アッティオルバートの輸送中にちょっとした事故で楽器に傷がついてしまったので、スウェーデンに送り返しました。こちらから送るときにはなるべく頑丈な箱に入れなければと思い、木の箱を自作してそれに入れて送りました。
箱作りは思っていたよりいろんな面で大変でした。まず作ったのが、骨組みを最上部、最下部、途中に一箇所つくり外殻を3mmのベニアで張ったものでした。でも作って行くうちにどうもベニアの強度が足らないみたいでしたので、骨組みを全ての面に作ることにしました。しかしこれでもまだ強度不足。仕方がないのでもう一枚3mmのベニアを重ねることにしました。
さすがにここまですると強度は万全です。中に楽器を入れプチプチで詰めた箱を郵便局に持っていきました。ところが骨組みに使っている木に問題があることがわかりました。というのは検疫の関係で生の木は使えないということらしいのです。農水省植物防疫所と全植検恊名古屋事務所に確認しましたら、使える木は熱処理をしてあるベニア、集成材などでなければならず、生の木を使う場合はしかるべきところで熱処理をしてもらいその証明をつけなければならないとのことでした。
いやぁこれは全く知りませんでした。作った箱を分解して外殻のベニア2枚をそのまま使おうと思ったのですが、実は木組みやベニアの貼り合わせに超強力両面テープを使い更にビスどめをしたので、ビスは外せますが超強力両面テープで貼った部分はきれいに剥がせず分解は不可でした。結局もうひとつ作ることになり、今度は骨組みには集成材を使い、外殻は5.5mmのベニア1枚を使いました。
この箱作りに要した期間は何と約1ヶ月!もちろん他にしなくてはいけないことがあるので毎日この作業していた訳ではありませんが、作業自体に不慣れで、材料の知識もなく、おまけに輸出する際の検疫の知識もないのでこれだけの期間を要してしまいました。新しい箱を作るときに5mmのベニアで図面を書いたのですが、DIYの店に行くと5mmのベニアは存在せず5.5mmしかないとのこと。これでまた図面を少し書き直したり、運の悪いことに木材をカットするお兄さんが間違えて331mmに切らなくてはいけないのを301mmで切ってしまったのでまたDIYのお店に行ってカットしなおしてもらったり、何かとハプニング続きでした。でもさすがに慣れてきて、今回送付に使った箱を作るのは半日もかかりませんでした。
今なら送付用の頑丈な箱をすぐに作ることができます。