ポール・ドラローシュ
ナポレオン・ボナパルトはフランス革命後の混乱に乗じて独裁政権を樹立し、フランスの支配者となった。またヨーロッパ大陸に戦争を繰り広げその大半を勢力下に置き、フランス帝国の皇帝となった。だがロシアとの戦争に大敗したのち急速に失墜しエルバ島に流された。そこを脱出して復位し盛り返そうとしたがまた失敗し、最終的にセントヘレナ島に流されて絶望のうちに病死した。
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嘆かわしい人生だと思いながら死んだのだろうが、これは当然のことでした。ナポレオンの人生は人から盗んだものだからです。本当は別の霊魂があの人生を生きるはずだった。小さな男がきついことになって権勢欲を持つと大変なことになるという例です。セントヘレナ島こそが、彼の故郷だったのです。