(AO入試の説明。関西大学のHPより引用。)
いまや高卒者の半分くらいが大学に行くようになった。(私たちの時代は1割。)今の大学生のうちほぼ半分がAO入試とやらで入学したらしい。(私の理解では、AO入試とは面接や論文でヤル気を測って、学力は問わない入試。)
大学にとってのAO入試のうまみは、一般入試の募集人員が減って倍率が高くなり一般入試の偏差値が上がる(そして公表される)ことである。(AO入試はそもそも偏差値が算定できない。)
ある数学者の報告によれば、AO入試で入ってきた学生は、二次関数三角関数初等微積分などの地道な訓練をしていないから、そこから始めなくてはならない。ヤル気だけでは駄目なのだという。
さらに、AO入試で入った学生は一般入試による学生より、成績(点数)が30%低い。中途退学者も多く、一般入試の退学者が16人に1人なのに対して、AO入試のそれは6人に1人だという。
まあ、一般入試だけしかやらないとAO入試をやる大学に学生を取られてしまうから、多くの大学に広まったのだろう。二次関数三角関数初等微積分は、それが将来の考え方に役立つ人は1%もいないと思う。重要なのは論理性よりも、円滑な対人関係だというわけだ。
文科省は大学入試で対人関係や人柄を重視せよと言っているが、東大京大までそれでは困る。高校には対人関係は駄目でも、古典文学にメチャ強い、うそみたいに物理ができるという奴がたくさんいるのだから。
※今日、気にとまった短歌
電柱に片足上げて用を足(た)す人所在なくそれを待ちをり (松坂市)有田典子