リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

Andreas Berrのバロック・リュート

2023年10月31日 18時42分32秒 | 音楽系
イギリスリュート協会の機関誌Lute News No. 146にアンドレアス・ベールについての記事が載っていました。

Rebuilding the 1699 Andreas Berr lute from Vienna: a replica of its presumed original form,
by Bernhard Fischer and Stephen Murphy

執筆はベルンハルド。フィッシャーとスティーヴン・マーフィーです。後者はリュート製作家ですが、前者はどういう方なのでしょうか。

アンドレアス・ベール1699の楽器は現在ボストンにありますが、少し変わったタイプの楽器です。13コースの楽器ですが、もともとは11コースでとても不安定なバスライダーがくっついています。見かけでは、そのままレプリカを作ったらすぐに壊れてしまいそうです。なんでもこのオリジナルはロジー伯が使っていたそうです。

この記事は初めて復元したみたいな感じで書かれていますが、実はこのベールのモデルは10年くらい前に私がマーフィーに2台注文したことがあります。2台とも現在私の生徒さんが使っています。でもマーフィーがこのモデルを初めて作ったのは恐らく30年近く前で、その楽器はバーゼル・スコラ・カントルムにあり、学生に貸し出しています。

私もその楽器を学校から借りて使っていたことがありました。とてもいい楽器だったので、その後で注文したということです。弦長が65cmで可愛らしい音がするバロック・リュートです。私が注文した時点では、マーフィーのカタログからは落ちていましたが、型が残っていたので注文に応じてくれました。

町内会長のなり手

2023年10月30日 10時09分08秒 | 日々のこと
今朝の新聞に20歳の町内会長の話が出ていました。全国的には町内会長のなり手不足だというのに、偉い方です。

ウチの町内は極小規模ですが、ご多分にもれず会長のなり手が少ない、というかそもそも人がいません。高齢で会長を務めるのが難しい方を除くと数人で町内会長を回しています。さらに昨年はそのなり手のお一人がお亡くなりになり、また病気がちの人もいらっしゃって、実質2、3年に1回は会長を務めなければならないというのが現状です。もっとも小規模町内会なので大した仕事はありませんが。(一昨年会長を務めたときはコロナ禍のため仕事は実質ゼロに近かったです)

新聞記事はデジタル化の遅れも指摘していました。22年に公表した総務省の調査によると、自治会でどのようなデジタル化が行われているかという問いに「取り組みがない」と答えた自治体は75.1%だとのことでした。ウチも役員はラインで連絡がとれるようにしましたが、お一人(80歳)だけは、スマホはお持ちですがどうしてもライングループには入らないとおっしゃるので、その方だけ電話連絡とか直接訪問しなければならず不便極まりないです。

その方のスマホを操作してライングループに入ってもらうということはできるのですが、その方は迷惑メールに対して異常なくらい警戒心をお持ちです。デジタル・リテラシーが低い方に限ってラインとは関係のないところで詐欺なんかにかかってしまう可能性が充分にあり、そんなときに限ってお前があのときライングループにワシを入れたからこんなことになったと逆恨みを買う可能性があるので触れないことにしています。実際以前その様な経験がありまして、どれだけきちんと説明をしても分かってもらえませんでした。

町内会より広域の自治会連合に関してのデジタル化については当ブログでも取り上げたことがありますが、今のところ何の進展もありません。地方の老齢層は昭和のままみたいです。


バロック音楽の旅16コンサート

2023年10月29日 22時29分19秒 | 音楽系
今日はバロック音楽の旅16講座の第三回目、髙橋弘治さんによるバッハ無伴奏チェロ組曲シリーズその2

昨年は2番と4番を弾いていただきましたが、今年は1番と5番を中心にしたプログラムです。

ヨハン・セバスティアン・バッハ (1685 - 1750)/組曲第1番ト長調BWV1007
プレリュード、アルマンド、クーラント、サラバンド、メヌエットⅠⅡ、ジーグ

ドメニコ・ガッリ (1649-1697)
 独奏チェロのための「音楽の愉しみ (Trattenimento Musicale)」より
ソナタ第1番 ニ短調
ソナタ第6番 へ長調
------------------------------ 休憩 ---------------------------------
ドメニコ・ガブリエッリ (1651-1690)
リチェルカーレ第5番 ハ長調
リチェルカーレ第6番 ト長調

ヨハン・セバスティアン・バッハ (1685 - 1750)/組曲第5番ハ短調BWV1011
プレリュード、アルマンド、クーラント、サラバンド、ガヴォットⅠⅡ、ジーグ



今日はお天気も良かったせいもあり、講座を申し込んでいただいた方の9割以上が参加していただきました。今回のプログラムは難曲揃いで、特に第5番はスコルダトゥーラを伴った難曲として知られています。ト短調リュート組曲BWV995の異曲ですね。アンコールには何とBWV998のプレリュードを弾いていただきました。この曲を無伴奏のチェロで弾くのもなかなかいい味わいがあるものです。これだけの曲をひとつのコンサートで弾くのは奏者にとってはホントにお疲れプログラムですが、受講生の皆さんはとても満足されていて最後の拍手も一段と大きかったです。

次回は少し先になり、12月17日です。上羽剛史さんのスピネットと山下瞬さんのチェロによるコンサートです。この講座コンサートは桑名市民以外の方も参加ができます。参加ご希望の方はご連絡ください。



「さくらポーク」専売所で

2023年10月28日 18時18分31秒 | 日々のこと
三重県北部の有志養豚場が結集して作った「さくらポーク」というブランドがあります。とてもやわらかくて美味しくお値段もリーズナブルです。ウチの近くのラーメン屋なんか「さくらポーク」ブランドを前面に出したラーメンまであります。

ウチから40分くらい鈴鹿山脈の方にいったところにさくらポークの専売所があります。先日開店10周年で安売りをするということでノコノコと出かけました。こういう安売りには目がありません。

安いのでついついいつもよりたくさん買ってしまいましたが、レジのところで、くじを引いて下さいと言われました。2000円買う毎にくじを1枚引くことができるとのこと。1等賞は5000円相当のお肉セット、このレベルのもので運を使ってしまったら損だと思いつつひきましたら5等賞、100円の割引券と第978回ハロウィンジャンボ宝くじが当たりました。まぁ当たるといってもこれは誰でも当たるヤツです。そういや最近キャセイ航空の香港往復チケット大当たりで運を使っていますので、道理で当たらないはずです。

昨日が宝くじの抽選日であったのをコロッと忘れていましたので、今日になってネットで検索してみました。当たれば3億円です。まぁ3億円もいりませんけどね。一等賞3億円は75組115518番でした。もらった宝くじは・・・見事5等賞300円!明日近所のスーパーにある宝くじ売り場に行ってきます!

BitLocker

2023年10月27日 17時02分01秒 | 日々のこと
最近BitLockerの回復キーが勝手に求められる原因不明の事象が起きているそうです。もし回復キーがわからないとそのコンピュータはアクセスできなくなります。

問題なのはBitLockerを設定した覚えがなく、従って回復キーは記録していないケースです。コンビニで何も買った覚えがないのに、買った物を出せと言われているみたいです。(ちょっと違うか)

BitLockerというのは、HDDやSSDの中身を暗号化することによって、その記憶媒体がもし盗難にあった場合、第三者がアクセスできないようにする仕組みです。まぁ個人には不要なものでしょうけど、自作8号機を製作する際、わざわざBitLockerを設定するための部品を買ってマザボにインストールしました。

回復キーはその時にしっかりと印刷紙、引き出しの中にしまってありますので私の場合は回復キーを入力せよと言われても大丈夫です。

まぁこんなわけのわからない事象が起こる昨今ですから、念のためWindowsの設定からBitLockerの管理状況を見てみましたら、なんとBitLockerは無効になっていました。あれれ?確かに有効にしてあったはずですが、はて?

思い当たるのは、途中でSSDをSamsungの速いやつに交換したことです。元のSSDをまるごとSamsungにコピーして、元のSSDとSaumsungのSSDを入れ替えたのです。多分このときにBitLockerの設定が無効になったのだと思います。

回復キーを勝手に求められても困りますので、この際ですから無効のままにしておくことにしました。自作のコンピュータの場合は部品をインストールしないとBilLockerの設定ができませんが、市販のコンピュータの場合は始めからBitLockerが有効になっているらしいので、要注意ですよ。一般個人のユーザーはBitLockerの必要性は低いので無効にしておいた方がよさそうです。

ハロウィン

2023年10月26日 22時05分07秒 | 日々のこと
10歳になる2番目の孫が魔女村の絵を描いて送ってくれました。ハロウィンですねぇ。



カボチャ、魔女、蜘蛛の巣なんかのよくあるアイテムは一応入ってます。門の入り口には「よろしかったらお入りください(あえてお入りになるのでしたらお好きにどうぞ)」と怖い感じの文言が描かれています。

私にはハロウィンなんて日本では最近「できた」ような感じがしますので、全然ピンときませんし、バレンタインだって若い頃はなかった筈です、日本では。あったらチョコレートが一杯来ていたはずだからですから。え?それは単にモテなかっただけじゃないの?って声も。いやいやそんな筈は。

今年の渋谷界隈はいったいどんな感じになるのでしょうか。月末が楽しみです。

(マスタークラスと師事)xレッスン(3)

2023年10月25日 21時34分06秒 | ウソゆうたらアカンやろ!他【毒入注意反論無用】
そういう方がとんでもない低レベルの演奏を公開したり、中には有料のコンサートを開く人もいらっしゃいます。こういうことはやってはいけません。

(音源)
例えばこんな録音がネットに転がっていました。

謎曲(全部は聴くに堪えないのでハイライトだけです)

これ、どういう曲か分かりますか?この演奏で曲名がわかる方は相当練習を積み重ねて沢山の曲を弾いている方です。プロでないとわからないかも知れません。こういう演奏をアップして恥ずかしくないんですよね。まぁこの演奏の方が、前回のエントリーで言っているような方かどうか実際には分かりませんが、困った演奏であることは確かです。

この演奏の方はどういう方かは分かりませんが、私は実際に何人か困った人の残念な演奏は知っています。そんなこと、お前はプロなんだからはっきり当人にいっちゃえばいいのに、という声が聞こえてきますが、私の生徒になった暁にはいろんな問題点を改善すべく微に入り細に入り助言させてもらいます。でもそうでない人に「あんたきちんと基礎からやらんとアカンで」なんていきなりは言いません。もちろん他のリュートプロの演奏についても、このブログでは一切批評・評論をしていないのはご存じの通り。

念のため申し添えておきますが、いい演奏をされるアマチュアの方も勿論沢山知っています。でもこういった残念な演奏は他の楽器では聴いたことがなく、リュートだけの様な感じがします。クラシック・ギターも60年くらい前は近所にその「謎曲」レベルの方がチラホラいましたが、いまではすっかりいなくなりました。

アマチュアの場合も結局プロ(プロ志向)の人と同じで、信頼できる師匠のもとでしっかりと基礎を学ぶべきです。そうしたベースがあって、ときどきマスタークラスを受講する、というのはとても効果があることだと思います。師匠とは少し異なる角度のレッスンは音楽のセカンドオピニオンになるかも知れません。

(マスタークラスと師事)xレッスン(2)

2023年10月24日 16時08分22秒 | 音楽系
今度はアマチュアの場合を考えてみましょう。

特定の師匠から継続的レッスンを全く受けず、ときおり開催されるマスタークラスと称するレッスン会はすすんで受講するというケースです。このケースは意外に多いようです。

マスタークラスでは、前回のエントリーで書きましたように、結局のところシャンシャンシャン・レッスンで終わってしまうので、技術的、音楽的なことで身についていないことを指摘されないまま終わってしまいます。

大家の方からレッスンを受けるというのをファッションにしているのなら別ですが、上達しようと思うのならやはり基礎から信頼できる師匠のもとで継続的にレッスンを受けるべきです。マスタークラスを何回積み重ねても本質的なところが身につくことはありません。

ここまではまだいいとしても、ちょっとこれはいくらなんでもという場合があります。リュートを演奏するアマチュアの場合とても頭のいい方が多くて、それはとてもいいことなんですが、そういう方の中にときどき困った御仁がいらっしゃいます。

若い頃からどんなことでも(主に学校知の範囲ですが)できないと言われたことがなくリュートに関してももう自分は基本は充分知識がありよく弾けていると勘違いしている方が時々いらっしゃるのです。そういう方が大家のマスタークラスを受講して充分力が付いたと思い込むようです。

(マスタークラスと師事)xレッスン(1)

2023年10月23日 13時58分10秒 | ウソゆうたらアカンやろ!他【毒入注意反論無用】
主に海外の奏者を迎えてのマスタークラスがときどき各地で開催されています。マスタークラスって大層な名前ですけど、実際参加される方の多くはアマチュアで、まぁ実態はワンショット・レッスン会でしょう。

同じレッスンでも特定の信頼できる師匠について継続的に受けるレッスンもあります。

この2つのタイプのレッスン、レッスンをする側からするとかなり内容的には異なります。マスタークラスの場合はあくまでも50分程度で完結しなければならないので、たとえこれでは箸ににも棒にもと思ったとしても、いいところを見つけてとりあげ、時間内にシャンシャンシャンで終了することになります。

師匠からの継続的レッスンはそれとはかなり様相が異なります。師匠としては、何とか実力をつけてやらなければなりません。これは街の教室でのレッスンでも音楽学校でのレッスンでもスタンスは同じです。もし実力が着かない(上達しない)場合、街の教室であれば生徒は離れていくし、音楽学校の場合は留年、強制退学という憂き目にあうこともあります。(実際そういう例を知っています)ですからレッスン自体はシャンシャンシャンではなくいきおい厳し目になります。もちろん街の教室とプロを目指す学生がはいる音楽学校とはレベルが違うので、街の教室においてプロレベルのレッスンをすることはまずないですが。

よくプロと称する演奏家のプロフで、現代楽器では誰それに師事と書いてありますが、古楽器としてのキャリアには誰それのマスタークラス受講としか書いていないものがあります。有名な方のマスタークラスであっても、マスタークラス受講だけでは基本的には上述しましたようにそんなに深く勉強したことにはなりません。

それは考えてみたらわかります。年に1回程度のマスタークラスでのシャンシャンシャンレッスンと音楽学校で毎週師匠から厳しいレッスンを受けるのとどちらが実力がつくかです。中には有名誰それに友好的にマスタークラスのレッスンを受けたことがあるなんてプロフもありますが、それは友好的には違いないでしょう。敵対的にマスタークラスのレッスンをする先生なんていないでしょうから。

某プロはマスタークラスで指導を受けただけで誰それに師事なんて書いています。実はその方がその誰それが教えている音楽学校に在籍した形跡はないのです。「師事する」の定義はさておいても、大したことは勉強していないことは確かです。もっともその方は誰のレッスンも不要なほど天才的な方なのかも知れませんが。


今週は休み!?

2023年10月22日 21時35分39秒 | 音楽系
ジムで汗をかきシャワーをしているときのこと、おっさん二人がしゃべっているのが聞こえてきました。

「最近、仕事どう?」
「今週にはいってからはずっと休みや」
「えっ?なんで」
「トヨタが操業しとらんで、ウチも休み」
「そら楽でええなぁ」
「そんなええわけないで。トヨタの損害はウチにもかぶってくるかもしれへん」
「何億って金額になるんか」
「わからん」

中央発條というバネを作っている会社が事故で生産できなくなり、その影響でトヨタが生産を停止している問題。これが三重県内の下請け会社の操業にも影響を与えているわけです。トヨタが生産全面再開になるのは24日以降らしいので、シャワーしていた御仁ももう少し経たないと仕事に戻れないみたいです。

トヨタは一ヶ月くらい前にも生産を停止したばかりみたいだし、昨年は関連工場がサイバー攻撃をうけて操業停止と、このところ災難続きです。半導体の供給がやっと増えてきた矢先ですから影響は大きいでしょう。在庫を極力持たないというトヨタの生産方式は順調にものごとが動いているときはいいですが、何かあったときは総崩れになってしまいます。ある程度は在庫を持っていてそれを保険としたほうがいいのかわかりませんが、トヨタのことですからこのジャスト・イン・タイム方式もカイゼンされていくのだとは思います。