いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治の功罪。ふたりの市長観。 politic merits and demerits

2010-03-14 19:34:39 | 日記
 自民党政権の末期的症状が政治、社会に閉そく感を生んでいた08年、09年に地方政治
に政治の「変革」を唱えて二人の市長が誕生した。
 ひとりは、08年に鹿児島県の(1)阿久根市長で、もうひとりが09年の(2)名古屋市長。
共に市民の生活感情の目線から市政の改革を訴えて、人件費、議員・職員の報酬の削減、議
員定数の削減を目指して、名古屋市長は、市民税10%の恒久減税を日本で初めて政治改革
のモチーブ・パワー(motive power)として、51万人強の圧倒的な市民の支持を受けて誕生した。
 しかし、ふたりの政治スタンス(politic stance)はまったく違う。

 (1)まず新聞紙面を賑わせて登場したのが阿久根市長。議会の不信任可決による出直し選挙
で再選されると、同市長が役所内に掲出した貼り紙(職員の給与額公開)を勝手にはがした
職員を懲戒免職処分にした。こういう事務的で意図的な「内容」の掲示物を市長が掲出する
ことにも驚いたが、なんと、たかだか掲示物をはがした職員の免職処分措置には、政治改革
とは無縁の地方自治の市長の高度な政治スタンスとは異質の私的確執、私有化に、あきれた
ものだ。

 その後、自身のブログによる興味本位で悪質な情報操作や反対意見への干渉、メディア無
視での対立、議会ボイコット(boycott)と、政治改革とは無縁の政治責任無視のやりたい放題
が止まらない。
 人口の3分の1が65才以上の高年令化社会を先取りした地方(阿久根市)の不満を、意図
的に行政不信に結び付けて地方政治を私物化している不可思議。

 さすがに市民も、これではと考え始めているという。

 (2)名古屋市では、市長が市民の圧倒的な支持を受けて政治生命と掲げた市民税10%減税
は、市長のプライオウリティ(priority)の政治課題なのに、議会側からの財源問題にすり替えた
ミスマッチの不可思議な論理で混迷して、市長の再議決提案でようやく成立した。

 その他の公約も、市長が所属する会派も含めた議会との対立の中で、粘り強く法解釈、コ
ンプライアンスのフレームワークの中で駒を押さえるように推進して、政策として実現に向
けて着実だ。
 現在、議員定数、同報酬の削減に向けて、議会との対立が続く。

 市民と約束したことは実現するという市長の政治信条、スタンスが、こちらは市民の理解
支持を得て変わらないようだ。

 国政が、マニフェスト、公約を「後退」させ、政治手法も「政党主導」で責任の所在が不透明で、
政治課題は「先送り」の閉そく感の中で、政治信条にもとづいた地方政治、市政改革の突破
力が突出して注目をあびている。

 阿久根市長も名古屋市長も共通するところの政治手法としては、立法機関の議会との関係
で、市長ひとりが突出してスタッフ不在による議会対策不足が顕著で、「意気込み」ばかり
が空転している。

 阿久根市長が政治改革とは無縁の私物的確執、市政の私有化が意図的なのに対して、名古
屋市長は政治信条にもとづいた市政改革の推進にまい進する潔さ、快さがある。
 メディアも敵に回す阿久根市長と、むしろメディアも含めて市民外部に情報公開して理解を拡げ
る名古屋市長の政治スタンス、センスの違いが鮮明だ。

 政治の功罪(politic merits and demerits)はあるが、住民、市民の利益と直接結びついた、目
の前で繰り広げられる透明度の高い政治のダイナミズム(dynamism)が地方を動かしている。

 ふたりの市長の手法、業績は、賢明な市民が検証して、評価するだろう。

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