リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

DATの再修理完了

2021年09月30日 21時20分06秒 | 音楽系
30年近く前に購入したSONYのDAT DTC-A7の修理を北海道の業者さんにお願いしましたが、修理が終わり無事届いたときは往年の音が再現できたと喜んでいたのもつかの間、なんかの弾みで蓋が開かなくなりました。

それで業者さんに再修理をお願いしたのですが、向こうに届いてチェックしてもらったところ、ちゃんと蓋は開閉できるとのことでした。あら面妖な!そのままだとまた開かなくなる可能性が当然ありますので、開閉に使っているモーターを新しいものに交換してもらうことにしました。

それが無事届きましてラックにインストールしました。


 下にあるのは同じ業者さんに修理して頂いたカセットデッキA&D GX-Z9100です。こちらは問題なく稼働しています。

交換したモーターも送ってもらっています。良心的な業者さんです。



私のDATの修理状況です。業者さんのページです。

よみがえったDATデッキやカセットデッキで昔の録音を再生してみますと驚くほど美しい音で録音されています。昔よりいい音です。これは多分現在使っているモニター用ヘッドホンの性能の差だと思います。ホントはこんないい音だったんですね。

このDATに納められている音をSequia 15で録音(digital to digitalのダビング)してみました。24bit, 48kHzです。ダビングしたのを聴いてみますとDATを聴いているのと同じです。DATの方は16bitなので当然でしょう。90年代の初めの頃に制作してDATで保存してある音源をmp3まで落とし込むと音は悪くなりますが、アナログ出力をデジタル録音したものよりはいい音がしているはずです。また当ブログでご紹介していきたいと思います。

それにしても30年近い昔の機材が完璧に修理され、より高性能なモニターヘッドホンのおかげで当時よりいい音で聴くことができるのはなんか不思議な感じがします。


弦の追加注文

2021年09月29日 16時08分20秒 | 音楽系
一部間違えて注文してしまっていたので、Gamut社に再度注文を入れました。

注文した弦は数本で、1600円くらいですが、送料がなんと5000円を超えました。それも今回は低額なので税金はかかってないとのことです。

アメリカ向けの航空貨物運賃が相当値上がりしているのは知っています。先日米国在住の娘に荷物を送ったときでも1キロちょっとで3000円台の運賃でした。アメリカから送るにしてももう少し安いオプションはあると思うのですが。早く到着するのはいいのですが、これではちょっと高すぎます。

前回のオーダーで弦の購入代金84.54ドルに対して送料は42.20ドルで、今回の追加注文より少し安いです。まぁこれはドル高が進んでいるのでそのせいだと思います。そして前回の場合はOverSeas taxesというのが34.73ドルかかっています。このOverSeas taxesって何なんでしょうねぇ。購入金額の実に41%かかっています。taxesというのだから、何たら税+何たら税+何たら税+・・・なんでしょうけど、昔はこんなのなかったような感じがしますが。何かよくわからないことばかりなので一度Gamutさんに尋ねてみようと思います。

早くも到着

2021年09月28日 14時50分38秒 | 音楽系
先週末注文した弦のうち、Gamut社の分が早くも到着しました。今朝UPSから明日到着しますというメールが来ていましたが、ブツは1日早く到着しました。

Aquila社もオンデマンドの弦が完成したみたいで、昨日案内が来ていましたので、PayPalで送金しました。Aquila社も以前とは異なり事務手続きが日本なみに確実で早くなってきました。スイスにいた頃Aquila社に弦を注文して1ヶ月くらいたってもちっとも来ないので電話をかけたらいろいろ言い訳をしていましたが、要する忘れていたみたいでした。電話をして翌々日に弦は届きました。

Gamut社の分で実は注文を間違っていたものがあったので、再注文しました。送料をまた払わなければならないのでもったいなかったですが、仕方ありません。

Gamut社から買ったナイロン弦0.64mmをバロックリュートの3コースに張ってみましたが、とてもゲージが正確で一発合格です。振動不良や音程不良は全くありませんでした。他社からナイロン弦を買っていたときは振動不良や音程不良の弦が多いのでいつもかなり多めに注文していましたが、同社の場合はそんな必要もなさそうです。本来はこうあるべきですよね。このガット弦メーカーのナイロン弦、音も他社のものよりきれいです。多分少し組成の違うナイロンを使っているのだと思います。へたったガット弦よりはずっといい音がしますよ。お薦めです。

受付終了

2021年09月27日 20時14分29秒 | 音楽系
10月21日(木)開催予定の今村泰典講習会ですが、受講生の枠が埋まりましたので、受付を終了させていただきます。聴講生は引き続き募集しています。

政府が緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置を全解除するとのことですので、10月21日は無事開催を迎えることができそうです。その前の10月3日のバロック音楽の旅14第一回講座も無事開催できそうでほっとしています。こちらの方は会場を借りることができなくなったらどうしようかという対策まで考えていましたがそれはもう必要なさそうです。

今村講習会はぐっと若い方が増えました。10代の方が2名、20代が2名、あと30代、40代と続いています。10年前に開催された同氏の講習会では50代以降の方ばかりでしたが、その方たちも今や60,70代です。中にはもう気力が衰えたり連絡が途絶えてしまった方もいらっしゃいます。

今回の講習会を開くにあたり、私が関わる古楽の世界にもやっと新しい波が来ている感じがしています。

伊勢湾台風襲来62周年

2021年09月26日 14時45分06秒 | ローカルネタ
今から62年前に当地方は今でいうスーパー台風「伊勢湾台風」に襲われました。被害にあった地域は三重県の北部、愛知県の南西部、名古屋市南部などで死者は5000人を超えました。

被災地には伊勢湾台風の慰霊碑が建立されていますが、桑名市内には3つの碑があります。そのうちのひとつ、昭和37年に建立された伊勢湾台風不忘碑には次のように記されています。

最大気圧940.0mb、瞬間最大風速51.3m/s、死者202名、家屋全壊259世帯、家屋流失135世帯、家屋半壊1649世帯、床上浸水4791世帯、床下浸水1138世帯、公共施設被害41億8千万円・・・



これは書かれているように桑名市内の分だけです。旧市街と低地にある田園地帯が壊滅的な被害を受けました。この床下浸水1138世帯に我が家も含まれています。

この不忘碑の場所から堤防沿いに南下して城南干拓地の突端にいきますと、伊勢湾台風殉難の碑があります。



そしてそこのちょうど対岸、長島町の長島温泉すぐ近くに伊勢湾台風水難犠牲者慰霊碑があります。伊勢湾に面しているこの2カ所はもうほとんど水没したくらいの水害に見舞われた場所です。

長島町の碑は温泉に行く観光客が多く、まだ目にすることもあるでしょうけど、城南干拓地にある碑は少しさびれているのが気になります。10年位前まではいつも新しいお花が飾られていましたが、数年前あたりからそれも減ってきていました。さらに少し前に近くにあった温泉施設が閉鎖されたこともあって近くを訪れる人や車が激減し、目に触れる機会がなくなっているかも知れません。

弦を注文する

2021年09月25日 19時38分05秒 | 音楽系
リュートの弦は残念ながら日本製がないし、そもそも日本で売っていません。(少しくらいは手には入りますが)いつもネットで注文する訳ですが、今回もGamut, Aquila, String by mail各社に注文しました。

String by mail社はSavarezのカーボン弦(KF弦)を購入するときにいつも使いますが、ここは対応が早く、送付も手紙みたいに封筒に入れて送ってくれるので送料が安いです。

今回はガット弦は購入しませんでしたが、今年後半にいくつか予定されているコンサートに備えてナイロン弦、ナイルガット弦、ローデドナイル弦をAquila, Gamut両者に注文しました。現在テオルボのミッドレンジまでガットを使っていますので、ガットでコンサートをやってもいいのですが、まぁ念のために安定の合成樹脂弦です。

昨今は航空貨物運賃が上がっているらしいですが、それにしてもGamut社(アメリカ)の送料がバカ高かったのには驚きました。それに最初から関税が加えられていました。これってまさか日本に入ってくるときにまた関税ということにはならないんでしょうね?

Aquila社はちょっと対応が遅いのが玉に瑕です。なかなか総合計を送ってくれません。なんでも古楽系の弦はオンデマンドのものがあるらしく、注文品を全て作り上げてから正式な請求書が来るらしいです。前回ガット弦(撥弦楽器専用のHLタイプ)を購入したときもそういやそんな感じでした。私がAquilaに注文したのは合成樹脂弦ですが、それでも生産に3日くらいはかかるとありました。もうそろそろできあがる頃だとは思いますが。

感染対策用スクリーン完成

2021年09月24日 10時39分39秒 | 音楽系
バロック音楽の旅14第1回講座開催までいよいよあと9日です。例年でも第1回目はいろいろ準備が大変ですが、今年はさらにコロナ対策が加わり大わらわです。他のクラシック系のコンサートにおける対策と同様、検温・手指アルコール消毒を行い、受付にスクリーンを設置、マスク着用・ソーシャルティスタンスをお願いする予定です。検温と手指アルコール消毒は市販のものを購入しました。スクリーンも市販のものを購入しようかと思いましたが、なかなかいいのがありません。

受付のテーブルは一般的な会議用テーブルです。こちらは座り、入場者は立っているわけですが、市販品の多くは高さ60cmまでしかありません。テーブルの高さは60~70cmですから、立っている方の顔が隠れるようにするには高さ90cmくらいのスクリーンが必要です。市販品は病院の立ち位置の高いカウンター上に設置するとか対面で座ることを前提としているようです。

ないものは作るしかありません。早速近所のCainzに行って頭をしぼることにしました。使えそうなのは厚さ0.5mmの透明テーブルクロス、直径8mm長さ900mmの丸棒、厚さ5mm幅20mm長さ900mmの檜角材、台座用の端切れ木材でした。それに必要な穴をあけ、接着ねじ止めし、マジックテープと接着剤で止めて出来上がったのがこのスクリーンです。



2つ作りました。高さは900mm、幅は約900mmです。



台座の拡大写真です。黒のエンドキャップは8mmのものが売っていなかったのでネットでとりよせました。分解して束ねるとこんな感じです。



これで2台分です。コンパクトでしょ。製作費は接着剤やネジ、結束バンドも含めて2000円ちょっとです。単品ではテーブルクロスが498円で一番高かったのですが、これも倍の大きさのものを買っておけばもう少し安く済んだと思います。他のパーツは大体100円前後のものです。お安くできましたが、手間はかかりました。(笑)

オペラの演出

2021年09月23日 12時34分34秒 | 音楽系
日本ではオペラの上演は極めて限られていますが、ヨーロッパでは歌舞伎座や御園座のように長期公演している専用の劇場が沢山あります。私の住んでいたバーゼルにもオペラハウスがありましたし、チューリヒにもありました。でもこれらの劇場にオペラを見に行き、古い時代の衣装でモーツァルトのオペラが見られると期待していくと驚くことがあります。

ロンドンでロイヤルオペラのリヒャルト・シュトラウス作曲「ナクソス島のアリアドネ」を見たときは大体上演当時(とおぼしき)スタイルでしたが、フランクフルトで見たヘンデルのオペラは人形劇風でした。完全に換骨奪胎して作品は200年前のものだがステージは現代のものという演出も多いそうです。ファッションデザイナーの山本耀司氏がワーグナーのオペラの演出を担当したときも斬新なものにしたと、氏の新聞コラム(日経新聞)にありました。

ヨーロッパのオペラは一定期間公演する常打ちが普通ですから、上演当時の衣装を着た演出では飽きられてしまうというか手詰まりになってしまうので、目新しいものに向かうのも仕方がないところかも知れません。でも日本の伝統芸能である歌舞伎や文楽などでは同じような上演スタイルでありががら、基本的には初演当時のスタイルを踏襲しているのが大半です。中にはナントカ歌舞伎と称して全く新しい現代風の創作もありますが、あくまでもそれはキワモノに近い位置づけのようです。

ヨーロッパのナントカ座オペラの日本公演で、例えばモーツァルトのオペラが、歌手が皆背広やドレスを着た現代劇になっていれば、日本の聴衆は絶対に驚いたり文句を言ったりすると思います。そういったオペラを日本で見たことがないので(入場料が高すぎます)実際はどんなものなのかは知りませんが。

歌舞伎の場合は衣装、音楽、台本の密着度がオペラより強いので、衣装や音楽も含めて伝統スタイルでの公演になるのかも知れませんが、演者や受け手がそれらの芸能にどう向きあうかの姿勢の違いがあるように思えます。そしてその根底には文化の違いがあるのかも知れません。


自民党総裁選

2021年09月22日 14時27分34秒 | 日々のこと
自民党の総裁選挙が熱戦を繰り広げています。このコロナ禍において街頭演説や地方に行くことはそれほどできないでしょうから、テレビやネット、SNS上の戦い、少し大げさに言えばサイバー戦みたいになっています。

ここではどの候補者がいいのか悪いのかとか、各政策がここに問題があるとか意見や不平不満は申し上げませんが、ひとつ興味深いことがあります。それはネット調査と世論調査ではかなり方向が異なっていることです。

ネットでは河野氏、高市氏が人気ですが、新聞社などが行う世論調査では河野、岸田、高市各氏の順です。特に高市氏はネットでは人気みたいでツイッターのフォロワー数ではトップです。

このようなねじれ減少が顕著に見られるに至ったのは多分今回が初めてではないかと思います。「ネット民」は比較的若い年代の人が多いと思いますが、彼らは一番「保守的」と言われる高市さん支持が多いみたいです。世論調査ではネットに疎い方たちの意向も含まれるでしょうからこちらの方が実態を反映しているとも言えますが、問題は母集団がどういう人たちであったかということです。

でも保守とか革新ということばはもはや死語だと思います。年寄りたちは例えば共産党が最も革新的だとずっと思っているみたいですが、若い人たちから見れば党のメンバーもずっと同じで同じ主張を繰り返している同党は一番保守的に映るそうです。ですからネット民が一般的には保守的だと言われている高市さんを推すのは、革新的あるいは改革的だからというのが理由かも知れません。

ネットと世論調査、どちらが結果を反映しているのでしょうか。分かるのは一週間後です。

危険な川遊び

2021年09月21日 16時16分47秒 | ローカルネタ
先日桑名市内の員弁川(旧市街の人は町屋川と呼んでいますが)で川遊びをしていて行方不明になっていた中学生が遺体で見つかりました。謹んでご冥福をお祈りします。

とても痛ましい事故ですが、亡くなられた中学生は地元の人ではないそうです。ニュース映像によりますと県道63号線から正和台に向かう橋(坂井橋)の橋脚から川に飛び込んで遊んでいたようです。

ここは水深はそんなに深いところではないと思いますが、なにせもう10月に近いこの時期ですので水温はかなり低かったのではと思います。私が中学生の頃はもう少し下流のJR関西線の鉄橋下付近でよく泳いだものでしたが、川水は7月の終りでも結構ひんやりしていたのを覚えています。1時間以上泳いていると唇が紫色になってきて、それが川遊びを止めるサインでした。

冷たい水に長時間入っていて体温が下がり何らかの異変を起こしたのか、橋脚付近の複雑な水流に吸い込まれたのか原因はよくわかりませんが、中学生たちは川を流水プールみたいなものと考えていたのかも知れません。

私の父親も同じ場所で子供の頃泳いていたらしく(関西線は明治時代に開通しています)、どのあたりが危険な箇所かはよく知っていました。私もそれに倣ってあまりそういった箇所に近づいたりそこでもぐったりはしないようにしていました。必要に迫られて(?)近づくときは用心して近づきどう危険なのかを体で覚えていきました。町屋川は日によって水量が大きく変化します。大雨が降って2,3日は泳ぎに行くことはなかったです。

今の子供たちは水泳はもっぱらブールでしょうから、天然の川が持つ多様性についてはほとんど知らないでしょう。川遊びを推奨するわけでは毛頭ありませんが、川と言うものはどういうものかを体験的に知っておくのも大切な教育だと思います。