リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

積雪です!

2025年01月10日 11時39分10秒 | 日々のこと

昨日は当地でも雪がちらつくという話がありましたが、今朝起きてみましたら雪が降っていてうっすら積もっています。実は朝所用があって車で行かなくてはならないのですが、ちょっと甘く見ていました。駐車場に行くと雪が車を覆っていたので、四方のガラスエリアの雪を落としてから出発です。

写真の場所は国道1号線の三重県と愛知県の県境にかかる尾張大橋です。木曽川の河口です。左に霞んで見えている鉄橋は近畿日本鉄道名古屋線の鉄橋です。

車載の温度計はマイナス1.5度になっています。実は昨日冬タイヤに替えようと思っていたのですが、雨がちでしたので止めておきました。こんなことになるのなら無理してでも冬タイヤに替えておけばよかったのですが、もう遅いです。

幸い途中大した積雪にはならずスリップすることもなく無事目的地に到着しました。途中一瞬スリップ警告灯が車のインジケーターに点灯しましたが。

帰りはもう晴れていて普通に道を走ることができました。このあたりは積雪といってもこんな程度ではあります。これでまぁいいか、と思ってしまうので今年も冬タイヤに替えるモチベーションが少し減りました。


サンタ・アナ風

2025年01月09日 21時16分37秒 | 日々のこと

日本では寒気が近付いていて西~北日本の日本海側を中心に雪が降っています。JPCZという雪をもたらす寒気の流れの当地直撃はなさそうですが、その何分の一かはこちらに流れ込んでいるみたいで外の風はえらく冷たいです。

アメリカではカリフォルニア州南部で暴風が吹き荒れていて、大きな山火事が発生しています。ロサンゼルス郊外に住むセレブたちの住宅にも被害が及んできているそうです。

娘が住んでいる地域では火災は起こっていませんが、風が強くて学校も休みになったそうです。この風はサンタ・アナ風と呼ばれているこの時期に吹く強い風ですが、今回のは特別級の風らしく時速100kmとのことでした。台風式に言うと約30m/秒の暴風ということになります。台風は移動性低気圧なので多くはさっと過ぎ去りますが、サンタ・アナ風そうではなく長い時間吹き荒れしかも乾燥していて高温です。停電も発生している模様で、娘の住宅の隣の住人によるとここ20年来で最も強いサンタ・アナ風とのことです。

日本の識者の中にはトランプが環境対策に不熱心なので今後はもっとこういった被害が増えるとおっしゃる方もいらっしゃいますが、ちょっと次元が違う話のような感じがします。なんでもトランプのせいにすればいいというものではありません。

とはいえ乾燥した高温の山風が枯れ葉をこすって火災になることもあるので、森林の環境整備には力を入れていく必要があるでしょう。それと山火事は火の不始末が原因というのも多いようで(こっちの方が多いという話もあります)そちらの方の対策も必要ですが、実際にはそういう人たちにはどう対処したらいいんでしょう?

 

 


金属巻き弦

2025年01月08日 20時35分18秒 | 音楽系

ドイツの販売店に注文していた金属巻き弦が届きました。昨年の12月28日に発注ですので、10日あまりで到着です。1月2日にガムート社に発注したナイロン弦も同じ日に到着しました。こちらは送料がエライ高い(5000円超)だけあって到着は早いです。到着が少々遅くてもいいですから、もう少し安いプランを用意して頂けるといいのですが。

注文した金属巻き弦はサヴァレスのNFCという銅巻き線です。ナイロン弦はバロック・リュートとバロック・ギターの分が中心で、今回元交換予定のAttiorbatoの分は1,2コース分だけなので「ついで注文」です。

さて、まず6~8コースだけ替えてみてバランスを見て見ました。弦長が長くなる8、9コースの段差はそこそこですが、6コースと5コースの音色差が大きくちょっと気になります。モーリスのフレンチ・テオルボがこのパターンでとてもうまく行ったのですが、やはり弦長が異なると同じようにうまく行くとは限りません。

せっかく14コースまでの分を買ったので一応全部張ってみました。6~14コースが金属巻き弦ということになります。しかしこれはいけません。あまりにギンギンにバスが鳴りすぎます。以前使っていたルーデスのAttiorbatoだとこのパターンでそこそこバランスがとれていましたが、方向性が異なる楽器だとこうも異なった結果になるものだと思ったことです。

結局張り直した金属巻き弦は元のCD弦に戻しました。やはりこちらの方がずっとバランスがいいです。あと「ついで注文」の1、2コースにそれぞれ0.02mm太い弦を張ってみましたが、張力が400g増えた分の音量増効果は感じられず音色が暗くなっただけでしたのでこれも元に戻しました。(1コース→0.44mm、2コース0.58mmに戻しました。張力は2本とも3.5kg前後です)

なんか弦張りに随分無駄な時間を使ってしまったみたいですが、ここは楽器が異なると弦のスキームが大きく変わるという教訓を得たということで前向きに考えておきましょう。あとナイロン弦と同じ日に注文したCD弦がもうそろそろ届きますので、到着したら現行のCD弦の張力不足コースや中古弦を張ったコースの分と入れ替えたいと思います。

それにしてもドイツやアメリカの物価上昇と円安で経費がかかります。

 


日本の改善(3)

2025年01月07日 15時59分15秒 | 音楽系

この連載最終回のお題はEVです。EV先進国といわれているスウェーデンで街を走っている車にとても関心がありました。

それほど頻繁に街歩きをしていたわけでもないので正確な話ではないのですが、肌感覚ではEVの比率は1~2割といったところでしょうか。確かに名古屋市内より多くのEVが走りテスラやアウディのお高いEVも見かけましたが、多くがEVという状況ではありませんでした。排ガスのにおいもたっぷりしていましたし。

アウディのQ4 40 e-tronです。日本で買うと700万を超えるお高い車です。

ラースが5年前に購入した日産リーフに乗っているというのは以前のエントリーで紹介しました。スウェーデンは寒いので電気自動車は航続距離が短くなるのでは、と尋ねたらまだ100kmくらいは走るとのことでした。

恐らくラースは車で長距離移動はしない人でしょう。電気代も安そうなので低いランニングコストでその辺のチョイノリの需要には十分だということです。

ボルボは著名なスウェーデンの自動車メーカーですが、今は中国資本ののメーカーになっています。中国のEVシフトに合わせてボルボも早々と2030年頃までに販売する車をすべてEVにすると宣言したものでした。確か数年前です。それが昨年の秋にはコロッと撤回しています。

EV化によってゴールポストを変更して自動車産業で優位に立とうとした中国ですが、その「EV聖地」の中国でNo.1メーカーのBYDの販売内容に異変が起きているみたいです。BYDはテスラに続く巨大EVメーカーに成長しましたが、最近はプラグインハイブリッド(PHEV)の販売が急増しているようです。これってなんのことはありません、トヨタが言っていた「現実解」ってやつですよね。

スウェーデンの人もラースのように使える条件があればEVを使う、そうでなければ内燃機関(ICE)やPHEV,HEVを使うという是々非々の姿勢をとるのが一般ユーザーです。日本ではスウェーデンではもはやEVが大勢を占めているようなことをいういい加減な自動車評論家もいますが、一般ユーザーはそれを聞いてEVシフトするようなアホではありません。


湯の峰温泉

2025年01月06日 08時46分19秒 | 日々のこと

お正月をゆっくりと過ごそうと和歌山県の湯の峰温泉あづまやという旅館に来ています。三重県の最南端の町、紀宝町に隣接する和歌山県新宮市から内陸部に向かい40分ほど車で行ったところに湯の峰温泉はあります。ここのつぼ湯はなんと世界遺産です。

ここは周りに火山がないにもかかわらず90度以上の高温の硫黄泉が湧出するというめずらしい温泉で以前から注目していました。でも多分狭い山道を行かなくてはならないだろうと思い込んでいたので行くことはありませんでした。

コロナ禍真っ只中だった4年ほど前にここだったら誰もいないだろうからコロナに感染するはずはないだろうと考えて思い切っていってみましたら、意外にも道はきちんと整備され途中の紀勢道も大半が無料となかなか交通の条件がいいところでした。実際この温泉地には当時本当に人がいなくて、観光地であるはずなのにウチの近所より人が少なかったくらいです。以来わが家の温泉旅行の定番になりもう何度も訪れています。最近はさすがに訪れる人が増えてきました。

朝の7時ころ。人がぽつぽつと出てきています。正面のお寺さんの奥には昨年リニューアルした公衆浴場、左奥に世界遺産のつぼ湯があります。

ここの温泉の泉質は評判に違わず素晴らしいのひとことです。高い温度の白濁した硫黄の湯は鹿児島や箱根の温泉を想起させますが、紀伊半島には火山はありません。昔このエリアには熊野カルデラというのがあったらしいですが、1200万年前に破局的大噴火を起こしたそうです。熊野カルデラは白浜から内陸部の湯の峰を結び本州最南端の串本の少し南の紀伊勝浦を結んだ半円部分が現在の紀伊半島南端にあります。半円の下半分は海底にあるそうです。

私の勝手な想像では、和歌山の著名な温泉がこの熊野カルデラの淵に沿って点在していることから今は火山がなくてもかつての火山活動に起因した温泉が存在しているのではと考えています。白浜も湯の峰も紀伊勝浦もそれぞれ素晴らしい泉質を誇っています。鹿児島の姶良カルデラや神奈川県の箱根カルデラの淵にそって温泉地が連なっているのと同じです。

今日はこちらは小雨が降っていますが、熊野本宮や速玉神社に初詣にでかけようかと思っています。

 

 


日本の改善(2)

2025年01月05日 17時28分30秒 | 日々のこと

ストックホルムのアーランダ空港は愛知県の県営名古屋空港なみのシンプルな空港でしたが、乗り換えのヘルシンキ空港はとても広く新しい空港でした。日本の空港にこのレベルの空港がないのはとても残念です。

乗り換え便までかなり時間がありましたので、カフェの一角で楽譜書きの仕事をしましたがテーブルの目の前に設置されている電源に「この電源はクリーンな電気が使えます」という表示がありました。私のノートパソコンはクリーンな電気をいっぱい貯めこみました。クリーンな電気で清書したテレマンのトリオもクリーンな楽曲のはずです。(笑)

空港の一角に車いすが設置されていました。このあたりは日本の空港でも同じように設置されていると思いますが、ひとつ目を引くことがありました。それは車いすの後方に1.6mほどの棒が立っていて一番上に小さな旗がついていました。

フィンランドの街中で車いすは見ていませんが(そもそもヘルシンキはトランジットだけでしたし)バーゼル市内でときどき見かけた車いすも同様の仕様でした。

桑名市内でもたまに街中で車いすを見かけますが、高さが低いので車の事故にあわないかひやひやしながら見ています。後ろに高めの棒と小旗をつければ相当安全性が増すと思うのですが。

少し前マリオカートが都内で走り回っていることが問題になりました。あれは車いすよりさらにタチが低いです。ネットで写真を調べてみましたら、ポールを立てている車もありましたが、ないものもありました。あんなのが街中にうろうろしていたら車の運転が危なくてしかたありません。今はどうなっているんでしょう?

 


日本の改善(1)

2025年01月04日 15時04分34秒 | 日々のこと

わたしは決して「かぶれ」ではありませんが、昨年ストックホルムに滞在して日本も早く見習わなければいけないなと感じたことがいくつかありました。

キャッシュレス決済が進んでいるというのは前に書きましたが、日本が特に遅れているというわけではありません。でも日本の場合キャッシュレスのブランドが妙にたくさんありそれらに対応するインターフェイスがばらばらで大変使いにくいのです。

バーコードを使うものもあれば、タッチ決済のピッで済むものもあります。それでもってバーコードの読み取りが上から読み取るのか下から読み取るのか、はたまた少し離れた横っちょに置いてある端末にかざすのかバラバラです。そして多くは少し高い位置にあって平置きです。

ストックホルムの街中にあったレストラン、コンビニ、その他商店の場合は全て同じ方式です。カードのタッチだけでしたけど。そしてこれが重要なんですが、読み込みの端末は大体皆同じ形で平置きではなく縦置きでした。縦置きだとユーザーがポケットからカードを出してすぐに端末に当てられます。そしてちょうどユーザーの視線の前に置かれていました。

日本のこの手の端末はカードやスマホを「置く」という意識が設置者にあるようです。この意識を「当てる」に変えるだけで相当使い勝手がよくなるのではないでしょうか。今の日本のインターフェイスはバベルの塔状態です。このあたりは消費者庁あたりがガイドラインを出すことでかなり改善されるのではないでしょうか。改善自体は技術的にそう難しい話ではなくどちらかというと意識の問題、ユーザー側に立っているかどうかの問題だと思います。

 


段差

2025年01月03日 15時30分30秒 | 音楽系

ラース・ジェンソンの新作Attiorbato はまだ本格的に弾き込み始めてまだ数日ですが、日に日に音が前に出るようになってきました。(本当はもう少し弾けたはずですが、インフルエンザにかかっていたのでその間はほとんど楽器に触っていません)

ペグのすりあわせも何度もペグコンポジションで調整しつつ回していますのでだいぶこなれてきました。ラースの楽器のペグはもともととても固い(回すのに力が要る)ですが、慣れるとそのほうが安全性が高いので好ましいです。

昨日発注した弦は早くも発送が終わったという連絡が来ました。前回注文したときは忘れていたみたいでこちらから催促したら発送してくれました。それと比べたら大進歩です。そう、やればできるんです!

今回のAttiorbatoは64cm/88cmで長いバス弦との段差が24cmです。弦を弾いた感じではあまり段差感を感じません。片やモーリス・オッティジェー作のフレンチテオルボは75cm/116cmで、41cmの差があり音にかなり段差感がでます。これを解消するためにサヴァレスの巻き弦を6~8コースに張っています。こうすることによって9コースにはいったときの音の段差感はほぼなくなります。

Attiorbatoの場合、バス弦自体が88cmと短めでそもそもガンガン音がならないことに加えて段差が24cmしかないので段差感がでないのだと思います。1~6コースが60数センチの同じような楽器でもバス弦の長さがその倍以上ある楽器がありますが、それだとかなり音の段差感がでるでしょう。

バス弦が100cmを超えると調弦がなかなか大変です。しかもそれが複弦だったりした場合はもうやってられません状態になります。その点私の楽器だと全てのコースのペグに演奏姿勢のままで手が届きます。バス弦のド「迫力」はありませんが、その分扱いは楽です。シングル弦仕様で64cm/88cmにしたのはそういった実用性を考えてのことです。

アマチュアの人で見てくれがいいということでバス弦が160cmくらいあるイタリアン・テオルボを買おうという人がいますが、絶対にやめた方がいいですよ。そういう楽器を弾いている人の演奏を聴いたことがありますがもうバス弦の調弦は放棄しているみたいで狂ったままで弾いていました。まぁそれで気にならないのでしたらそれはそれでいいのかも知れませんが。(聴いている方は気になります)

テオルボならバス弦が110数センチのフレンチ・テオルボで充分すぎるくらい音が出ますし、バス弦の長い楽器をというのなら私の楽器くらいのサイズで充分です。


どういう弦を張るか

2025年01月02日 16時35分50秒 | 音楽系

昨年末に私の楽器たちの仲間入りをした Attiorbato ですが、どういう弦を張るか試行錯誤中です。というのも一応このセットでということで組み合わせた弦をラースに送って張ってもらっていたのですが、どうもいいセットだったとはいえません。

セットは1,2コースをGamutのナイロン、3コース以下をカーボン(Savarez KF)で張ったのですが、そもそも弦の精度が揃いも揃ってよくありません。正確なゲージで定評のガムートナイロンまでが運悪く振動がよくありません。

そこでバロック・リュートで定着しているソリューションに基づき、1,2コースをガムートナイロン、3,4コースをKF(カーボン)5コース以下をローデドナイルガット(CD弦)で張ることにしました。張力は全弦3.5kg程度に揃えました。

弦長が64cm/88cmと短いのでいっそ6コース以下を金属巻き線という線も考えられますが、今回はとりあえず手持ちの弦から上記のソリューションで行くことにします。

ただ手持ちの弦で全て用立てることはできず、中古品(なんかのときのために古い弦は保管してあります)を使ったり、少し張力不足の弦も使ってなんとか揃えました。

2月のコンサートでこの楽器を使う予定ですが、果たして通奏低音のバスの音が通るか若干心配ではあります。12月のコンサートでは同じ弦ソリューションのフレンチ・テオルボを使いましたが、弦長が十分に長い(75cm/116cm)ので全く問題はありませんでしたが、この80%以下の弦長の楽器でどうなるかはやってみないとわかりません。中音、高音域はよく音が通るのでいいような気もしますが。

不足している分と予備の分を合わせたCD弦はドイツの販売会社に発注しました。念のため、同社には巻き弦セットも発注しておきました。まぁ保険みたいなものですね。巻き弦だとギンギンに鳴りすぎるかも知れませんが。


謹賀新年

2025年01月01日 16時42分41秒 | 日々のこと

明けましておめでとうございます。旧年に引き続き今年もよろしくお願い申し上げます。

ストックホルム中央駅のすぐ近くにあります、旧郵便局の建物を背景にしました。このクラシックな建物は、現在はいくつかのオフィスとして使われています。

今年はバロック音楽の旅17の第5回のコンサートが1月末、そして2月初めには第6回コンサートがあります。第6回コンサートには私が通奏低音を担当しますので、新しく入手したアッティオルバートを使う予定をしています。

5月には昨年に引き続きリサイタルを予定しています。今年のプログラムはト短調をテーマにフランス、ドイツそして現代の曲で組んで見たいと考えています。

5月と10月には桑名六華苑ミニコンサート、6月には恒例の今村泰典講習会、そして9月か10月からスタート予定のバロック音楽の旅18と続きます。

以上が今年のコンサート活動の予定ですが、依頼があればもうひとつふたつ入れてもいい気もします。でもこの手の依頼は割と都合のいい時期には来ず不思議と忙しい時期に来る傾向がありますので受けることができないときもあります。まぁなるようにしかなりませんが。