リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バロック音楽の旅V講座第2回

2011年07月22日 12時18分05秒 | 音楽系
先週の土曜日はバロック音楽の旅V講座の第2回でした。今回はオルガンのコンサートですので、会場を名古屋市の金城教会に移しての開催です。当日は、本当によく晴れて(晴れすぎでしたが)猛暑の極みでした。



オルガンのコンサートは、開催したくてもいろいろ困難なことが多く、半ばあきらめていました。オルガン奏者はなんとかお願いできるにしても、問題はいいオルガンがある場所探しでした。オルガンがあるのはたいていは教会ですので、ちゃんとしたヒストリカルなオルガンがどこにあるのかなかなかわかりません。もちろん地域的には桑名市周辺、名古屋市内あたりまでです。ま、桑名市内にはないというのはわかっているのですが・・・(笑)あと当然教会とのコネクションも必要ですし、教会には教会所属のオルガン奏者がいますので、その方との折り合いもつける必要があります。

スイス・バーゼル在住の野田亜希さんという若い大変有能なオルガン奏者がいらして、昨年彼女が里帰りの際、とある教会でコンサートをしました。その際にバロック音楽講座のことをお話をしたら、できそうだということで、お願い致しました。昨年のオルガンコンサートの時のオルガンでは、小型なのでバッハは弾けないとのことで、実は名古屋市内の金城教会にもう少し大きくて、充分バッハの演奏が可能なオルガンがある由。



ということで決定した次第。野田さんが名古屋出身で名古屋のオルガン事情に通じているという幸運が重なって実施できた訳です。なかなかこれだけの条件はそろわないですから本当にラッキーでした。

コンサートの2日前には調律を行いました。調律の方を頼んでもよかったんですが、全てのパイプを調律する必要はないので、野田さんと私とで行いました。調律は本番直前にも行いましたが、オルガンってパイプによってはリュートの弦よりよく狂うのにびっくり。
コンサートはコラール編曲をテーマにした大変興味深いプログラムです。私が進行をしながら野田さんにお話をしていただき、ときどきボケたりつっこんだりしてコンサートを進めていきました。会場には猛暑にもかかわらず50人を超える方に来て頂きました。休憩のときや終演後に何人かの方がオルガンにところに来て奏者に質問したり写真をとったりされていました。芸術劇場の巨大モダンオルガンは別として、それ以外のところでオルガンのコンサート、それもヒストリカルなオルガンを使ったコンサートは、全国的にもそう多くはないでしょう。オルガンが普通にあるヨーロッパと異なり、日本にはいいオルガンがとても少ないからです。今回のコンサートは非常に貴重なコンサートであったと自負しております。また是非機会を見つけて開催したいと思います。次回のバロック音楽の旅V講座は、バロックチェロの高橋弘治さんのコンサートです。第3回からの参加も可能ですので、興味のある方はぜひお越し下さい。