成長していく姿を見ていると、胸に熱いものが込みあげてくる。

天使も初めから天使ができるわけではない。この地球世界においては、天使もまた、未熟な頃があり、勉強をしていかなければならない年月があるのだ。

作品には、会員たちに遠慮して、自分の天使的部分を極力隠し、みなに合わせて人間の振りをしている彼女の苦心も読み取れる。本当のかのじょはもっと高いことを考えていた。だがちこりの中では、ちょっと抜けたところのある普通の主婦という感じの演技をしている。

カテゴリ「ちこりの花束」では、かのじょがこの同人誌の中に残していったさまざまな作品や言葉を紹介していく。


(冒頭の絵は、ちこり21号表紙、2001年、切り絵)






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花冠の聖母

2015-05-12 06:36:30 | 画集・ウェヌスたちよ

切り絵
2001年頃




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