(1)世界の去年1年の平均気温が15.1度で過去最高だったと聞くと地球温暖化の影響は大きいと思うが、2月のこの寒さ、寒冷、低気温を実感すると冬の寒さはやはり厳しい。トランプ大統領は以前(1期目)世界気候変動会議から脱退するときに、地球はこんなに寒いのだから地球温暖化はウソだということを言っていたことがあるが、比喩としては使えないことはない。
近年は冬気象予報で暖冬になるという情報が伝えられるが、年が明けるとやはり冬は寒さが厳しいので人間にとっては落差の大きい分寒さは余計にこたえる。
(2)今日は建国記念の日だ。海外では独立戦争、革命による建国も多いので独立記念日、革命記念日として国家、国民が祝う行事もよく聞くが、日本の場合は国の始まりがどこで誰が開いたのか、つかさどったのか記録はなく諸説あり、歴史的にはっきりしたものはなく、現在の建国記念の日は紀元節に倣って1966年に祝日制定された。本日の紙面でも建国記念の日に関する記事はみかけない。
(3)国の始まりは関西から九州圏まで諸説あり、国の祭主も諸説ありはっきりしないことから国民社会でも浸透せずに保守思想、右翼思想の象徴としてとりあげられることも多い。建国記念の日の祝日制定が遅れたのは戦前の軍国主義国家によるアジア侵略、第2次世界大戦での原爆投下による敗戦、国家疲弊の影響が大きい。
(4)戦後沖縄は72年返還まで米国に占領されており、1966年に建国記念の日として祝日制定されても沖縄にとってはその後日本の米軍基地の70%以上が沖縄に集中する苦痛の歴史の中にあり、耐え難いものとなった。
沖縄は琉球王朝から日本に併合された歴史を持ち、世代は変わっても日本の建国記念の日の受け取り方も歴史的に複雑なものはあるだろう。
(5)一方北方4島は戦後露に併合されたままで元島民にとっては建国記念の日といわれてもこちらも複雑なものはある。
トランプ大統領はプーチン大統領とウクライナ戦争の停戦について電話協議したと明らかにした。ウクライナにとっても旧ソ連邦から独立して自主の国家としての歩みを始め、露の一方的な軍事侵攻を受ける中で独立記念日を迎えるとすれば隣国で避難生活をする国民も多く、やはり複雑な思いはあるだろう。
(6)ウクライナにも避難生活者が無事帰国して、平和にこれまでの自主独立を祝う日が来ることを願うばかりだ。