院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

漫画「美味しんぼ」作者の挑発

2014-05-13 20:27:23 | 漫画

(BIG COMIC スピリッツ・2014年5月26日号より。)

 むち打ち症が真正の「疾患」ではなかったことについてかつて述べたように(2011-04-22)、人は思い込まされると病気でもないのに症状を出すことがある。だから確かに風評被害は怖い。

 このたびの漫画「美味しんぼ」による福島の放射線被害に関する表現は、作者による政治への挑発だと見た。双葉町前町長が「真実」を語ろうとして町長を降ろされたとは、ありそうなことである。

 政治が科学を捻じ曲げてきたことは歴史上、明らかである。(例:ルイセンコ事件、ガリレオへの弾圧 etc. )。

 ここで「美味しんぼ」の作者に注意していただきたいのは、客観的に明らかな「症状」だけを取り上げるべきことである。今回の漫画では「鼻血」、「疲労感」、「眼やのどや皮膚の不快な症状」が挙げられているけれども、ここで取り上げるに値する誰の目にも明らかな現象は「鼻血」だけである。

 「疲労感」とか「不快な症状」のような主観的な陳述は他覚的に証明ができず、科学的な分析には耐えられない。むち打ち症ブームの昭和40年代にも「疲労感」は言われていたのだ。

 双葉町が本当に住めない土地であるのかどうかは、何年かすれば明らかになる。そこで初めて、「美味しんぼ」の作者が正しかったのか、漫画の作者に抗議をした福島県知事(今は立場上、そうせざるをえないが・・)が正しかったのかが、科学的に証明されるはずだ。

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