5月に予定しているリサイタルのプログラムは全曲ト短調です!
副題は「ト短調の調べが紡ぐ物語」です。
バロック・リュートのト短調レパートリーでまず思い浮かぶのは、ヴァイスのト短調シャコンヌでしょうか。でもロンドン写本に残されているこの曲はどうみてもソロ曲ではありません。多分二重奏で交互に変奏を繰り広げていく曲のパート譜なんでしょう。でもこの曲をあえて選んでみました。もちろんそのパート譜のままでは弾きませんが。
あとアレンジになりますが、ビーバーのパッサカリアも予定しています。無伴奏のヴァイオリンのためのこのパッサカリアはもともとト短調ですので、基本的にはそのまま弾くことになりますが、リュート曲としてのアーキテクチャーとはずれてしまう部分もありますので、そこは少し修正が必要です。
あと四日市在住の太田伊都子さんに委嘱した作品も演奏します。4つの楽章からなる曲になりますが、曲の一部をパッサカリアにしてほしいと無茶ぶりをしましたら、作曲家はとても美しいパッサカリアを作ってくれました。これらの4つの楽章は途中の楽章では転調して別の調に入りますが最後はそのパッサカリアできちんとト短調で閉めるという形になっています。
以上の曲はリサイタルの後半に演奏します。ここまでお話した中で鋭い人は感づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、これら3曲は全てGから下っていくバスに基づく変奏曲になります。もちろんバスの形は少しずつ異なりますが、G-F-E♭-Dまでは共通しています。この共通のバスと変奏ということで統一感を演出したつもりですが・・・