リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

写生

2011年05月26日 13時24分53秒 | 日々のこと
朝、玄関のドアホン。

「なんやらかんやら」

なんかよくわかりませんが、降りていく。

玄関をあけると、初老のおじさん。

「このドクダミはお宅のですか?」

「えーっと、ここは敷地の境界線が複雑で、このドクダミはうちの土地に生えているものですが、こっちからはお隣さんのものです」

「小さいものの絵を描けていう課題がありましてね・・・」

なるほど、写生の素材ですね。ええ、どんどんちぎって持って行ってください、うちのドクダミは人気ですから。

開花

2011年05月25日 17時34分18秒 | ローカルネタ
今年もうちのネコの額のような狭い土地の端っこにドクダミが開花いたしました。(笑)なかなか可憐ないい花ですね。



もう一週間もしたら多分満開になるでしょうね。ウチに自生するドクダミを刈り取って乾燥させたら、結構沢山収穫できるでしょうけど、問題は干す場所です。(笑)

教養

2011年05月23日 15時13分45秒 | 日々のこと
NHKスペシャルで太地の鯨漁のことをやっていました。反捕鯨団体が押し寄せて、漁民と対立している問題です。事の判断はとりあえず置くとして、見ていて思ったのは、反捕鯨団体のひとたちの下品さです。ことば使いも失礼な言い方が多かったし、漁師さんを挑発して怒ったところをビデオで撮ろうと待ちかまえていたり、10万円をヒラヒラさせながらこれで鯨を放してやれと言ったり、盗撮したり・・・いったいどういう人たちなんでしょうねぇ。たとえ正しいことをしているとしてもこれでは話になりません。

人の家にあがりこんできて、お前の生活習慣はこう直すべきだ!、といって居座られるのと同じようなものですからね。ってちょっと違うか。(笑)

ま、それにしても異なった価値観とか文化に対する許容度が低いです。アメリカやオーストラリアの全ての人たちが反捕鯨団体の人たちと同じ考えも持っているとは思えませんが、ザ・コーヴという映画がアメリカのアカデミー賞を取ったわけですから、ああいう考え方に対する一定の支持はあるのでしょう。また彼らの考え方の根底にはまだ差別意識みたいなのもあるのかもしれません。

これは一種の文化的な侵略かも。その結果漁師さんたちの生きていく権利とか尊厳が損なわれているわけですが、それに対して彼らだけで彼らだけで挑まなくてはいけないというのは酷なことです。

若桑みどりさんの大著「クアトロ・ラガッツィ」によりますと、その昔、イエズス会の宣教師たちが日本に布教活動に来たときに、布教の方法を他のアジアの国の人たちに対する方法とは異なるやりかたにしたそうです。それは、日本の民は充分に高い文化・理解度を持っていたためで、自分たちの国の人たちに対して行うのと同じような方法で(つまり強制的に盲信させるような方法ではない)行ったそうです。宣教師たちは、自分たちとは全く異なる文化を理解、尊重できるだけの教養があったわけです。

布教活動と反捕鯨活動はもちろん内容的に異なりますが、反捕鯨活動家たちにはたして昔のイエズス会の宣教師たちのような教養はあるのでしょうか?

CDジャケットデザイン出来!

2011年05月22日 15時15分05秒 | 音楽系
CDのジャケットデザインが大体決まりました。

絵は、ユキンコアキラというストリート・パフォーマーの方の作品です。彼はリズム・ペイントと彼が呼ぶ方法で、ユーロ・ビート風の音楽に合わせて絵を即興的に描いて行きます。その彼が名古屋駅西でパフォーマンスしているところに、たまたま通りかかり見ていたら、何かひらめくものを感じました。彼がやっているパフォーマンスと私のリュート演奏は、一見両極端に離れているんですが、実は非常に共通しているものを感じたのです。

彼は私の息子くらいの年の人で、よっぽどその場でCDジャケットの絵を頼もうかと思ったんですが、さすがに少しためらいがありました。ひとしきり彼のリズム・ペイントを見て、彼の作品が私のCDジャケットを飾るべきか否かを反芻しながら帰宅しました。

帰宅して彼のHPで見ることができる作品のうち、気に入ったものを使って、仮のCDジャケットのデザインをしてみました。するとやっぱり本当にぴったりだったのです。すぐさま彼にメイルで絵をオーダーしました。

そしてできあがってきた作品で、デザインしてみたのがこれです。



絵のタイトルは「ソノ時ヲ待ツ」です。ヨーロッパで発売するので、この日本語のタイトルがはっきりと見えるように書いてほしいと注文してあります。なにしろ、ヨーロッパではカタカナや漢字はカッコイイ文字なんですから。CDのタイトルは「Mood of Lute」日本語では「リュート的気分」といった感じでしょうか。(もっとも日本で出すときは、ムード・オブ・リュートにしますけど。そしてサブタイトルで、バッハ、ヴァイス作品集第1集とします)(写真ではまだMood in Luteになっています。フォントは専門の方にもう少しいじってもらいますし、あとどっかにAcustica Recordsのロゴその他が入ります。あとプラケースなしの紙ジャケです)

どうですか?昔の絵をつかったジャケットもすてきですけど、こういうのも案外いけるのでは?

サンマルコ・コンサート

2011年05月19日 19時44分02秒 | 音楽系
で、昨日書きましたサンマルコのコンサートです。サンマルコは四日市の駅西にあるイタリアンレストランです。もう随分前から何度もお世話になっています。リコーダーやチェンバロの方といっしょだったり、ソロだったり、歌の方といっしょだったり、いろんな組み合わせで演奏させていただいています。サンマルコがまだ四日市市民会館の前にあった時代からのおつきあいです。

今回はソロですが、お琴の方とのジョイントみたいな形になるようです。受け持ちはコンサート全体の半分になるので、そんなに沢山の曲は弾けません。お琴の方の次ということなので、自作を中心にプログラムを組んでみました。

曲は、「日本の四季」というタイトルで組曲風にまとめてみました。

花ファンタジー
夏のプレリュード
ハーツ・イーズ
幻想曲
夜間飛行-空のかなたへ

幻想曲のみ伊福部昭作曲です。彼の唯一のバロック・リュートのためのオリジナル作品です。お琴の曲のあとに弾くにはうってつけの曲という感じです。

レストランなど、いろんな環境ノイズが入るようなところでは、私はPAを使うことにしています。今度のサンマルコのコンサートもPAを使う予定です。楽器は、モーリスの楽器がまだスイスにありますので、デュルビーのドイツ・テオルボを使います。お時間のある方はぜひお越し下さい。ただし予約が必要です。tel 0593-51-2915

夏のプレリュード

2011年05月18日 12時04分09秒 | 音楽系
先日四日市のサンマルコというレストランでの演奏を急遽頼まれました。もう長いことやってないところです。前回はいつだったか・・・調べてみましたら、5年程前です。ちょうどルネサンス・リュートを買ったばっかりということもありましたので、ルネサンス・リュートのための小品を演奏しました。

実は久しぶりにルネサンス・リュートを弾こうかなと思っていたんですが、前回もルネサンスだったので、久しぶりの今回、何を弾こうかなと考えまして、バロック・リュートによる自作曲を中心に行くことにしました。以前からルネサンス・リュートで演奏している「夏のうた」(HPにも録音があります)をバロック・リュートに編曲しようと以前から考えていたのですが、これを期に編曲をしてみることにしました。

編曲をした楽譜がこれです。



最初、リズムサインを入れていたのですが、どうも具合が悪い。実はこの曲は、今まではリズムサインも何も書いていない手書きの「草稿」を見て演奏、あるいは暗譜で演奏していたんですよね。ですので、いざキチンとリズムサインをいれた楽譜で弾くと何か違和感があって、そのリズムサインに引きずられるんですよねぇ。それで、フレンチ・バロックの「小節線のない前奏曲」みたいにリズムサインをばっさりはずしてみたら、覚えていた違和感がポロっと取れました。そうだったんですね。(笑)

以前、この「夏のうた」をスイス在住の日渡奈那ちゃんにコンサートで弾いて貰ったことがあったんですが、彼女には五線譜できちんとリズムを書き表した楽譜を渡しました。こんどは、クープランのプレリュードみたいな感じで書いた五線譜を渡さないといけません。きっと彼女の曲の弾き方が変わると思います。

この曲は何度もタイトルが変わっていまして(笑)、最初は「夏の思い出」次に「夏のうた」だったかな。以前上海のコンサートでこの曲を弾いて大受けでしたが、確か夏のうた時代でした。中国人民にも訴えるものがあるって感じです。

奈那ちゃんに楽譜を渡したときは、「おもいで」というタイトルで渡しました。今回、楽譜書き直し記念にまたタイトルを変えてみましょう。今度は「夏のプレリュード」です。では夏のプレリュードということでよろしくお願い致します。

残念なミニコミ紙

2011年05月10日 11時42分26秒 | ローカルネタ
朝、電話です。

「あ、もしもしナカガワです」

「もしもし、先日ファックス送って頂いた、ミニコミ紙Mですが」

「はいはいはいはい、お世話になります」

「記事掲載の件ですが、実は発行が5月31日になりますので・・・」

バロック音楽の旅Ⅴ講座の案内をして頂こうと、M紙にファックスを送っていました。M紙は桑名市内に配布されている無料紙。5月31日は、講座の受付締切日です。うむ、これはいかんな、どうしようかな、6月4日の第1回の講座に飛び込みできてもいいことにしようかな、なんて考えていると・・・

「・・・ちょっと時期的に難しいかもしれません。それと料金が4500円もするので、営利目的ではないかと判断しまして、ええ、市民が無料で行う活動とか1000円くらいのものを掲載していますので今回は見合わせたいと」

「えーっ、これって営利目的じゃないですよ。桑名市教育委員会との共同開催事業だし」

「でも4500円はちょっと高いかと・・・」

「うーむ、そーですかー、でも1回あたり900円なんですけどぉー」

とちょっと弱腰に反論してみましたが、掲載しない方針は揺るがないみたいで、結局掲載はボツでした。

私的にはバロック音楽を聴きたいという市民の方は結構いらっしゃって、きっとみなさんに役立つ情報になると思うんですけどねぇ。ちょっと見識が低すぎって感じ。なんか中身をあまり検討しないで、金額だけで判断したみたいです。

こういう感じの対応は昔は公の機関の方によくありましたねぇ。それとは裏腹に、マスコミ関係の方はとてもよく理解していただいていた、というのが定番のパターンでしたが、最近の桑名市の関係部署の方は音楽文化活動に対する理解が大変深く隔世の感があります。4500円は充分リーズナブルだと理解して頂いていますし、今回は桑名市外での活動も特別に認めて頂きました。

まぁ、これは桑名市というイチ地方都市のミニコミ紙だからかも知れません。残念ですが、これからなんでしょう。

ナイス・パフォーマンス!?

2011年05月07日 16時57分15秒 | 日々のこと
また管さんのパフォーマンスでしょうか。昨日6時台のニュースを見ていましたら、テロップが流れてきて、浜岡原発の停止を首相が指示した、とありました。そこで7時のNHKニュースも続けて見ていましたら、アナウンサーの声が遮断され、突然画面が切り替わり、「国民の皆様に、お伝えしたいことがあります・・・」と、管さんが現れました。

この突然の画面切り替わりは、宇宙人襲来を告げる首相の言葉って感じでした。なんか子供の頃映画でこういうシーンを見たことがあるような感じがします。

でもあまりに唐突ですよね。各方面としっかり協議をして出したものなんでしょうか。しっかりと現在の状況を踏まえて、議論を1、2年続けて結論を出してもいいでしょうに。何も震災の痛手を受けている今やらなくても。東海地方には、トヨタもホンダもスズキもヤマハもあるし、三菱重工(三菱航空機)ではMRJも開発してるし・・・電気一杯使ってますよ。いくらなんでもここ2,3年の間に東海、東南海、南海地震が起こることはない・・・なんて明日起こるかもわかりませんが・・・

原発は確かに事故が起こると大変なシロモノですが、日本がそれに大きく依存しているのも事実なんで、じゃぁ危ないからハイなくしましょう、って簡単になくせるものではないはずです。浜岡原発だけをなくするにしても、他の原発との関係もあるでしょうから、そう簡単には結論は出せないでしょう。

こんなに唐突に出てきたのは、管首相の政権維持の方策、あるいは首相として名をあげたい功名心からか、なんて思ってしまいます。

今日の午後の中部電力の臨時取締役会で政府要請に対する結論が出なかったと、ヤフーニュースで見ましたが、それは当然でしょう。

なんか民主党政権のやってることはホント危ういですねぇ。普天間基地の話もまだ結論が出てないし。

桑名六華苑ミニコンサートシリーズ

2011年05月02日 16時58分25秒 | 音楽系
昨日は桑名六華苑のコンサートでした。冒頭の苑長さんの挨拶でもありましたが、もう5年目になります。10何年か前に六華苑が開苑したときに、ここは古楽のコンサートに絶対行けると踏んだ場所が、ジョサイア・コンドル設計の洋館ロビーでした。でも当時は市の担当者に訴えかけても全く反応が有りませんでした。

私がスイスから帰ってきて、再度(再々々度くらいかな)コンサート開催についてお願いに行ったのが、現苑長さんの前任の方のときでした。このときやっと理解を得られて、それまで固く閉じられていた扉をついに開けることが・・・ちょっとおおげさですね。(笑)

今回の共演者はバロック・ヴァイオリンの熊谷祥子、ヴィオラ・ダ・ガンバの熊谷寿彦ご夫妻です。このお二方とは昨年、西尾市のお寺コンサートや毎秋恒例の酒蔵コンサート(春日井)でご一緒させていただいたことがあります。

曲目は、

フレスコバルディ作曲 カンツォーナ「ラ・ベルナルディーナ」
ヴェラチーニ作曲 ソナタ第6番イ短調
マレ作曲 聖ジュヌヴィエーヴ教会の鐘
作者不詳 グリーンスリーブスによるグラウンド

でした。

今回はいつもの巨大なフレンチ・テオルボではなく、ドイツ・テオルボを最初の2曲に、後半2曲はバロック・ギターで通奏低音をやりました。マレはフレンチテオルボで通奏低音をしたことがありましたが、バロック・ギターもなかなかおもしろい感じになったのではと思います。

当日は雨がちの日で、お客さんの出足が心配されましたが、沢山の方に聴きに来ていただきました。次回は、11月6日、バロック・チェロの高橋弘治さんが昨年の5月に引き続き登場です。