リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リュートの構え方

2008年04月30日 10時53分57秒 | 音楽系
リュートをどう構えて演奏するかを一般的に定義するのは結構難題です。体格や上肢の長さ指の長さ・長さ比などファクターが多すぎ、見た目でこうだ!という線は多分出せないと思います。

現代の演奏家の演奏姿を見ると、みんな見事に異なります。まず、楽器を左足(左あしの腿)に乗せるか右足にのせるか、はたまたどちらにも乗せずストラップだけにするか。ストラップを使わない人はほとんどいませんが、みなさん結構ばらばらです。楽器をクラシック・ギタリストのように左足に乗せる人はごく少数ですが、右足とぶらさげの人は同じくらい?いや、やっぱり右足派の人の方が多いかな?

ぶらさげ式は椅子の高さの調整が不要で、立奏も可能です。いろいろ便利なことが多いですが、若干楽器が不安定になりがちです。特に楽器胴体のリブ(裏板)がきつい楕円の場合は非常に楽器がすべります。反対により平らな(よりぺったんこな)リブを持つ楽器の場合は意外と弾きやすいものです。私の場合、本番で立奏はしたことがありませんが、練習のときは半分くらいは立奏です。その方が疲れが少ないし、そのうちエレキのお兄さんみたいに体をくねらせながら本番の演奏をする、という野望も少しは抱いています。(笑)

足乗せ式の場合は、さらに楽器を安定化させるために補助ストラップを使う人もいます。ま、リュートという楽器はことほど左様に人間が弾くのに不都合な格好をしているんですね。丸い線や面ばかりでつるつる滑って、困りものです。

あと、右上肢(アーム)をどういう風に持ってきて弦を弾くかも、結構角度とか位置が異なります。アームを楽器のよりおしりに近い方から持ってくる(アームと弦の角度は小さい)人から、より上方から持ってくる(アームと弦の角度は90度に近づく)までいろいろ。弦のどの位置を弾くかも、ブリッジよりかロゼッタよりかいろいろなパターンがあります。

ま、なんでもアリみたいな世界ですが(笑)、こうなってくると初心者の人はどう演奏以前にまず楽器をどう構えるかで大いに悩むことになります。一番いいのは教えてもらっている先生の方法に従うことでしょう。門外漢から見たら皆同じスタイルで弾いているかに見えるピアノも実は奏者ひとりひとりによって相当異なるらしいです。ですから、リュートに限らず、まずはその先生の方法を学びつつ自分の体格などに合った方法を見つけていくということが一番の近道なんでしょうね。

リハーサル

2008年04月29日 20時28分37秒 | 音楽系
今日は5月25日のバッハカンタータのコンサートのリハーサル。本当はもう一回リハーサルがあるんですが、参加できないので私にとっては今日が最後のリハーサルになります。ということでしっかりとさらって行きました。曲は136番、140番それに180番のソプラノのアリアです。

リハーサルはいつものK先生のお宅です。このリハーサルはいつも早めに行くので、私は時間に正確というか、いつも早めにきちんと来る男だと思われています。(多分)初めてお伺いしたとき、実は時間を1時間間違えていまして、えらく早く着きました。その次は今度は30分早く間違えてPDAに書いたお陰でやはりかなり早く到着。それ以降はきちんと正確に集合時間を書いていますが、せっかく多分きちんとした男だと思われているようなので、早めに行くことを心がけています。

今日は何人かソリストも含めて来られない人もいて、何曲かソロやレチタティーヴォがリハーサル出来ませんでした。私としてはもう当日しかありませんが、まぁなんとか歌手さんに合わせていける、かな?(笑)ホントは今日やっときたかったんですけどねぇ。

このコンサートはロータリークラブ主催で名古屋観光ホテルで行われますが、一般公開はされません。ロビーでも演奏するかも、って聞いていたんですが、それはなくなったようです。10月にも同じグループでカンタータを演奏します。こちらは一般公開で入場無料です。詳しくはHPをご覧下さい。

カラス

2008年04月28日 09時11分40秒 | ローカルネタ
最近ゴミ収集日に出すゴミがよく散らかされます。まさか人間が何度もすることはないだろうと、近所を見て歩くと、電信柱の上の方にカラスの巣がありました。これはカラスのしわざのようですね。よく各地で聞く話ですが、名古屋市なんかではゴミ袋が黄色の袋になっていて、そうするとカラスが突っつかないそうです。

ウチはいつも朝早く7時頃に、近所では一番早くゴミを出していました。ウチの近所ではゴミ収集用エリアに持っていくのではなく、道ばたに置いておく式で、要するに家の前に置いておくだけですが、よその家がまだ出していないその頃を狙われていたようです。



今日はゴミ収集の日ですが、9時前まで待ってから置きました。朝食のときよく耳を澄ませていると、カラスの鳴き声が聞こえました。やっぱりねらいに来ているわけですね。でも今日は獲物がないなぁ、なんて言ってるのかも知れません。

9時ちょっとまわりましたが、もうご近所も全部ゴミを出していました。今のところはカラスは来てません。カラスさんは、早朝出勤するついでに一仕事していたようです。今日は無事に行きそうです。

ナビ

2008年04月27日 11時02分15秒 | 日々のこと
カーナビを買おうかと検討しています。人間ナビがあるからそんなの不要だ!と強がりを言っていたんですが、先月行った鹿児島旅行でナビつきの車の便利さにいたく感銘をうけました。ナビってこんなに便利だったんですね。

実は数年前にもナビをつけようかと迷ったことがありました。何せ新しいものならなんでも好きなもんで。(笑)このときはカーステレオをいいのにするかナビにするか迷ったんですが、カーステレオにしてしまいました。というのは、車でどっかに行くときに地図だけで絶対に行く自信があったから、ナビなんて不要だと思ってたんです。それにナビってあまり正確じゃないって思ってたんですね。というのはそのときよりさらに数年前、つまり今から10年くらい前にナビがついている車に乗せてもらったことがあったんですが、なんか車の進路が地図から微妙にずれてたりして。(笑)

妙な自信やら、ナビの悪印象やらで、ナビなんていやないやって思ってたんですが、先の旅行でナビの超正確なことに驚き。何をいまさら言ってんだとおっしゃるむきがほとんどでしょうけど。

機種を検討しているところですが、サンヨーのNV-SD580DTあたりがいい感じです。価格ドットコムでは60000円ちょっとで出てます。この機種の後継にあたる機種が先週でましたが、まだ値がこなれてませんが、新しもの好きとの私としてはこっちの方も気になります。さてどっちにしたものか。

源氏物語とリュート

2008年04月26日 12時08分37秒 | 日々のこと
源氏物語が歴史に登場して1000年を迎えるということで、展覧会が開かれるそうです。(源氏物語千年紀展ーー恋、千年の時空をこえてーー)それを紹介する特集が日経新聞に組まれていました。

源氏物語というとはずかしながら高校の古文の授業で読んだぐらいとあと源氏物語絵巻とか屏風の一部を見たにすぎず、ほとんど何も知らないというのが本当のところです。いずれ現代文ででもそのうち読んでみようかと思っているんですが、それもまだです。(笑)かくなるは、まずこの展覧会に行って源氏の世界に触れてみるというのが一番よさそう。
新聞の同特集のコラムに、「・・・中世の人々も、必ずしも源氏物語の原文を全て読了していたわけではない。・・・」とありました。なーぁんだ、ちょっと安心しました。言語的には現代人より有利な位置にいたはずの当時の人々でもちょっと困難を感じるくらいのレベル、あるいは長さだということでしょうか。

昨日リュートを教えていて、Aさんとのレッスンが終わったあとAさんが「リュートってホントに入門時が大変なんですねぇ」とぽつりとおっしゃる。「ええ、その点では最右翼の楽器のひとつでしょう」「でもその大変なところがおもしろいんですよ」

Aさんは大変意欲的にとりくんでらっしゃる方で、リュートは調弦などが大変だし音もなかなか出しにくいんだけど、それを超えた魅力が楽器とその音楽にあるとおっしゃいます。簡単に征服できたのでは世の中かえってつまらないものなんでしょう。

16世紀頃のヨーロッパでは、貴族や僧侶などの社会階層ではねこもしゃくしもというくらいリュートが隆盛したといわれています。当時の某有名製作家が亡くなったあと、彼の(共同制作をしていた)工房には数百本分の作りかけリュートが残されていたといわれています。これも当時におけるリュートの隆盛を物語るエピソードでしょう。でもリュートがちょいちょいと弾けてしまうような楽器ではおそらく、このような隆盛はなかったでしょう。すごく魅力的だけど、ちょっと手が届きにくさを感じる、でも全く不可能ではない、その微妙な立ち位置が人気の源だったのかも知れません。そうのって、一旦触れると逆にどんどん引き込まれていってしまうものです。

このあたりは源氏物語と少し似ているような感じがします。コラム筆者の言うように、当時ですら多少の困難があったものだから、現代人なら当然。現代語に訳したところでやはり長すぎてなかなか終わりまでは行かない、でもその魅力に一旦触れるとどんどん引き込まれる。かたや一人の作者が作った世界、かたや何人かの奏者、製作家、愛好家などが共同で作った世界という違いはありますが、存在する立ち位置、魅力の深さはよく似たところがあるように思えます。

役に立たない自転車

2008年04月25日 09時13分25秒 | 日々のこと
もうかなり前になりますが、ホンダの電動アシスト付き折りたたみ自転車を買って今も保有しています。確か2001年か2002年頃でしたか。この自転車はホンダのステップバンの搭載用として販売されていたもので、ホンダの店に行ったときに気にいってしまい、即買ってしまいました。今ではレアものかも(笑)。



最近余り乗っていないので、ほこりがかぶっていて汚れていたので、先日きれいにしてあげました。自転車自体はよく乗るのですが、この自転車にはあまり乗りません。というのはある事情があるからです。



この自転車は電動アシストがついていて乗ってラクチン、スタイルもかっこよくその意味では非の打ち所がないんですが、困ったことにこれを駐輪しておくといたずらする人がいるのです。倒されていたり、明らかに持っていこうと(というより盗もうと)したらチェーンでしばってあるので、持っていくのをあきらめたとか・・・一番ひどいのは、散髪屋の前に止めておいたら、盗もうとして持ち上げたけど、チェーンがあったのであきらめたようです。そしてそのまま下に投げつけたので、前照灯が破損していました。

これ以降、この自転車に乗ってどっかに駐輪するのは止めました。だからこれに乗るときはただ乗っているだけ、従ってどっかに用があるときには使いません。しかし、最近は悪いヤツが多いんですねぇ。ランドクルーザーでも駐車してあるのを盗んで行くくらいですからねぇ。

その手は・・・

2008年04月24日 10時15分21秒 | ローカルネタ
NHKのためしてガッテンで、桑名が出てきてましたね。今回ははまぐりがテーマで、目玉は北斎の版画に描かれている焼き蛤の図と同じ調理方法を再現したら、それがとてつもなくおいしい焼き蛤ができた!というものです。

はじめの頃に桑名での取材が出てきましたが、よく知っている所、蛤料理の日の出さんや、市博物館、ごぼさんなんかが出てきて、ローカル番組を見ているようでした。そんなロケというか取材があったとはちっとも知りませんでしたねぇ。ここ数年桑名と言えば、航空事故やら建設会社の不祥事やらもうちょっと前は産業廃棄物施設の事故とか全国放送してもらうとイメージダウンになるようなことばかりでしたから、これで多少は汚名返上になったかな?(笑)

番組の中でもうひとつ興味深かったのは、「ぐりはま」ということばがある、と紹介されていたことです。蛤はちょうつがいが各個体によって異なり、他の個体とは合わないことから、ぴったり合うことにたとえられていたらしいです。蛤という字もそれから来ていますよね、多分。で、その逆、つまり物事が食い違うことを、「ぐりはま」といったようで、結構古いことばだそうです。なんかどっかの業界用語みたいな。(笑)広辞苑で調べてみたら確かに載っていました。「ぐれはま」ともいうようで、番組では「ぐれる」ということばの語源だといってましたが、直接的には「ぐれはま」から来たんでしょうね。


カンタータの通奏低音

2008年04月23日 11時33分32秒 | 音楽系
5月に通奏低音を頼まれているバッハのカンタータ136番の楽譜をシベリウスで清書してみました。最近は結構はやく入力できるようになりまして、曲によってはもう手書きよりずっと早いと思います。音価が頻繁に変わる曲、例えば付点が続くような場合とか臨時記号がいっぱい出てくるのはまだちょっと遅くなりますが、そのうちもっと慣れるでしょう。

清書したのはレチタティーヴォとオブリガート付きのアリアです。パートの多い曲は自分のパートだけです。あくまでも自分の演奏用ですから。あと180番のアリアを一曲やらなければなりませんが、これは数字がついてないのでちょっとやっかいです。楽譜を見ると数字なしでもなんとか弾けそうですが、バッハの使うハーモニーは多彩ですから上のパートをよく見ておかなければなりません。

136番にはイ長調や嬰ヘ短調が出てきます。Gチューニングのアーチリュートで演奏するには若干技術を要します。ドイツテオルボ(バロックリュートの調弦)やるかフレンチテオルボでやるか、はたまた楽器を半音下げて移調譜を使うか迷いました。移調譜を使ってみようかと、シベリウスで半音上げた楽譜を作ってみました。こういうときはデジタル物は便利です。確かに最初うちは楽になるには違いないですが、全ての楽章を見てみると必ずしもそうはいかないことがわかりまして、結局そのままGチューニングのアーチリュートでやることにしました。ひとつのコンサートで異なる調弦の楽器を五線譜で読むと頭が混乱するし、そもそも2本楽器を持っていくのがちょっと大変です。

件のコンサートのリハーサルは2回あるんですが、1回しか(来週です)出ることができません。あと1週間のうちに新しい曲2曲(136番と180番より1曲)と今までにやった曲(140番)をさらっておかなければなりません。できるかしら?(笑)


また安全保障

2008年04月22日 11時29分09秒 | 日々のこと
永世中立国スイスの安全保障の体制はどんなんか、バーゼル滞在中にそのつもりでいろいろ眺めてみていましたら結構興味深かったです。って別に詳しく調べてみた訳ではなく、街を歩いていて目にしたものっていう程度のことですが。(笑)

ご存じのようにスイスには立派な軍隊があり徴兵制もあります。いまだにスイス人傭兵がバチカンを守っているという話もあります。さらに海軍もあるって話もききました。海に面していないスイスにどうして?って思いましたが、なんでもレマン湖で使う艦船らしいです。本当かどうかは知りませんが。レマン湖に浮かぶ空母から艦載機が発着というのも案外軍事的には有効かも。(笑)

私のバーゼルの下宿は駅(バーゼルSBB)のすぐそばだったので、駅は毎日のように通りました。駅の構内で、結構な頻度で銃を装備した軍服の若いおにいさんたちが歩いているのを目にしましたよ。鉄道で陸軍用の車両を運送しているのもときどき目にしたことがあります。こういうのを見ると、スイスってなかなかしたたかなんだな、っていつも思いました。スイスの周辺国はさすがに現在においては軍事的な脅威を感じさせる国はないと思うんですが、まだ万一のときの備えを怠っていないんですね。日本の周辺国をスイスの周辺国と比べると・・・うーん、やっぱり我々はもうちょっとしっかりせんとなぁ。

駅の本屋さんで立ち読みした軍事専門誌で、スイスの戦闘機の迷彩が白だったのにはなるほどと妙に感心しました。ジャングルの色みたいな緑系の模様をつけた戦闘機がアルプスの上空を飛んだらやたらと目立ってしまいますよね。(笑)

あと有名な核シェルターですが、スイスの全家庭に装備なんてこと聞いたことがあるもんでまず自分の下宿の中を探しましたが、それらしいものはありませんでした。あの薄暗い地下のシャワー室が核シェルターだったんでしょうか。(笑)知り合いの家にもそういうのがあるのは見たことがありませんでしたが、郊外の家にいくつかシェルターの入り口みたいなのを備えている家を見たことがありました。でも首都ベルンの繁華街の建物には皆シェルターの入り口とおぼしきものがありまして、さすが首都だと思いました。いくつかのお店ではその「シェルター」とおぼしき部分もお店の一部になっていましたが。



シェルター設置に関してはもう法律が変わって各戸や各地域に設置する必要はなくなったようですが、もともと大して徹底はされてなかったんでしょうかねぇ。

ということで美しいアルプスの山々、ハイジの里のイメージのスイス、実はそれだけではなかったんですね。新しいスイスのイメージ、スイス安全保障視察ツアーなんてあると興味深いですね。ま、参加する人はごくわずかでしょうけど。(笑)

安全保障

2008年04月21日 14時08分50秒 | 日々のこと
今朝の新聞に沖縄の米兵の息子が万引き、という記事がありました。このややこしいときに困った事件ですね。でも在日米軍兵士に関連する様々な事件をきっかけにこの際日本の安全保障に関することをこの際みんなできちんと議論しよう!という風にはなかなかならないですねぇ。(笑)

現時点では、日本がアメリカの軍事力の傘の中に入っていて、その状態でもって極東の軍事バランスが取れていると認識していいと思います。「平和」主義みたいなことを唱える人たちは軍隊を持つことは戦争をしようとするということだとばかり、米軍出て行けみたいなことを言うことが多いようですが、じゃ米軍が出て行ったあとどうなるのかという議論にはなかなか行かないです。

日本にある全ての米軍基地がなくなると、どうなるかは私は専門的な知識を持ち合わせていないので正確に言うことはできませんが、たぶんこんな感じかな。

日本が保有する軍事力だけでは不足になる。そのままで放っておくと周辺国から脅威を受ける可能性。今でも年間相当回数スクランブル飛行しているし、いつぞやはどっかの国のミサイルが日本上空をまたいでいったくらいだから。だから自前で軍事力強化、核武装も必要か?そうしようとしたとたん(あるいは言おうとする前から)、周辺国がいろいろ言ってきて大混乱。核武装と言っただけで国内はもっと混乱?

ということでこのままそっとしておくのが現状では得策のような気がしますが、冒頭にかいたような問題が続出、困ったもんです。日本周辺の安全保障はかなり長い期間をかけて変えていく変革していく必要があると思いますが、そのためには国民が現状を認識、本来あるべき姿をきちんと見据えておく必要があります。でもそのあたりちょっと心許ない感じも。80年代90年代よりは変わりつつあるようにも思えます。橋本國彦の交響曲第1番が再評価されたというのがその変化の象徴だぁ、ん?なんのこっちゃ。(笑)