(金谷ホテルベーカリーのHPより引用)。
私は戦後のベビーブーム(団塊の世代)最後の人間である。高度成長の波に乗った経験がある。今日より明日がもっと豊かになるといった時代だった。それでも初期は今よりずっと貧しく、洋食屋が林立したとはいえ、外食はまだ贅沢な行動だった。
そのため、カレーライスはご馳走だった。外から遊んで帰るとき、自宅の方向からカレーの香りがすると、ヤッターと思った。(五目寿司もご馳走だったが、それはまた別の機会に)。
カレールウというのはまだなく、小麦粉をフライパンで少し焦がして、そこにカレー粉を混ぜる方法で調理された。フライパンで炒めるからおいしい香りが近所中にただよった。
カレーうどんは当時からあった。だが、出汁の具合が難しく、うどん専門店でないと作れなかった。京都ではカレーに片栗粉を混ぜてトロ味をつけるらしい。東京では片栗粉をあまり使わなかった。
高度成長が続くと、いよいよカレー専門店が出店されるようになった。カレー専門店は家庭の味では不十分と考えたらしく、インドカレーとかスープカレーとか、さまざまな個性を押し出してきた。神田神保町の古本街にいったとき、スープカレーというのを食べてみた。
これが大しておいしくないのだ。スープだからタレがシャビシャビしていて、ご飯をすぐに中まで濡らしてしまう。それでいて、玉ねぎや鶏肉が丸ごと入っているので、それらをまた別に食べなくてはならない。
インドカレーの店にも入ってみた。ここのカレーは想像したのとはまったく別物だった。カレーはインドが本場とは聞いていたが、本場すぎるのか、日本のカレーと味も色も違う。しかも、同時に複数種のカレーが出される。中には緑色のカレーとかもある。予想と違うものを出されると逆に白けることもあるのだ。
これまで食べたカレーライスの中で一番おいしく何度でも食べたいと感じたのは、金谷ホテルのビーフカレーである。ライスがサフランライスという黄色がかったもので、これが焦げ茶色のタレと絶妙なハーモニーを奏でる。
日光の金谷ホテルには一度泊ったことがあるが、そこで食べたのではなく、金谷ホテルベーカリーというパンのチェーン店でだ。明治時代のレシピそのままというのも、すごい。金谷ホテル本体と同じカレーをベーカリーが供しているかのかは確証がないが・・。
金谷ホテルベーカリーのカレーライスこそ王道だし、自信をもってお薦めできる。しかも、ベーカリーは日光だけではなく全国にある。一度お試しいただきたい。
※私の俳句(夏)
クリームに桃の添へあるパフェーかな
金谷ホテルのカレーライス、そんなに美味しいのですか。レトルトカレーを通販で探してみます。
今年になって、初めて金谷ホテルの食パンを
食べる機会があり、余計な味がしない、こんな美味しい食パンは初めてだと感激しました。
毎月一回通販で取り寄せています!
そこのカレーと聞いては黙ってはいられません
金谷ベーカリーにはレトルトも売っていましたが、僕は買ったことがありません。
だから、店で出されたのがそのレトルトなのかを、よく知らないのです。
でも、大きい店ではない割に味が安定していたので、レトルトだったのかもしれません。
レトルトや冷凍食品は最近あなどれないと思っています。