いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

コントロールされている。 under control

2013-09-14 19:45:56 | 日記
 (1)安倍首相が自らブエノスアイレスに乗り込んで2020年東京オリンピック招致活動の最終プレゼンで前日までの記者会見で厳しい懸念が出ていた福島第1原発事故汚染水漏れ問題について述べた「under control〔(状況は)コントロールされている〕」が2020年東京オリンピック実現の代償として事実上の「国際公約」となって、日本国内ではその事実、責任について政治問題化している。

 プレゼン現地ではその後の質疑応答で「なぜ、そうと言い切れるのか」と問われて安倍首相は、「濃度は国際基準を大きく下回り、汚染水は湾内で完全にブロックされている」趣旨発言をして、一部にはこの発言対応が決め手となってIOC委員の東京にオリンピック招致が動いたとさえ言われている。

 (2)現実は、汚染水漏れは地下水にも浸透してそれを遮断する方策(凍土壁対策など)も出来ておらずに完全ブロックとは言えずに、さらに除染水が側溝に流れて海域に流出している疑いのあらたな問題も発生していることは、日本国内では周知のことだ。

 安倍首相としては東京オリンピック開催までの7年間の猶予ギャランティ(guarantee)を見越しての印象安全趣旨の発言で、国際公約といっても自(おの)ずと国会発言とは精度の違う意欲発言であり2020年東京オリンピック開催時までの課題でもあり、IOC委員の判断も日本の高い科学技術力に期待しての先行投資評価となったのは間違いないことだ。

 (3)国内に戻って13日に民主党が福島で開催した福島第1原発対策本部の会合で出席した東電側は汚染水問題について「コントロールする手当はしている。ただ想定を超えていることが起きていることは事実であり、今の状態はコントロールできていないと考える。」(報道)と発言して、冒頭の安倍首相の発言と違う説明をした。

 東電としてはブエノスアイレスでの安倍首相の発言で、東電に汚染水対策の早期で全面的な責任と対策、対応、解決を強要されることを懸念しての安倍首相発言に反してでもの、時間稼ぎの「コントロールできていない」趣旨発言ではなかったのか。

 (4)これまでのウソと虚偽の歴史の東電にしては現実を直視した正直な発言に思われたが、民主党の会合での発言という公平性、透明性、客観性の痛くもない腹を探られる発言内容でもあり、だからその後官房長官の定例会見を受けて東電は「(首相発言と)同じ認識だ」とのコメントをわざわざ発表する羽目になった。

 (5)結局、汚染水漏れ問題は当初自民党が開かないとしていた国会の閉会中審査で審議されることになったのは当然だ。
 事の発言真偽が問題ではなくて、深刻な汚染水安全処理問題さらに除染水流出問題が加わって福島第1原発事故の解決に向けた国の対策、責任を明確にする国会の責任だ。

 福島第1原発事故対応では、前民主党政権の重大な責任対応もあり党利党略の現与党、野党の対立問題ではない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする