この色つきの切り絵シリーズは、かのじょが生きていた頃、唯一原稿料をもらった仕事である。地元の新聞の月一のコラムに絵を描いてもらえないかと言われて書いたものだ。2005年の4月から、翌年の3月まで、小さな詩を添えて、かのじょは美しい絵を12枚描いた。
第3館のフォトチャンネルにこのシリーズの絵を収めてあるが、今回は、新聞に発表したかのじょの詩作品とともに紹介する。
絵も美しいが、それに添えられた小さな詩もまた美しいので、月夜の考古学にいれようと思ったが、絵が主だったシリーズだったので、ウェヌスに入れることにする。これらを見ると、かのじょがボッティチェリに影響を受けていることが明瞭にわかるね。サンドロは萩尾の次のかのじょの師だ。
明日から一枚ずつ発表していく。明日は4月・サクラである。灰色の忍耐の日々の中で、唯一明るい出来事だったと言っていい、かのじょの仕事だ。楽しんでくれたまえ。