昨晩の宴席は、ビールがうまかったし、楽しかった。今朝は、自室のステレオ装置でモーツァルトのピアノ協奏曲第21番を聴きました。
モーツァルトのピアノ協奏曲の印象というと、「優しい」「きれい」「迫力がない」「眠くなる」等々、様々なことを言われます。どれも一面の真実を伝えている面があるように思います。眠くなるというのも、若い頃にそのように感じる時期もありました。(^_^;)>
ですが、今ならばまず「聴いて楽しい」「明快である」ことを第一に感じます。
第20番ニ短調と対になるこのピアノ協奏曲は、同じ1785年の作だそうです。実際には数ヵ月の時間差があったようですが、ニ短調のピアノ協奏曲と、このハ長調のピアノ協奏曲は、対にして作曲されたのかもしれないと思ってしまう、全体としては対照的な曲調です。でも、ところどころに、思わずはっとするような転調が隠されていて、陰翳を感じさせる音楽となっています。
第1楽章、アレグロ・マエストーソ。この曲の出だしにしては、ずいぶんと武骨な印象があります。モーツァルト、自作の演奏会で、巨匠風に見せたかったのかな。それとも、連続して演奏された場合の、ニ短調の協奏曲との対比効果をねらったのかも。独奏ピアノが入って来ると、ト短調交響曲の動機がちらっと出たりして、ごく自然な転調が美しい。
第2楽章、アンダンテ。映画のBGMに使われて、多くの人に親しまれている、転調の妙を尽くした音楽です。幸せなのですが、はかなさを感じさせ、若い恋人たちの映像によく合っていたのでしょう。(残念ながら、映画はまだ観たことがありません。)オーケストラの優美な響きを背景に、ピアノが甘美な旋律を奏でます。
第3楽章、アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ。一転して、軽快なテンポで鍵盤の上を駆け回るようなリズミカルな音楽です。
私の手元にあるCDは三種類。カサドシュ盤、アンダ盤、ヤンドー盤です。演奏の特徴は、アンダ盤がアンダ自作のカデンツァを用いていますが、カサドシュとヤンドーはカサドシュ作のカデンツァを用いていること、などでしょうか。むしろ、オーケストラの違いが際立つようです。特に、軽やかなリズムをさりげなく刻みながら、ふっと転調したり、弦楽が音色を微妙に変えたりする細やかさがありながら、さらに現代の大オーケストラの迫力を併せ持ったところが、セル指揮クリーヴランド管弦楽団のすごいところだと思います。1961年11月5日の録音。
ゲーザ・アンダ盤はピアニスト自身の弾き振りで、録音年代は不明。ヤンドー盤は1989年、ハンガリーのブダペストにおけるデジタル録音です。
■ロベール・カサドシュ(Pf)、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管 (SONY 5033902)
I=14'15" II=7'45" III=6'11" total=28'11"
■ゲーザ・アンダ(Pf、指揮)ウィーン交響楽団 (DENON GES-9232)
I=14'10" II=7'12" III=6'29" total=27'51"
■イェネ・ヤンドー(Pf)、アンドラーシュ・リゲティ指揮コンツェントゥス・ハンガリクス (Naxos 8.550434)
I=13'26" II=6'43" III=6'11" total=27'20"
モーツァルトのピアノ協奏曲の印象というと、「優しい」「きれい」「迫力がない」「眠くなる」等々、様々なことを言われます。どれも一面の真実を伝えている面があるように思います。眠くなるというのも、若い頃にそのように感じる時期もありました。(^_^;)>
ですが、今ならばまず「聴いて楽しい」「明快である」ことを第一に感じます。
第20番ニ短調と対になるこのピアノ協奏曲は、同じ1785年の作だそうです。実際には数ヵ月の時間差があったようですが、ニ短調のピアノ協奏曲と、このハ長調のピアノ協奏曲は、対にして作曲されたのかもしれないと思ってしまう、全体としては対照的な曲調です。でも、ところどころに、思わずはっとするような転調が隠されていて、陰翳を感じさせる音楽となっています。
第1楽章、アレグロ・マエストーソ。この曲の出だしにしては、ずいぶんと武骨な印象があります。モーツァルト、自作の演奏会で、巨匠風に見せたかったのかな。それとも、連続して演奏された場合の、ニ短調の協奏曲との対比効果をねらったのかも。独奏ピアノが入って来ると、ト短調交響曲の動機がちらっと出たりして、ごく自然な転調が美しい。
第2楽章、アンダンテ。映画のBGMに使われて、多くの人に親しまれている、転調の妙を尽くした音楽です。幸せなのですが、はかなさを感じさせ、若い恋人たちの映像によく合っていたのでしょう。(残念ながら、映画はまだ観たことがありません。)オーケストラの優美な響きを背景に、ピアノが甘美な旋律を奏でます。
第3楽章、アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ。一転して、軽快なテンポで鍵盤の上を駆け回るようなリズミカルな音楽です。
私の手元にあるCDは三種類。カサドシュ盤、アンダ盤、ヤンドー盤です。演奏の特徴は、アンダ盤がアンダ自作のカデンツァを用いていますが、カサドシュとヤンドーはカサドシュ作のカデンツァを用いていること、などでしょうか。むしろ、オーケストラの違いが際立つようです。特に、軽やかなリズムをさりげなく刻みながら、ふっと転調したり、弦楽が音色を微妙に変えたりする細やかさがありながら、さらに現代の大オーケストラの迫力を併せ持ったところが、セル指揮クリーヴランド管弦楽団のすごいところだと思います。1961年11月5日の録音。
ゲーザ・アンダ盤はピアニスト自身の弾き振りで、録音年代は不明。ヤンドー盤は1989年、ハンガリーのブダペストにおけるデジタル録音です。
■ロベール・カサドシュ(Pf)、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管 (SONY 5033902)
I=14'15" II=7'45" III=6'11" total=28'11"
■ゲーザ・アンダ(Pf、指揮)ウィーン交響楽団 (DENON GES-9232)
I=14'10" II=7'12" III=6'29" total=27'51"
■イェネ・ヤンドー(Pf)、アンドラーシュ・リゲティ指揮コンツェントゥス・ハンガリクス (Naxos 8.550434)
I=13'26" II=6'43" III=6'11" total=27'20"