大荷物で帰省してくるという息子を待って新幹線のホームに立っていると、急に背後で声がした。
「あちらへ行ってもあまり頑張リ過ぎるんじゃありませんよ。きみはいつも頑張るから。
では、お元気で。―さようなら。」
声を掛けられた相手は、はいとうなずき、深く一礼して乗車口に姿を消した。
今日は七夕だというのに。
帰路、運転しながら私はあの二人の短いやり取りがなかなか頭から離れなかった。
私は週一回、土曜日に隣町の古い理髪店へアルバイトに行っているのだが、最近店の売り上げが落ちているらしく、女店主から打開策がないかと相談された。
やはり廉価で早いチェーン店に客が流れているのだ。
母が経営する店は理容師・美容師を複数名雇っていて規模が違うことからなかなか有効なアドバイスが思いつかず、困った私は自分の常連さんに意見を求めた。
「ポイントカードはどうかしら?」
「そうだね、一人店主のお店だと、ポイントがたまった時の値引き額が負担になるかもしれないね。かと言って、値引くなら思い切った額にしないと客は魅力を感じないだろうし。
ただ、僕をはじめ、年配の男性はあまりポイントカードって使わないよ。
恥ずかしいと思っていたり、面倒だったり。
うーん、店の負担にならず、しかもポイントを貯めたいと思ってもらうためにはどうすればいいか、、。
女店主の常連さんたちが離れないようにすればいいんだよね?
じゃあ、こんなのはどうだろう。
5ポイントで靴磨きサービス。
もちろん、本格的に磨くのは時間も手間もかかるので、クイック靴磨きサービスと銘打って。
それを客の目の前で行なって、文字通り、「頭のてっぺんからつま先まで」ピカピカになって帰れる嬉しさを提供する。
これを特別なサービスと思わせるのは、声掛け一つだと思う。
でも、サンダルなどでくるひともいるだろうから、もう一つくらい考えると、、フェイスマッサージ。これも、クイック靴磨きと同じくらいの時間で。
年をとると、顎の筋肉が硬くなって口が開きにくくなるんだけれど、そこをタオルかガーゼの上からもみほぐす。
これはいいものだよ。
これで常連客のハートをつかめないかな。
それはそうと、きみのポイントカードは作る予定ないの?」
1970年代半ば、アメリカの黒人ブルース好きが高じた大学生を中心に、日本の各地でブルースのコピーバンドが生まれた。京都のウエストロード・ブルース・バンド、金沢のめんたんぴん、そして博多のサンハウス。
彼らは進化を続け、初めは好きな曲に日本語の歌詞を載せたり、リフやメロディを自作に借用したりして敬愛の念を表現していたのが、やがてオリジナル曲の作成までたどり着いた。
この「あとの祭り」は、ハウリン・ウルフの「ゴーイング・バック・ホーム」(1957年)~フリートウッド・マックの「アイ・ラヴド・アナザー・ウーマン」(1968年)にレコードデビユー前のサンハウスが日本語詞をつけた、いわば“孫引き”の曲だ。
ブルースの歌詞の内容は、大まかに分けると二系統しかない。
一つは日々の貧しい生活や辛い労働、苦しい失恋を嘆くもの。
もう一つは、人種や貧困などのコンプレックスの裏返しの強がり、いきがりや欲望をユーモラスなダブルミーニングを使って表現した猥雑でエネルギッシュなもの。
「あとの祭り」は前者である。
あとの祭り
(鮎川誠)
おれのあのこは いっちゃった
おれのあのこは いっちゃった
おれはひとりぼっちに
ぎゃくもどり
ほんの少しの荷物を持って
ほんの少しの荷物を持って
有り金はたいて
汽車にのって
いまさら分かっても あとのまつり
いまさら分かっても あとのまつり
一番大切なもの
なくしちまった
だれかがおれの うわさしてる
だれかがおれの うわさしてる
おれの心 だれにも
わかるもんか
4曲目、11分48秒から。
平成30年度 市内中学校・市内介護サービス事業所連携事業(担い手育成事業) 報告書
実施主体 K市・福法組
日時 平成30年 6月 1日(金) 午後1時25分から午後3時15分まで
会場 J中学校 体育館
担当法人 NPO法人なごやか
参加者 W居宅管理者 KCM OCM M管理者 K事務主任 ICM(報告者)
対象 J中学校3学年62名
内容
①認知症クイズ 13:35~14:35
3名の講師が二択問題と〇×問題を出題し、解答・解説を行った。視線の置き所があった方が良いと考え、ホワイトボードへ認知症の中核症状と周辺症状を図で表した模造紙を1枚、認知症を予防するための項目を記載した模造紙を1枚、計2枚を貼り出した。
各講師が準備した資料もあり、耳で聞いて、目で確認して、なおかつクイズ形式(参加型)であったことから、集中力を欠かない工夫ができた。貼り出した模造紙を熱心に書き写す生徒の姿が多く見られた。
②認知症劇×2 15:45~15:10
1、ごはん、まだだべが?
役者) おじいさん(伝助)・・・ICM
お嫁さん(たか子)・・・K事務主任
孫 ・・・生徒
悪い例を実演後、M管理者が生徒たちから意見を聞き出し、それらの意見を積極的に劇に反映させながら良い対応例を実演した。
2、家に帰ります。
役者) おばあさん(トメコ)・・・W居宅管理者
お嫁さん(ひろみ) ・・・KCM
孫(ゆき) ・・・OCM
近所の男性 ・・・K教諭
・事前にK教諭が劇に参加したい生徒を決めておいてくださり、そこはスムーズに進められたが、当人が緊張ぎみで困った様子であったため、認知症であるはずのおじいさんが気を使うシーンがみなの笑いを誘った。
・前年度と同じシナリオにも関わらず、今回もアドリブがきいた楽しい劇が繰り広げられた。
まとめ 初めて参加したM管理者は同校PTAということで、和気あいあいとした雰囲気のなか、昨年度以上の大成功であった。 生徒たちは意欲的にメモをとり、認知症についての理解を深めようとする姿勢がすばらしいと感じた。劇においても積極的に参加し、大変盛り上がった2時間であった。講義前には、福祉の仕事に携わりたいとの希望があった生徒は1名であったが、講義後には、3名の生徒が福祉の仕事に興味を抱いたとの結果であった。
その他 終了後は、校長室で改めて本担い手育成事業の必要性をお伝えすることができた。また、校長先生をはじめ、先生方との関係性も良好に築くことができていると感じている。
なお、校長先生は当法人の理事長と高校時代、同級だったそうである。
次回の開催は、来年度予定となる。