何度も繰り返すうちにタコができてくると言いますが、クラシック音楽でも同じことが言えます。たとえばベートーヴェンの交響曲第五番。「ジャジャジャジャーン!」は小学生でも知っている、「運命」の出だしです。この出だしを聞いただけで、気分はもうおなかいっぱい、耳タコだよ、という方も少なくないことでしょう。
私も、この出だしの自己主張の強烈さには、その意義と価値を充分に認めつつも、ちょいと押しつけがましさに辟易することが少なくありません。それは、演奏家によりませんから、たぶん作曲者であるベートーヴェンの責任。でも、とくに第2楽章の魅力は、つい手が伸びます。いつからか、第1楽章は脳内だけで鳴らし、第2楽章以降を実際の音で聞くことが多くなりました。
第1楽章、アレグロ・コン・ブリオ。脳内で演奏しますので、どんなに難しいパッセージでも大丈夫(^o^)/
第2楽章、伸びやかで堂々たるアンダンテ・コン・モト。かなり手のこんだ、力の入った変奏曲です。実際に音として聴くと、ほんとに素晴らしい音楽だと思います。
第3楽章、アレグロ。低弦に導かれて登場するホルンが、例の主題を奏するあたりから、あたかも「ただいま巨人達が会議中」といった雰囲気。しだいに緊迫感が増して来ます。
そしてアタッカで突入する第4楽章、朗々とした高揚感があります。この楽章だけ、なんとなく響きが違うなぁと思っていたら、楽器編成に追加されるものがあるのだそうです。ピッコロ、コントラファゴット、トロンボーンがそれで、音に厚みと華やかさが加わっているように感じられ、このへんが解放感につながっているのかな、と思います。
以前、「現存する最古の自筆楽譜」という記事(*)を書いたことがありますが、この中に、ちらりと「第1楽章すっとばし第2楽章から」聴くことが多い、と書きました。最初から聴くときには、その圧倒的な迫力に打たれますが、やっぱり次は最初の楽章はパスして…と気おくれしてしまいます。きっと、人間が軟弱にできているのでせう(^_^;)>poripori
演奏の違いよりも、ベートーヴェンの強烈な音楽に圧倒される要素のほうが強いのですが、しいて言うならば、特に第3楽章から第4楽章への強烈な緊張感の点で、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏はすごい演奏だと思います。たとえ、ホルンで裏打ちしていると言われる、炸裂するトランペットの響きに、若干の保留を残したとしても。スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ盤は、体調や気分の関係でセルの厳しい表情とは別の演奏を聴きたいときに、安心して音楽に身を委ねることができる、そういう演奏です。
■ジョージ・セル指揮クリーヴランド管
I=7'31 II=10'01" III=5'30" IV=8'32" total=31'34"
■スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ
I=7'20" II=9'38" III+IV=19'28" total=37'28"
(*):現存する最古の自筆楽譜
私も、この出だしの自己主張の強烈さには、その意義と価値を充分に認めつつも、ちょいと押しつけがましさに辟易することが少なくありません。それは、演奏家によりませんから、たぶん作曲者であるベートーヴェンの責任。でも、とくに第2楽章の魅力は、つい手が伸びます。いつからか、第1楽章は脳内だけで鳴らし、第2楽章以降を実際の音で聞くことが多くなりました。
第1楽章、アレグロ・コン・ブリオ。脳内で演奏しますので、どんなに難しいパッセージでも大丈夫(^o^)/
第2楽章、伸びやかで堂々たるアンダンテ・コン・モト。かなり手のこんだ、力の入った変奏曲です。実際に音として聴くと、ほんとに素晴らしい音楽だと思います。
第3楽章、アレグロ。低弦に導かれて登場するホルンが、例の主題を奏するあたりから、あたかも「ただいま巨人達が会議中」といった雰囲気。しだいに緊迫感が増して来ます。
そしてアタッカで突入する第4楽章、朗々とした高揚感があります。この楽章だけ、なんとなく響きが違うなぁと思っていたら、楽器編成に追加されるものがあるのだそうです。ピッコロ、コントラファゴット、トロンボーンがそれで、音に厚みと華やかさが加わっているように感じられ、このへんが解放感につながっているのかな、と思います。
以前、「現存する最古の自筆楽譜」という記事(*)を書いたことがありますが、この中に、ちらりと「第1楽章すっとばし第2楽章から」聴くことが多い、と書きました。最初から聴くときには、その圧倒的な迫力に打たれますが、やっぱり次は最初の楽章はパスして…と気おくれしてしまいます。きっと、人間が軟弱にできているのでせう(^_^;)>poripori
演奏の違いよりも、ベートーヴェンの強烈な音楽に圧倒される要素のほうが強いのですが、しいて言うならば、特に第3楽章から第4楽章への強烈な緊張感の点で、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏はすごい演奏だと思います。たとえ、ホルンで裏打ちしていると言われる、炸裂するトランペットの響きに、若干の保留を残したとしても。スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ盤は、体調や気分の関係でセルの厳しい表情とは別の演奏を聴きたいときに、安心して音楽に身を委ねることができる、そういう演奏です。
■ジョージ・セル指揮クリーヴランド管
I=7'31 II=10'01" III=5'30" IV=8'32" total=31'34"
■スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ
I=7'20" II=9'38" III+IV=19'28" total=37'28"
(*):現存する最古の自筆楽譜