リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

年賀状制作→一年の締めくくり

2019年12月31日 17時48分28秒 | 日々のこと
ことしは12月に入ってから本番やらコンサートの準備に追われ、年賀状の制作が12月の末になってしまいました。今日やっと最後の分を投函したところです。

今年のテーマは温泉です。



箱根の強羅温泉と赤富士です。富士山が描かれているような時間帯に赤く見えるかどうかはわかりませんが、まぁテキトーです。青やグレーより赤の方がいい感じがしましたので、赤くしてみました。北斎もびっくりですね。(笑)

今年は胴体部分がないので(というか時間がなかったので、手っ取り早く描けるということで、まぁちょっと手抜きみたいですけど、全員が温泉につかっているという趣向。強羅温泉の白濁の湯です。完成して早速娘に見せましたら、犬が温泉に入っているのはダメだ、と言われました。はい、本当は犬(秋田犬です)は岩風呂の岩の所にいたのですが、突然お風呂の中に入ってきてしまって、という瞬間を描いたということで。

さて今年も本ブログにアクセスして頂きありがとうございました。ダウランドの訳は年内に終わるかと思っていましたが、あと少し残ってしまいました。このペースですと2月の中頃にはあがるのではという感じです。

本年もあと数時間を残すところとなりました。皆様よいお年をお迎えください。

特大荷物 on 東海道新幹線

2019年12月30日 16時54分51秒 | 音楽系
東海道新幹線の荷物持込が来年の5月から条件付きにになるそうです。

さっそくホームページで確認してみましたら、荷物の三辺の合計が160cmを超えると事前の予約が必要となるとのこと。最後尾の席を「荷物スペース座席」として予約する必要があります。予約なしで飛び込みで言った場合は1000円取られます。

これはえらいことです。早速手持ちの楽器の寸法を測ってみました。

バロック・リュート(弦長71cm)98 x 41 x 31 =169 アウト!
バロック・ギター(弦長68cm)103 x 34 x 18 =155 セーフ
ルネサンス・リュート(弦長58cm)73 x 26 x 32 = 131 セーフ
アーチ・リュート(弦長65/91)125 x 38 x 22 = 185 アウト

テオルボは見るからにアウトですので測りませんでした。(^_^;)

ちなみに手持ちのクラシック・ギターのケースを測ってみましたら、108 x 46 x 18 =172 でアウトでしたよ。ギタリストのみなさん注意してくださいよ。

私の場合地方(都会?)のコンサートに出かけるときは新幹線を使わず車で移動がほとんどですが、たまに新幹線を使うこともありますので影響がないわけではありません。

乗車拒否されるわけではないのですが、ちょっと面倒です。これもインバウンド客増加のあおりでしょうか。東海道新幹線以外の新幹線については何もアナウンスがないので大丈夫なんでしょう。今後は新幹線の構造も、ヨーロッパの特急、急行車両みたいに荷物スペースのある車両を作る必要があるのかも。


中村栄宏&川口成彦デュオリサイタル

2019年12月28日 22時13分46秒 | 音楽系
リコーダーの中村栄宏&ピアノ川口成彦デュオリサイタルに行ってきました。会場は桑名市NTNシティーホール中ホール。



リコーダーの中村君は彼が中学校3年の時に県のリコーダーコンテストで私が伴奏を務めました。県大会で優勝したので東京行われた全国コンクールに出場してそこで金賞を頂きました。確か伴奏をした曲はマルチェッロのチャッコーナだったと思います。

お陰で主催のリコーダー音楽教育協会だったかのホームページには私の名前がなんと優秀指導者として載っていました。彼は最初からちゃんと弾けていたし、彼にリコーダーそのもの指導はしたことはなかったのですが。それってまだ載っているのかな?

彼はその後東京の大学に進学し、企業に勤めていました。その後意を決して退職してオランダのアムステルダム音楽院に留学して今に至っています。留学前の彼は指だけはよく動いていましたが、音楽的にも楽器の本質的な技術的にも未熟でした。私は早くから、きちんと勉強したいのなら、アムスかスコラあたりに留学せんとあかんよと言っていましたが、それが実現したわけです。終演後の控え室で聞いた彼のことば「(留学して)今までとは吹き方を全く変えないといけませんでした」を聞いて「ふむふむ」と返事しましたが、「やっぱそやろ」なんて密かに心のなかでつぶやいたものでした。

その彼が同じ学校の川口さんとのコンサートに臨みました。川口さんはブルージュのフォルテピアノ部門最高位(1位なしの2位)を取るなど古楽界ではすでに充分知られた存在。こんな実力者お二人でのコンサートがごく普通に開催されるなんて桑名は本物の文化都市です。

プログラムはポップ系の曲目が中心ですがとてもセンスのいい選曲でした。

曲目は:

ピアソラ/リベルタンゴ
カルディーに/Dolls、もみじ
ヴァン・エイク/笛の楽園より
バッハ/パルティータBWV1013よりサラバンド、ブレ・アングレーズ
ロドリーゴ//遙かなるサラバンド、朱色の塔の陰で、カレセーラス、バレンシアの踊り
モンティ/チャルダッシュ
バルトーク/ルーマニア民俗舞曲
ピアソラ/ブエノスアイレスの冬
坂本龍一/戦場のメリークリスマス

バロックの曲はバッハのみでしたが、とくにブレ・アングレーズを聞いて、勉強の成果が出ていると強く感じました。

いずれまたバロック音楽の旅にお二人を招待したいなと考えています。特に川口さんにはフォルテピアノを弾いてほしいなと思っています。シリーズではオルガンやトランペットを含むほぼ全ての楽器のコンサートをしてきましたが、バロックの終焉時に開発された楽器、フォルテピアノだけはまだ唯一紹介してきていませんので、是非実現したいところです。

すんでの所で

2019年12月27日 12時11分30秒 | 日々のこと
昨日春日井へ2月のコンサートのリハーサルに出かけました。2月はソプラノの森川郁子さんとのコンサートです。高速に乗り、名二環の勝川インターでおりて、19号線に流入します。

19号線への流入路に入るとすぐ左手にはカレーのココイチ春日井勝川店が見えてきます。少し離れた後方を白いポルシェ・カイエンがついて来ました。19号線の走行車線後方を確認、水色のアクアが20m以上後方にいたので、流入のウインカーを出しました。こういうときは追い越し車線を走っている車が走行車線に進路を変えてくることがあるので、注意。追い越し車線を黒色のCH-Rが直進しているのを確認して走行車線に入り直進した瞬間、突然隣の追い越し車線にいた黒のCH-Rが走行車線に入ってくるではありませんか!

入り始めた瞬間は記憶にはありませんが、0.何秒か後にはCH-Rと15cmくらいの間隔で暫く併走し、そしてそのあと流入車線に入ろうとしていました。すんでの所で衝突は回避されたのです。すぐに走行車線に戻り、前を走っているCH-Rにクラクションを短く遠慮がちに1発。そう、最近は何が起こるかわかりませんから、これだけです。(笑)相手は謝りに来るぐらいのことはしてもいいのに、そのまま先に行ってしまいました。なんてヤツなんでしょう。私のミニは目立つデイライトがついているので、ヤンキーっぽい人間だと思われて、車の中でじっとしていてさっさと逃げたのかも知れません。

要するにCH-Rは車線変更するときに左を全く見ていなかったわけですが、私は直前までは寄ってくる可能性を意識していましたので、避けられたのかも知れません。もう車線変更はないと確認した直後でした。それと流入車線後方のポルシェがあまり近づいて来ていなかったので、流入車線に再侵入したときに追突されずに済んだのはラッキーでした。ポルシェ・カイエンに乗る人は飛ばす人が多いみたいですが、落ち着いた人が乗っていてよかったです。

それにしても、もし私があのあおり犯のおっさんみたいな人だったら、CH-Rの人はただでは済まなかったかも。向こうはラッキーでしたよねぇ。こんなことで接触事故を起こしていたら、貴重なリハーサルが飛んでしまうところでした。リハーサル自体はつつがなく終了して、来年にあと2回リハーサルして本番に臨みます。

ベニヤの翼(3)【現存する秋水の写真付き】

2019年12月24日 13時25分47秒 | 音楽系
ロケットエンジンも4年くらい開発を続けていたといいますから、ある意味日本の当時の航空技術の集大成と言ってもいいかも知れません。もっともドイツでも上手く運用できなかったロケット戦闘機を開発するというその方向が妥当であったとは思えませんが。


アメリカ・カリフォルニア州チノのプレインズ・オブ・フェイム航空博物館所蔵の秋水。オリジナルのまま残っている唯一の機体だそうです。右下方に見えるのは局地戦闘機雷電。

翼の材質を「合板」と書かずわざと?「ベニヤ」と書いてポンコツ感をあおって、その返す刀で戦争反対というのではなくて、当時の技術をもっと正当に評価してほしいです。以前、池ナントカという小説家が、ゼロ戦の座席とか構造材に軽量化のための穴が開けられているという話を受けて、「防弾板もつけず、おまけに穴まで開けるなんて、非人道性もはなはだしい。全くもって負の遺産ですね」とテレビ番組で語っていたのを覚えています。穴が開いていたら銃弾が通過するので危険だという、そんな単純なことだけを、ゼロ戦を設計した堀越二郎技師は考えていたのではなかったと思います。

普通、村正の刀を見て、あんな恐ろしい人斬り包丁を作って、もう戦はこりごりだ、と言って村正を貶めたり非難したりはしませんよね。いちいち「刀の先は人を突き刺したり、刃でもって人を切り殺すなんてことはあってはならないことですが」と前置きもしません。戦争はもうこりごりだというのは当然のことですが、そのこととは別に当時の技術や先人達の努力や、戦後の日本の発展がその小説家のいう「負の遺産」に負っていたところが大きいという事実にはきちんと目を向けるべきでしょう。

ベニヤの翼(つづき)

2019年12月23日 15時21分50秒 | 日々のこと
第2次大戦中はイギリスの木製爆撃機モスキートがありましたし、日本でも陸軍四式戦闘機の木製版キ-106が試作されていました。いずれもジュラルミン不足に備えてあるいは既に不足していたので、木は代替素材として存在していました。もちろん「合板」を高性能な接着剤を使って接合するという新技術を使っていました。

件の記事から受ける印象は、日本の技術は全て遅れていた、あんな翼がベニヤのポンコツロケット戦闘機を作って、しかも試験飛行のパイロットを殺してしまってとんでもない人道無視の所業だ、だから戦争なんてしてはいけないんだ、というようなことです。

でももう少し冷静に考えてみて下さい。成層圏に届く高度まで上がり、時速800kmで飛び、巨大な30ミリ機関砲を備えるべく設計された戦闘機ですから、たとえ翼に合板が使われていてもヤワなはずがありません。ドイツから送られたロケット戦闘機Me163Bコメートの図面を元に作る予定が、図面を搭載した潜水艦が途中で撃沈され、撃沈される前に寄港したシンガポールから飛行機に乗り換えた技術将校が持ち帰った分しか資料がなかった中で試作された秋水は実質的には日本の技術で作ったものといえます。

(まだ続く)

ベニヤの翼

2019年12月22日 22時55分53秒 | 日々のこと
ミューズでのレッスンが終わり、いつものうどん屋で夕食をしました。オヤジに玉子とじきしめんを注文して待っている間、いつもの新聞を読んでいました。そう、いつものうどん屋でいつもの新聞。読んでいてふと目にとまったのが、大戦末期に開発していたロケットエンジンの戦闘機秋水の記事でした。

記事は、当時秋水の試作に携わっていた徴用工(日本人です)の方が、秋水を懐かしんでいるという内容で、あんなもの作りたくて作っていたわけではない、戦争はいけない、というお決まりの方向で記事をまとめられていました。その内容に関しては別に異論はありませんが、記事の見出しに「翼はベニヤ」って出ていました。

この「ベニヤ」ということばから、ラワンのベニヤを張った昔の粗末な家のイメージが出てきます私はトシなのかもしれません。記者は多分私よりは若いでしょうから、私のようなイメージは持ってはいないと思いますが、ことさらに翼の材質をベニヤだと見出しにも書くのは何かバイアスが掛かったいい方のように感じました。

飛び恥(2)

2019年12月20日 14時09分32秒 | 日々のこと
ピナツボ火山噴火は、富士山の宝永噴火なんぞ目ではないレベル(火山爆発指数6(富士山宝永噴火は4))の超巨大噴火だったらしいです。でも火山が爆発したときの噴出物は火山によって異なるそうで、ピナツボ火山のときは実は二酸化炭素はそんなに出ていなかったという話もどっかに書いてありました。

自分の知見では何が原因なのかはとても結論づけられません。ただ確実に言えるのは、1つの言説とか空気に流されている世の中はちょっと危ういということです。そんなこと言ってるからお前はダメなのだ、このまま二酸化炭素垂れ流しであと数十年したらとんでもないことになるんだ、なんて環境団体から言われそうですが。でも逆に、数十年後に二酸化炭素はどうも温暖化の原因ではなかったとわかったとき、そのための取り組みによる負の側面、例えば原発増設による事故の多発など、はどうなるんだとも言えます。

もう少し冷静な議論が必要だという感じもしますが、もう議論なんかしている段階ではないという人もいます。でも確か、いろんな原因説があった筈なのに、なぜか一気に二酸化炭素原因説に傾いてしまったというのが実感です。今でも二酸化炭素原因説に反対の意見は結構あります。とりあえず私としては、グレタさんのようにヨットを調達することもできないし、ファーストクラスの列車でヨーロッパ縦断もできないので、飛び恥をかいて孫に会いにアメリカへ、また懐かしい友人に会いにヨーロッパへ行きたいと思います。

飛び恥(1)

2019年12月19日 13時51分40秒 | 日々のこと
「飛び恥」ということばをご存じですか?新聞にこのことばが出ていたので、どういう意味だろうと読んでみました。要するに飛行機はとてつもない量の二酸化炭素を出し、飛行機に乗るのは地球温暖化の大きな原因になるので恥ずべきだという意味のようです。

スゥエーデンの活動家、グレタさんの言動はいろんなメディアでも取り上げられていますが、もはや二酸化炭素が地球の温暖化の原因とするという説が主流になってきています。ですからそれを減らす行動に今すぐにでも取り組まないといけない、その流れに抗う勢力は悪だ、というような感じの風潮も感じられます。

この温暖化二酸化炭素原因説はとてもわかりやすいのですが、沢山の要因がからんでいるはずのことを単純化してそれに突き進むことって、ちょっと危うい感じがします。何年か前、日本が停滞しているのは自民党の政治が悪い、といって政権を取った民主党政権は、さらに日本を悪くしたという例もあります。ちょっと違うか。(笑)

実はこの説に反対する意見も結構あります。例えば日本物理学会誌 Vol.62, No.2, 2007に掲載された槌田敦(高千穂大学)先生の論文によれば、人間が発生させる二酸化炭素が原因で気温が上昇するのではなく、何らかの原因の気温上昇のために二酸化炭素濃度が上がったのだということらしいです。そもそも陸地や海にかなりの量の二酸化炭素が吸収されるようで、30年くらい前のフィリピン・ピナツボ火山噴火のときでも二酸化炭素濃度が上がらなかったそうです。

(続く)

おしゃれ知床旅情

2019年12月18日 11時25分47秒 | 音楽系
先日某ギタリストのコンサートの打ち上げで、ひょんなことから知床旅情のアレンジを頼まれました。実は私、この曲、あまりはっきり知りませんでした。そう言ったら、目の前にいたY氏から「お前、それでも日本人か!」って叱られました。(笑)

知床旅情が流行った頃をウィキで調べて見ますと森繁久弥が1960年発表とあります。このころどんな音楽を聴いていたのかなぁ。小学生の頃ですから多分聞いてはいたのでしょうが、興味がなかったのでしょう。その後加藤登紀子が歌っていたのは覚えていますが、こっちはもっと興味はありませんでした。

依頼は、なんと尺八とギターのアレンジです。とにかくメロディをきちんと楽譜にしなければならないので、YouTubeで森繁久弥の歌っているのを聞いてみました。でもなんかウマヘタというか、ヘタのウマヘタ風です。失礼ながら酔っ払いの親父が調子っぱずれでカラオケしているという感じで、ここから採譜するのはちょっと困難というかできますけど、とてつもなく複雑なものになります。まぁ味があるといえばそうなのかも知れませんが。そこで加藤登紀子のを探してそれから採譜しました。こっちはなんとかメロディのラインがはっきりしています。

できあがった伴奏譜がこれです。



なかなかおしゃれでしょ?興味のある方は、この伴奏で歌ってみてください。なお著作権の都合でメロディと歌詞は書いてありませんが、皆さん日本人ならご存じですよね?