リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

愛知県西尾市の養寿寺でコンサート

2010年03月29日 10時03分59秒 | 音楽系
日曜日は愛知県西尾市の養寿寺でコンサートでした。このお寺は大変由緒あるお寺だそうで、このコンサートは毎年3月の最終日曜日に行われる涅槃会の催しとして行われました。当山では涅槃会には雅楽が演奏されていたそうで、そのためこの日を「矢田のおかげん」(おかげんはお管弦)と呼ばれているそうです。

http://www.city.nishio.aichi.jp/index.cfm/8,2191,92,418,html

共演はバロックヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバのK夫妻、西尾市の地元の方です。
行ったことがないところので、グーグルマップで入念に下調べ。養寿寺までの道を何枚かに分けて印刷して、それを車のハンドルの裏側に置いてそれを見ながら運転します。私の車はスピードメータが中央にあるので、正面ハンドル裏側に地図を置いても大丈夫なんです。ナビはいらずですね。(笑)

1時頃到着しましたが、すでにお寺は人で賑わっていました。歩いてお堂の方に向かおうとしていたら、ひとりのおじさんが声をかけてくれて、今日のコンサートを楽しみにしているとおっしゃっていました。

「リハーサル室」として通していただいたお部屋は、襖、天井、戸に絵が書かれていてたいそう立派なお部屋です。あとで住職さんに伺ったんですが、この建物自体は江戸時代のものとのことです。襖などの絵はその頃のものなんでしょう。

この日は大変いい天気だったんですが、気温は低く、使い捨てカイロをポケットに忍ばせての本番でした。コンサート会場になる本堂の仏様の前に屏風をおいてその前で演奏しました。仏様のお加護があったのでしょう、広い本堂にも関わらず、大変音がよく通り、リュートのソロのピアニシモの音もよく通っていました。残響時間はもちろんお寺の本堂ですから、ヨーロッパの教会みたいには行きませんが、帰ってくる音がとても柔らかく全体としてとてもいいサウンドになったと思いました。コンサートは100人以上の方に来ていただき、住職さんもこんなにたくさん来ていただいて、と驚いていらっしゃいました。
曲目は

コレルリ作曲 ソナタ10番ヘ長調
ヴェラチーニ作曲 ソナタ6番イ短調
マレ作曲 聖ジュヌヴィエーヴ教会の鐘
バニスター作曲 グランウンドによる変奏曲
ヴァイス作曲 ソナタニ短調より



でした。

コンサート終了後、何人かの方がリュートを見にきました。ひとりの方が、柱が陰になって右手で弾いている様子が見えなかったとおっしゃるので、それじゃぁということでその場でミニコンサート(笑)。また来年涅槃会の際も演奏したいもんですね。

日経新聞Web版

2010年03月25日 08時55分48秒 | 日々のこと
日経新聞のWeb版がスタートしています。私は朝刊、夕刊とも購読していますので、1000円追加するだけでWeb版が読めます。発表と同時に申し込んでおきました。23日からスタートしましたので、ポータルサイトもヤフーからnikkei.comに。

さすがにヤフーと比べると読むところが多くて楽しいですね。(笑)一番興味深いのは、新聞の紙面がそのまま表示されるモードがあること。普通のインターネットの形式は、隙間が多くて、横組です。しかも1行の長さも長いので、新聞の字組みに比べると読みにくい。紙面レイアウトから普通に読めるし、Webモードに行けるので、このモードの方がいいですね。Webモードは、何か針の穴から世界を眺めているだけで、どういう記事があってどのジャンルをどのくらい読んだかが把握できません。もちろんWebモードでもどういう記事があるかはざっと把握できますが、新聞の一覧性に比べれば数段劣ります。階層化されているのもネック。

長年培った新聞のレイアウト力は伊達ではありません。今のコンピュータは新聞のレイアウトを描き出すのに十分なパワーをすでに持っていますから、この伝統の新聞レイアウトとコンピュータが結びつけば、新たなメディアに・・・なんてこんなことはとっくに言われていて、キンドルも出てますわね。(笑)

バロック音楽の旅全5回終了

2010年03月21日 18時31分46秒 | 音楽系
昨日はバロック音楽講座「バロック音楽の旅2009」の第5回最終回でした。今回は、イギリスの歌と題しまして、イギリスの声楽曲を中心にプログラムを組んでみました。

演奏は、加藤佳代子(ソプラノ)、上田牧子(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、錦万智子(リコーダー)の各氏と私のテオルボです。

曲目は次の通りです。

ジョンソン作曲 蜂が蜜吸うところで

作者不詳 柳の歌、グリーンスリーブス

パーセル作曲 おお孤独よ、薔薇より甘く

ヘンデル作曲 もし神が私の味方なら

休憩

バニスター作曲 グラウンドに基づく変奏曲

シンプソン作曲 グラウンドに基づく変奏曲

メイス作曲 ニ短調の組曲より

ウィルビー作曲 どうすればいいの?

ペープシュ作曲 カンタータ「コリドン」

できるだけ聴いていただく皆さんに分かりやすくするということで、曲の解説を入れながら進めていくというのはいつもの通りです。ときおりギャグがすべってましたが。(笑)

さて、今回で2009年度のシリーズは終わりですが、主催する側からするとなんかあっという間に終わってしまったという感じです。今回の演奏メンバーに演奏を依頼したのは実は1年以上前のことでしたが、メンバーの皆さんは、遠い未来の演奏会だー、なんて言っていたものですが、時の経つのは早いもんですね。

来年度もこのシリーズは継続予定で、その名も「バロック音楽の旅IV」です。コンサートの数を従来の3回から一回増やして4回になり、パワーアップしての登場です。来年度は、年間を通じて定期的に開催することにしましたので、第1回は5月29日になります。バロックチェロの高橋弘治さんをお迎えして、バッハの無伴奏チェロ組曲の演奏会です。初回からなかなかすごいプログラムでしょ?各回の概要は以下の通りです。桑名市の広報で募集が公示されるのは5月15日ですが、現在先行予約を受け付けています。ご先行予約希望の方は、メイルでお申し込みください。shoji726lute@gmail.com

バロック音楽の旅IV(会場は桑名市の大山田キリスト教会、15時開演)

第1回 5月29日(土)コンサート 無伴奏チェロ組曲を聴く
あのプティ・バンドでも活躍した名古屋在住の俊英、高橋弘治がバロック・チェロでバッハの無伴奏チェロ組曲をたっぷり聴かせます。

第2回 8月7日(土)レクチャー バロック音楽の聴き方

第3回 10月2日(土) コンサート リュートソングの魅力
古楽界期待の新進ソプラノ歌手、増野由香がダウランド、モーレー、キャンピオン、メイナードなどイギリス・エリザベス時代の作品を歌います。

第4回 12月4日(土) コンサート フランスのリコーダー音楽
クリスマス・ムードにあふれる教会でフランスのバロック音楽はいかがでしょうか。リコーダーはベテラン岡崎和光、チェンバロは若手の小原道雄です。
 
第5回 2月19日(土) ビアンカ・ローザ コンサート
ひさびさに桑名に登場です。ビアンカ・ローザはソプラノ、リコーダー、ガンバ、リュートの4人グループ。イタリアの作品を中心にスペインの曲も演奏予定です。

楽譜注文

2010年03月17日 10時05分11秒 | 音楽系
イタリアの楽譜出版社 Ut Orpheus Edizioni からいつも「今月のお得商品」の案内が届きますが、久しぶりに見てみました。リュートのものはなかったですが、17世紀のイタリアの器楽アンサンブル曲を注文しました。ユーロも安いし。でもまんまとひっかかったみたいです。(笑)

さようなら、元気村

2010年03月16日 19時27分57秒 | ローカルネタ
先月久々に市内の元気村という名前の温泉に行ってきました。これは桑名市の南東のはずれにある温泉で、場所的には有名な長島温泉の揖斐・長良川河口の対岸、すぐ近くに伊勢湾岸道路が走っています。

久々に行ったら、料金が500円に値下がりしているし、お客さんも少ないのでくつろげるなぁなんて思って、先日またのこのことでかけましたら、入り口に3月一杯で営業終了の張り紙がしてありました。

うーむ、残念ですねぇ。ここは泉質はなかなかよくて、塩素臭はほとんど(ひょっとして全然?)ない感じでしたので、評価していたんですが。(だったらもっと行け、と言われそうですが)

この地に温泉施設ができたのはかなり昔で、40年以上前だったと思います。最初は、100円温泉、桑名温泉とかいう名前で、湯がいいと評判でした。それから何年かして、健康ランド式の施設に建て替えられ、名前も元気村と改められました。4階建ての建物の一番上にはレストランがあり、うちの子どもがまだ小さいころはよく家族で出かけたものです。

元気村温泉は、桑名市内の干拓地の最果て、ごみ処理施設?が異臭を放ち、対岸の川越火力発電所の煙がさらに異臭を上乗せし、ついでに高速道路がすぐそばを通っているようなところに立地しており、ある意味秘湯と言えますが、最初にできたころは、それらはなく、海が綺麗で潮風がここちよいところでした。最高のデートスポットでもありました。今はこんなところでデートするひとはいないでしょうねぇ。(笑)

周りの環境の劣悪化もあるでしょうし、他の同様の温泉施設があちこちにできたことも影響しているのでしょう、ついに力尽きたという感じです。受付の人に聞きましたら、壊すにもお金がかかるので、このまま置いておくそうです。誰かが買い取ってまた営業再開ができるといいんですけど。

祝!稲葉真弓さん

2010年03月13日 19時49分23秒 | ローカルネタ
家内のいとこで小説を書いている稲葉真弓さんが芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しました。受賞作は「海松」(「みる」=藻の一種らしい)は三重県の志摩地方を舞台にしているそうです。同作品で2008年に川端康成文学賞も貰っています。実はそこに家内の母親の実家がありまして、何年か前、そこへ稲葉さんは家内のおじと取材に行ったことがある、と家内の母親が言っていました。受賞作はまだ読んでないので、早速アマゾンで注文しました。

稲葉さんの小説はいわゆる純文学のジャンルに入るようで、実は私はエンタテイメント系のものばかり読んでいるので稲葉さんの作品はそんなに多く読んでいません。ときおり日経新聞の文化欄に掲載されるエッセイはとてもきれいな文章で大好きです。

もし純文学系のものがお好きでしたら、ぜひ一度彼女の作品を読んでみてください。

確定申告

2010年03月12日 11時21分25秒 | 日々のこと
確定申告に行ってきました。3月15日締切なので、さすがにぼちぼち出しておかないといけません。株で損ばかりしていましたので、繰越損失の中から相殺しようと第三表の書類も作りました。でも、事前に税務署に聞いてみましたら、毎年継続して申請しないとだめだそうです。2年前と3年前は申告をしましたが、昨年度は、何も取引をしなかったので、申告をしませんでした。だから損失の繰越はできないとのこと。うーむ、残念。そんなこと知らなかった。そういう人のために復活申請はできないかと聞いたら、「そんなのだめに決まってるじゃないですか」とのお答え。ええ、まぁそちらが勝手に決めたんですから、その通りでしょう。(笑)もう少し救いの手を差し伸べてもいいんじゃないかな、と思いましたけどねぇ。

今回も国税庁のホームページで作成しました。e-Taxという方法もあるようですが、手続きが面倒だし経費もかかるし、そもそもウチは提出場所に近いので別に自分のコンピュータから送付する必要があまり感じられません。

この国税庁のホームページはなかなかわかりやすくよくできています。ただでさえ嫌われがちなのに、ホームページの出来が悪くてさらに嫌われるのはイヤなので、力を入れて作った感じがします。(笑)

チェロ6

2010年03月11日 12時42分39秒 | 音楽系
最近、無伴奏チェロ組曲の第6番のリュート編曲を手がけ始めました。そもそもチェロ組曲は非常にリュートに適している(ひょっとしたら、かなりの曲はリュート編曲があった、とかオリジナルがリュートであった?)にもかかわらず、リュート奏者の中では録音している人が少ない曲です。

それは恐らく、編曲の問題に行き当たるのではないかと思います。編曲自体は結構存在していますが、バスのつけ方がいい加減なものが多いです。きちんと納得できるバスがついているのは師匠のホプキンソン・スミスくらいじゃないかと思います。ただ彼は残念なことに4番と6番しか録音してませんが。

さて6番を何調で弾くか、がまず問題ですが、この組曲の場合は、どうみてもオリジナルのニ長調で決まりですね。こういうのは編曲する際、1プロセス減るので楽です。(笑)オリジナルの五線譜をそのまま使って編曲の作業ができます。

そもそもこの曲はチェリストにしても大変な曲で、バッハのオリジナルは普通の楽器の第1弦よりも5度高い弦を1弦側に要求しています。これはもはやチェロではないので、この楽器はヴィオラ・ポンポーザとかヴィオロンチェロ・ピッコロではないかとか言われていますし、最近ではヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ(肩掛けチェロ)で演奏している人もいます。でも決定的なことは分かりません。ま、私の場合、バロック・リュートで弾くので、その結論はどうでもいいですが。(笑)

プレリュードとジグをざっと弾いてみましたら、困難そうに見えるところも意外とバロック・リュートでいける感じで、極端に不都合なところはありませんでした。残りの曲も多分バロック・リュートに上手くはまる感じです。この曲は他の組曲よりハーモニーがたくさん書かれているので、どういうバスが暗示されているかということにあまり頭を悩まさなくて済みそうです。

またLED

2010年03月07日 12時22分55秒 | 日々のこと
LED電球をまたひとつ買ってきました。今度はコンピュータが設置されているテーブルを上から照らすライトです。60ワット白熱球を使っていましたが、光源に近いために夏場はかなり暑さを感じてしまいます。これこそLEDにすべきだということで、家内とヤマダ電気に行ったついでに買ってきました。

買ったのはパナソニック製のLDA7D-A1です。電球にこういった型番をわざわざ書けるのも今のうちだけですね。(笑)6.9Wで570ルーメンの明るさです。LED電球は思ったより長かったり重かったりするので、一番短くて軽いものを買いました。特に長いとライトの傘からはみ出してしまい、まぶしくなるので、きちんと選ぶ必要があります。

前に買った東芝製のLED電球(コンピュータのテーブルの右側から光っています)と比べると、同じ昼光色をうたっているとはいえ、ずいぶん白っぽい色です。メーカーによる違いというか個性というか差というか、そういうものは結構あるもんですね。

で、左右の光源をあわせても10W少しなのに十分な明るさなので大いに満足しました。夕方になっているので、部屋を出て門灯の明かりスイッチを入れましたら、おっと点灯しません。そういや昨夜は断末魔のような黄色っぽい弱い光でした。ついに今日はお陀仏です。ライトを交換しなくちゃ、でもタマがない・・・そう、こういうものこそLEDです。(笑)

ということで、さっきの6.9WLEDを門灯につけることに。この際なので、門灯のカサなどを綺麗にふいたりして、1個の電灯を替えるのに結構時間がかかってしましました。(笑)門灯は1日に7、8時間はつけますので、LEDにするのに最適です。LEDのスペックによると6.9Wで40000万時間使えるそうですから、一日8時間X365日で割ると13年半以上持つことになります。すごくお得感を感じてしまいますが、でも電球代自体は3890円もするので、トータル的にはどんなもんでしょ?やはり少しくらいはお得かな。(笑)LEDも1000円台になったら、結構付け替えが進むのでは。そうそう、スタンドのLEDがなくなったので、また一つ買ってこなくては。

佐々木譲さん

2010年03月04日 11時55分59秒 | 日々のこと
バーゼル留学中に、テナーのIさんから佐々木譲のベルリン飛行指令という小説がおもしろいと紹介されて以来、彼のファンです。Iさんも軍事系のものがお好きで、彼の場合は船、私は飛行機で少し違いはありますが、オタッキーな話題が花咲いたものです。(笑)

私のHPで「通奏低音用例集」というしょうもないコーナーがありますが、佐々木譲さんの作品から引用をするために、ご本人から許可を頂きました。こちらからメイルしたんですが、快諾を頂き、スイスに自分の読者がいるとは、なんて驚いてらっしゃいました。

その佐々木譲さんが先ごろ直木賞を受賞されて俄然有名になりました。もともと有名ではあったんですがさらに・・・本屋では彼の作品が平積みになっています。

ベルリン飛行指令に続く、エトロフ発緊急電、ストックホルムの密使の3作品は三部作になっていまして、彼の第二次大戦ものの代表作です。彼のあの時代の描写はとても時代的な雰囲気が書き込まれていて引き込まれます。プロペラ飛行機オタクとしては、もっと書いて欲しいんですが、最近は警察ものが多いですね。

例の三部作は、こちらに戻るときにスイス在住の方に差し上げましたので、日本に戻ってからまた読みたくなり、買い直しました。なんとアマゾンの中古本で1円で売っていました。苦労して書いた作品が1円で売られているなんて、佐々木さんには悪いと思いましたが、買ってしまいました。(笑)でも直木賞受賞後はこれらの1円本はほとんどなくなり皆2、300円以上するようになりました。売上が急増しているわけですね。

佐々木さんには今後もどんどんいい作品を書いて欲しいです。できれば昭和のはじめの頃を舞台にしたものを・・・