院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

幼い心、清い心

2009-11-09 14:46:54 | Weblog
 幼な子が全部清い心を持っているとは言わない。しばしば幼な子は本能むき出しで残酷である。

 手前味噌だが、娘が幼稚園のころ、「アフリカの子ってドロ水飲んでるんだってー」と同情と恐怖を込めて私に伝えた。幼稚園で聞いてきたのだろう、そのショックを私は好ましいものとして感じた。

 「それは本当だ。アフリカはひどいことになっている」と私は娘に教えた。娘は長じて一児の母になった。アフリカの状況は今もかわらない。娘はそれをどのように孫に伝えるだろうか?

 私も幼児のころ亡父に「アフリカに食べ物がないのなら、飛行機で送ってあげればよいのに」と言った。亡父は「それは良い案だが、飛行機がアフリカに着くまでに、腐ってしまう」と答えた。

 本当は政情のことや、末端まで食料が行き渡らないことがあるといったことを、亡父は承知していたに違いない。しかし、が幼子だったので、分かりやすく言ったのだろう。

 幼な心は概して残酷であるが、こういう清いところもあるのである。