リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

走れメロス

2009年10月31日 13時45分51秒 | 音楽系
家内に出来上がった曲を聴かせていましたら、古いテープを持って来て、私が演劇走れメロス用に作った曲だというので聴いてみました。作ったこと自体全然覚えていませんでしたが、曲を聴いてみましたら、手堅い作りのなかなかいい曲です。(笑)でも自分が作った記憶が全くないので、本当に自分の曲かと尋ねたら間違いなくそうだとおっしゃる。

うーん、結構凝ったハーモニーや転調をしているし、アレンジもプロのアレンジだし、でも音質は安っぽいシンセの音質。何回聴いても自分の作品だということが思い出せませんでした。それで、コンピュータのファイルを探してみましたが、89年以前のレコンポーザファイルは残っていません。その曲は87年に制作とのこと。

家内は意外にも物持ちがいい人で、シナリオに挟んであった、楽譜を見せてくれました。確かにそれは私の自筆で歌詞まで書いてありました。この歌詞も私が作ったそうです。うむ、何となく思い出してきました。そういやこんな曲作った気がします。そこで、本棚にある楽譜ファイルを探してみましたら、なんと自筆スコア発見!間違いなく私が作った曲です。

でも昔作った曲でもほとんど全て覚えてるのに、なんでこの走れメロスの劇音楽だけは記憶に残っていなかったんでしょうねぇ。チャチャッと作って、パッと録音したので忘れてしまったのかも。しかもその劇そのものは見てないし。ま、そういうこともあるんでしょう。でも22年も前に作った忘れていた曲に「再開」するのは、例えば25歳くらいの女性が私の前に突然現れて「お父さん!」と呼ばれたみたいな(そんな経験はありませんが)感じですね。(笑)この音楽は今度機会があったら、今の最新のシステムで再録音してみたいです。

学芸会の劇音楽

2009年10月29日 10時13分01秒 | 音楽系
小学校に勤めている家内の学校で学習発表会がありまして、演劇のための音楽(ほとんど歌の伴奏です)を久しぶりに制作しました。以前も何回か制作したことがありましたが、今回は作曲はなしで、すでに出来上がっているのを打ち込むだけです。劇は新美南吉のごんぎつね。曲は長嶋亨さんの作曲で、素朴なタッチの曲で小学生があまり無理なく歌えるように工夫されて作曲されています。

今回は初めてSonar 8を使いました。以前はLogicを使っていましたが、Logicのソフトハウスがアップルに買収されたために、Logicはマック専用になってしまいました。6月に自作5号機を作るときに、いっそ作るの止めてマックにしようかなと思ったのは、実はLogicが使えるのが一番大きな理由でしたが、ミュージックインターフェースをマックで使えるのに買い換えたり、その他のソフトを買い換えたりする必要が出てくるので結局やめました。でも、ウィンドウズしか動かないのは、ブートキャンプ(でしたっけ?)でウィンドウズを走らせばいいし、買い換えの周辺機器やソフトも何十万もするものでもないので、今思えばやっぱりあのときスパッとマックにしとけばと思わないでもないです。でもまぁ月に1,2回フリーズするXPでも別に途中で止まることは一回もないので、それでいいかなって感じもします。

さて、Sonarによる音楽制作ですが、入力はSibelius 6で入力して、それからMIDIファイルを出力して、そのファイルをSonarで読み込んで作り込むという方法を取りました。この方法はコンピュータのキーボードだけでとても素早く入力できる便利な方法だと思います。

最近はハードウェアのシンセサイザイはもはや音楽制作に必要なく、ウチのミニスタジオにあったM1(漫才ではありません。コルグの往年の名機です)をはじめとしたシンセは皆息子にやったり米兵(アメリカの兵隊さんではありません。コメヒョウと読みます。名古屋の有名な質屋さんです)に売ったりしまして、今はローランドのXV-50801台しかありません。今回はそれは使わず全てソフトシンセだけで作りました。

20何年か前はPC9800で動くカモンミュージックのレコンポーザでデータを作り、それでシンセを鳴らし、シンセのアナログ出力をカセットにつないで録音していましたが、音質はいま一歩というところでした。その後だんだん進化してLogicを使うようになったり、出力をDATにしたり、CD-Rにしたりしていきだんだんコンピュータの中での作業が増えていきましたが、今回は完全にコンピュータのみです。ケーブルでつながっている機器は一台もありません。

コンピュータで音楽制作をするのは、実は8年ぶりでして、そのときは三省堂の英語教科書のための音楽を制作いたしました。(現行の三省堂英語教科書でもまだ一部使われています)そのときは、すでにほとんどデジタルでコンピュータ内の処理が多かったですが、XV-5080だけは使っていました。でもそれも不要で高い音質で音楽が作れるのですから、昔の苦労はいったい何だったんでしょうねぇ。何か、アナログでカセットに出力していた頃が100年くらい昔の感じがします。(笑)

制作した曲は10曲。リサイタルの準備やらいくつかコンサートを抱えてその合間に打ち込んでいましたので、結構あわただしかったですが、とてもきれいに仕上がりました。何曲かは、もうSonarに持っていかないで、Sibelius 6の音源だけで仕上げました。Sibeliusもヴァージョンアップされて、内蔵ソフトシンセの音質がとてもよくなりました。

7本目にして・・・

2009年10月27日 21時08分15秒 | 音楽系
バロック・リュートの3コースの弦が、振動不良でしたので、交換しました。実は先日の六華苑のコンサートは、その振動不良弦でやりました。注文してあった弦が到着したのが、コンサート直前だったので、交換せず、まぁだましだましやったわけです。

で、昨日から交換していますが、もう不良品ばっかりで、少々頭に来ています。弦はP社の直径0.65ミリの研磨ナイロン弦ですが、6本も振動不良、音程不良です。開放弦で音程の揺れがありすぎて、そもそも開放弦で2本の弦が合わない。ちょうどピントが合わないレンズみたいです。そういうのが3本、残りは、音程が異様に狂ってました。今回念のため8本注文しておいたんですが、残りあと1本というところで、やっとまともな2本になりました。あぶなかったです。(^_^;)

2コースの0.525は2本目でよかったですし、1コースの0.45はなんと一発でオーケー。こういうこともあるんです。倍くらいお金を出してもいいから、一発でぴたりとそろう弦を出してくれませんかねぇ、P社さん。3倍くらいなら出してもいいですよ、ええ。なにしろ手間が大変ですから。

一応P社さんの名誉のために申し添えておきますと、巻き弦はめったに不良品はでません。それにP社の研磨ナイロン弦は私の好みの音でもあります。ですから、不良品が多く出ても、選んで使っているわけです。それから念のためにもうひとつ申し添えますと、「不良品」なんていってますが、実際は非常に微細なレベルの話です。気にならない人も結構いるというレベルかも知れません。ですから世間的には「不良品」ではないのかも。このあたりが難しいところで、P社に「不良弦」を送り返してやろうか思案するところです。

海外送金

2009年10月26日 12時30分52秒 | 日々のこと
最近円が安くなってきてますね。9月の終わり頃何冊か生徒が使う楽譜をアメリカとイタリアに注文しましたが、この頃は安く買えました。9月と10月のはじめに弦をドイツに発注したときも、安かったです。しめしめもうけた、と思ったもんですが、先週ドイツの録音スタジオの使用経費を送金したときは、かなり円安気味で、もう少し早く送金しておけばよかったと後悔してます。でも為替相場というのは、なんともわからないものですから、得するときもあれば損するということでしょう。

ドイツの録音スタジオはLottsteten-Nackというところにあります。11月の終わり頃に録音に行く予定ですが、その町をスイス地図で見ましたら、載っていました。ライン川のすぐ近くにある田舎の町で、生活圏はスイスとかなり密接につながっているところなんでしょう。

こちらから行く時も、フランクフルトやミュンヘンから入るよりも、チューリヒから入った方がはるかに近いところに位置しています。録音スタジオの銀行口座もスイスの口座でした。

送金は郵便局から送ったんですが、これが結構ややこしかったです。というのは受取人の住所はドイツですが、口座がスイス。そういうケースは対応していないようで、受取人の国と口座の国が一致していないといけない、と言われました。でもそんなこと言われても、勝手に一致させる訳にはいかないしねぇ。

郵便局の方は、東京に連絡を取って対応していましたが(大げさですねぇ)、結局へんてこりんですが、受取人の住所の一部を変更して、国名をドイツではなく、スイスにしてください、ということで対応してもらいました。でも、これって正しくないので、大丈夫なのかしらん。

桑名六華苑コンサート

2009年10月25日 16時55分51秒 | 音楽系
今日は六華苑で無料ソロコンサート。六華苑で今年は4回行うシリーズコンサートの第3回目です。プログラムはリサイタルの曲目と重ならないように、フレンチとジャパニーズ(笑)で組んでみました。

フレンチは、ゴーティエの作品から何曲か。秋まっただなかで、少し曇り気味の日には、彼の作品がよく合う感じがしました。ジャパニーズは、伊福部昭のファンタジアと自作のザ・ナイトフライト(夜間飛行)を演奏しました。リュート界と作曲界の大家のあとに自作をあつかましくも持ってくることは多少気が引けましたが、まぁ軽い曲でシメということで。

このプログラムで1時と3時の2回演奏しましたが、自分でやっていて、私の作品はいうに及ばずゴーティエまでも伊福部作品にくわれてしまった、という感じが残りました。10分程のこの作品、こういうところでやるには少々重すぎるかと思いましたが、重文の洋館の雰囲気と秋の季節にぴったりで、聴衆のみなさんにじっくりと聴いて頂くことができました。

この作品はほとんど知られていませんが、(ある方を通じて伊福部氏の遺族の方に演奏の許可をお願いしたときに、ご遺族はこの曲が弾かれるのは極めて珍しいとおっしゃっていましたとのことでした)よく練られたバロックリュートの技法で書かれた、伊福部昭の魅力が一杯の傑作だと思います。この曲がどっかの出版社から出版されるといいんですけどねぇ。

六華苑のコンサートシリーズ次回は11月8日で、ギターの山田陽介とフルートの舟橋諭美によるコンサートです。

古楽de酒蔵コンサート

2009年10月19日 11時59分29秒 | 音楽系
昨日は、名古屋市守山区の東春酒造でコンサートでした。



これはチェンバロの小原道雄君がこの時期に企画しているコンサートで昨年もご一緒させていただきました。今年はアルビノーニ作曲のオペラ・ブッファ「ピンピノーネ」全3幕を上演しました。バロック音楽の時代のオペラなので、ロッシーニやヴェルディなどのオペラとはスタイルが異なり、バッハのカンタータなんかと基本構成は同じです。中身はまるで違いますが・・・

この作品はオ舞台設営はなく(してもいいんですが)、歌手は2人、オケも各パートひとりずつと通奏低音3人と言った編成です。当日のプログラムの解説から引用しますと、

・・・神話や伝説を熱かったオペラの幕間に、純粋に笑いの要素だけでできた小さな舞台作品が演じられるようになりました。この頃から、前者を「真面目なオペラ」という意味のオペラ・セリア、後者を「おどけたオペラ」という意味でオペラ・ブッファと呼ぶようになりました。・・・

で、昨日のは不真面目な方のオペラで(笑)、成金男ピンピノーネのメイドになり、さらに妻になったヴェスペッタの二人にまつわるたわいないお話です。イタリア語がリアルタイムでわかれば、会場は漫才をやってるみたいで爆笑の渦になったはずですが、このあたりはちょっと残念でした。もちろん対訳は配布されていますので、おもしろおかしいやりとりの内容は理解されて楽しんでいただいたと思います。



会場は昔ながらの製法にこだわる東春酒造に残されている古い酒蔵です。なんでも名古屋城の櫓を建設する木材を譲り受けて作ったそうです。今は酒造りには使用していませんが、なかなか響きがよくバロック音楽のコンサートには大変てきしています。蔵の中は古い鬼瓦や家具、明治時代の列車時刻表など歴史を感じさせるものがさりげなくおかれています。明治35年の関西鉄道時刻表を見ますと、桑名・名古屋間は45分かかっていました。私は別にテッチャンではありませんが、なかなか興味深いです。

コンサートの出演は、ソプラノ:小林史子(ヴェスペッタ)、バリトン:出来秀一(ピンピノーネ)、バロック・ヴァイオリン:熊谷祥子、荻野美和、バロック・ヴィオラ:渡邊瑞衣、ヴィオラ・ダ・ガンバ:熊谷寿彦、テオルボ:中川祥治、チェンバロ:小原道雄でした。私のテオルボはモーリス・オッティガー作のフレンチ・テオルボで、ニ短調調弦にしてあります。

第2回バロック音楽の旅2009講座

2009年10月10日 20時48分09秒 | 音楽系
今日はバロック音楽の旅2009講座の第2回目、バロック・ヴァイオリンの荻野美和さんをお迎えしてのコンサートでした。通奏低音のチェンバロは、鈴木美香さん、会場はいつもの大山田キリスト教会です。8日に台風が通過して以来、からっとした秋らしい天気が続いていますが、今日も少し風はありましたが、とてもいい天気に恵まれました。

曲目は、ウッチェリーニ、コレルリ、ヴェラチーニのイタリア作品と、ビーバー、バッハのドイツ作品でした。大変親しみやすい選曲で、多くの方にとって生で聴くのが初めてのバロック・ヴァイオリンの魅力を存分に引き出していました。前回の入門講座でバロック・ヴァイオリンについて「予習」してありますので、今回はより多角的な鑑賞ができたのではなかったでしょうか。

今日のコンサートには49名の方にご参加いただきました。講座に申し込まれた方は54名ですから、9割以上の方にご参加いただいた訳です。年々この講座が定着してきていることを実感いたします。これもご参加頂いている皆様をはじめ、教会の方々、桑名バロック音楽振興会スタッフの皆様のお陰で、大変感謝しております。

次回は12月12日になります。次回もコンサートで、女性リコーダー合奏団、「ローゼ・ブロックフレーテアンサンブル」のコンサートです。

台風18号

2009年10月08日 17時12分03秒 | ローカルネタ
私の周りでは台風18号の被害はなかったみたいでしたが、久々の大きな台風でした。ここ何年か近所に上陸した台風はなかったんですが、今回知多半島上陸というのは、今までにあまりなかったような気がします。

紀伊半島とか足摺岬上陸という台風がこっちに来るとなかなか強烈です。18号もはじめは伊勢湾台風と同じようなコースをたどるなんて新聞に書いてありましたので、少々ビビッていました。ありとあらゆる方法を講じて家をガードしました。と言っても玄関の植木を風のあたらないところに置いたのと、2階ベランダの植木鉢を室内にいれて、あとは雨戸を閉じただけです。(笑)昔だと、台風が近づくと近所では窓に補強の木を打ちつけているをよく見ましたが、伊勢湾台風で懲りているウチの近所では台風に強い家をその後みなさん建てられたようで、そういった光景は見られなくなりました。

昨夜の9時を過ぎる頃から急に風が強くなり、深夜には暴風雨圏に入りました。朝5時半頃目を覚ましましたが、明るくなりかけている外を見ましたら、北の方から強い風が吹き横殴りの雨です。

台風が少し東にそれたので、我が家としては助かりました。ウチは南北に細長い家なので、東から吹く風はモロあたりです。おまけに東のお隣さんの2階建てがすぐそばまであったのが、新築されてずっと離れてしまいました。おかげで東側は相当風当たりが強くなりました。ウチの3階は雨戸がなく、窓の強度があまりありません。普通の雨風には何も問題がないのですが、20年近く前に台風の直撃を受けたときは、その窓に大量の雨が当たったために、周囲から雨水がしみてきました。そのときは南に向いている玄関にあったものも少しとばされました。

今回は幸いに東側からの風はなく、北風のみでしたので、我が家として受けた風は最小限でした。ただ、北に向いている屋根に取り付けてある天窓から雨水がもれて、その真下にあった私の衣類が濡れていました。たいした雨水の量ではありませんでしたが、漏れたのは間違いありません。天窓も古くなっているので、メンテが必要な時期になっているのだと思いました。

大型接近!

2009年10月06日 18時49分39秒 | 日々のこと
大型が接近してきました。いえ、台風ではなく、蚊です。部屋の中から出られないみたいですが、私がレッスン室でずっと仕事をしているので、そもそも出る必要がないようです。

朝、パソコンに向かっていたら妙に足下がかゆくて。足下をみると、黒っぽい大きなヤブ蚊です。意外にすばやくて、殲滅することはできませんでした。こちらは2カ所やられて、かゆいかゆい。その後たっぷり血を吸ったため昼寝にでもいったのでしょうか、出てきませんでした。

昼から中日新聞の取材で名古屋に出かけていまして、戻ってきて少し練習していましたら、またしても足がかゆくなってきました。朝やられたところに近いところです。どうして右足ばかりねらわれるんでしょ。なぜか低空ばかり飛行しているので、余計見つけづらいですが、見つかっても視力低下で索敵能力が若干低下していますので、攻撃は全て空振りです。こちらが空振りすると、ことさらに羽音をとどろかせて旋回して消え去ります。

蚊の命もそんなに長くないから、あさってには命はないだろう。あと1,2回くらいさされてもいいんじゃないか、と仏様みたいな慈悲の念がわいてきました。うむ、そうしておこう、と仏になりかけたそのとき、またしても足下に野郎が!今度は慎重に。超低空で飛んでいるので、手では無理です。スリッパをそっと持って、バシッと一撃。とその瞬間床は血の海(拡大した場合)この血は全て私のものだったんですね。じっとしていれば天寿を全うできたのに。でも自然界の掟は冷酷です。それにしてもさっき食われた足元、まだかゆいです。(笑)