いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

燃えつき症候群。 ignition syndrome

2021-06-17 20:19:34 | 日記
 (1)今はすっかり聞かれなくなったが、燃えつき症候群(ignition syndrome)という言葉がよく聞かれた時代があった。ひとつのことに賭けて追い求め熱中して事を成し遂げて、あたらしい目標もみつからずにつき果てることをいうのだが、体操男子白井健三選手(24)が引退を表明した。

 (2)床運動でのキリモミ式の頭と足がさかさまになっての高速度回転技などの「シライ」の名のつく高難度認定技で若くして五輪金メダルに輝いた名選手が、今回東京五輪代表から漏れて24才の若さでの「選手としては未練一つもない。幸せな体操人生だった」(報道)ともちろんこれで燃えつきることはなく(多分未練がないわけでもなく)あたらしい大学教員として後継者育成の指導者への道を目指す。

 (3)まさしく「燃えつき症候群」そのもののスポーツ人生であって、そのひょうひょうとしたあっけらかんとした風貌、性格とまるで次元の違う高難度高速度回転技との変異で驚かせてそれで笑いにつつみ周囲をなごませる特異の存在でもあった。

 現代スポーツの申し子であり、たえず次元を超える挑戦の犠牲者でもあった白井健三選手で、24才での引退会見でのくったくのない憎めない笑顔を見ているとまだやれるだろうというより燃えつきてごくろうさんと声をかけたい気持ちにさせられる。

 (4)燃えつき症候群が足りないのは日本の政治であり、菅首相の何とも煮え切らない、燃えない、はっきりしない政治運営であり発言であり、こちらは燃やしてしまいたい症候群ともいうべき物足りなさだ。

 国会は10都道府県に緊急事態宣言が出て国民、事業者に負担を及ぼしている中での、野党からの国会延長申し入れの中で提出された菅内閣不信任案を与党は否決しての粛々とした通常国会の閉会となった。

 (5)まさに燃えつきない、懲りない症候群の政治、政府、国会であり、コロナ対策、ワクチン接種、白井健三選手も目指した東京五輪開催に向けたスパイラル(spiral)一色の暑い季節を迎える。東京五輪の火は燃えているか。
 

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トレイル・ストーリー。 trail story

2021-06-15 20:28:36 | 日記
 (1)コロナ・パンデミックの影響で1年延期された2020年東京五輪を聖火リレーからしっかり追っている人がいる。東京五輪公式映画監督の河瀬直美さんだ。カンヌ国際映画祭の審査員も務める国際的にも名の知れた日本の映画監督だが、新聞のコラムで「賛否が大きく分かれる東京2020大会。~余すところなく、その記録を刻んでゆく覚悟である」とつづっている。

 (2)コロナ社会での聖火リレーは3密回避で沿道での観覧、応援が規制されて、公道での聖火リレーも中止の自治体もあり、聖火ランナーとして予定の著名人の辞退も相次いでいうならただ粛々と国内世論ばかりではなく世界メディアからの五輪中止要請の合唱の中で、聖火ランナーはただ粛々と肩に批判の声を背負いながらの全国の聖火リレー中だ。

 (3)河瀬直美映画監督がその姿を追いかけながら、何をどう感じて、伝え、場面を切り取って表現、記録を刻もうとしているのか。東京五輪はたとえ中止になっても記録として公式映画はつくられるのか、「オリンピック史上間違いなく回顧される大きな転換の大会」(河瀬文)というなら何があっても何かがあればなおさらに、この東京五輪のあやふやなロードのみえない、行くのか行かないのかわからない道なき道のトレイル・ストーリー(trail story)の「現実」を記録、残さなければならない。

 (4)仮に、仮にも東京五輪が中止ということになれば、主賓(国民、アスリート)を迎えることがない、なくなった新国立競技場の大きな空間、時間、静かなたたずまい、陰影をどうなぐさめればいいのか、やはりここまで東京五輪を最後の最後になってまで追い詰めた都、組織委、政府、菅首相の優柔不断の責任は重く、カメラが思いを伝えるはずだ。

 (5)IOC、G7の五輪開催支持を背景に7月がどんなコロナ社会になっているのか、五輪開催によりどんな社会になるのかわからないが、海外客を断って無観客あるいは国内客を限定して開催するにしても、スタートの合図だけがむなしいようにこだまして、アスリートの息吹、汗、気迫、意志だけがモノクロのように時間が止まって手に取るように伝わり、感じられる東京五輪を目にする、経験するその記録を余すところなく刻んでゆく、切り取って表現していく河瀬直美公式映画監督の覚悟が、コラムに載せられた一枚の河瀨直美監督と撮影スタッフの写真から伝わってくる。

 (6)今、そういう人もいる。

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エコノミック・スパイラル-日・英・中。 economic spiral-jpn,uk,chn

2021-06-14 20:23:53 | 日記
 (1)G7の結束を示す英国コーンウォールでのG7サミットだが、英国がEUから離脱してのG7サミットでありEUをけん引するメルケル独首相、マクロン仏大統領と同席のG7サミットで議長国ジョンソン英首相としてはG7の結束をどう引き出すのかむずかしい立場にあった。

 メルケル独首相も今年中の退任が決まっており最後のG7サミットとなり、G7以上にEUの今後の結束、発展が問題であり、問題によってはG7の結束に影響も考えられる。

 (2)今回はコロナ・パンデミックにワクチン外交、東京五輪、中国けん制が話題の中心であり、表立って英国とEUの確執は感じられなかったが、英国ではEU残留志向のスコットランド独立問題も抱えて経済的にもEUとの摩擦リスクはあり、英国はTPP参加を表明している。

 環太平洋(TPP)としては英国のロケーションは離れているが、TPP参加国を増やしたい日本としては歓迎すべき英国の参加表明だ。

 (3)英国のEUとの貿易摩擦リスクを日本などのTPP参加に活路を求めるもので、日本企業などの英国離れを食い止めたい思惑も感じられる。今回の英国G7サミットは中国が「陰の主役」といわれて、中国が積極的に進めるワクチン外交に対抗してG7として途上国へのワクチン供給支援により経済回復を後押しして中国をけん制するものだ。

 (4)その中国は米トランプ前大統領時代の米中貿易戦争による国内経済へのリスク影響回避として日本に接近して、昨年習主席の国賓待遇の来日が予定されていたがコロナ・パンデミックの影響で延期され、その間中国政府の香港支配介入が鮮明になって国際批判をあびて日本としても習主席の国賓来日などできる状況にはなく立ち消えになっている。

 (5)日本としてはインド太平洋構想で米国、アジア、インド、豪と海洋進出する中国包囲外交を推進して昨年の習主席の国賓来日とは相容れない方針に展開しているが、一方で中国市場の経済効果は大きく関係を深めたいところではあり、尖閣領有権問題を抱えて政治と経済は別との思惑もみえる。

 (6)米バイデン大統領がEU、NATOとの関係強化を打ち出している中で、日本はTPP、中国との経済関係強化の基本軸ともなってきており、困ったときの日本という構図が浮かぶ。菅首相は外交経験が乏しく国際的には(国内的でもそうだが)あまり目立たなく、頼りないところはみられるが、日本の存在が米国との関係だけでなく英国にも波及してG7サミットではなくTPP参加として影響力を示す予感だ。

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G7と五輪支持。 G7 and tokyo olympics support

2021-06-12 20:05:28 | 日記
 (1)日本では「歴史的使命は終わった」と政党代表者がいう党首討論が2年ぶりに開催されたが、こちらもG7の使命は終わったといわれるG7サミットが英国コーンウォールで開催されている。
 世界の枢軸は中国など新興国の進出でG20に移っているといわれて、今や双方代表する米中対決時代に形を変えている。

 (2)G7では全体会合前の日英首脳会談でジョンソン英首相は東京五輪の開催を支持すると表明して、米国バイデン大統領もすでに同じ考えを表明しており、仏マクロン大統領もそう言っている。しかし、日本ではコロナ感染拡大がリバウンドする懸念が指摘されて五輪開催への批判が強まっている。

 (3)こういう現状を理解してのG7各首脳の菅首相を擁護する意味合いの東京五輪開催支持の表明なのだろう。それぞれの五輪の自国開催だったらどうなのか、そこで、それなら五輪開催を支持する米、英、仏で五輪を分散して開催してもらったらどうか。

 コロナ・パンデミック、ワクチン供給の世界的な不公平感の中で、今年7月の東京五輪を中止することは、日本国、政府(主催は東京都だが上手にあまり表に出てこない)としては責任を放棄することにはならずに、むしろ世界のすう勢からはコロナ中止は好意をもって迎えられる賢明で理路整然とした説明力のある判断と映る。

 (4)むしろG7が一致して対応すべきコロナ・パンデミックの収束にむけた決意、結束として途上国支援として「ワクチン10億回」分提供することを表明したように、世界公平、公正にコロナ・パンデミックに対峙するG7の姿勢、結束を示す機会であり、コロナ・パンデミックの中でのG7の東京五輪中止表明で日本もすっきりと中止決断ができたというものだ。

 (5)何かG7の権威としてのコロナ・パンデミックでも五輪が開催できる責任を日本に押し付けるような開催支持表明であり、踊らされる日本の姿がある。菅首相は国内でもIOCがやるといっているからやるとコロナ・パンデミックの中で海外客を断っての東京五輪開催の意義について説得力のある説明を果していない。G7国も海外客を断っての五輪開催支持には矛盾がある。

 (6)結局は五輪開催国日本がしっかりと現状を考えて、コロナ・パンデミックと五輪の今世界を二分する比較対優先実効判断の問題について自国責任が問われている。

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変革を見失う答えがない。 miss the change, make no response

2021-06-11 20:50:00 | 日記
 (1)当時安倍首相と枝野立憲代表との「歴史的使命は終わった」という党首討論が2年ぶりに菅首相と野党代表で開かれた。コロナ感染拡大、ワクチン接種、東京五輪開催については国会論議で菅首相の紋切り型(原稿棒読み)答弁で話がかみ合わずに、それではと代表同士の1対1の党首討論で切り込めると思ったのか、菅首相からはこれまで通りワクチン接種に全力を挙げるとして1日100万回を超えたとして医療ひっ迫は大幅に改善されると楽観論ばかりで、コロナ自宅療養者の死亡増加、医療従事者の過負担労働の核心対策には真剣な議論はみられなかった。

 (2)野党としてはせめて対案型、提案型の討論で存在感を示すべき2年ぶりの党首討論であったが、見せ場はなかった。菅首相に迫るならこれまでの菅政権のコロナ後手後手の対策でコロナ感染拡大を抑え込めない国民の内閣支持率の低下に、大臣経験者、政府職員などの会食接待、政治とカネ、選挙不正続出で菅内閣として責任を果していない現状政治に対して内閣不信任案に相当する議論の展開に持ち込む気概を示すべき機会だった。

 (3)東京五輪開催には国内、海外からも批判が高まり四面楚歌の状態で、菅首相からは悠長な64年東京五輪の感動話を聞かされてもコロナ感染拡大で国家危機状況の中での五輪開催の意義、目的が何なのか指摘されていることについて、海外チームの不参加、国内アスリートからの五輪開催、アスリート優先への疑問について菅首相の安全、安心論だけで説明がつくのか、問い直す声が聞きたかった。

 (4)IOC側からの無茶な開催推進論もあり、コロナ感染拡大で国民の健康、生命を守るなら「ダメなものはダメ」とはっきり開催見直しを迫ることもみたかった。2年前の党首討論は双方ともに持論、理論の主張に終始して議論がかみ合わずに気構え、能力が問われて、党首討論の意義が問われた。

 わずか1時間にもならない党首討論など制度上も問題はあり、改善、見直し論も出ていながら何ら変わらない中ではヤル気がみられずに日本の政治の低下、劣化だけが国民の前であきらかになって、小市民的国民意識(the petite bourgeoisie)が定着した国民としてこれをどう感じるのか、国民の判断、審判の秋はまじかだ。

 (5)ここでも答えがなければ、変革を見失う(make no response , miss the change )。

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