フランチェスコ・スピナッチーノが1507年に出版したリュート曲集はタブラチュアというリュート独特の記譜法で書かれた曲集です。内容は15世紀に人気のあった声楽曲のリュートソロおよび二重奏への編曲が中心です。バーゼルでボブ(クロウフォード・ヤング)と中世リュートの研究をしていた頃、このスピナッチーノの曲集も扱っていました。オリジナルの声楽曲をスピナッチーノがどういう手法でリュートソロおよび二重奏に編曲して行ったかを研究するわけですが、例えばブルゴーニュで作られた声楽曲が、ベネツィアのスピナッチーノがどういう理解をしていたかということまで垣間見ることが出来、大変興味深いものです。
この曲集の復刻版は、ミンコフという出版社から出ていまして、比較的容易に手に入ります。このミンコフから出ている復刻本の序文によりますと、スピナッチーノのオリジナル自体は、第二次大戦前まではベルリンにありましたが、それ以降は行方不明になっているそうです。ひょっとしたら戦災で焼失したのかもわかりません。ただ、それ以前にアンドレ・ピロという人が持っていた写真コピーがあって、ミンコフの出版物はそれを元にしているとのことです。その写真コピーは現在ではパリの博物館にあるそうです。
この曲集の復刻版は、ミンコフという出版社から出ていまして、比較的容易に手に入ります。このミンコフから出ている復刻本の序文によりますと、スピナッチーノのオリジナル自体は、第二次大戦前まではベルリンにありましたが、それ以降は行方不明になっているそうです。ひょっとしたら戦災で焼失したのかもわかりません。ただ、それ以前にアンドレ・ピロという人が持っていた写真コピーがあって、ミンコフの出版物はそれを元にしているとのことです。その写真コピーは現在ではパリの博物館にあるそうです。