リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

地銀はゆるい?

2025年01月31日 17時50分39秒 | 日々のこと

オンラインバンキングはとても便利で私も三菱UFJ銀行と三井住友銀行で使っています。残高照会だけなら10桁くらいの暗証コードで可能ですが、実際にお金を送金するときだと1回だけ使える暗証発行デヴァイスを使います。デヴァイスが自分のところにある以上は他人に見られる筈はなく、とても安全です、と思いきやこの方式でも100%安全ではないようです。

これらのに加えて香港のHSBC銀行でもオンラインバンキングをしていますが、こちらは旧来の暗証発行デヴァイスに加え、最近ではスマホの生体認証を活用をしたオンラインバンキングをしています。私はまだこの方式は使っておらず、旧来の暗証発行デヴァイスを使っていますが、それでも日本の銀行よりは少し強度はありそうです。

まずデヴァイス自体にPINコードが設定されていて、仮に第三者にこのデヴァイスが渡ってもPINコードを知らないと使う事はできません。それに長押ししないと進めないところもあり、いろいろ面倒くさい=強度が高いと言えそうです。

先日三重県に拠点を置く地銀もオンラインバンキングをしているというので申し込んでみました。この地銀では暗証発行デヴァイスは使わない方式でなんかちょっと危ない感じがしますが、実際に推奨しているのはスマホの生体認証を使う方法でした。まぁこちらなら安全なんでしょう。暗証発行デヴァイスを配布するのはお金がかかるうえに、強度も低めなので割に合わないということなんでしょう。でもスマホも暗証発行デバイスも使わない方式がある以上は、悪い奴らがそこを狙ってくるかも知れません。気をつけましょう!


リハーサル

2025年01月30日 09時31分07秒 | 音楽系

2月9日のコンサートのリハーサルです。

今回の共演は、ヴァイオリンの鈴木崇洋さんとヴィオラ・ダ・ガンバの山下瞬さんです。鈴木さんはリサイタルを始め今まで何度もご一緒させて頂いてます。山下さんは昨年末八百津町のカフェ・ビスでご一緒させて頂いたばかりです。

12月のコンサートではフレンチ・テオルボで通奏低音とソロを演奏したのですが、今回は初めてラース・ジェンソンに新しく作ってもらったアーチ・リュート(リウトアッティオルバート)を使います。

この楽器はまだ音を出し始めて一ヶ月程度なのですが、現段階でもとても音が前に出て良好です。中音域も高音域もとても音が良くのびます。バス弦がアキラのローデド・ナイルガット(CD弦)で、シングルかつテオルボより30センチも弦長が短いのでバスの音量がどのくらい聞こえるのか少し心配でした。ソロでは特に問題ないのですが。でも実際は全く杞憂でした。

実際にアンサンブルで合わせてみて、バスの音は、最初のアタック(0.5秒くらい)にどれだけ音のエネルギーが出ることがいかに重要かよくわかりました。金属巻線は音の持続時間がCD弦やガット弦に較べてはるかに長いし音もメタリックなので大きな音に聞こえますが、実際の初期アタックの音エネルギーはあまり変わらないようです。長く金属的なギーンより短く丸いボンのほうがいいということです。昔はそういう音でアンサンブルをしていたわけだし。

さて今回のプログラムはテレマン、ヴェラチー二、マレ、デルブロアなどの作品を演奏予定です。コンサートは2月9日(日)15時開演、会場はくわなメディアライヴ内のときのホールです。バロック音楽の旅シリーズの最終回ですが、飛び込み参加もかのうです。


いつどこにでも

2025年01月29日 08時32分35秒 | 日々のこと

埼玉県八潮市で起こった道路陥没事故はその後近くで新たな陥没が起こり未だ危険な状態です。トラックの運転手も穴に閉じ込められたままです。

近くのエリアでは電話回線やネットが繋がらなくなったり、陥没交差点近くのお店なんかも開店休業でしょう。ヘリからの映像では名古屋地方にもたくさんお店がある和食チェーン店が映っていました。

専門家の話では道路下のインフラは多くが40年くらい前の高度成長期に作られたものなので、現在においてはいつどこにでも同じような事故が起こっても不思議ではないといいます。

かなり前からインフラ設備の老朽化の問題は指摘されてきましたがもう待ったなしです。非破壊で地面の下を検査できる技術もあるそうですからそういった技術を駆使して早急に国土強靱化、安定化を進めていかないと近い将来大変なことになってしまいます。下手したら「楽しい日本」どころではなくなります。


でんちゅうでござる

2025年01月28日 16時45分47秒 | 日々のこと

うちの前の道は道路幅が狭く車のすれちがいができません。うちを出る時は気をつけないと車に接触する可能性もあります。

昔その道には江戸時代の御用水が走っていました。近くを流れる町屋川から桑名市中に配水する施設です。私は覚えていませんが母親がこの地に嫁いだときは家の前に溝があったといっていましたからそれは多分御用水ですよね。その後御用水は埋め立てられ今に至っています。

その御用水の向かいに電柱が並んでいて狭い道がさらに狭くなっています。電柱は景観を害したり災害のときに救難の妨げになるのでなくすべきなんでしょうけど桑名市内ではごく一部の道路しか電線の地中化はなされていません。

でも個人的には電柱のある都市景観は嫌いではではありません。あのラインの微妙な重なりぐあいはそのつもりでみるとなかなかのものに見えませんか。古い時代の電柱は材質も木製で電線の並び具合も異なりこれまた風情があります。

20世紀から21世紀のアイコニックな景観ともいえる電柱のあるこの景色、未来の人がこの時代に来ることがあればその奇観に思わず声をあげるに違いありません。


バロック音楽の旅17第5回コンサート

2025年01月27日 17時41分00秒 | 音楽系

昨日はバロック音楽の旅17第5回コンサートでした。

今回は太田光子さん、桐畑奈央さん、杉浦道子さんを迎えてイタリアの音楽中心のプログラムです。

今回も沢山の方にお越し頂きました。いろいろ都合がおありの方もいらっしゃることもあって、受講申し込みされた方全員がお越し頂くことは普通ないですが、今回はひょっとして全員が?!という感じでした。(あとで調べてみましたら残念ながらそうではなかったですが)

プログラムは次の通りです。

マルコ・ウッチェリーニ (1603 or 1610 - 1680)/ベルガマスカによるアリア第5番

ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチョ (16世紀後半 - 1621-)

2本のリコーダーのためのカンツォン

リコーダーのためのカンツォン

ダリオ・カステッロ (1602 – 1631)/ソナタ第4番

マルコ・ウッチェッリーニ/アリア第15番〈君が壊したお針箱〉

マウリツィオ・カッツァーティ (1616 - 1678)/チャッコーナ

------------------------------ 休憩 ---------------------------------

ヨハン・クリスティアン・シックハルト (ca.1682-1762)

コレッリの合奏協奏曲によるトリオソナタ第1番ヘ長調 (作品6)

ジュゼッペ・サンマルティーニ(1695– 1750)/トリオソナタ第6番ニ短調

 

次回はこのシリーズ最終回で2月9日になります。鈴木崇洋さん、山下瞬さん、と私のトリオでお送りします。

 

 


八丁味噌

2025年01月25日 13時42分25秒 | 日々のこと

八丁味噌。どて煮や味噌カツなどに使われ名古屋味の中核をなす調味料です。私は名古屋に近いところに済んでいることもあり、この八丁味噌系の味は大好きです。伝統製法を守る八丁味噌の老舗2社は愛知県岡崎市の八丁町に蔵を構えていますが、実は八丁味噌というブランドに関してわけのわからない問題が起こっていました。

当の老舗のひとつの大将ととある会合で知り合いになりこの問題を知ったのですが、かいつまんでいうと八丁味噌の大元である江戸時代からの老舗が八丁味噌というブランドが今後使えなくなるという話でした。本物がニセモノになるというなんとも奇妙な話です。

八丁味噌というブランドは国の地理的表示(GI)保護制度により愛知県の地域ブランドとして、名古屋市に本部がある別の組合の申請に基づき2017年登録にされたそうです。

一見何の問題もなさそうですが、登録を申請をした組合が作る八丁味噌は伝統製法ではなく簡易的製法の品なので、岡崎市の老舗から言わせると製造法が異なるので申請を取り消すように求め裁判も起こしました。その申請は法理論で武装されていたのでしょう、裁判は老舗側の敗訴に終わりこれにより2026年2月以降は八丁味噌のブランドを使えなくなったという誠に奇妙なことになりました。正しいことや当然のことというだけで法律は守ってくれないという事象の典型的な例だと思います。

地理的表示保護制度の趣旨からすれば第一義的に守らなくてはならないのは伝統的な製法を守って八丁味噌というブランドを確立した岡崎市の老舗のはずですが、多分愛知県の他業者と結託した政治家→農水省がやっちまったことなんでしょうか、知らんけど。

農水省のHPには「 農林水産省は、本制度によって、国内外における模倣品対策によりGI産品の名称・ブランドを保護する」とありますが、このままでは本家の老舗が模倣品となってしまうところでした。要するに農水省がいい加減だったからということにつきるでしょう。

今回老舗2社は組合を作りその組合が地理的表示(GI)保護制度の地域ブランドとして生産者団体に農水省に追加登録ました。それにより老舗2社は八丁味噌というブランドを名乗ることができるようになりました。取りあえずはめでたしめでたしです。

 


朝食の音楽

2025年01月24日 10時36分20秒 | 音楽系

今日の朝食の音楽はと、ナクソス・ミュージック・ライブラリーで選び始めて、また何となくカステルヌォーヴォ=テデスコを選んでしまいました。好きですねぇ。でも聴いてたらすぐ飽きてしまうところもあるのですが。

曲目は知らない曲ということで、エクローグを選んでみました。伊福部昭の作品で交響的エグログというのがありますが、多分それと同じことばですよね。調べてみましたら「対話形式の田園詩」とありました。dialogue と親戚のことばかな。

アルバムの曲目を見て見ましたら、エクローグ以外はギター五重奏曲、ギターとピアノのためのファンタジア、フルートとギターのためのソナチネでよく知られた曲ばかりでした。

演奏は国際コンクールで優勝の経験もある若手ギタリストとあと共演者も多分若い人なんでしょう。五重奏曲はいろんな録音がありますが、本アルバムの演奏は秀逸。まず弦がとても美しいです。音程が正確だし。ストリング・カルテットの中にはとても音程の悪いカルテットがあって、このギターが入った五重奏曲に限ってそういう音程悪音汚カルテットが多いのは何でなんでしょう?

五重奏のテンポは幾分ゆったりめですが、汚い音を出しやたらと速い演奏が多い中とてもいいテンポ感です。ギタリストはとても才能のある人だと感じましたが、ソロアルバムはまだナクソスには出ていませんでした。ソロを聴いて見たいところです。他のアルバム曲もとてもいい演奏で、おかげで朝食がすすみました。

あと、ナクソスのミュージックライブラリーのアルバムにはレビューがあります。アマチュアが投稿している適当なレビューはさておいて、公式の紹介文はなかなかきちんとしているものが多い中、本アルバムの公式紹介文はまるでアマチュアが書いているようなレビューでちょっと残念でした。


日本人大リーガーの英語

2025年01月23日 09時01分29秒 | 音楽系

特に見たくはありませんでしたが、朝テレビをつけたらやってたので見てしまいました。佐々木投手のドジャーズ入団会会見です。

まぁ予想通り日本語で行い英語の逐次通訳付きでした。昨日のイチロー選手のアメリカ大リーグ殿堂入り会見でも隣に英語通訳がいました。

イチローなんか長くアメリカにいたはずですが、会見レベルの英語はできません。日本のファンには敢えてやらないんだと素朴に信じている方もいらっしゃるようですが。お相撲さんなんかモンゴル人力士が優勝してもインタビューでとなりにモンゴル語通訳がいる場面は見たことがありません。

事情はよく知りませんが、私が勝手に想像するに、実はアメリカで野球は二流スポーツなので、日本人選手がインタビューを英語で受け答えしていてもそもそもそれをテレビでは見ないのかもしれません。そのインタビューは実は日本向けなので別に英語で言わなくてもいいということになります。

選手の方もインタビューはそもそも日本向けなのでする英語で行う必要がないということをよく知っているので英語を勉強しないということなんでしょうか。

石原さとみが以前英会話のCMに出ていたので英語がペラペラだと思っている日本人が多いというネット調査結果を見たことがありますが、英語がきちんと出来る人が聞いたら石原さとみは英語ができない人であるということはすぐに分かります。

3ワード程度イングリッシュで応対していても英語が出来ない人から見ればあの人は英語がペラペラだと思われます。私が大学の2年生になったばかりのころ、ある講習会で英語圏の某女性ギタリストの「通訳」をしたことがありましたが、3ワード程度イングリッシュだったにもかかわらずもう英語がペラペラなんやと友達から褒められ妙にこそばゆかったことがありました。

日本人大リーガーも3ワード程度イングリッシュでチームメートと応対している場面をテレビがときどき映していますが、そのレベルの英語なら3ヶ月も必要ありません。でもそれを見た日本人は大谷もイチローも英語はペラペラなんだと思ってしまうわけです。日本のマスコミは彼らが実は英語ができるんだという風に見えるようなある意味「偏向」報道をしています。でも私が知っている限りでは、彼らは日本のお相撲さんがやっているレベルのマスコミ対応はできません。カザフスタン出身の金峰山の勝利インタビューでは普通に日本語で応対していました。

大相撲も含めてあらゆるスポーツ選手は、自分の国から出て外国で活動する場合はその国のことばで生活しもちろん現地マスコミによるインタビューなども現地のことばで対応します。日本人サッカー選手なんかオランダ語やらイタリア語で普通にインタビューを受けていますよね。

ことばはその人の生活の鑑、大リーグの日本人選手はアメリカで生活していても3ワード程度イングリッシュ以上の英語が必要でないとても特殊な環境に置かれているといえます。海外駐在会社員の奥様で滞米10年でも全く英語ができない人もいますから、まぁ同じような言語環境なんでしょう。これは日本の野球<アメリカのBaseballという少し特殊というかある意味いびつな関係になっているスポーツがもたらしている環境のせいで、もちろん選手個人のせいではありません。

 


加納木魂(1939-2025)

2025年01月22日 18時50分45秒 | 音楽系

ギター製作家の加納木魂氏が先日お亡くなりになりました。享年86歳。加納氏は名古屋出身のギター製作界の重鎮で、父君の木鳴氏の後を継いでギター製作家になられた方です。

加納氏は当ブログでも書いたことがありましたが、古楽黎明期にあってとても優れたリュートを製作した斯界のパイオニアでもあります。私自身、かつて氏の製作による8コース・ルネサンス・リュートと13コース・バロック・リュートを使っていました。リュートとは名ばかりのレベルの低い楽器しかなかった当時にあって、リュートという楽器はこういう風に鳴るのだということを高いレベルで示すことができたのは氏の大きな功績だといえます。

後年リュート製作は止めてしまいましたが、わりと最近までときどき名古屋のギター専門店ミューズ音楽館でお目にかかることがありその時はいつもお元気な様子でした。ミューズ音楽館の山下氏は、お亡くなりになる2,3日前にもお元気なお姿に接していたとのことですので突然の訃報ということでした。

ここに追悼の意を表し氏のご冥福をお祈り申し上げます。

 


「ほ」か「ぼ」か「ぽ」か「ぷ」か、それが問題だ

2025年01月21日 10時56分55秒 | 音楽系

大相撲一月場所では豊昇龍(モンゴル出身本名スガラグチャー・ビャンバスレン)に土がついて3敗(さんぱい、さんはい?)となり、横綱昇進は絶望的になりました。

そんな中幕内を見渡してみますとなんと前頭十四枚目の金峰山(カザフスタン出身本名バルタグル・イェルシン)が9戦全勝です。まだ上位とは当たっていないのでこのまま行くとは思えませんが、優勝の有力候補で目が離せません。

この金峰山というしこ名はどう読むかというと「きんぼうざん」というのが正式のようです。峰は「ほう」「ぼう」「ぽう」、山は「さん」「ざん」「やま」と読めるので実はこのしこ名、相当な難読しこ名です。

山梨県にこの力士と同じ名前の山があるそうですが、そちらは「きんぽうざん」または「きんぷざん」と読むようです。ややこしいですね。「ん」の次に「ほ」が続く場合はいろんな読み方がありすぎるようです。

野党勢力の有名な政治家の場合は「ほ」ですが、別の与党政治家が「ぽ」と読んでしまったため、その与党政治家はえらく非難されました。でもその政治家が思わず「ぽ」と読んでしまうくらい「ぽ」の方が普通のような気がします。ナントカ連峰、ナントカ連邦共和国、漢方薬、憲法、ドリア旋法、信奉、天保などほとんどの「ほ」が「ぽ」に変化します。非難された政治家さんはある意味お気の毒だと思います。

件のお相撲さんは「ほ」でも「ぽ」でもなく「ぼ」ですが、このパターンはあまりないみたいで、すぐに用例が出て来ません。私が幼少の頃ウチのすぐ近くにキンボウと呼ばれていた犬がいましたが、たぶん「キン坊」だったでしょうけど、これの場合は「坊」は最初から「ぼう」ですから、違うかなと思って漢和辞典でしらべてみましたら「ほう」という読みもありました。

さて9連勝の金峰山、今日の対戦相手小結阿炎です。いよいよ三役との対戦ですが、どうなるでしょう?