ムーランルージュ

2024-09-25 08:16:31 | ミュージカル
やっぱ、ボヘミアンの回想シーンは最初に持ってきてほしかった。前座?がなかったら可能…。

ラスト、本物のピストルを持ったクリスチャンが現れるところは、デュークが絡んで欲しかったな…

それ以外はめちゃくちゃ良かった!

まさかウルっと来るシーンが何回もあるとは思ってなかった!

っていうか、このミュージカル、絶対梅芸の方が良い!帝国劇場より空間がコンパクトで臨場感があった。帝国劇場は無駄に広い。

ただ、ロビーの空間作りは帝国が圧倒的に良い。梅芸はいつもの梅芸だった。1階席のロビーにキャスト陣の大パネルがあったくらい。

今日のメインキャスト陣は、ダイモン、井上君、さとしさん、伊礼君、上野哲也さん、中井智彦さん、藤森蓮華さん。

ダイモンと井上君は昨年観てないコンビなので今回チョイス。

昨年良かった松村さんとK君の回のチケットを取ったはずなのに、ジドラーが登場するシーンで、最近聞いた声だな〜と思ったらさとしさんだったからびっくりした!

日にちを間違えたかと思ったよ。ソワレとマチネのチケット取り間違えたかと思った。もし日にち間違いなら、席のチケット保持者がくるはずなのに誰も来ない。あれっ?どうなってんの??

そしたら、次は伊礼君のデュークが現れ、完全にチケット取り間違えた!と思ってしまった。ソワレが松村さんとK君だったのか…と思ってしまったほど。

幕間に確認したら、まさか松村さんもK君も体調を崩されたとのこと。こればかりは仕方がない。無理はしては欲しくないですが、千秋楽までに復帰されることを祈るばかりです。

本当に本当に、さとしさんと伊礼くんには申し訳ありませんが、なんで松村さんとK君じゃないの!?と去年がイマイチだったから正直ガッカリした。登場した瞬間はね。

m(__)m

でも、そのさとしさんと伊礼君が!

昨年よりめちゃくちゃ良かった!!

さとしさんは、パワフルで愛嬌たっぷりでコメディーセンスもサービス精神も満載。松村さんファンにも受け入れてもらうよう元気いっぱいだったのが伝わってきた。全く文句なし!

劇中劇の練習シーンの間も良かった。本当に楽しかった。

そのコメディー要素と裏腹に、真面目なトーンで体調を崩しているサティーンへの気づかいぶり、デュークの強引な経営方針に対する無言での不満表現が堪らなく良かった!ギャップ萌えレベルだった!


そして、伊礼君もまた、昨年よりも全然良くて貫禄が半端なかった。男前やのに始終嫌味たらたらなで残忍像が想像できる見事な侯爵像を作り上げていて、サティーンとクリスチャンの秘めたる恋がめちゃくちゃ引き立ってた。

やはりデュークにはラストシーンでも登場して、ジドラーに殴られて退場してほしかったな…。

まさかこんな形で、さとしさんと伊礼君にリベンジされられるとは思ってなかったよ。本当にお二人とも素晴らしかった!

そしてそして、井上君のクリスチャンは、去年よりさらに純度が上がってた。サティーンを想う純粋さや、裏切られた時のショックぶりとか、ウルウルさせられまくり!

特にラストの劇中劇本番での、銃口をサティーンに向け、どう生きて行けばいいか子供のように嘆く台詞がめちゃくちゃウルウルした。

いやマジ、バケモノ領域やったわ!←あくまでもバケモノとは超褒め言葉なので誤解なきように願いますm(__)m

本当に素晴らしかった!

そしてそして、ダイモンが!

こんなこと書いたら、本当に失礼になりますが、去年のサティーンは私的には全然良くなかった。圧倒的に綾香さんの方が歌も表現力も素晴らしかった。

だから今回は全く期待してませんでした。

m(__)m

単純に去年観れなかった井上君との組み合わせが観れたらそれでいいと思ってただけ。だから去年素晴らしかった松村さんとK君が出演の日を選んだわけですが…

m(__)m

そなダイモンが!

最高に良かった!!

完全にサティーンだった!!!

おそらく去年は、体調を崩したから不完全な状態なまま部台に立ち喉もセーブしていたのかと想像した。

もう、ダイモンのサティーンがニコールのサティーンだった!

あ、歌はもちろんニコールよりダイモンの方がはるかに上手いですよ!

井上君のクリスチャン同様、サティーンがクリスチャンを想う気持ち、特にデュークに脅されてクリスチャンを拒絶するシーンがめちゃくちゃ良かった!

クリスチャンが去ろうとしたあとの表情にウルウルした。

ラストの劇中劇の台詞の言い方がリアルに表現していたのも良かった。

そこに関してはジドラーのさとしさんもカッコ良かった!

宝塚時代からお芝居や歌ともにピカ一だったダイモンの本領発揮を味あわせてもらった。

線の細さなんて全く気にならなかった。本当に本当に素晴らしいサティーンだった!

あと、ニニ役の藤森蓮華さんにめちゃくちゃ惹きつけられる存在感だった。セクシーな衣装だからではなく、ダンスのクオリティーも表現力もめちゃくちゃ惹きつけられた。 

サンティアゴ役の中井智彦さんも良かった!

ぶっちゃけ、ニニもサンティアゴもアンサンブルの1人としか認識してなかったから、今回、圧倒的な存在感に驚いた。

そしてそして、ロートレックの上野哲也さんも、自分の作品のため、ボヘミアン精神を貫くため、演出や脚本に口出しするデュークに対し信念を貫く姿勢にマジ痺れた!

ぶっちゃけ、ロートレックもアンサンブルの1人としか見てなかった。

今回は、去年あまり意識して見てなかった方々の存在感が本当に良かった。

そしてそしてアンサンブルのダンス!

超ノリノリ!最高に熱くて感動した!

やっぱさ、この作品、梅芸の空間の方が合ってると思ったくらい、客席空間と一体化しやすいダンスと音楽性だと思った。

梅芸のコンパクトな空間が客席との距離を埋める役割を担っていたと思う。

ぶっちゃけ今回は、宝塚ネタしか情報が入ってきてなかったら、ムーランルージュは完全に蔑ろ状態でしたが、

めちゃくちゃ良かったわ!

まさかあんなにもウルウルさせられるとは思ってなかった!

松村さんとK君を拝見出来なかったの残念でなりませんが、綾香さんと翔真君ももう一度観たかったな…

本当に素晴らしいムーランルージュでした!


王様と私

2024-05-08 01:17:40 | ミュージカル
今現在の世界情勢を鑑みると、いかにも先進国至上主義的な作品やなと思ってしまった。

シャム国の妃たちが着慣れないドレスを着るシーンを見て、ついつい、欧米文化が正しいお手本なのか?と穿って観てしまった。

30年前まではお金を持たなかった土着民族も今では資本主義経済の渦に飲み込まれ、お金を使って経済を行っている姿を見ると、本当に資本主義や拝金主義は人類を幸せにするのか?甚だ疑問に思う。

もちろん、奴隷制度や一夫多妻制なんてナンセンスだとは思うが、本当にナンセンスなのか?日本人だからこその発想ではないのか?ひょっとしたら、奴隷であること、沢山の妻たちの1人でいることを幸せだと思っている人がいるかもしれないと思うと、複雑な心境になる。

小さい頃にユル・ブリナーの映画版を観た時には、まさか、こんなこと思う作品だとは思わなかった。

ということで、

作品発表された時は、何故にこんな古い作品をするん?何故に北村一輝さんが王様なん??

制作発表を見て、え゙っ北村さん、坊主にしないの???

と、疑問符だらけで、ぶっちゃけ、全く!全く!期待していなかった。

元々、7日前楽のB席を買っていましたが、さゆみ氏贔屓ではあるけど、S席にしなくて良かったと思ってた。

だけど、ポスターデザインのなんとまあ美しいことか!?

GUYS&DOLLS並にセンスが良い!

そして、初日の幕が開いてからのすこぶる評判の良さ。

なにより、ファンの方の贔屓寄りの感想じゃなく、作品を細かい点までちゃんと評価されていたので心が揺らいだ。7日マチネの戻りチケット、高いS席を観るべきか否か?

さゆみ氏ファンの方々の感想を信じて、めちゃくちゃ良い席のS席をゲットして観させもらったら、

これがまあー、

めちゃくちゃ良かった!!!

結局、マチソワW観劇してきました。

皆さんの感想通り、

さゆみ氏女優史上(宝塚時代を除く)、1番素晴らしい役作りでした!

アンナは、自由主義と男女平等主義の象徴の人物だけあって、さゆみ氏本人がアンナに強く共感したであろう部分が大きかった思う。コケティッシュさも含め、めちゃくちゃ説得力があるアンナ像だった。

ハッピー度MAXのシャル・ウィ・ダンスからの、シャム王がタプティムを鞭打ちするのを制止する時の感情の出し方がめちゃくちゃ素晴らしかった!

さゆみ氏とアンナが完全に同化してた!

そして何より、ソプラノも含め歌がめちゃくちゃ良くなってる!もちろん技術面だけでなく、芝居歌として歌に感情がこもっている!めちゃくちゃ素晴らしかった!

これなら、さゆみ氏でサウンド・オブ・ミュージックが観たくなった!絶対可能!

シャム国王の北村一輝さん、

いやいやいやいやいやいやいやいや、

あれだけ歌えたら、絶対、エンジニア演るべき!間違いなくピッタリ!

ミス・サイゴン再演の時はご検討を!

それはさておき、

北村さんの国王のアプローチが、私の予想を裏切るくらいめちゃくちゃ素晴らしかった!

王様=丸坊主は、完全に偏見だったね。ユル・ブリナーの伝統を引き継ぎ過ぎやね。全く丸坊主である必要性がなかった。全然違和感なし。むしろ、あの髪型の方色気がある。

それから、やはり、ミュージカル畑出身でない俳優さんがミュージカルを初挑戦となると、色々障壁が付き物ですが、北村さんは、難なくクリアされていて本当に素晴らしかった!

吉田鋼太郎さんのリュークを彷彿させるくらい、役のアプローチだけでなく、歌もちゃんと台詞の如く気持ちを込めて歌われていたので、何度も何度もエレキが走った。

シャム王のヘンコで頑固さ。子供がそのまま大人になったようなお茶目さ。

だけど、隣国が列強国の植民地になっていく中、シャム国だけは列強国に支配されず、国家の存続を目指そうとする国王としての威厳と列強国の文化(アンナの理想を含む)を取り入れなくてはいけない苦悩。野蛮人だとは思われたくないが、国王としてのプライドが故に野蛮人にならざるを得ない葛藤をリアルに演じられてめちゃくちゃ素晴らしかった!

北村さんのシャム国王を見ると、欧米文化に染まることが正しいお導きだったのかと疑問に思ってしまった。

いずれにせよ、国王が真実の愛を学ぶというプロットは大変素晴らしい!

ビルマからシャム国王への貢ぎ者という、なんとも非人道的に扱われているタプティム役の希和ちゃんは、やはり芝居が上手い!安定してる!

東京公演では後半休演された希和ちゃんが大阪公演では復帰され、さゆみ氏と希和ちゃんのお芝居が観れて嬉しかった。

タプティムと恋人のルンタは、この作品の悲劇要素となる登場人物なので、ラストは切ない。

「南太平洋」もそうだけど、一見、明るいミュージカルと見せかけておいて、悲劇性もしっかり描かれているので、なんとも言えない現実味を感じてしまう。

ルンタ役の竹内將人君は、地味な役柄ではあるが歌が素晴らしかった!

歌と言えば、第一夫人のチャン王妃役の木村花代さんも素晴らしかった!聞き惚れた!

チャン王妃がもっとも人間観察に優れており、国王のことを一番よく理解している人。だけど、王は第一夫人にはほぼ無関心。チャン王妃は、今の国王に必要なのは自分ではなくアンナであることを理解している。女性としてもっとも辛い役割。もちろん第一夫人以外の妻たちもそうだけど。チャン王妃の唯一の救いは、息子が次期国王であること。

国王の側近のクララホム首相役の小西遼生君が、以外と三枚目な役を自然にこなしていてビックリした!紫のバラの人含め、2枚目の役しか観てなかったから、三枚目も出来ることに驚いた!

マチネとソワレを観させもらって、二幕目の王様との絡みがアドリブだったなんて!マチネはダンス。ソワレはイギリス式手にキス。どちらも、小西君のアドリブに対して北村さんの容赦無いツッコミが、マジ、いい関係性!藁

中河内雅貴君と今拓哉さんは、出番が少ないけど、存在感が半端なかったね。めちゃくちゃ贅沢なキャスティング。

そして、マチネを観させてもらって、ドラゴンチームの子役たちがめちゃくちゃ素晴らしい!

子役たちの存在に癒やされ、まさか子役たちに泣かされるとは思わなかった。

とくに、チュラロンコン王子役の前田武蔵君がめちゃくちゃ良かった!

ちょうど変声期を迎えた年頃だけあって、前田君の存在自体が、王子が大人への、そして国王への第一歩を歩む様とめちゃくちゃリンクしていて、王子としての学びと成長がリアル過ぎて本当に素晴らしかった。ラストの宣誓?はマジ説得力があった!

ドラゴンチームがキュートさも含め役者なら、ソワレのエレファントチームは、台詞を発することに一生懸命感な子供たちの印象。THE子役って感じかな。

これは本当に申し分ないけど、圧倒的にドラゴンチームが素晴らしかった。


ぶっちゃけね、マドモアゼル・ モーツァルトの小林香さんの演出がイマイチだったのもあったので、本作を期待しなった理由の1つでもあったのですがm(__)m

本作は、演出もめちゃくちゃ素晴らしかった!全く文句なし!

まさかの銀橋には驚き!めちゃくちゃ良かった!やはり、銀橋芝居はそれだけで別空間を創り出すから効果てきめん!銀橋を渡るだけでお得感がある!

GUYSもそうだけど、本来めちゃくちゃレトロな作品なのに、全く微塵も古臭さを感じさせない演出が本当に最高に素晴らしい!

是非とも、サウンド・オブ・ミュージックを、小林さん演出&さゆみ氏マリアで実現して頂きたい!北村さんのトラップ大佐も大歓迎!

そして、なんてたって美術の松井るみさんも素晴らしい仕事をされてた!

あの、お金をかけた豪華絢爛の舞台セットだけでも1万5千円の価値あり!

世界観がめちゃくちゃ広がる舞台美術だった!

マチネは、完全にミーハー気分で感情移入して観ていましたが、ソワレは2回目で3階席だったこともあり、めちゃくちゃ俯瞰して観ていた。最初に書いた感想は、もちろんソワレを観た直後に感じたこと。

マチネとソワレで、子役が違うだけで、受ける印象が全く異なるのも初めての経験でした。

前楽でエレファントチームの子役たちが大千秋楽ということで、1人ずつ自己紹介挨拶がありました。勉強と稽古と本番の両立、本当にお疲れ様でした!

そして、北村さんとさゆみ氏からの挨拶もありました。マチネは挨拶すらなかったからね。マチソワW観劇するだけの価値はあった。

本当に本当に素晴らしい王様と私でした。






スウィーニー・トッド

2024-04-29 19:57:58 | ミュージカル
めちゃくちゃ進化してるやん!?

めちゃくちゃ良かった!!!

いやー、まさか武田真治君演じるトバイアスに泣かされるとは思ってもみなかったよ!

プリンシパルからアンサンブル、オーケストラに至るまでめちゃくちゃ熱い熱い公演でした!

ということで、大阪大千秋楽に行ってきました。

宮本亞門さん演出初演から実に17年ぶりに拝見!

その間に何回も再演され、ファイナルと銘打った公演からの復活再演!

ぶっちゃけ、初演を思い起こしながら観ていましたが、初演しか観てないからこその進化っぷりを堪能させて頂きました。

もちろん、こんな展開だったけ???乞食女さんはこんなに台詞や歌、登場シーンがあったけ???など忘れてしまっているシーンもありましたが、それを踏まえてもめちゃくちゃ感動させて頂きました!

初演からの役者さんもソコソコのいい年齢になっているのに、初演を上回る迫力、進化っぷりに感動でございます!

ダブルキャストがいる中で、初演から続投の市村さん、しのぶさん、真治君の大千秋楽を観させてもらい、梅芸、チケットの神様に感謝しかありません。

大千秋楽ならではのスペシャルカーテンコール。初演しか観てないのに特別な空間に居合わすことができて幸せでございます。

本当に大千秋楽、おめでとうございます!

いや本当に、市村さんもしのぶさんもいい年齢に達しているのに全くの衰え知らず。

真治君なんて、とても50代だとは思えないくらい、11歳の少年役も全く違和感ないくらい若々しい!

御三方とも、初演よりパワーアップしてる!役の捉え方も深くなってる!

市村さんなんて、トッドの苦しみや恨みがよりリアルに表現されていて、ウルッとすること数回。

しのぶさんは、初演の時は裏声で苦労されていましたが、その時に比べたら、地声を使ったり、歌唱に感情や表現力が加わっていてめちゃくちゃ自然に歌っていた!

もう高音や裏声は使わないだろうと思っていたのに、まだ使ってた!しかもめちゃくちゃ自然に。

真治君は、めちゃくちゃピュア度が増していて、初演はただの坊やのイメージだったのに、しのぶさん演じるラヴェット夫人に対する忠誠心にマジ泣かされた。なのにラヴェット夫人は…な展開もアイロニーたっぷりだった。

アイロニーはラストまで畳み掛けてくるので、最後まで目が離せない。

アンソニー役の山崎大輝君がめちゃくちゃ歌もお芝居も上手かった。

ジョアンナ役は久々に拝見する唯月ふうかちゃん。ふうかちゃんも籠の鳥のような精神的にも危ぶい感じを好演。

ターピン役は、こちらも久々の安崎求さん。やらしさと愛情深さのさじ加減が絶妙でした。やはり、久々に聞く安崎さんの声はええ声や!

乞食女のマルシアさんがめちゃくちゃソニンちゃんに見えて仕方なかった。ジョアンナがソニンちゃんだったらリアル母娘にしかみえなかっただろうね。

初演の頃は、乞食女の印象が薄かったが、今回は出番や台詞が増えたような印象。

全体的に暗く重く誰も報われない物語の中で、市村さんとしのぶの掛け合いが最高に楽しく、悲劇要素と喜劇要素が上手く混じり合っていて本当に楽しく観させもらいました。

真治君もそうだけど、初演は皆さん歌に苦労されていた印象しかありませんでしたが、そこから、真治君はトート閣下、しのぶさんはピアフと、数々のミュージカルに出演された経験がめちゃくちゃ活かされている素晴らしい公演でした。

一昨年?熊林さんの「Into the wood」を観させてもらって、久々に「スウィーニー・トッド」を観たいと思っていたので、市村さんもファイナル公演と銘打ったけども再演したい想いが強く しのぶさんと亞門さんのスケジュールが合って再演が実現されたと仰ってましたが、まさか市村さんとしのぶさんコンビで観られるとは本当に思っていなかったので、本当に本当に感慨深いです。

初演は、今ではミュージカルや舞台で引っ張りだこの城田君やソニンちゃんが出ていて、初々しさを今でも忘れられない。精神病院のソニンちゃんが強く印象に残ってる。城田君は1人スポットライトを浴びて歌うソロやね。本当に懐かしい。

しのぶさんなんて、普段のお芝居は、共演者の存在を食ってしまうくらいアピール力が半端なかったけど、ミュージカルは本当に大変そうだった。良く引き受けたなーと思ったほど。っていうか、しのぶさんにも不得意分野があることが知れて、観ていて逆に新鮮だった。←意地悪な言い方!

市村さんは、ミュージカル界出身だから歌えて当たり前のところがありますが、役の表現が初演と全然違う。本当にパワーアップしてた。

初演は、大変なミュージカルということをまざまざと感じましたが、作品自体は亞門さんの演出が本当に素晴らしかった。美術も良かった。

今回は、前回までの美術は保管せずに完全に破棄されたとのことで、新しく美術を作り上げたそうですが、劇場が広くなったからか転換や動きが多くなった印象。

死体が1階に落ちる装置とか初演の時も印象に残っていたので再度拝見できて、落ちる方は本当に怖いだろうな〜と思って観てました。マルシアさんも落ちていったね。

初演も生オケだったかは忘れましたが、生オケの迫力が凄いと思ったら、めちゃくちゃ奏者が多くてビックリ。オペラ並みの編成だった。しかもミュージカルでは珍しくハープが使われていた。シンセサイザーなど電子音を多用するミュージカルと違って音がクラシック演奏並みで豪華で贅沢だった。

カーテンコールでは、大はしゃぎのしのぶさんが小田さんの歌を歌ってくれたり、

真治君が自分のスマホで客席を背景に集合写メを撮ったり、大千秋楽ならではの大盛りあがりでした。客席の拍手も凄かったもんね。

美術も刷新されたので、間違いなく再演はあるでしょうね。続投を楽しみにしてます!



三上博史 歌劇―私さえも、私自身がつくり出した一片の物語の主人公にすぎない―

2024-01-13 00:30:00 | ミュージカル
これはもう、三上博史版和製「ヘドウィグ&アングリーインチ」と言っても過言じゃない!

絶対絶対意識してる!!

だからタイトルが「三上博史 歌劇」なんだと思った。

寺山修司の登場人物を演じているように見せかけて、寺山氏の言葉群とキャラクターを拝借して、実は三上さん本人を表現しているんだと思った。

だから、三上さんがヘドウィグにしか見えなかった。実際に、三上さんでヘドウィグを観たことはないが、全編ほぼ歌。バンドも本格的。どこからどう見ても、トータル演出がヘドウィグにしか思えなかった。

少年ぽい格好をした初老の男、影山影子、三上さん本人の3人を演じ分けつつも、いや、いずれも三上さん本人を演じているとしか思えなかった。

三上さんが紡ぐ世界観は、まさにヘドウィグ同様、現代社会に対する反骨精神であり、売り言葉的なイメージだった。

言葉や表現の束縛を嫌い、自分が美しいと思ったものだけ選択して生きている主人公に思えてならなかった。

正直、寺山氏の言葉群は私には難しかった。言葉の意味を咀嚼することが出来なかった。

唯一私の脳みそが引っかかった寺山氏の言葉は、

思い出を思い出すのは嫌、みたいな台詞。思い出すという行為には、一旦忘れないと思い出すことにはならないから、忘れられる(または、忘れる)のは嫌だと言う主人公の言葉だけはすんなり私の脳みそでも咀嚼できた。

それ以外の大多数の寺山言葉群は、咀嚼するのに時間がかかり過ぎて、というより、私の脳みそが追いつかなくて咀嚼出来なくて私の心に響いて来なかった。

ただ、三上さんが発する寺山語録は、時には子守唄のような眠りに誘わせる雰囲気もあったが、影山影子の存在は、私は私を生きているの!と強く自己主張しているように思えてならなかった。

最後の歌はもう三上さん自身の魂の叫びの曲になっていて、三上さんの心の中に沸々と溜まっていた怒りのマグマが噴火したような熱いエネルギーを感じました。ラストの曲は、マジ、魂の叫び歌でした。


ということで、寺山氏と縁がある新宿の紀伊国屋ホールの、客席数が少なく公演日数も少ない中、運良くチケットを抽選でゲットしたので観てきました。

私は、なーちゃんが客演した万有引力の「レミング」の舞台を生で観ていたので、なーちゃんが演じた影山影子を三上さんが演じると知り、しかも万有引力の協力の下で。駄目元で抽選に参加したら、めちゃくちゃ前方の席が当たり大興奮でした!絶対三上さんと目が合ったよ!なくらいオペラ不要の近い席だった。


上演開始前の開場時から、万有引力の役者さん方、まさに寺山氏の舞台のイメージである白塗りメイクの無機質な幽霊のような存在たちが、紀伊国屋ホールの舞台並びに客席通路上で、コンテンポラリーダンスのごとく不協和音な動きで、寺山氏のアングラワールドを作り上げていて、アングラ好きな私には堪らない劇場空間でした。

初めて入った紀伊国屋ホールも昭和を感じる空間になっていてめちゃくちゃアングラ作品にピッタリな劇場空間でしたね。

舞台に立ってる三上さんを観ながら、ついついトレンディドラマで大活躍していた時代の映画やドラマやその役柄がフラッシュバックされ、私にとっては、突然現れた正統派イケメン俳優のイメージのお方だったのに、キョンキョン共演の「あなただけ見えない」でのエキセントリックな演技に驚き、トレンディドラマでも共演した浅野温子さん共演の「共犯者」でも見事な怪演ぶりを披露し、舞台でも「青ひげ公の城」でも第六婦人第二夫人(←いつもながらめちゃ適当)を怪演、そして伝説の「ヘドウィグ&アングリーインチ」で日本初演へと導いた。

なのに、怪演俳優の側面も持ち合わせつつも、前作「タンゴ、冬の終わり」でも、他のドラマでもちゃんと正統派な二枚目も演じられる、これぞ元祖カメレオン俳優の三上さんのリアルな表現には本当に驚かされる。

後々、寺山修司の作品で映画デビューしたことを知ってからは全てが腑に落ちたんだけど。でも映画「草迷宮」では確か怪演してなかったのにね…。寺山氏に導かれたのは間違いないでしょう。

美輪さんの「毛皮のマリー」の大常連の若松武史さんも天井桟敷の方で、「身毒丸」など美味しい役をもらってる。これはビデオで拝見。ほぼ真っ暗だったけど…。

天井桟敷出身の方は、正統派も怪演も表現がピカ一!本当に芸達者!確か、浅野温子さんも天井桟敷に出てませんでした??

三上さんに関しては、三上さんの女性役は映像でしか観たことないので、ナマ影山影子は、最高に素晴らしかった!

影山影子に限らず、衣装がシスターボーイ?両性具有という表現がピッタリなくらい、オジサンなのにブラジャーを着けた衣装を着て、時折ブラのサイドのベルトを整える仕草がめちゃくちゃエロい!

この作品、私個人的には悔しいけれど、生の舞台を観れた者だけの特権にして欲しかったけど、後日アーカイブ配信があります。

たった90分だけどめちゃくちゃ濃厚の世界観。歌で繋いでいく摩訶不思議なストーリーではありますが、三上さんの怪演ぶりだけでなく、命を剥って表現している和製ヘドウィグを沢山の方に観て欲しい!

三上さんで「毛皮のマリー」を観たくなった!「青森県のせむし男」も!


1.5日まるごと「ムーラン・ルージュ」三昧

2023-08-24 23:36:00 | ミュージカル
まだ8月ですが、間接的ニコールイヤーの大トリ(今年はもうニコール関連作品はないはず)、私がニコールファンになるきっかけになった「ムーラン・ルージュ」のミュージカル版を、東京一泊して3回も観てきました。

最初に本命のキャスティングだけ購入していたのですが、他のキャスティングや組み合わせにも興味が湧いてきたので、まだチケットが余っている時に付け足していったら3公演になってしまいました。

確かにチケット代は高い。私は3公演ともB席しか買う勇気はなかった。ま、私にはB席で十分だったけど…。

飛行機に乗ってブロードウェイで観ることを思えば安い!わざわざ日本で上演してくれてありがとうございます!と感謝するしか…。

そう、安い!日本で上演してくれてありがとう!と自分に言い聞かせるしかなかった。アメリカに行かずに済んで良かった!と思うしかなかった。(本場ブロードウェイで観たいと思ってた)

はい、正直に書きます。

3回も観る必要はなかった!

ぶっちゃけ、1公演だと不満足。本命公演だけだと不十分。やはり3公演観るしかなかったと今では思ってます。

ということで、3公演観ないと分からないことや気付きもあったので、感じたことをそのまま書いてます。

気を悪くされたらごめんなさい。最初に謝っておきます。

1回目


キャスティングには全く文句はありません。メインもアンサンブルも素晴らしい!

日本語歌詞も全く文句ありません。マイキーワードを何度も連発してくれてありがとう!と思ったほど。

劇場に入った瞬間に聞こえてくるアンニュイなメロディー、

場内に入った時に飛び込んでくるムーラン・ルージュの世界観を表現した豪華絢爛な美術と妖しい照明に目を奪われる。それだけで十分チケット代は安い!と思った。

を前提にぶっちゃけ書きます。

私に潤色させろ!!!

(笑)

ぶっちゃけ、ブロードウェイ版のサントラを聞いた時から選曲に不満がありました。

実際の舞台は、やはり選曲がイマイチだった。

選曲は百歩譲ってよしとしましょう。

ですが、脚本構成が全くもって納得いかない。

なんでサティーンが登場する最初のクライマックス直前でクリスチャンのボヘミアン芸術仲間との出会いの回想シーンをもってくる必要があったの?

出会いのシーンから始めても良かったんじゃないの?そこからあの派手なプロローグでも良くないかい?

デュークの扱い方も、なんでラストの名シーンの引き立て役として出さなかったの?

ラストの劇中劇のシーンにデュークを登場させることができたはずやで。なんであのままサティーンを昇天させるん?

わざわざ台詞で、ロートレックにクリスチャンが演じるはずの役の代役にさせたのなら、その登場シーン見せてから、クリスチャンを登場させても良かったんじゃないの?

昇天する前にデュークとの一悶着シーンは絶対必要だったと思うよ。

♪Come what may♪より♪your song♪の方がキーソングになってたのも腑に落ちない。

そもそも、なんでクリスチャンをわざわざストーリーテラーにする必要性かあったの?なぜ説明させたの?

サンティアゴとミミの恋物語いるか?♪ロクサーヌ♪で二人の関係を匂わせとけば良かったんちゃうん?ま、百歩譲ってこのシーンもよしとしよう。でも、わざわざクリスチャンに前説させる必要あるか?

クライマックスや見せ場(ダンスシーンを除く)をちゃんと盛り上がるように見せてや…

余計なシーンや台詞が多くて、必要なシーンがないのはなんでなん?

ニコールファンだから、映画ファンだから文句が言いたいんじゃなくて、

ま、映画ファンだからもっと映画を尊重しろよ!とは言いたいが、

作品としてちゃんと構成しろよ!と言いたいだけ。

映画作品をミュージカル化した、私が知る限りでは「キンキーブーツ」「ゴースト」「ボディーガード」「ライオンキング」「美女と野獣」「ビリー・エリオット」「グリース」「フットルース」等々、ひょっとしたら「ファントム」も(最初はドラマ版だったはず)、はちゃんと映画作品をちゃんとリスペクトした構成になってる。

なのに、「ムーラン・ルージュ」は、ほぼ違う作品やん!?

いやー、マジないわー。


早い話が、私を泣かせてくれたらそれでいいんです。

所々ウルッときたけど、ラストで完全に冷めてもうた。

完全に映画版を踏襲しなくても、感情を高揚させる見せ方があるはずやん。映画版だと特にラストのデュークの存在。作品の軸をうねらすキーパーソンはデュークやのに、全然生かされてないやん。

もっと物語重視のエンターテイメント性に溢れた作品にできるはずなのに、なんでストーリーをないがしろにしたのか疑問でしか出てこない。

選曲も、なんで映画と同じ曲を使わなかったのか?著作権の問題か?

これ、ほんまに、バス・ラーマン、納得したの???あ、日本版じゃなくて、ミュージカル作品としてね。

あー、マジ納得いかんことだらけ。

って思ったのは私だけ???


2回目


さすが井上君!

いやいやいやいやいやいやいやいや

客席め含め、帝劇の空間独り占めしてるやん!

間違いなく井上君ファンが多くいらしゃったと推察しますが、盛り上がり方が半端ない!

それはファンが勝手に盛り上がっているんじゃなくて、朝男さん、もとい松村雄基さん演じるデューク率いるムーランルージュのアンサンブルの方々のパワーも一回目と比べものにならないくらいパワフルになっていて、プロローグから高揚感が増していて、完全に私のハートを掴まれてしまった。

ぶっちゃけ、井上君がクリスチャンと知ったときは、えっ歳が…とうが…と思ってましたが、m(__)m

いやいやいやいやいやいや、

決して若作りしているわけじゃないのに、純粋な青年像を基調に(若さ溢れる)エネルギッシュなクリスチャン像だったので、あまりにも違和感を払拭させる役作りが逆に、あのミュージカル「ムーラン・ルージュ」の世界観にピッタリだった。

井上クリスチャンを観て思ったのは、甲斐翔真君はリアルクリスチャン役としてめちゃくちゃ良かったしイメージにピッタリではあったんだけど、人物像がリアルだったから逆に脚本のアラがめちゃくちゃ目立ったんだと思った。

翔真クリスチャンだと作品を物語として観てしまったから、映画版に寄せた脚本を追求したくなったんだと思う。

翔真君同様にK君演じるデュークも厭らしさ憎さ満載で素晴らしいデューク像だったので、余計映画寄りの脚本を期待せざるを得なかった。

井上君の場合は、完全にエンターテイメント作品として観てた。ストーリーはぶっちゃけ二の次。一回目が嘘なくらい全てがパワフルだったから、その圧力に圧倒されて根負けした感じ。

井上君をべた褒めしてますが、翔真クリスチャンにはウルッとくるシーンが何回かあったけど、井上クリスチャンには皆無でした。とだけは書いておきます。

本場ブロードウェイもエンターテイメント寄りで作られたんだと想像しうる。

物語として観たら、映画と全然ちゃうやん!?と言いたくなる。

ぶっちゃけさ、井上クリスチャン版は、脚本がイマイチでもキャスト陣に演技力や表現力、そしてエネルギーがあれば、アラが目立たなくなるいい例だと思った。

いくら2回目でも、全く違う作品を観てる感覚だった。

一回目に書いたツッコミどころがほぼ気にならなかった。

っていうか、期待していたキャストと期待してなかったキャストのギャップにやられた。

ぶっちゃけ、正直に書いて申し訳ないですが、全く期待していなかったデューク役のK君とジドラー役の松村雄基さんがめちゃくちゃ良かった。逆に期待していたダブルキャストの伊礼君とさとしさんが普通だったのが残念だった。

K君のデュークの役作りが憎々しさ満載の役作りだったから、余計ラストシーンにデュークに出て欲しいと思ってしまった。

逆に伊礼君は、あまり憎々しさがないデュークだったからラストシーンは、完全に井上君と平原綾香さんの二人の世界観に引きずり込まれた。

井上君のクリスチャンとK君のデュークの組み合わせだったら、ラストシーンはどう感じるのかめちゃくちゃ確かめたくなったよ。残念ながらもう観れないけど。

もうさ、大木さん、もとい松村さんのジドラーがめちゃくちゃジドラーだった。ロミジュリでのパパ役が嘘みたいに、ミュージカル何十本も出ましたと言わんばかりの、あの広い帝劇の空間に負けないアピール力と存在感に釘付けでした。

ぶっちゃけ、松村さんがシドラーで大丈夫?周りのキャストに埋もれないか心配でしたが、全くの杞憂だった。まさかこんなに化けるなんて想像もしなかった。めちゃくちゃ良かった!キャスティングされた東宝さんの先見の明に感服。

こんなこと書いたら失礼だけど、伊礼君もさとしさんも相方さんに花を持たせた感が否めない。

伊礼君ならもとニヒルな悪役を演じられたはずだし、さとしさんもアドリブ利かせてファンサービスいっぱいしただろうし、二人とも控えめな印象。

でもね、伊礼君に関してはあのアプローチのお蔭でサティーンとクリスチャンのラブストーリーに集中できたんだけどね。

1回目は、私なら、あ〜したのに!こ〜したのに!と思いながら観てたのに、

2回目は、井上君の客席を虜にする魔法をかけまくっていただけでなく、客席もダンサーやアンサンブルの方々のパワーがみなぎっていて、そのパワーに捻じ伏せられたね。

そして、平原綾香さんのサティーンは、井上君の時も翔真君の時も異なってる印象はなかった。圧倒的な美貌を持つスターオーラは、正直元タカラジェンヌでも敵わないと思った。歌声はもちろんのこと存在感もパワフルだし、なによりサティーンとして懸命に生きている姿に感動した。

綾香さんの出演舞台は、ミュージカル「北斗の拳」のユリア役を観させてもらいましたが、その時も歌声が素晴らしかった。演技に関しては、ダブルキャストの相方さんの方が良かったのですが、

サティーンに関しては、2幕目の病魔に襲われている時の焦燥感やクリスチャンを想う気持ちや拒絶したあとの悲壮感がリアルに表現されていて本当に良かった。きっと映画版をリアルタイムで観られたのかな?私と同じように思い入れが強いのかと思うくらい、焦燥感や悲壮感にめちゃくちゃ心を奪われた。

映画版で、ニコールが、クリスチャンに会いたいけど、会ったらクリスチャンが殺されてしまう。彼から逃げなくては。結核で呼吸が苦しいながらも、愛するが故に懸命にクリスチャンから逃げようとする、あの表現でニコールファンになったので、

綾香さんにはそれに近い表現を感じたので本当に素晴らしかった。まさしく映画の中のサティーンそのものだった。脚本はイマイチだったけども!

ただ、歌声がかなりパワフルで綾香節(ビブラート)が際立っていたので若干違和感があったのは否めない。正直、もう少し繊細さが欲しかったかな。病魔に襲われている云々は抜きにしてもね。でも、サティーンとしての表現力は文句なく素晴らしかった!

2回目は、ほんま余計なことを考える余地がないくらいエンタメ作品として楽しめました。


3回目


私が1番観たかったキャスティング。

ダイモンのサティーン、翔真君のクリスチャン、松村さんのジドラー、伊礼君のデューク。

3回目を観て思ったこと…、

やっぱり、潤色したい!もっと感動できる展開にしたい!ちゃんと物語として、かつエンターテイメント作品として昇華させたい。

私を泣かさせろ!!

だった。

綾香サティーンの圧倒的貫禄と存在感を目の当たりにしてしまったら、ダイモンのサティーンは線が細過ぎて、声も弱く、体調不良をまだ引きずっている印象を受けざるをえなかった。

本来のダイモンはもっとパワフルなはず。「Into the woods」「GUYS&DOLLS」の歌唱力や表現力は主役を食う勢いがあった。

いずれにせよ、ダイモンの演技力ですら、綾香サティーンの貫禄には敵わなったご様子。色んな意味で綾香サティーンが凄かった。比較して申し訳ないけど。

やはり、3回目は、全体的に1回目と印象が変わらなかった。どんなに客席がヒーバーしていてもね。やはりストーリー展開が気になって仕方なかった。


3回観て思ったのは、やはり井上君のただ者でない感がめちゃくちゃ伝わってきた。

ファンを味方に付けるって凄いことだと思うし。あの客席の支配力は魔法にかけられてる感覚だった。

こんなこと書かなくてもいいけど…、

ワタクシ、井上君のファンじゃないけど、

「GUYS〜」のスカイ役もしかり、私の井上君に対するマイナスイメージを軽く払拭してくる素晴らしい表現力と空間支配力は、もはや、ミュージカル界のプリンスではなくキングとしか言いようがない。昔からだったけども、今の日本のミュージカル界を引っ張る第一人者は井上君だと言わざるを得ない。

そういう意味では、翔真君はいい勉強になったと思う。


もうこれ以上は書きませんが、

公演が始まった当初はチケットが余っていたのに、気付いたら完売になったことは本当に素晴らしい。それは、間違いなくキャスト陣のたゆまぬ努力の結果です。

キャスト陣は本当に素晴らしいんだよ!



私に潤色させろ!

(笑)