リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

懐かしの写真

2006年09月30日 17時30分36秒 | 音楽系
先月ギターのグロンドーナのマスタークラスで通訳をしましたが、そのときお会いしたWさんをふと思い出して昔の写真をひっくり返してみました。彼は74年頃静岡県御殿場市で行われた、古楽器の講習会で私に会ったことがある、おっしゃってたんですが、どうも私は彼のことを思い出せませんでした。京都のギターの先生であるSさんといっしょに来ていたとはおっしゃるんですが、S先生は思い出しても彼のことは出てきません。うーん、きれいな女性ならきっと覚えてたんでしょうけど。

写真は意外とすんなりと出てきました。別にきちんと整理してあるわけではありませんが、昔の写真が入っている袋を見当つけて、その中の束になっている写真とネガにねらいを定めたら、2回目のトライで当たりました。

いやー懐かしいかったですね。件の講習会から数年もせず無くなったミヒャエル・シェーファーが講師で、私が受講中の写真も何枚かありました。通訳できていたつのだたかしさんも随分若々しい。写真には74年とありましたのでもう30年以上前ですね。

で、Wさんを探さないといけません。何枚か集合写真がありましたので、それに写っている一人一人を追っかけていき、グロンドーナのときにあったWさんの印象でよく似た方は・・・・っと、いました。うーむ、なんとなくお話をしたことがあったような・・・Wさんは、私と話をしたっておっしゃってましたが、私の方はボーっとしていたせいか、記憶に残っていません。昔の写真を見たら、あー、この人か、思い出した!ってなるのを期待してたんですが、残念でした。Wさん、ごめんなさい。

この古楽講習会の2年前には、同じ場所で一般に公開された講習会では日本で初めての古楽講習会がありました。ただそのときはリュートのコースはなかったんですが、無理矢理ヴィオラ・ダ・ガンバの大橋敏成先生のクラスにもぐり込ませてもらいました。このあたりの話は、前のブログ「バーゼルの風」に書きました。

74年のミヒャエル・シェーファーのコースは多分日本で初めての本格的なリュートコースだったと思います。当時はギターをやってた人がリュートに移るというケースがほとんどでしたので、当時最盛期のギター人口をバックに、多くの人が受講されたという感じでした。今年のホピーのコースと人数的には変わらないくらいです。当時の熱気を感じさせます。でも受講生のレベルを見るとこれは隔世の感があります。まだリュートをどうひいたらいいのかわからない人ばかりだったし、楽器もまともなものはごく一部でした。

最近は随分上手な人も増えてきましたし、楽器も当時とは考えられないくらいいいものが手に入るようになりましたし。やはり30年も経つと何もかも状況が変わってしまうんですね。あと30年後は如何に?

本番

2006年09月25日 10時31分02秒 | 日々のこと

久しぶりにバーゼルの天気をインターネットで見てみましたら、昨日の昼はなんと摂氏29度、夜でも22度。うーん、日本より暑い感じですね。もっとも湿度は低いし、明日は16度の予想ですから、こっちが本来の気温でしょうね。

昨日の本番のときは何かじめじめしていて楽器にはあまりよくない感じでしたねぇ。エアコンの空気でペグが突然ゆるむといけないので、まずホール入りしてから2台の楽器(ルネサンス・リュートとバロック・ギター)の全てのペグを少し突っ込んでおきました。ギアの糸巻きだとこういうことは気にしなくていいのですが、このあたりはいつも神経質にならざるを得ないのが辛いところ。

午前中のゲネプロ(英語だとジェネリハかな?)ではじめてコンサートの全貌がわかった(あ、こういう人は間際で雇われた私だけです、たぶん)ところで自分の動きを決めました。ギターは調弦がおかしくなるといけないので楽屋には持っていかずにステージの袖に置いておき、3つ前の曲が始まったらステージ袖に行って待機、そして演奏、戻ったらリュートだけ楽屋に持って行き、リュートの音階練習を20分(笑)って感じです。サムアウトでしかもラスゲァドがほとんどのバロックギター(しかもルネサンスより弦長が10cmも長い)からサムイン奏法のルネサンス・リュートに切り替えるのは結構大変です。ルネサンス・リュートの曲を何曲か演奏するのなら、調整しながらいけるのですが、一発勝負なので、それなりの対処が必要です。ま、普通はこういう風になるのは避けるんですけど、今回はなりゆきでそうならざるを得なかったので仕方ありません。

ステージから見ているとギターの伴奏をしていたおじさんが今度はリュートを持ってきてイギリスルネサンスのソロ曲を弾いたね、ということにすぎないですけど、裏はそれなりに大変でしょ?

別のリハーサル

2006年09月23日 23時56分47秒 | 日々のこと
12時半からリハーサル(コンサートは明日です。私は今日が始めてのリハーサル)が始まるというので、時間をきちんと守って会場の名古屋芸術創造センターに行ったんですが、リハーサルをやっている気配がありません。いっしょに出る人に聞いたら、今休憩中とのこと。他の人たちは午前からやっていたようです。私はアンコールを入れて4曲演奏するだけなので、12時半から来て下さいと言われたみたいです。でも休憩中なんですよね。

聞けば私が演奏する曲は3時からリハーサルが始まる由。まだ時間があるので、ミューズ(すぐ近くです)に行って、ビアンカ・ローザコンサートのぴあ用のチラシを持っていくことにしました。待っていてもすることないですもんね。

時間通り3時に戻ってきましたら、進行は押しまくりみたいでした。結局始まったのが5時前。待つこと自体が仕事のようです。何かチョイ出の俳優さんが出番を待っている感じ。(笑)

バロック・ギターの通奏低音はあまりしたことがなかったんですが、沢山の楽器の中でも意外に音がよく通るもんですね。やはりパーカッシブな音はインパクトがあるんですね。一曲中全部ジャンジャンやってるだけですけど、一音ずつコードが変わるので(しかも結構アップテンポ)まともにやっているとホントに左手が疲れます。この曲のリハーサルの途中で弾いてないときになんとも言えないけだるさがしました。ま、それも当然でしょうね。普通のそんなに頻繁にコードを変えて弾くことないし、それも5コースフルコードでバレばっかし。うーん、こんなのやってたら、あとのリュートソロが出来なくなります。まあでもこういうこともできないといかんのですけどね。

リュートを弾こうとすると、会場からC音のハム音が。なんでもプロジェクタからのハム音らしく止めてもらうことに。音が無音であればどんなに小さい音でも聞こえるので。それにしても芸創センターのアクースティックはよくないですね。このコンサートをヨーロッパの教会でやればホントにきれいに響くのにねぇ。

C音のハム音は聞こえなくなりましたが、今度はかすかなEs音のハム音が聞こえます。困ったもんです。名古屋のなんとか区小劇場のいくつかも完全無音にはならず、マイクなどのハム音が聞こえます。吹奏楽なんかだったら問題無いのかも知れませんが、リュートでは困りものです。このEs音はリュートソングが変ホ長調のキーなのでそれに合わせてくれたのかも知れませんが。(笑)

今回の曲はソロ曲を除き、みんなバレが頻繁に出てきます。今日は何回も弾いたので特にききました。明日はなるべく練習をしないようにしないと。(笑)

南下するムクドリ

2006年09月22日 19時09分08秒 | ローカルネタ
子供の頃桑名で一番高い建物だと言われていたのは、K薬局の3階建ての建物でした。今もそれは駅前にありますが、もはや高い建物でもなんでもありません。その頃は、多くの学校も平屋だったし、基本的に2階建て以上の建物はなかったで時代ですから。駅前に行ったときは、「おー、これかぁ。やっぱり高いなぁ」なんて口を空けて建物を見上げていたものでした。

今桑名で一番高い建築物は何でしょうね。たちの高いマンションも沢山建てられましたが、高さだけで行けば多分NTTの塔でしょう。NTTは放送をしているわけではないので、電波塔ではないと思うんですが、何であんな高い塔が必要なんでしょうね。

先日駅に行く途中何やら上空からギャーギャーという鳥の鳴き声。ふと見あげたのですが、鳥はいません。鳴き声はもっと高いところかのようだったので、さらに上を見ると何と!桑名一高い(多分)NTTの塔の上、地上数十メートルの所に大量のムクドリがとまっているではありませんか。

駅前はサンファーレという商業施設が建ってからは、当局(管理者?)がその前に街路樹から追い出すのに必死でして、その甲斐あって駅前から随分減りました。少なくとも歩道に爆弾がおちまくりという状況はなくなりました。どこへ行ったのかなと思っていたら、アピタの近くの電線にかなりの数がとまっていました。こんなところに来ているのだなと思っていたら、今度はNTTの塔です。だんだんウチに近づいてくるなぁ、なんて思っていたら、今日隣の町の電線にとまっているのを発見。

車に乗ろうとしていたら、なんか聞いたことのある騒々しい鳥の鳴き声。もしや!?と思ってすぐ向こうの電線を見たらいるではありませんか、ムクドリ野郎が。用を終えて家に帰ってきたころはもういませんでしたが、NTTの塔に行く前に休憩でもしていたのでしょうか。(笑)ムクドリの大群はだんだん南下してきていますが、NTTの塔を追われたらこんどはいよいよ町内の電線に来るのかも。うーむ。

譜読み

2006年09月20日 08時24分24秒 | 日々のこと
今日は所用で東京に来ています。ホンとは格安バスで行く予定でしたが、予約が取れずやむなく高価な新幹線で。バスだと片道2900円ですからね。疲れるけど。

バスだといつもMP3プレイヤで音楽を聴くことが多いですね。何しろ片道6時間近くかかるのでヨハネ受難曲をとおして聴いてもまだ時間があまります。行きは本を読むこともありますが、帰りは夜行なので本はちょっと読むことは難しいです。こういうときはシュアーのカナル型のイヤホンとサムスンのメモリプレイヤで音楽を聴くに限ります。聴いているうちに寝てししまうこともよくありますが。(笑)

あと夜行バスにはアイマスクが必携品です、私の場合。というのはバス車内のカーテンのすき間から高速道路のランプの光がパカパカと入ってくるからです。前の方の席の人でカーテンをぴったり閉めてくれない人がいるんですよね。明るいままなのは全然平気なのですけど、このパカパカは何か拷問みたいな感じ。

その都度「あの、ちょっとカーテン閉めていただけませんでしょうか」って言いに行くんですけど、またしばらくすると、ぴらーっとカーテンがあいてきます。今度行くとそこの人はもう寝ています。で、起こさぬよう、自分でそっと閉めます。これでひと安心と思ったら、その前の人のカーテンが・・・やっぱり自衛する手段が必要なんですね。

今回はバスを使わないので、そういうものは持って行きませんでした。代わりに持って行ったのが、バッハのカンタータ97番のスコア。ドイツ語の歌詞を暗記しようかなって思いましてね。なかなか感心でしょ?(笑)

新幹線の中で少し楽譜をみましたが、東京についてまだ少し時間があったので喫茶店でもう少し読んでみようかと思ってナントカという店に入りました。入り口からみた感じでは静かな感じでしたので入ったら中で小音量だけど、アップテンポの曲。こういうのってだめなんですよ。頭の中で流れる音楽は現実の音楽にどうしても流されてしまうんですよね。人の話し声とかの音楽じゃない音は平気なんですけど。

しようがないのでそこでは軽い食事をしてそそくさと退散。別の店をさがすことに。今度こそはと思って入った店、またBGM付きでした。東京ではたしかルノアールという喫茶店チェーンがBGMナシだったような。でも近くにはあろませんでした。おまけに隣の席に坐っていた女子二人組がどうも音大生みたいで、途中でクラシック曲みたいなのを歌いだしました。もちろん小声で他の客には迷惑にはならないレベルなんですけどね。私にとってはダブルパンチです。お陰で譜読みというより単なる歌詞読みしかできませんでした。ちょっと譜読みというのも結構大変ですねぇ。

リハーサル

2006年09月18日 21時26分24秒 | 音楽系
今日は10月21日のバッハ・カンタータコンサートの第1回目のリハーサルです。これは定期的に行っているアマチュアコーラスとオーケストラのコンサートだそうで、プロも何人かその中に入っています。ソプラノの加藤佳代子さんに誘われて、入れてもらうことになりました。演奏する曲は89,97,99,109番です。オケがモダンということでピッチが440,これがちょっときついと言えばきついですが、楽器は当然よく鳴ります。

今日ははじめてということで、場所も知らないので、私としては珍しくちょっとゆとりを持ってでかけました。いただいた地図を見ながら、場所を探します。名古屋城の近くで、中日病院の隣っと・・・看板が小さめなので見落としそうでしたが何とか見つかりました。以前なら路駐ですが、最近は怖いので道の向かい側にある有料駐車場に。

20分くらいは早めについたのですが、もう結構メンバーの方たちは来てらっしゃいました。本来はこのくらいの時間に着いているものなんですね。次回もこの位に到着を目指さなくちゃ。コーラスのメンバーはそこそこいましたが、弦のメンバーの方たちのうち、何人かは今日は来られないとのことですが、通奏低音セクションはコントラバス、リュート、オルガンとチェロ以外はそろっています。ベートーベンの曲だとこんな低いところばかり集まっていてもアンサンブルになりませんが、通奏低音の音楽はそれなりに大丈夫です。なんせ通奏低音が曲の屋台骨を作っているわけですから、曲のアウトラインは十分出ます。

指揮はアグアヨさんというラテン系の方で名古屋でリコーダーアンサンブルなどの指導をされている方です。(あまり詳しいことを知らないのでこめんなさい)すごく流暢な日本語の使い手で、非常に有能な指導者だとお見受けしました。私なんかがアマチュアなんかに指導するとどうしても少しくらいは怖い顔をしてしまうときがあるんですけど、彼は要点はしっかり押さえながらもすごく暖かい感じがしてなかなかすごい方だと思いました。

今日は楽器が少ないこともあって、コーラスが入らない部分では恥ずかしいくらい大きな音で目立ちました。本番ではそうも行かないでしょうけど、ホントはこのくらいばんばん響いてくれると有り難いんですけどね。今日は実は半分くらいは初見だったので、最初は苦戦しましたが、何とか迷惑はかけないレベルでは弾けたと思います。次回はもうちょっとさらっておきます。いただいた楽譜が譜めくりが難しいので、オルガンの方にオルガン用の楽譜をコピーして送ってもらえるように頼んでおきました。

バッハのカンタータは曲がすばらしいので本当にやっていて楽しいですね。次回は再来週です。

公徳心

2006年09月16日 09時28分36秒 | 日々のこと
ミューズのレッスンが終わって大曽根駅に行きますと、いつもより人が多い。野球の試合が終わる頃は駅が込みあうんですよね。そんなことなら、もう少しミューズで油を売ってくればよかったなんて思いながら列車に乗り込みました。

大曽根の駅では混み合うんですが、名古屋方面に行く人はその半分くらいで、かなりの人は金山で降りますので名古屋に着く頃はそれなりに空いてきます。って、名古屋で空いてきてもあまり意味はありませんが。(笑)

最近は列車に乗るときに、PDA(ウィルコムのW-ZERO3です)で小説を読むことが多いです。電子書籍ショップで有料ダウンロードした小説データをシャープのブンコビュワーというビューワーで読むわけです。ちょっとページめくりが時間がかかる(1秒ちょっと)のとPDA自体が200g超えていて長時間だとその重さが若干気にはなってきますが、それでもなかなか快適ですね。本を持っていく必要もないし。W-ZERO3が150gくらいになって、表示フォントが実際の書籍と同レベルになれば完璧なんですけどね。W-ZERO3の次回のモデルチェンジに期待しています。

名古屋駅からはJRに乗り換えですが、こちらも結構混み合っていました。あと3分で発車の列車に乗り込みました。入り口は混み合って、PDA小説が読みにくいので中の方へ。ふと見ると女子高校生が二人掛けのシートに斜めに座ってそのとなりにスクールバッグをデンとおいて、携帯でしゃべっています。ちょうど車内のアナウンス。「・・・携帯電話のご使用はおやめください・・・」おいおい、お前聞いとんのか、って思わず言いかけたけど、踏みとどまる。あるいは堂々と「そこ、座っていいですか」って言って座ってもよかったんですが、それも踏みとどまる。一応高校生くらいの年齢の人間の行動パターンはそれなりに知っているつもりなので、なんかしょうもないことになるとつまらないから何も言わないんですよね。これが一昔前の正義感あふれるおじさんなら、こういうところで少しキレたりするんですが、私のような腰抜けおじさんはなかなかそのようなことはできないわけです。

彼女の鞄の上に無造作に置かれた切符を見ると190円の切符です。ということは途中で降りてそこは確実に空くという情報を得たのもだまっていた理由です。(笑)私の腰抜けぶりも困ったもんですが、この子いったいどういう社会常識を持っているんだろって思いましたね。満員の列車で二人分取ってしかもずっと携帯でおしゃべりなんて。ほんと、親の顔がみたいです。でもそういう子の家庭って親子のつながりが切れてしまって久しいんだよな、親の顔なんてもはや見る意味がないんだよな、なんて思っていたら、治田というところでその子は降りました。

ヨーロッパのいくつかの都市では、ローカル列車の窓ガラスがきずだらけになっています。要するにそういうことをする公徳心のない人が沢山列車に乗っていたということです。日本はそういう例は極めてまれでしょうけど、そのうち日本もヨーロッパ並みになってしまうのかと思ってしまいます。トータルで見ればまだ随分マシなんでしょうけど。

リュート奏者の悩み

2006年09月13日 11時21分09秒 | 音楽系
現代のリュート奏者は大抵2つ3つはリュート属の楽器を弾きます。(7コースルネサンス、10コースルネサンス、バロック、テオルボみたいに)でも仕事となると使う楽器をしぼっている人が多いみたいです。こういうのはある意味でオーセンティックなんでしょうね。昔のリュート奏者は基本的には一種類の楽器を弾いていたわけですから。ロバート・バルトはルネサンスも結構上手ですが、コンサートではバロックオンリーです。(以前会ったときは、ヴィウエラの録音をしようかな、なんて言ってましたけど)パスカル・モンテイユはフレンチ・テオルボばっかだし。今村さんも通奏低音はフレンチテオルボ、あとソロではバロックを使うようですが、彼のフレンチテオルボはニ短調調弦になっています。ま、要するにバロックリュートです。

ホピーはものすごく沢山の種類の楽器でそれぞれ録音していますが、実際のコンサートでは一定の時期は同じ楽器をずっと使っています。一つのコンサートで、バロックとルネサンスを弾くというのはやりません。彼はバロックはサムアウト(右手親指を他の指の外側に出して弾く奏法、ギターの奏法が一種のサムアウト)、ルネサンスはサムアンダー(右手親指を他の指の内側に入れて弾く奏法)なので、一つのコンサートでの切り替えは難しいんでしょう。ここ2,3年ルネサンスでサムアンダーばっかしてコンサートをしている彼は、レッスンの時私のバロックを取って見本を示そうとするんですが、「うーん、今指がルネサンスになっているので、うまく弾けん」なんて言うときがときどきありました。

最近の私はなんかすごく効率の悪いことをしています。この前のコンサートではルネサンスを弾いて、今度はルネサンスとアーチリュート、その次はバロックとアーチリュートでプログラムもみんな違う。特にルネサンスとアーチリュートの混在は右手の関係で大変です。バロックとアーチリュートの場合は、同じサムアウトで弾くのでその点はいいんですが、実は私が持っているこの2本の楽器、弦の幅が異なるのでバスを弾くときよく間違えるんです。(約1コース分の幅が異なりますから)それに弦長も差があるし。このあたりはなんとかせんといかんです。さすがにリサイタルでは1本の楽器しか使いませんけど。ま、慣れの問題もあるけど、負担が少ないにこしたことはありません。友人の中国人琵琶奏者なんか、使う楽器は1種類、ほとんど同じプログラムでコンサートをしています。ちょっとおもしろみはないけど、こういうのって効率的ですよね。こういう方向を目指したいですねぇ。

リュート音楽のひととき第3回

2006年09月10日 22時22分22秒 | 音楽系
リュート音楽のひとときシリーズも今日で3回目を迎えました。1,2回とバロックリュートを弾いてきたので、今回はルネサンス・リュートに焦点をあてました。私にとっては久しぶりのルネサンス・リュートのソロ・コンサートです。モーリスの新作楽器にとっては、先週のレストラン・サンマルコに引き続き、2回目のコンサートです。

2時前に会場のミューズに着いたときは、めずらしく日が差していました。第1回は季節はずれの嵐、第2回は雪でしたから今回はオーケーのようでした。何しろ、3年前のリサイタルのときも雨で、共演のガンビストが弦のことをすごく気にしていました。ま、曰く付きの雨男ですから。(笑)

会場セッティング、リハーサルを終え、開場時間になったので、一階まで降りてくる途中、階段のところで何やらパラパラという雨音。小雨が降ってきたのかな、到着のときは晴れてたのにな、なんて思いながら一階に来て外をみるとびっくり!なんとみるみる雨脚が強くなり、台風みたいな強い風まで吹いているではありませんか。

やっぱり雨男健在でした。この時間帯に来られたお客さんは突然の雨でびしょぬれでした。この雨はコンサート終了までにはきれいに上がっていました。うーむ、コンサートを妨害しようとして降ったとしか思えませんね。ひょっとして私は雨を降らせる超能力があるのかも。どっか、干ばつで苦しむ地域でコンサートをしたら喜ばれるとか。それか、雨を降らせる神様をまつる神社でコンサートなんかも。うまく行ったら仕事が増えるかな。そんな訳ないか。

先週のレストランは開場の都合でPAを使いましたが、今回はPAなしです。でも本当によく音が通りました。音量も充分で、今まで使った楽器ではトップクラスです。まだ引き込みが充分ではないので、これからが楽しみです。ピッチが440であることもあるんですが、同じモーリス作のバロックリュートよりもよく鳴る感じが弾いていてしました。弦長57cmの小振りのボディからは信じられないくらいです。ま、このあたりは弾いていた本人の感想なので、聴衆の方のそれとは異なるかもしれませんが。

この「ひととき」シリーズ、次回は2007年の5月頃を予定しています。2月にリサイタルを開きますので、ちょっと先になります。

スイミング

2006年09月08日 12時07分49秒 | 日々のこと
意外にもスポーツジム通いが続いています。近所のスポーツジムにはもう3年以上前から会員になっているんですが、週1回行けたらいいほう、って感じの時期が続いていました。何か会費をドブに捨ててるみたいな。

ジムのスタジオでやっているなんとかエアロみたいな集団でやるのは、どうも苦手なので、ストレッチをしてマシンでウォーキングしたりランニングしたりしていましたが、何か単調でたぶんそれが一番の原因で行く頻度がそんなに高くなかったんだと思います。

楽しくスポーツなら球技なんかがいいんでしょうけど、球技自体見るのもするのもあまり好きじゃないし、ま、そんなもんかって感じでダラダラとジムに通っていました。

今年の5月頃ふと水泳をやってみようと思い立ちまして、これが当たりでした。水を得た魚というか(笑)、何か性に合っていたんでしょう、冒頭に書きましたように、意外にちゃんと続いています。水泳ってめちゃくちゃ疲れるイメージがあったし、上がったらシャワー(あ、これは何でも同じか)、水泳パンツを洗ってしぼって、ていろいろな理由で避けてたんですが、やってみると意外に快適ですね。汗かかないし。子供の頃の楽しかった川遊びをちょっぴり思い出します。でもプールには魚はいないし、石もないし、流れもないし、深いところもないし、あるのは水だけで、行ったり来たりだけの単調さ。それでもウォーキングマシンよりはずいぶんマシな感じです。

ところで(近所に住む)私の世代の人ってたぶん水泳がそんなに得意じゃない人が多いんじゃないかと思いますねぇ。自分の子供はスイミングに通っていたお陰ですいすいときれいなフォームで泳ぎますが、私は全て我流。何となく川で覚えた泳ぎなので、もぐりとか立ち泳ぎなんかは得意ですが速く泳ぐのはだめです。小さい川でそんなこと自慢しても何にもなりませんでしたから。

私の世代の(近所の)人が水泳が不得意じゃないかと書きましたのは、小学校にはプールがなく、中学校にもプールがなかったからです。もちろんスイミング・スクールなんてハイカラなもんはありませんよ。(笑)要するに泳ぐ場所は川と海。具体的には赤須賀漁港の近くの揖斐川、桑名市と朝日町の境界にある町屋川、四日市の霞ヶ浦の3ヶ所。プラス夏休みだけ隣のR小学校でプールの居候。これらのうち、揖斐川は漁師の子達が泳ぐところで初心者とかよそ者は不向き、霞ヶ浦の海はその頃すでにものすごく汚れていたので、実質的には今の四万十川並の水質と環境を誇っていた町屋川が唯一と言っていいスイミングスポット。

つまり私と同じ小学校校区の人は基本的に町屋川で水泳を覚えなければ、覚えるチャンスはなかったと言っていいと思います。高校生になってやっと学校の授業で水泳をやったわけですが、そのときから水泳を覚えるのはそうとうきついでしょう。私が高校生になって、体育の授業で水泳をするというので、その授業を本当にわくわくして待ったものです。水泳って遊びだよな、そんなの学校の授業でやっていいのかな、でもいいんだよな、って感じでした。でも第1回目の授業はその期待感をあっさりと崩してしまいました。やっぱり授業だったんですよね。ハイ先生の見本を見て、はい、潜って、やめ、ハイ次はクロールの練習・・・ちっともおもしろくありませんでした。で、2回目以降からは期待感はすっぽりとなくなりました。(笑)

5月あたりから最低でも週2回は通っているお陰でクロールを泳いでもそんなに疲れなくなってきました。ま、適当にやってますので、変な格好で泳いでいるんでしょうけど。それなりに得意だった平泳ぎはますます洗練!にはほど遠いですが、結構長く泳げるようになりました。といっても泳ぐのはせいぜい30分程度ですから、減量効果はそこそこ。バーゼルで8キロ痩せましたが、今はそれの半戻しを水泳で保っているって感じかな。食事制限をすればもっとやせるんでしょうけどね。一時8割戻しまで行きましたから、そのことを思えばまぁいまの水準でもいいんでしょう。心肺能力とか筋力はそれなりについていることでしょうし。