(「トクホ」食品のいろいろ。日経トレンディネットより引用。)
上の写真は「トクホ」食品の数々です。「トクホ」マークを取るにはたいへん費用がかかるらしいです。そこで消費者庁は、あまり費用を払えない会社のために「論文さえあれば」食品の「効能をうたってもよい」ことに4月からするそうです。
野菜や肉を「美容によい、肝臓によい」と言ってもよい。さらに、サプリメントも「脂肪を燃焼させる、痩せられる」と宣伝してもOKになるのだそうです。
これまでサプリメントは画面の端っこに「効能は個人の感想です」と書かざるをえませんでした。薬であるかのように宣伝すると罪に問われたからです。4月から、「論文さえあれば」効能が書けるようになります。サプリメントは晴れて薬の仲間入りができるのです。
ところが、「・・・に効く」という論文ならいくらでも書けます。(薬効のない)対照群との比較をやらなければ、ほとんどの「薬」に「効果」が認められるからです。これをプラセボー効果と呼ぶことは何度も書いてきました。
天下の武田薬品工業が、アリナミンEXゴールドの科学的に無意味な「効能データ」を堂々とWEBに載せていますから、ご覧ください。このデータには対照群がありません。(「アリナミンEXゴールドの効果に関するデータ」)
さらにまた、対照群のない薬効検定を載せる三文学術雑誌は山ほど存在します。「論文さえあれば」というと一般の人たちには権威があるように見えるかもしれませんが、そんな論文は科学的でもなんでもない、ただの紙くずにすぎないのです。
※今日、気にとまった短歌
登山道遮る枝を押し上げて手招く父の腕のトンネル (富良野町)朝倉遥