リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

タモリ倶楽部

2007年03月30日 14時56分13秒 | 日々のこと
今週のタモリ倶楽部はチターがテーマでしたね。タモリ倶楽部は大変知的(時に痴的?(笑))な番組で、大好きな番組です。チター特集では、演奏家を招いてみんなで実際に弾いてみようという企画でした。

なんでも器用にこなすタモリですが、どうも弦楽器との相性はよくないようでした。そのうちリュート特集も、って思ってましたが、ちょっと無理っぽい感じかな。(笑)日本にもチター奏者がいるのかぁ、って思いましたが、別の角度から言えば日本にもリュート奏者がいるんだぁ、というのと同じか。そのチター奏者、ちょっとあぶなかっかしいところもありましたが、彼の話によると日本にチターを演奏する人は500人くらいいるとか。もちろん、愛好家も含めての話でしょうけど、明らかにリュートより多いですね。

リュートという楽器を簡単に説明するとき、キーワードとして必ず入れているのが、クラシック、弦楽器、バッハ、ヴィヴァルディです。この4語(2語+2人名)はまぁ誰でも知っているでしょうから、これらに関連する楽器というとそんなに大きくぶれることはないわけです。でもこれを言わずに、古い時代のヨーロッパの楽器、弦が多い弦楽器、指ではじく・・・なんて言うと、吟遊詩人、民族楽器、チターみたい?シタールみたい?なんてことになってしまって全くかけ離れたイメージになるわけです。今までに何回もチターみたいな楽器ですかとか、シタールとどう違うんですかと聞かれたことがあります。(笑)

さてタモリ倶楽部ですが、番組中に「空耳アワー」というコーナーがあります。コーナー開始のジングルが階名でいうと、「ソラミミ~レド~」(歌詞は「そらみみ-あわー」)になっているところがいいですねぇ。サッポロみそラーメンも「ミソラ~ソラ~」(歌詞=みそら-ぁめん)でしたねぇ。で、この「空耳アワー」というのは、外国語の歌の歌詞が全然関係ない別の日本語に聞こえる曲を視聴者の投稿により紹介していく、というコーナーです。バッハのカンタータでいいのがないか探してたんですが、ありましたねぇ。(笑)何番かって?それはヒ・ミ・ツ。近々投稿してみようと思ってます。ロ短調ミサにもいいのがありますよ。(笑)Tシャツ(一番優れた投稿作品に与えられる賞品)をめざしてがんばります。

武満徹の話

2007年03月28日 10時44分10秒 | 音楽系
昨日テレビで武満徹の話をやっていました。(知るを楽しむ・私のこだわり人物伝(NHK))リアルタイムで見たのではなく、いつものようにハードディスクレコーダーに録画して見ました。最近ほとんどそういう見方をしてますね。

武満は私が中学生の頃から注目(なんてエラそうな言い方ですね)していて、結構彼の音楽の変遷をリアルタイムで見てきた方です。高校生の頃だったか、音楽芸術という結構専門的な雑誌があって、それの付録に、リュートの入った室内楽「サクリファイス」が載っているというので、知り合いから借りてコピーをしました。そのコピーは今も持っていますが、あのとき買っとけばよかったです。

彼はギターの作品はかなり何曲かいい作品を残していますが、70年より以前にリュートの入った室内楽を2曲書いています。そのうちのひとつがさっきのサクリファイス、そしてもう一曲がリングという曲です。残念ながらソロ曲はありません。両曲とも作曲されて間もなく録音されてますが、あまりいい演奏とはいえません。フィンランドのギタリストユッカ・サビオキが彼の仲間たちと録音しているCDがありますが、これは大変いい演奏です。リングのリュートは、BWV1025がバッハとヴァイスの合作だということを発見したあのエエーロ・バルヴィアイネンが演奏しています。

武満という作曲家はすごく文章が巧みで、自作曲の解説も上手だし、多くの著作も残しています。このあたりが音楽とはあまり縁のなさそうな(失礼)文士やら他の分野の著名人から評価されている所以でしょうか。武満の書いた文章からは彼の芸術観はわかっても音楽そのものは何もわからないと思うんですけど、ま、音楽は音楽を聴いてしかわからないじゃないかと思うんですね。エライ文士さんはことば巧みに武満の音楽を語るわけですけど、たぶんアレって実は武満の音楽はほとんどわかってなかったりして。(笑)武満の残した文章のおかげできれいな映像にもなりやすいし、ああいうのって実は武満のひとつの戦略だったのかもしれません。

その点で、武満とは全く対極にいるのが矢代秋雄という作曲家です。すでに亡くなった作曲家ですが、一般にはあまり知られてないかもしれません。彼の名前を言うと、演歌の八代亜紀と聞き間違える人が多いですから。(笑)彼はほとんど自分の曲のことや音楽観について文章を残していません。彼の作品はすごく完成度が高くて大好きなんですが、寡作で早逝したため作品数が少ないんですね。おまけに武満みたいに巧みに芸術を文章で語っていないので、世間的にはちょっと損をしているみたいです。彼の残した文章を読むと、彼の芸術観自体が音楽というのは文章で語るべきでない、みたいなものだったようです。ナクソスにいい録音があります(交響曲とピアノ協奏曲)ので、興味のある方は是非御一聴あれ。

あちこちにメイルを

2007年03月20日 12時44分50秒 | 音楽系
昨日はあちこちにいろんなオーダーやら紹介のメイルを出しました。こういうのってやりだすと次々に思い出してやってしまうもんです。結果的に、アメリカ、イギリス、スイス、ドイツ、イタリアの人にメイルを書いていました。ドイツとイタリアは弦の注文です。時差の関係でイタリアのA社からはすぐ返事が来ました。ただ、ここは油断なりません。愛想はいいんですけど、そのあとコロっと忘れてました、って感じでなかなかモノを送って来ないことがあります。

その点ドイツのP社の場合は、「はいはい、どーも、どーも、ありがとう!!!」って感じではないですが、確実に送り届けてくれます。同じくドイツのK社も同じような感じです。国民性が出てるって感じですね。

イギリスはリュートソサエティに楽譜を頼みました。これも時差の関係で、向こうへ朝イチに届いたようで、もう発送しましたってメイルがしばらくしたら届きました。やっぱり朝のやる気があるときにメイルというのはきくものです。イギリスのリュートソサエティが出している楽譜は、結構興味深いものがいろいろ出てまして、実は2年くらい前、ロンドンで開かれた協会のミーティングにのこのこ出かけたことがあって、そこでいいものをいくつか見つけました。ただその時は、「ここで買い出したらキリがない」と思って1点しか買いませんでした。(その時はジャック・ガロの曲集を買いました)そのミーティングには、協会の楽譜を扱う業者が出店していましたが、こういうのって危険ですよね。日本にはそういう危険な店はないからいいんですけど・・・

アメリカは同じくリュートソサエティです。私はここの永久会員です。って別に自慢になるほどのものではなく、一定のお金を払えば誰でもなれます。あとは長生きするだけです。(笑)イギリスの協会にはそういった制度がないので、会費を3年分いつも払ってます。毎年会費払うのが面倒なんですね。アメリカのリュートソサエティにはなかなかいいものがあるマイクロフィルムライブラリがあります。昔はそれぞれの所蔵図書館とか博物館に紹介してオリジナル楽譜のマイクロフィルムを買ってたんですが、最近はもっぱらここ(アメリカ・リュートソサエティ)を利用しています。いちいち違うところに紹介の手紙を出す必要がないですから。今回は、ウィーンとプラハにあるバロック・リュート関連の写本のマイクロを頼みました。届くのが楽しみですが、ちょっと時間がかかるのが難点です。

スイスはDie Laute in Europaという、オリジナルリュートの写真が一杯ある本の著者にメイルをしました。この本はなかなか興味深い本ですが、若干入手がしにくいので、著者に直々にメイルして、今度スイスに行くときにもらってこれるようにしようかなと思ってます。でもこのあとドイツのアマゾンで紹介したらありましたので、こっちに注文してしまいました。amazon.comとかamazon.co.jpにはなかったので、著者にメイルしましたが、無駄になってしまいましたねぇ。

桑名市民ホール改装中

2007年03月18日 10時48分30秒 | ローカルネタ
私の住んでいる桑名市の市民ホールが現在改装中です。壊して新築でなく改装というところが、さすがエコ的な発想ですばらしいです。

この市民ホールは、今から40年前に落成しました。その時の落成式で、高校生になったばかりの私はなぜか合唱隊のひとりとして歌った覚えがあります。どんな曲を歌ったのかは覚えてませんが。(笑)

リニューアル市民ホールは10月10日から使用が開始されるそうで、使用の受付が4月1日から始まるとのことです。隣に建っていた会議室および楽屋の棟は新築されるようで、聞くところによれば小ホールがそこに建つそうです。でも工事現場を通りかかったことがあるんですが、タチはあまり高くないので、音楽用のホールではなさそうです。ま、よくある何の用途にも使える、ステージ付きのホールってとこなんでしょう。

桑名の「ホール」は、あと大山田コミュニティプラザというのがありますが、これが妙な造りになってまして、なんといわゆる下手から入れない構造になっています。下手から入れなくはないんですけど、基本的に上手から入る構造になってます。楽屋が上手側で、舞台裏に通路がありません。舞台裏に通路が造れないのなら、左右逆の構造にすれば上手から入れるようになるとは思うんですけど、それにしてももうちょっとちゃんとした設計にして欲しかったですねぇ。

改装中の市民ホールはどんな風になるんでしょうね。遙か上空の3階席を壊して音響を多少なりともよくするのでしょうか。舞台袖からの冷気が観客が客席を直撃する(笑)ようなことはなくなるのでしょうか。ちゃんとした楽屋はあるんでしょうか。音楽用の反響板は設置されるのでしょうか。新しい「小ホール」はある程度は(ある程度でもいいです(笑))音楽に使えるのでしょうか。駐車場は作ってるのでしょうか。いろいろ興味津々ではあります。

宗次ホール

2007年03月12日 14時01分50秒 | 音楽系
宗次ホールを見てきました。まだオープンしてませんが、担当の方のご厚意で中を見せていただきました。宗次ホールは、あの有名なカレーチェーン店、ココ壱番屋の創業社長、宗次徳二氏が私財を投じて建設したホールです。場所は名古屋の栄地区の一等地、交通アクセスも至便です。コンサートが終わった後の打ち上げができるところも周りにいっぱいありますし。(笑)

名古屋市内にあるコンサートホールも最近はそこそこ充実してきました。はしりは、私が先日リサイタルを行った、電気文化会館ザ・コンサートホールかな。名古屋市内各区には、○○文化小劇場という名のホールがひとつずつありますが、コンサートに適しているホールは残念ながらほとんどなく、使えるのは熱田文化小劇場くらいでしょうか。

中規模(7~800席クラス)のホールではしらかわホールがなかなかいいホールです(700席)。あと栄に愛知県芸術劇場の大ホールとコンサートホールがあるんですが、ちょっと大きすぎますねぇ(それぞれ2500席、1800席)。それぞれ半分くらいでいいんじゃないかな。あと愛知県芸術劇場には小ホールというのもあるんですが、これは音楽ホールではありません。なんで、音楽ホールにしなかったのかよくわかりませんねぇ。「バランス」を取るために演劇分野にも配慮したんでしょうか。お上のやりそうなことではあります。

宗次ホールはお上が作ったのではありませんので、あちこちに妙な配慮をする必要がなく、大変すばらしい小ホールに仕上がっています。2階席を含んでの席数が310席という古楽には最適のサイズです。1階部分だけだと232席なので、容積的には電気文化会館ザ・コンサートホールの6割程度という感じです。バロック・リュートを持っていって実際にステージで音を出してみましたが、とても落ち着いたいい響きで、残響感はヨーロッパの教会のそれに近いものがありました。リュートには非常に適したほどよいサイズと音響です。チェンバロソロとかバロックの室内楽、ギターなんかにはうってつけのホールですね。あとユニークな付帯設備として、ステージの天井から音を広い、客席左右のスピーカーから少量の音を付与してステージの音像を気持ち大きくするというものがあります。広い意味でのPAでしょうけど、出音は大変自然で、音量を上げるというより、音像の明確化、残響の調整をする設備という感じです。

今後古楽とかモダン楽器のソロ奏者に人気が出そうなホールです。気になる貸しホール代(笑)ですけど、これがちょっと高そうなんです。でもよく比較していくと、意外とそうでもないんです。熱田文化小劇場、電気文化会館ザ・コンサートホール、宗次ホールの料金比較ですが、公演料金3500円、平日2時~9時半くらいまで借りるとして比べますと、

熱田  86700円
電気 116550円
宗次 136500円

熱田は公共施設なので当然安いですが、コンサートホールとしてはクオリティが落ちます。それに演劇とか他のイベントとも競合してなかなか取りにくいホールです。一日だけの音楽公演より二日以上使う演劇の方を優先するといううわさもあるようです。

会場使用料金の他に実は照明代とか運営に必要なスタッフの経費が必要なんですが、そのあたりは3つのホールは微妙に違います。受付の要員を手当していただければ、音楽事務所に頼んだり自分で手配する必要なくなります。そこでそのあたりの経費も折り込んだ修正値で比較しますと・・・

(受付要員4名=20000円とします)

熱田 116300円(内、照明、反響板=9600円)
電気 137050円(内、照明Bセット=10500円)
宗次 136500円(照明、受付要員4名込み)

ということで何と宗次の方が電気より安くなります!携帯電話のプラン比較みたいでなかなか複雑です。土日祝公演の場合はそれぞれ3万程度アップで順位は同じ、土日祝のマチネーだと宗次が一番高くなります。

ということで、何か宗次ホールの宣伝みたいになってしまいましたが、宗次は意外とお得なホールということになります。次のリサイタルはここですね。(笑)

演奏コンテンツ追加

2007年03月09日 17時55分27秒 | 音楽系
今日は久しぶりにホームページのコンテンツを追加しました。最近はコンサートガイドと表紙ページのアップデートばかりでしたけど、今回は王道を行く演奏ファイルをアップデートしました。この間のリサイタルの録音をもとにしたmp3ファイルを作りました。

追加したのは、ゴーティエのアルマンドとクーラント、ヴァイスの変ロ長調のメヌエットです。あと、ヴァイスのイントロドゥツィオーネ、クーラント、およびプレストは入れ替えました。古いファイルはもう10年くらい前の録音です。はたして10年間の進歩は?という感じで聞き比べて見ましたが、結構変わってるところもあったんですけど、概ねほとんど同じようなことをしている感じでしたねぇ。同じにしようという意識は全くないんですけど、人間って変わらない部分はそんなに変わらないんですね。

演奏ファイルのアップデートは何と2005年の6月以来で、2年近くほったらかしでした。そのうちまた新しいのをアップして古いのと入れ替えていこうかと考えてます。実はリサイタルの1ヶ月くらい前に取った、バッハのサラバンドとブレのテイクがありまして、リサイタルまでに編集して会場で売り込もうなんて浅はかなことを考えていましたが、リサイタルが近づいて来るにつれて、とてもそんな時間を取っている余裕はありませんでした。

そのテイクをお蔵入りにするのもなんかもったいない感じなので、時間を見つけて編集しようかと思います。何らかの形でみなさんにお聴かせできるようになると思います。

リュート音楽のひととき

2007年03月08日 12時33分59秒 | 音楽系
4月1日に第4回目になる、「リュート音楽のひととき」というレクチャーコンサートを開きます。(於ミューズ、午後3時から)しかし、これ完全に出遅れてしまいましたねぇ。リサイタルが2月23日にあったもんですから、それまでは何もできず、チラシを作ってミューズに置いたのが昨日ですから。2月のリサイタルと、4月の「ひととき」は2ヶ月間があいてるからまだ大丈夫だという安心感があったのも一因ですが、よく考えたら2月は28日しかなく、4月といっても月初めですから、正味1ヶ月しか間がないわけです。そのことに気づいたのが2月に入ってからですが、時すでに遅し、ゆっくりとチラシの庵を考える時間なんぞあるわけがありません。ということで、出遅れスタートの「ひとときNO.4」です。

この「ひととき」シリーズは、私が趣味と勉強も兼ねて始めたレクチャーコンサートです。コンサートというのは、どっかから頼まれた場合、ソロのみのコンサートであっても相当主催者の意向が反映します。また、コンティヌオを頼まれたときは、もちろんはじめから曲が決まっています。リサイタルの場合は、自分の好き勝手プログラムを組んでもいいんですが、何らかのアピールするものを持たなくてはなりません。これらの結果、全く陽があたらない一群のレパートリーが存在してしまうことになります。でも、その中にはすごくいい曲があって、そういった曲を中心に紹介して行こう、というのがこの「ひととき」コンサートのコンセプトです。少人数で聴く、ある意味すごく趣味的なコンサートですけどね。年に2,3回を目標に、そのときどきにテーマを決めています。今年はリサイタルがあったので、この4月1日とあと1回を多分今年の終わり頃に行う予定でいます。

今回は、「ヴァイス「不実な女」の真実が今ここに!」と題して、ウィーンを中心としたリュート奏者たち、オスマントルコ軍とのウィーン攻防戦を描いたリュート作品の話、当時のジャーナリズムに紹介されているヴァイスや他のリュート奏者の話、そしてこれらの点を結ぶと、ある真実が!という感じで進めて参ります。演奏予定曲目は、ヴァイス、バロン、ジャック・ドゥ・サン・ルク、ロジー伯の作品を演奏する予定です。

カメヤマブランド

2007年03月05日 12時52分12秒 | ローカルネタ
最近は亀山と言ったらちょっとしたブランドですよね。秋葉原の家電量販店で、液晶テレビが「亀山製」というのを正面に出して売っているのを見ましたけど、三重県人としてはなんとなくこそばゆいような。(笑)

私のイメージの亀山は、まず関西線の駅弁です。母方の実家が柘植というところにあり、関西線に乗っていくんですが、亀山でちょっと長く停車します。そこに駅弁売りのおじさんがやってきて(車内ではなくホームに)窓をあけて駅弁を買うわけです。どんな味なんかはもう何も覚えていませんが、陶器に入ったお茶が付いてたことは覚えていますねぇ。今は亀山に行くなんて、東名阪自動車道を通れば、1時間もかかりませんが、昔は(自分が子供であったこともあり)随分遠いところに行くって感じでした。

あと亀山と言えば、ローソクです。カメヤマローソクという会社があって(今もあると思います)ウチで使うローソク(主に仏壇用と停電用)はカメヤマブランドでした。昔は台風が来るとときどき停電になることがあったし、それ以外のときも停電がありました。今はほんとに停電が減りましたねぇ。停電の時は懐中電灯とローソクでした。暗闇の中に光るほのかな光って何か世界が変わるようですごく好きでしたけど、たまにだからよかったんですよね。(笑)でも、確か3,4年前の台風のとき久しぶりに停電しましたが、その時はもうローソクに火をつけることはなかったです。懐中電灯が家の中に一杯あってローソクの出番はなかったわけです。

1950年代の終わりの伊勢湾台風のとき、ずっと停電が続き、カメヤマローソクに随分お世話になりました。このとき、21世紀のカメヤマブランドは(液晶テレビの)世界ブランドになる、なんて言ったら、「おまえアホか」って言われるのがオチですよね。でも世の中何がどう変わるかわからんもんです。有名な映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の一シーンで、1950年代における日本製のパーツを見て、「(50年代は信頼性のなさで知られるメイド・イン・ジャパンだけど)85年では、メイド・イン・ジャパンは最高のパーツなんだ」って主人公が言うシーン(詳しくは覚えてませんが、大体こんな感じ)がありましたが、カメヤマブランドの話はそのシーンを思い出させます。あ、カメヤマローソクが信頼性がなかったという意味ではありませんからね、念のため。

BGMな、お仕事

2007年03月04日 12時05分24秒 | 音楽系
ミッドランドスクエアの仕事もなんとか終わりましたが、結局はロビーでBGMを演奏するというよくある仕事でした。ま、この音楽にヴァイスやらコレルリが流れるというのは珍しいでしょうね。たいがいはモーツアルトなんかだったりしますが、私たちが演奏した第1、第3ステージの間の第2ステージでやっぱりモーツアルトをやってました。名フィルの方たちによるフルートカルテットです。

やっぱりモダン楽器で人数も多いですから音もよく通ってるみたいでした。こういう音のパワーがいる場面では、もちろんPAを使うので、音量の問題は実際はないんですが、音楽そのものの違いは感じてしまいますね。あと、今回はソロを三分の一くらいの時間演奏したんですが、気づいたのは、こういう場面では高めの音が使われる曲の方がはでるもんだって感じがしました。

演奏したのは、リサイタルで弾いたイントロドゥツィオーネ、メヌエットに加えて変ホ長調のシャコンヌでした。イントロドゥツィオーネは結構はでる曲だとは思うんですが、低い音域の部分もあり(ここがコンサートのときにはさらに魅力的になるんですが)、そこにさしかかると、弾いてて何か地味な感じがしました。リュートってもともと低い音域の楽器ですからねぇ。

それに対してシャコンヌは比較的高い音域にずっと張り付いているせいか、すごく華麗かつ可憐な感じがして音もよく通るような感じがしました。こういうノイズがいっぱいあるようなところでは高めの音域が中心的に使われている曲(例えばバッハの1006番とか、ヴァイスのへ長調ソナタとか)の方がいいようです。変ホ長調のシャコンヌなんて、コンサートで弾くとどちらかというと地味なタイプの曲ですけど、わからんもんです。

いままでこういうタイプの仕事でバロック・リュート・ソロを弾くことはあまりなかったんですけど、これからは(これからどのくらいあるかはわかりませんが(笑))戦略的に選曲をした方がよさそうです。