院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

マンドリンを弾く乞食

2006-11-21 08:34:29 | Weblog
 私が小さいころには門付けしてお金を要求する乞食がいた。

 ただ単に汚いかっこうで来る乞食が多かった。親は鬱陶しいので10円をやって追い返していた。

 虚無僧という乞食もあった。深編み笠をかぶって尺八を吹いていた。

 托鉢を装った乞食もあった。これは今でも見かける。編み笠と僧衣で鐘をならしながら街に立っているアレである。本物の修行僧は、あんなことはしない。それが昔は門付けしていたのである。

 印象的な乞食で、マンドリンを門付けして弾くお爺さんがいた。なかなかの腕前なので、子供の私には興味津津だった。

 その乞食は年に2回くらい来た。私は楽しく演奏を聴いた。ある時、その人が腰にぶら下げていたリラ(鉄琴)を奏いた。子供の私の耳にはすばらしかった。

 そのお爺さんに、「また来てね」と幼い私は言った。