(1)すでに街は防犯カメラの監視社会化して、犯罪の抑止効果はあるのかわからないが犯人捜索には強力な情報ツールとなっている。6月30日に新幹線のぞみ内でガソリンをかぶって火をつけ焼身自殺した事件(巻き添え死亡、煙被害)を受けて、JR東海はこれまでの駅および車内での不審物、所有者のわからない持ち物の通報にさらに「不審な行為」(報道)の人物の連絡協力の呼びかけ、電光掲示の取り組みを始めた。
安全、安心して乗り込める新幹線、電車を維持するためには致し方のないところもあるが、利用者同士が疑心暗鬼の監視社会(suspicion begets fears by society of superintendence)、告知、通報社会の極みともいえる対応だ。
ちょっと普通よりは個性が強く、一風変わった(でも根はやさしい)人物にとってはますます住みにくい世の中になったようだ。
くれぐれも社会、街では自重して気をつけて監視社会、通報社会化に早く慣れてもらうしかないが、もちろんそれを乗務員や駅の関係者に通報する側にも判断、良心、勇気のいることに違いない。どちらの利用者にとっても負担が大きすぎる。
(2)国際テロが今よりも一般市民を標的にした頃には駅の改札口には警官が立ち、新幹線車内には鉄道公安職員ほかが巡回強化をして見廻っていたものだ。
犯罪抑止は市民、利用者の協力が大きな効果をみせるものだが、それに頼ることなく安全輸送の当事者の鉄道運営会社の責任で実施するのが本来の役割、体制、使命だ。
利用者の安全、安心確保のために利用者に不快感、不愉快な思い、負担をさせてまで、安全、安心を確保するのは、ちょっと安保法制案の理念、論理に似ている。
(3)これでは安全責任は利用者の側にあるような(もちろん協力は必要だが)錯覚さえ覚えてしまうのではないのか。
監視社会といっても、街での防犯カメラで事の仔細が撮影されていることは承知の上で、しかしそれが閲覧利用、再生されるのは異常事態が起きた時のことであり、まさか街をゆく不特定通行人に「不審な行為」の人物がいたら通報してくださいなどとアナウンスされては、息苦しくてたまったものではないだろう。
(4)さて1日膨大な乗客が利用する新幹線、電車での安全、安心をどう確保するのか、これまで無事故運転で来た新幹線にもあらたな問題を提起した。確かに冒頭のようなガソリン引火確信犯事件が車内で起きることを考えると、車内でゆっくり寝ることなどできない警戒感は当然ある。
持ち込み規制を乗車前にチェックすることなど不可能な膨大な利用者なので、車内の巡回強化は一定の効果はある。利用者が安全のために乗務員(の心)に「不審」に思われることまでは致し方ないだろう。
車内には監視カメラはあるが、乗務員が感知しても現場にかけつけるには時間がかかり、今回のような事件では効果は薄いことがわかった。
(5)車内の引火に関しては燃焼しにくい素材を活用しているということだが、煙処理の問題、消火体制も含めて先端的科学技術開発によるさらに工夫改善がいる。不特定多数が集まるビルはスプリンクラーの設置が義務付けられているのだから、不慮、誤作動の被害は迷惑だが初期消火には効果はある。
よりどころは鉄道会社に呼び掛けられる以前の、利用者ひとりひとりの自覚(self consciousness)の問題か。
安全、安心して乗り込める新幹線、電車を維持するためには致し方のないところもあるが、利用者同士が疑心暗鬼の監視社会(suspicion begets fears by society of superintendence)、告知、通報社会の極みともいえる対応だ。
ちょっと普通よりは個性が強く、一風変わった(でも根はやさしい)人物にとってはますます住みにくい世の中になったようだ。
くれぐれも社会、街では自重して気をつけて監視社会、通報社会化に早く慣れてもらうしかないが、もちろんそれを乗務員や駅の関係者に通報する側にも判断、良心、勇気のいることに違いない。どちらの利用者にとっても負担が大きすぎる。
(2)国際テロが今よりも一般市民を標的にした頃には駅の改札口には警官が立ち、新幹線車内には鉄道公安職員ほかが巡回強化をして見廻っていたものだ。
犯罪抑止は市民、利用者の協力が大きな効果をみせるものだが、それに頼ることなく安全輸送の当事者の鉄道運営会社の責任で実施するのが本来の役割、体制、使命だ。
利用者の安全、安心確保のために利用者に不快感、不愉快な思い、負担をさせてまで、安全、安心を確保するのは、ちょっと安保法制案の理念、論理に似ている。
(3)これでは安全責任は利用者の側にあるような(もちろん協力は必要だが)錯覚さえ覚えてしまうのではないのか。
監視社会といっても、街での防犯カメラで事の仔細が撮影されていることは承知の上で、しかしそれが閲覧利用、再生されるのは異常事態が起きた時のことであり、まさか街をゆく不特定通行人に「不審な行為」の人物がいたら通報してくださいなどとアナウンスされては、息苦しくてたまったものではないだろう。
(4)さて1日膨大な乗客が利用する新幹線、電車での安全、安心をどう確保するのか、これまで無事故運転で来た新幹線にもあらたな問題を提起した。確かに冒頭のようなガソリン引火確信犯事件が車内で起きることを考えると、車内でゆっくり寝ることなどできない警戒感は当然ある。
持ち込み規制を乗車前にチェックすることなど不可能な膨大な利用者なので、車内の巡回強化は一定の効果はある。利用者が安全のために乗務員(の心)に「不審」に思われることまでは致し方ないだろう。
車内には監視カメラはあるが、乗務員が感知しても現場にかけつけるには時間がかかり、今回のような事件では効果は薄いことがわかった。
(5)車内の引火に関しては燃焼しにくい素材を活用しているということだが、煙処理の問題、消火体制も含めて先端的科学技術開発によるさらに工夫改善がいる。不特定多数が集まるビルはスプリンクラーの設置が義務付けられているのだから、不慮、誤作動の被害は迷惑だが初期消火には効果はある。
よりどころは鉄道会社に呼び掛けられる以前の、利用者ひとりひとりの自覚(self consciousness)の問題か。