リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

野球嫌い

2024年10月31日 16時36分22秒 | 日々のこと

テレビをつけましたら、アメリカで野球の大きな試合があってオオタニさんがどうたらこうたら言ってます。大体野球には全く興味がないので公共の電波でその類いの話題ばかりは困ります。まぁ見なければいいんでしょうけど。

野球って世界的に見ればマイナーなほうのスポーツなのになんでこんなにみなさんお好きなんでしょ?名古屋でのレッスンがあるとき、たまに電車で行くときがありますが、運が悪いとナゴヤドーム(バンテリンドーム?)での試合のため中央線の大曽根駅が大混雑するので大迷惑です。

フランス在住の製作家スティーブ・マーフィーのスタジオに行ったときに、リビングルームに大きなヘラのようなものがあったので何かと尋ねるとクリケットで使うそうな。彼はオーストラリア出身だったと思いますので、クリケットが大好きらしいです。

イギリス連邦系の国々ではクリケットがとてもメージャーらしく、競技人口でみると野球よりははるかに多いようで地域的な広がりも広範です。アメリカのチームで一番を決めるのをワールドリーグというのはちゃんちゃらおかしいです。

昔作曲家の黛敏郎が何かの会合で国鉄スワローズの金田正一投手と初めて会ったときのこと。金田投手が「国鉄の金田です」と自己紹介したら、黛氏「最近はストやなんかで大変でしょう?」とおっしゃったそうです。私はそこまでは野球オンチではありませんが、似たようなものです。

こんな私ですが、小学校の低学年の頃は少年サンデーに連載中であった寺田ヒロオの「スポーツマン金太郎」の影響で野球にとても興味がありました。60年以上前の今頃でしたか、日本シリーズ巨人南海戦で巨人が4連敗した最後の試合を友達の家で見たのを憶えています。テレビはもちろん白黒でした。友達は家が小学校のすぐそばなので、放課後すっとんで行ったものです。確か低い位置から投げる杉浦という投手が4試合を投げきった記憶があります。


思っているより

2024年10月30日 12時31分23秒 | 日々のこと

いつぞやの「水ダウ」こと水曜日のダウンタウンで意外と背が高い芸人のネタをやっっていました。テレビで見ているとそれほど背が高い感じを受けない芸人に実際に会ってみると思っているより背が高いことがあるというのです。大柄な男性と女性のタレントそれぞれ一人ずつが街頭に出て、実際に会ってみた印象を街の人に聞いて見るという趣向です。

この逆になりますが、思っているより背が低いという人もいます。昔初めてヨーロッパに行った帰りの1976年8月のことです。航空会社は大韓航空でしたが、行きは羽田-アンカレッジ-パリ-アムステルダムという経路で帰りは南回りでパリ-バーレーン-バンコク-羽田の予定でした。(当時はまだ成田空港は開港されていませんでした)

ところがオーバーブッキングなのでヨーロッパ発はパリではなくチューリッヒに変わります、3日後です、という無茶苦茶な話をカウンターでされて困ってしまいました。チューリッヒは飛行機か鉄道で自分で行ってください、と無責任なことをおっしゃる。

実は数人同じ目にあった日本人がいまして、団体交渉をしてチューリッヒまでの交通費と3日分のホテル代を持ってもらえるようになりました。それで同日さっそくチューリッヒ空港に行きました。到着して通路を歩いていると前の方からなんか見たことがある人がやってきました。よく見ると小澤征爾さんです。

すれ違うときに「こんにちは」と声をかけましたら、気さくに「こんにちは」と笑顔が帰ってきました。それだけでしたが、印象に残ったのは気さくさもさることながら、身長の低さでした。

小澤征爾さんを見るのは指揮台で指揮をしているときか何かのインタビューのときくらいで、周りに背丈を比較するものがありませんのでいつも「大きさ」を感じていました。人間が大きいと背丈も高いと勘違いしてしまいがちですが、勝手に大柄な人だと思い込んでいたのですね。確かナポレオンも小柄だったとか。

人間やはり中身です。小柄でも人間が大きい人はいっぱいいます。中には見てくれは大柄で立派でも見かけ倒しの人もいますが。(笑)


下剋上!?イヤホン比較レビュー(5)

2024年10月29日 19時05分34秒 | 音楽系

3曲目としてマーラーの交響曲第5番第一楽章を聴いてみました。2曲目の古楽オケとはうって替わり大オーケストラの作品で超微細ピアニシモから大音量フォルテシモまで出て来ます。

出だしのトランペットのソロ、続いてピアニッシモで導入されるテーマがだんだん盛り上がりフォルテのテュッティに至る流れを聴いてみました。

Xiaomiではこういう極小から巨大な音の流れがある音楽はやはり力不足のようです。テーマが導入される箇所では大太鼓の極低音が聴かれるはずですが、ちょっと物足りません。フォルテに盛り上がっていく箇所も音の分離が悪く7thの音がはっきりしないし、迫力にも欠けます。全体的に薄っぺらな感じがしますが、この手の曲はXiomiの限界が一番よく聞こえてしまいます。

これがShureだとそつなくPPからffまでバランスよく聴かせます。ただあまりに優等生的な感じがしないでもないですが、実際のオーケーストラを生で聴くとこんなもんだと思います。

Technicsの場合は、Xiaomiで全く上手く再生されていなかった主題導入部の極低音がとても豊かにしっとりと鳴っています。でも生のオーケストラでは座る席の差があってこう上手い具合にはなかなか聞こえてこないとは思います。ffの部分もそうですが、ちょっと誇張された響きだと分かってはいますがサウンドとしてはすごく美しくずっと聴いていたい感じがします。

Shureで聴いた音が生に近いし録音エンジニアもそのあたりを意図したと思いますが、Technicsで聴いた音は人工的ではあるもののとても心地よいサウンドです。


下剋上!?イヤホン比較レビュー(4)

2024年10月28日 17時37分37秒 | 音楽系

2曲目として、ハイドンのヴァイオリン協奏曲第1番第1楽章ハ長調を選んでみました。演奏はソリストがフェデリーコ・グリエルモのラルテ・デッラルコです。古楽器による演奏です。この録音が何人で演奏しているのかはよくわかりませんが、各パート2名程度でしょう。パート数は弦が4部+ヴィオローネとソリストで通奏低音楽器は入っていません。

1曲目に紹介したカシオペアの楽曲と比べると音数がとても少なく厚みはありません。(音楽に厚みがないと言っているわけではありません)音もハイハットなどの高周波の雑音成分や低く分厚い音もありません。ある意味とても機器を選ぶ曲と言えます。

始めにXaiomiで聴いてみましたが、音が痩せてペラペラ感はあるものの意外と古楽っぽく聞こえるのでびっくりしました。今度はTechnicsで聴きますと、バスのラインが少し出過ぎてちょっと古楽器の演奏には合わない感じです。ちょうどいいくらいなのがShureでした。

多分これらのイヤホンで古楽を聴くというのはそもそもあまり想定されていない感じがします。多くのイヤホンはポップス、ジャズ、オーケストラなどがきれいに響くようチューニングされているのではないでしょうか。経費がかけられない分、妙な作り込みをしていないXiaomiがかえっていい結果をもたらしたと思いますが、本当にいい音で聴くのならShureで聴くのがいいと思います。


竹内まりやとユーミン(下)

2024年10月27日 11時33分15秒 | 音楽系

ユーミンの最新アルバム、と言っても2020年でしたからもう4年前ですが、私はアレンジも含めて近年のアルバムの中では最高の出来だと思います。楽曲構成は竹内と少し異なり一般大衆狙いより少し右(左?)寄りの感じがします。このアルバムの世界観はとても好きです。どちらかというと一般大衆を引っ張って行くという感じでしょうか。

ただボーカルに声の衰えを感じてしまう(とても音程は正確で上手ではあるのですが)のが少しつらいところです。竹内の方がひとつ年下ですが、声はプラスティック・ラヴの頃に比べれば少しキーは下がっているものの、あまり衰えを感じさせません。

ユーミンの創作力、そして松任谷正隆のアレンジ力は全く衰えがなく、それどころかますます冴え渡っています。ユーミンもこのアルバムで「まだ伸びしろがあると感じた」と言っていました。前回のアルバムから4年経っていますので、そろそろ新しいアルバムを聴きたいところですが、アルバムを出す度に衰えていく声が心配です。

個人的にはユーミンの立ち位置の方がずっと好きです。「人生の扉」とかビールのCMで使われている「元気を出して」(お疲れ生!)なんか説教臭くて聴いていてすぐ飽きてしまいますから。お前はジジイのくせに人生のことやら歳を重ねる意味がわからんのだな、と言われてしまいそうですが、私は歌を歌詞だけで聴いているのではありません。でも世の中歌を聴いているといっても実は歌詞だけの人多いですよ、世界的に見ても。ボブ・ディランがノーベル「文学賞」だしユーミンも菊池寛賞ですからね。彼らはミュージシャンですよ。もっともお二人とも音楽に関する賞ももらってはいますが。


竹内まりやとユーミン(中)

2024年10月26日 20時04分12秒 | 音楽系

同年代のアーチストにユーミンがいますが、結構異なる道を歩んでいます。お二人とも裕福な家庭に生まれて結婚していますが、竹内は旧姓で通してますし、ユーミンは松任谷に変えています。

活動の過程も竹内は子育てをしながらのアーチスト活動で自称「シンガーソング主婦」ですが、ユーミンはずっとライブ活動を続けアルバム製作も多数多岐にわたっています。

竹内と異なりユーミンは若いうちからその才能を見込んだ多くのアーチストに「惚れ込まれた」いわば女王様みたいな存在です。

番組でも言っていましたが竹内は「中道」を行く作品作りを目指しているようで、思う存分高度な作品を作ってみてもいいが、それだと大衆が求めている竹内まりやではなくなる、というようなことを言っていました。

まぁこういった事情はユーミンでも多かれ少なかれあると思いますが、竹内の方がそういった意識は強いようです。番組のタイトルにもある「人生の扉」という曲なんかまさにそういうコンセプトドンピシャの曲です。

シンプルなメロディーライン、ハーモニーといい胸にぐっとくるストレートで分かりやすい歌詞といい、明らかにど真ん中を狙いにいっていますね。竹内はもっと複雑な構成の曲も作っていますが、こういうど真ん中狙いの曲も作れるという、これも素晴らしい才能だと思います。ど真ん中を狙うと大体はつまらない曲だったりクサイ曲になりがちのですが、このあたりはさすがです。


竹内まりやとユーミン(上)

2024年10月25日 14時28分09秒 | 音楽系

昨日のNHKで「竹内まりや Music&Life ~人生の扉~」という番組をやっていました。番組はアイドル時代から現在にいたるライブ映像で始まり、ふるさと出雲でのインタビューに続きました。

出雲大社にお参りする様子がとても印象的で、彼女の人生の中で出雲の大社が通奏低音のような役割を果たしているような感じを受けました。

AFS交換留学の話も出て来ました。AFSでアメリカに行くことを報じた新聞記事も紹介されました。いつぞやの竹内まりやに関するエントリーでも書きましたが、当時AFS交換留学生になるのは大変なことで相当優秀でないと行けません。私の高校時代の同級生もAFS交換留学生をめざしていましたが、全く歯が立ちませんでした。もっともヤツのレベルでは受かるわけないとは思っていましたが。(笑)

番組を通して少し残念だったのは、山下達郎が果たした役割の大きさにはほとんど触れられていなかったことです。そのことを知らない人は、いくつか出ていたライブ映像で、少し下向き加減でギターを弾いている人がいつもいるなくらいにしか思わなかったかも知れません。

有名なエピソードですが、竹内が作ったプラスティック・ラブのデモテープを聴いて山下がそのできばえに驚き、アイドル歌手からアーチストへの道を開いたことはよく知られていると思います。山下はその後のアルバムのアレンジ、プロデュース、場合によってはバックコーラスを担当しています。

 


BWV1006a(28)

2024年10月24日 15時30分24秒 | 音楽系

ルーレの8-16小節です。

前半の終り4小節と、後半の4小節になります。

ヴァイオリン版の1006と異なり1006aには沢山の装飾音や装飾記号がつけられていますが、全てリュート式の装飾記号に書き直しています。ただリュートの装飾記号 ) はとても自由度が高く多義的です。(詳細はゴーティエなどの曲集中の解題を参照)リュートの流儀に従って自由にやってもいいのですが、バッハがトリルを指定している箇所には tr. と書いておきました。

この曲はスローテンポで一見易しそうに見えますが左手のエクステンションや確実なグリップが要求されるなど結構な難物です。


下剋上!?イヤホン比較レビュー(3)

2024年10月23日 20時16分07秒 | 音楽系

TechnicsとShureはどちらもとてもいいサウンドですが、ではお値段が3倍以上するShureの立つ瀬はあるのか?実ははっきりその実力を示している箇所がありました。それは曲のイントロ最後の分数和音G/Aの鳴りです。Shureで聴くとその和音がきれいにバランスよく鳴っているのです。XiaomiもTechnicsもG/Aだろうという判断はできますが、キーボードの右手の音がボーっとしていて上手く聴き取れません。Xiaomiだとバスもボーっとしています。それがShureではクリアに響くのです。

この和音が識別できない人にとってはどうでもいいことかも知れませんが、こういった差を埋めるのに3倍のお金をつぎ込まなければならないというのはオーディオの世界ではよくあることです。自分の耳にはShureはオーバースペックだと思う方はTechnicsで充分満足できます。

Xiaomiについてはそれだけで聴いている分だと充分満足できるレベルだと思いますが、より上級のものを聴いてしますとたちまち満足できなくなります。ですから1380円のXiaomiを買ったら決して上級機種を聴いてはなりません。必ず欲しくなりますから。でもそういうことさえしなければ、充分満足できるレベルです。

CasiopeaのDAILY BREADを3機種で聴いた結論:

実際には多くの方にとってXiaomiで充分でしょう。ただし禁断の果実をかじってしまった方はTechnicsくらいでないと満足できないかも。もっといいものをという方はShureがいいでしょうけど、こっちは有線で少々面倒です。多くの方にとってTechnicsで充分満足できるサウンドです。

音楽ソースが変わるとこの判断は変わってきます。次回はクラシック曲で比較してみましょう。


下剋上!?イヤホン比較レビュー(2)

2024年10月22日 12時35分56秒 | 音楽系


機能面のレビューは基本的にはせず音を中心に具体的な比較していきたいと思います。プレーヤーは iPhone 14です。各機種に設定できるトーンコントロールは使わずフラットなままでのリスニングになります。曲は4曲の予定です。1曲ずつそれぞれの機種で聴きながらレビューしていきましょう。

まず1曲目として選んだのが Casiopea P4 のアルバムNEW TOPICS(2022)よりDAILY BREADです。この曲は比較的オーガニックなサウンドということで選んでみました。Casiopeaはもう40年以上の歴史を持つフュージョン・バンドです。途中メンバーチェンジもあり本アルバムが第4期の第1作になります。

まずXiaomi(Bluetooth)で聴いてみましたが、これがなかなかいけます。1380円とはとても思えないサウンドですが100倍近いお値段のShure(有線)だとどうなるか?お値段に比例した100倍いい音とはどんなものか興味がありましたが、比べてみると音の次元が全く異なっていました。

Xiaomiだけで聴いていると気がつきませんが、Shureで聞いて見るとXiaomiのときに音源にかけられていた何枚かの薄いベールが取り払われたような感じがします。全ての楽器がクリアに聞こえ、クリアであっても特定の楽器が目立つようなことはなく、録音エンジニアが意図したであろうバランスで鳴っています。あとXiaomiの音はベールがかかっているだけではなく、全体のトーンが薄いことにも気がつきます。Shureでは高いノイズ成分を持っているハイハットの音も強調された音ではないのにはっきりと通る音です。これがXiaomiだとドンシャリ的傾向があるので少し耳に刺さります。

Technics(Bluetooth)だとどうでしょうか。こちらもXiaomiにかかっていた薄いベールが取り除かれていますが、Shureよりは取り除いたベールが少ない感じです。低音部は他の機種よりふっくらした感じのサウンドですが、多少輪郭がぼやけており音程が聴き取りにくいところもあります。