いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治教育の中立性。 neutralization of the political education

2015-07-04 19:28:33 | 日記
 (1)選挙(投票)権が18才まで引き下げられたのだから高校生の政治教育、政治活動にもこれまでとは違った対応が求められるのは当然だ。文科省はこれまで高校生の政治活動を「望ましくない」(報道)としてきた。

 かっての国と日教組による政治イデオロギー闘争を教育現場に持ち込んでのストライキ運動も盛んだった。支持政治団体の当時社会党の退潮、解党にともない日教組の政治活動も縮小されて存在感を失っていった。

 (2)今回、選挙(投票)権の18才への引き下げにともない高校教育の場での政治教育のあり方を見直すことが必要となった。近年の投票率の低下による政治無関心層の増大、少子高年令化社会到来による人口比率のインバランス(imbalance)による国民意識の偏向解消のために、選挙(投票)権を18才に引き下げて意識バランスを取ることは必要であった。

 そこでこれまで政治とは直接無縁であった高校教育に政治教育をどう導入するのか、自民党は教職員の「政治的中立」(political neutrality)を確保するため高校教員の政治活動を制限し、違反した場合には罰則を科す提言(報道)をまとめ政府に提出することになった。

 (3)先行して早速、安倍首相の地元の山口県では高校授業として行われた安保法制案への賛否の模擬投票が行われ、反対意見を支持する票が多数を占めたことについて同教育長が「法案への賛否を問う形になり、配慮が不足していた」(報道)と同授業形式を批判した。

 自民党の言う高校教育における「政治的中立」とは何を指すのかはよくわからないが、授業で高校生の自主判断能力を模擬投票形式で求めたもので中立性に反する授業内容のものではなかった。

 (4)安保法制案の政治的テーマにしても、近い将来直接にかかわることが考えられる年令として当事者世代(generation of the person concerned)として、自分の問題として考え、判断する直接利害関係のあるもので時宜を得たものだ。

 むしろ選挙(投票)権の18才引き下げにともない当事者年令、世代の生徒対象に広く意見、考えを聞く機会を授業に取り入れることを積極的に推し進めていいことだ。

 (5)山口県教育長の批判発言は時代の流れに逆行した錯誤、無理解、無分別のものだ。自民党の提言でも「政治的中立」に反する行為例として「特定の政党名を答えて生徒を誘導しようとする」ことなどを例示(報道)しているので、生徒の自主判断を求める模擬投票授業はこれに当てはまらいものだ。

 選挙(投票)権の18才引き下げで高校の政治教育も生徒の自主性、自発性、自律性を求める中立性(neutralization)で投票率の向上につなげたいものである。

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