院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

自宅での看取りの落とし穴

2015-07-16 06:31:27 | 社会
   (文春文庫、1996)

 私の明治生まれの祖父母4人は3人まで病院で看取られた。自宅での看取りは1人だけ。

 かねてより、自宅での看取りを望む人が多くなった。そこで注意しなくてはならないことは、最低2週間ごとに医者に診てもらうことだ。2週間以上診てもらっていないと原則的には主治医でも死亡診断書が書けない。

 じっさいのところは馴染みの医者なら(患者がすでに死んでいても)自分の責任において、自分が駆けつけたあとに死亡時刻を設定するなどして、なんとか死亡診断書を書いてくれると思う。

 しかし、問題は馴染みの医者がいないときだ。そうなると自宅で死んだ場合でも不審死ということになって、警察を通さなければならない。警察が検死医に死体検案を依頼して、検死医が死体検案書を書いて初めて火葬埋葬が可能になる。(極端なはなし、生命保険金目当ての家族によって毒殺されたなんていうこともありうるからだ。実例があるでしょ!)

 病院で死ぬ場合は、主治医(または当直医)が常駐しているから、問題として浮かび上がってこないだけなのである。


※今日、気にとまった短歌

  青春を生きた硬貨の五十円トリスを飲んだ名画座へ行った (杉並区)本間木丈


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