花組「ノクターン」

2014-06-28 23:13:42 | TAKARAZUKA
原田先生、上手いっ!!!人物描写、心理描写、構成、流れ、どれも上手いっ!!!

わたくしの大好物なテーマじゃないですか!!!???(笑)

一回の恋で真実の愛を学ぶ人もいれば、多くの浮き名を流しても真実の愛に出会わない人もいる。

この対照的な人物を主人公とその父親を通して表現してみせたことが素晴らしかったです。

そして、母親の存在。それから主人公と相思相愛になるヒロイン。主人公の人生に大きく関わってくる登場人物によって、主人公が真実の愛にたどり着くまでの過程を実に見事に描かれてました。

主人公の純愛を邪魔する大人達の思惑や大人の事情。本当の自分を偽って生きてきたヒロイン。主人公にとっては初恋。ヒロインにとっては数回目の恋(おそらく…)。二つの恋が真実の愛に導く…。

原作は読んだことないですが、原田先生の脚色・演出は本当に素晴らしかったです。

主人公の父親は浮気性で典型的な男。母親は貴族の身分や体面を重んじる、こちらもありきたりな女性。主人公はこの二人の血を継いでいる訳だけど、

原田先生の脚本の素晴らしさは、一見、主人公もまた父親と同じ血を引き継ぐ運命だと匂わせつつも、実はそうじゃないところ。それは一花ちゃん演じる母親の存在が大きい。

一見、典型的な母親のようで、実は彼女もまた真実の愛に出会ったと感じさせる人物描写であったこと。それが、母親の言う“責任”の真意だと私は思っている。

母親がなぜ息子に父親の素性を隠そうとしたのか?それは自分のプライドのためではなく、息子の父親に対する憧憬心を壊したくない母親の気持ちに他ならないからだと思っている。

最低な夫だけども、恋愛当初は主人公と同じように尊敬の眼差しで見ていた時があったと思う。

結局は、息子の夢を壊したくない気持ち=自分のプライドの維持、にも繋がるけども、そこにはまさしく無償の愛に似た母親の愛が隠されていたと思う。その母親の血が主人公に真実の愛を気付かせたとも言える。

ヒロインもまた、たくさんの恋愛を経験して今がある訳だけど、主人公に出会って忘れていた初恋の記憶、淡い恋の記憶が呼び戻され、彼女のまた、真実の愛に出会い、そして同時に本当の自分に出会ったんだと思う。その過程が丁寧に描かれてました。

初恋は実らないというけど、真実の愛であれば不可能ではないと教えてくれるような脚本でありラストでした。

あと、キーアイテムが生きる演出に思わず唸った。父親から息子に手渡されるナイフが作品の中で命が宿ってました。キーワードや、キーアイテムが生きる脚本演出は演劇の醍醐味だと思う。「華麗なるギャツビー」の“歯”のようにね。

ということで、主人公のウラジミールを演じた柚香君。めちゃくちゃ良かった!最初の、恋に盲目のあたりとか、嫉妬度とか、恋愛中に陥りがちな心理状態をリアルに演じてました。アッパレ!でした。その上、ダンスがキレっキレっで、未来の花組を背負うオーラを感じました。どことなくコムちゃんの雰囲気があって、コムちゃんも名ダンサーさんだったから、是非ともダンスの花組を継承して頂きたい!と思った。

相手役のきらりちゃんも良かった。役柄はウラジミールより年上の設定なんだけど、学年も柚香君より上だけど、ぶっちゃけ年上感はなかった。っていうか「春雷」みたいに人妻でもないから全く問題ない。ちゃんと経験豊富さは表現されていたし、没落貴族的な、大借金を抱えながらも貴族の気位の高さもちゃんと表現されていたので良かったです。

この役は、ウラジミールとその父親ピョートルからも愛される役柄で、なんとなしに「あかねさす紫の花」の額田王をイメージさせる役柄でもありましたが、そこは原田先生の脚本が良くて、女の性(さが)的な恋と違って、ピョートルになびいた理由に説得力がありました。複雑な役柄でしたが本当に上手かったです。

ピョートル役のアキラ君も上手かった。お父さんにしては若いと思いましたが、きらりちゃんと同様、見た目の若さに関係なくちゃんと父親の貫禄があって違和感ありませんでした。こちらは懐が広いようで、男の性を捨てられない最低な役柄でしたが見事に演じてました。これも脚本が良くて、ラストのウラジミールとの対峙は、失いかけた父親の威厳を取り戻したことでしょう的な演技が良かったです。

母親役の一花ちゃんも本当に良かった。体面を重んじた典型的な母親のようで、実はそうじゃない複雑な母親の心理状態を上手く表現してました。結局は、母親の責任と言いながらも一人の女性に戻ってしまったけどね。そりゃ我慢にも限界があると思うよ…的脚本も良かった。

最近私には???的作品が続いたので、単純に素晴らしいと思える脚本に出会えて嬉しかったです。

あと、松井るみさんの美術も良かった。一見、昆布にも見えるm(__)m柱兼樹木が印象的で、照明によって本物の樹木のように見事な樹皮の凹凸感を出していて素晴らしかった。ぶっちゃけ書くと、白樺をイメージして、尚且つ、ロシア作品を象徴するために色はグレーより白の方が良かったんじゃないかな~と思った。でも白樺の幹は細いからグレーでいいのか…。

それから、ギロチンをイメージしたかのような屋根も印象的でした。一体あれは何をイメージしたんだろうね…?

今日のまとめ:いや~、それにしても、今のところ、原田先生の脚本にハズレがないね。今回も私好みの素晴らしい脚本演出でした!

「Celebration 100!宝塚~この愛よ永遠に~」

2014-06-25 23:15:42 | TAKARAZUKA
なんとも言えない満足感!ピンポイント攻撃でお腹いっぱい!

昨年のドリドリと打って変わって、宝塚スペシャルのように数段の大(?)階段とオーケストラのみのシンプルな舞台セットに、持ち歌の数珠つなぎオンパレードだから、まさにOG版宝塚スペシャルを観ている感覚だった。

なんてったって、今回は、我が青春時代のトップさんだったカリンチョさんが中心だったからもう堪りましぇんでしたね!MCも担当していたから、たくさん喋ってた。ネッシーさんの発言じゃないけど、頑張ってた!暴走しなくて安心した(笑)m(__)m

もう、何といっても、大好きなギャツビーのあの名曲を役のイメージ&歌声&感情で歌ってくれたから超幸せでした!!!

大石内蔵助の歌もカッコ良かったし、♪ザッツ・ライフ♪なんて超懐かしかった!ほんま、“思い残すことござらん!”でした。

カリンチョさんだけでなく、今日はB日程なのでマイマイさんの歌も聞けたし、峰さんとデュエットで「哀しみのコルドバ」からの曲もあったし、ルミさん(瀬戸内美八さん)の元祖「恋の大和路」からの曲も聞けたし、ピンポイント名曲攻撃で本当にお腹がいっぱいだった。

しかも、B日程は「エリザベート」特集だから、マリコさんトートにノルさんフランツを生で聴けて超嬉しかった!

「エリザベート」は星組版が一番好きだから、生観劇できなかったから余計感動した!黒髪だったけど、トートをイメージしたカツラを付けて、ちゃんとトートになりきって歌ってくれたし、もちろん、マリコさんだけでなく、ノルさんも、ユキちゃんも、わたるさんも、ミドリさんも、カシゲさんも、そして、ズンコさんも皆さん役になりきって、ミドリさん以外は男役に戻って歌ってくれたから、一瞬にしてエリザベートWORLDに入り込んじゃいました。

皆さん、現役時代より更に歌が上手くなってるから本当に素晴らしかったです。

特にズンコさんの♪最後のダンス♪は歴代トートではナンバーワンだもんね!?現役時代より迫力があるから本当生で聴けて最高だった!

それ以外のキャストでは、風花姐さんことユウコさんの歌がめちゃくちゃ迫力があってビックリした!ユウコさんは現役時代から名ダンサーさんだったけど、もちろん歌も上手かったけど、更に磨きがかかった歌声で本当にビックリした。もちろん、今回はユウコさんのキレキレのダンスも見れて現役時代より男前なダンスでカッコ良かった。

男前ダンスといえば、退団公演以来のマリモちゃん。今回は男前ではなかったけども、「アルジェの男」(のはず)のダンスシーンがあって個人的には嬉しかった。マリモちゃんも更に歌が上手くなってたね。

もう一人のダンサー、星奈のユリちゃん。ノルさんとのプチデュエットダンスが良かった!この二人のコンビも好きだったから本当に嬉しかった。

アンサンブルでは、そのかさんに、百千ちゃんも懐かしかった!扇さんがやけに背が高くて目立ったね(笑)あ、ソロの歌がありましたね。

そして、ゲストのネッシーさん。「ジーザス・ディアマンテ」からの曲に感動!まさかこの作品からの曲を歌ってくれるとは想像してなかったから超嬉しかった&懐かしかった!

もう一人のゲストのサエコさんには、トートの曲を歌って欲しかったな…。


そういえば、今日はB日程でネッシーさんがゲストたがら、あまりの星組率の高さにビックリでした。シメさん、タータン、瞳子さんがいたらルミさんからの星組トップ勢揃いやん!?ってくらい星組歴代トップが見事に集まってた!本当、今日は星組デイって感じだった。

ということで、今日は紫子トークショーがありました。

作品自体はファン時代ではなかったので生観劇はしてませんが、テレビでは観たことあります。当たり前だけど月組再演版より良かった。再演版は本当ガッカリした…。

は、いいとして、この作品にマリコさん新人公演で主演してたことにビックリした。まだ組替えになる前の月組にいたと思ってたから。しかも、主役の紫子を演じてたなんて…。で、このマリコさんの新人公演エピソードが面白かった。ぼーっとしてるマリコさんが目に浮かぶようだった(笑)

早替えに時間が掛かるから間に合わないということで、ワンシーンだけ峰さんが代役してたなんてマジビックリ!しかも、本役の峰さんが着替えの手伝いをしてして、当の本人は突っ立てたままだったなんて…。今のマリコさんからは想像できない!(笑)めちゃくちゃ面白いエピソードでした。

言われて初めて気付いたけど、「紫子」めちゃスミレコード引っ掛かってるやん!?(笑)「新源氏物語」はまだオブラートに包まれていたけど、「紫子」はもろ台詞があるやん!?あ、そういえば「ロミジュリ」もや(笑)

マイマイさんの演技、下手だなんて思ったことないけど、この作品からお芝居の面白さに気付いたそうです。意外だった。なんせナターシャの演技は超絶でしたからね!あ~、ナターシャの歌が聴きたかった…。

ネッシーさんの風吹は本当に格好よかった。本当に男役冥利に尽きると思う。その役をもりえちゃんが!作品はイマイチだったけど、もりえちゃんの風吹は本当に格好よかった!を思い出した(笑)

紫子の峰さんは本当に良かった!嫉妬に狂うシーンは印象的だった。ラストも好き。トークの峰さんは本当に優等生って感じでした。ネッシーさんと噛み合ってない会話が良かった(笑)

今回の宝塚OGイベントは、真新しいものは一切なくて本当にシンプルな構成と内容でしたが、ピンポイントでその一つ一つが本当に素晴らしかったから、トータルでは本当にお腹いっぱいで大満足です!

本当に幸せな1日でした。ありがとうございましたm(__)m

今日のまとめ:ルミさんって、ずっと厳しい方だと思ってたから、まさかあんなお茶目な方とは露知らず、そのギャップでファンになりそうでした(笑)

「昔の日々」

2014-06-22 18:03:09 | 舞台
全く以て意味不明…。

「ビッグ・フェラー」の更に上を行く意味不明さでした。

っていうか、この作品、もっと小さな劇場、それこそ、行ったことないけどベニサン・ピットでやるような作品じゃないの?それをドラマシティよりも遥かに大きい日生劇場でやった意味が分からない。ドラマシティですら大きいって思ったよ。

でも、美術は非常に良かった!まさしく、大好きなTPTワールドでした。

本当は今日は、午後から過去の正当化第一段を実行する予定だったんですが、今回は、せっかくのデヴィッド・ルヴォーの作品の大阪上演だから見逃したくないと思ってこちらを優先しました。。

ぶっちゃけ書くと、こんな内容なら、イキウメの「関数ドミノ」にすれば良かったと後悔してます。←すみません、書きすぎましたm(__)mまんざら、わたくしの解釈間違ってなかったようなので、今はもう後悔はしてません。

を前提で感じたことを書きます。内容は全く分かってませんので悪しからず…。

なんかね、まるで夢遊病者のように、自分(舞台の登場人物個々)で自分を見ているような会話が摩訶不思議でした。まるで、幽霊を相手に会話をしているような関係でもあり、相手が自分で、自分がまた他の一人であるかのようなトライアングルな関係で、余計意味不明。何が本当で何が嘘かわからない記憶の曖昧さがあった…かな…?

私自身がそうなんだけど、自分の過去のブログを読むと、数年前になったら何を書いているのか自分でも分からなくなってることがある。

書いている時は誤字脱字がないか何度も読み返しているから、その時は自分でもちゃんと自分が云わんとすることは分かっているはずなのに、数年後にはもう分からない。曖昧に書いた文章なんて尚更分からない。

自分自身の記憶ですら曖昧になるんだから、他人の言動に対する記憶なんて更に曖昧になるはず。あの時○○言ったor言わなかったで、喧嘩にはならなくても、言い合うことはあると思うんよね。

自分ではちゃんと記憶に留めていると自信があっても、あやふやになっていることは多々ある。自分にとっては大事なことでも、他人にとってはどうでもよかったら、尚更忘れられてしまう。ま、忘れられて有難いこともあるけどね。

過去の記憶が曖昧になるということは、同時に、過去の出来事なら証拠がなければ嘘も本当になることもあり得る。何が真実かなんて時の経過と共にあやふやになる。

って考えると、今回のルヴォーの演出は、美術プランや音響のイメージから、テレビ画面で観た東北の震災の津波の映像が一瞬脳裏をよぎった。

台詞ではさざ波って言っていたけど、音響効果はそんな可愛らしい波の音ではなかった。津波のような怒涛の音。恐ろしさを感じた。

美術はとてもスタイリッシュで綺麗なんだけど、背景の殺風景な暖炉や机、木が震災後の瓦礫の山を余計イメージさせる。

ルヴォーの意図は全く分からないけど、なんか、日本人に対する売り言葉的なものを感じた。震災でまだまだ大変な人がいるのに、お前たちは平和に暮していていいよね…みたいな。過去が完全に過去になってしまい、次第に記憶から抹消されるんだよ…みたいな忠告やそんな現実を突き付けられたような感じがした。

演技的にも、突然怒ったり、泣いたり、役者さんの中では何かを感じての演技だったとは思うけど、その涙や怒りの理由が全く分からない。

本当、ドラマシティで観るような、ましてや日生劇場で観る作品じゃない。

小劇場の小さな空間で繰り広げられるべき演出プランを日生劇場でやったのか不思議でならない。オペラグラスがなくてもいい空間で上演すべき作品だったと思う。劇場選びの意図が全く読めない。

演技に関しては、もうさ、若村麻由美さんが、とんちゃんに見えて仕方なかった。それくらい演技パターンがそっくりで驚いた。突然涙声で喋ったり、不思議な人だった。

麻実さんもめちゃ怪しい存在で、麻由美さんの役でもあり、またそうでないような存在感。この役も意味不明だった。

麻由美さんの役の夫役の堀部圭亮さんも、他人の男に焼きもち焼いているようで、実はその男は自分だったかのような意味不明な役柄でした。突然妻を揶揄するような発言も意味不明だった。

ご三名とも演技が上手いとか下手とか言い表わせないくらい意味不明な役柄だったから本当にちんぷんかんぷんでした。ほんと謎だらけだった。


今日のまとめ:意味不明な舞台だったけど、TPTの世界観は好き。もっと小さな劇場で観たかった。

花組「ベルばら」

2014-06-21 23:49:20 | TAKARAZUKA
中日劇場に行ってきました。

いや~、みりお、頑張っとるやん!格好良かった!

この「ベルばら」は大劇場お披露目の「エリザベート」の前哨戦だと思っているから、身体の小さなみりおが、いかに大きく見せられるかが勝負どこだったね。

そういう意味では、アンドレよりフェルゼンの方がもってこいの役柄でした。

結果は、本当によく頑張っていたと思う。文句ございません。

みりおに対しては文句ないし、他の生徒に対しても文句ない。けども、脚本が本当に酷い!ブログUPしてませんが(できない)、宙組のBパターンも観させてもらいましたが、観れば観るほど脚本が役者の努力を潰していて悲しくなる。役者が頑張れば頑張るほど脚本の荒らさが目立つ。

今回のフェルゼンとマリー・アントワネット編はまだマシだけど、ぶっちゃけ書くとチエドレ&テルカルが特出した雪組フェルゼン編の方が断然良かったんだけどね…。

今回の花組に関しては、宙組同様、新場面(平成初演の星組に近いシーンはあった)における登場人物の心理描写が後の場面に繋がってない。これはベルナールに関してです。

王妃の脱走・逃亡を企てようとしていて、結局は、王妃を断頭台に導いてるやん!?不自然だと思わないの?せめて、「救出できなくてすみません…」みたいな台詞があればまだ筋が通るものの、何のフォローない。思わず、ベルナール、何がしたかってん?と言いたくなった。

私は、平成初演の雪組と星組のベルばらの登場人物の心理描写を基本にしているので、それを前提で書いてますが、

フェルゼンが今頃オスカルの想いに気付くのも遅すぎやろ!とも言いたい。

フェルゼンはオスカルの気持ちに気付いていても尚、王妃様を思い切れない訳(のはず)なんだから、あんなわざとらしいシーンいらん!

そりゃ、一幕ラストのフェルゼンの告白のために必要たのは分かるけど、今頃気付いたんか!?的なやり取りはやめてもらいたい。これは、雪組フェルゼン編でもそうだったけど、なんか今日はめちゃ違和感を感じた。

筋が通らない脚本にしがみ付かなくてはいけない生徒達が本当に可哀想。

あと、生徒の起用のバランスにも言いたいことがある。

オスカルはダイモンが演じるべきだったと思う。アンドレは芹香君が身長的にもバランスが良かったと思う。番手的にもその方が自然だったのでは…?

ダイモンがオスカルを演じたところで、ルキーニに支障をきたすとは到底思えない。

芹香君のオスカルは、ぶっちゃけあれは完全なる男です。ま、女性的なオスカルよりマシだけど、残念なことに芹香オスカルに色気がない。注意してもらいたいのは、オスカルは男性“的”ならいいけど“男”では困るんです。男役を演じる上でも色気は大事。芹香君は役に対して真っ直ぐ向き合う人なんだろうね。それはそれで悪くないんだけど、色気も大事やで。まさかこんなところにオスカルの落とし穴があるとは思わなかった。

劇団が持ち上げたい気持ちも分かるけど、見た目のバランスは本当に大事だと思う。植田先生は生徒に恥をかかせたくなかったんじゃないんですか???フェルゼンより、アンドレより大きいオスカルはあり得ない。芹香君が可哀想。でもバスティーユは良かったよ。

かなり文句書きまくりましたが、それ以外は役者の努力がまざまざと窺い知れるくらい頑張っていたので、それだけで十分名古屋まで来た甲斐はありました。

蘭ちゃんのマリー・アントワネットも素晴らしかった!

観るまでは蘭ちゃん特有の幼さをどう自己フォローするかが正直気掛かりでしたが、蘭ちゃんも頑張ってた。特に二幕の母親のシーンに魂が籠もっていてとても良かった。このシーンが蘭ちゃんの一番の見せ場でしたね。

歌も非常に努力していたのも窺い知れたし、ぶっちゃけ、蘭ちゃんのエリザベート心配してません。今日の歌を聴く限り、♪私だけに♪歌えると確信しました。あとは、年代分けをどう工夫するかですね。上手く声音を使って、喉を潰さない程度に低音が出せるようになれば、エリザベートにも迫力が増すことでしょう。見た目の幼さはどうすることも出来ないので、歌声も含め、声が勝負ですね。

蘭ちゃんが演じたかったエリザベート、どれだけ演じたかったのか!?その気迫を感じられるエリザベートを楽しみしてます!

蘭ちゃんの対抗馬のように書いて申し訳ないですが、今回、みりお以外で注目してたのが、花乃まりあさんでした。

ロザリー、めちゃ良かった!綾瀬はるかさん似で化粧も上手いし、歌もお芝居も良かった。トップ娘役、文句ありません。その予定なのかは噂に過ぎないけど。

ついでだから書くけど、同期である雪組の咲妃みゆちゃん、星組の綺咲同様、実力があるねんから、96期の汚名をその実力で払拭して頂きたい。ぶっちゃけ書くと、イジメは表沙汰になってないだけで、昔からあったはず。昔はファンからの嫌がらせもあったからね。ま、それは今も変わらないか…。

なので、花乃さんには劇団の意図に関係なくトップになってもならなくても頑張ってもらいたい。これまた、ぶっちゃけ書くと、花乃さんの演技から「戦争と平和」のナターシャが浮かんだ。喋り方がマイマイさんに似ていた。だから余計頑張ってもらいたい。

ということで、毎度毎度訳分からない文章になってすみませんm(__)m

今日のまとめ:結局、一番に言いたかったことは、

みりおが格好良かった!(笑)

です。

やっぱ、まだまたファンやめられない。ついつい『我が命の続く限り…!!』A4サイズ買っちゃった(笑)めちゃ格好良かったから。ポスターはイマイチだけど、プログラムのみりおフェルゼン必見!もちろん舞台上でもね!


「THE BIG FELLAH」

2014-06-13 21:19:38 | うらけん
謎だらけ…。

なんかもう、観客に易しくない脚本だった。IRAのことよく分かってないから余計謎だらけ。

果たして、IRAの背景や経緯を知ってたら謎が解けたのか?っていうそんな単純な内容でもなかったと思う。

ということを前提で感じたことを書きます。

一番に感じたことは、浦井氏演じるマイケルが一番の平和主義者だったってこと。

平和主義という観点から考えると、その次が、家族想いの成河君演じるルエリ。

そして次が、その二人に影響を受けた(と思われる)、ウッチー演じるコステロかな。果たして本当にコステロが裏切り者だったのかが一番の謎だったね。マイケルは何もかも知っていて、ただ黙っていただけだと想像した。

観るまでは、アイルランドの問題とアメリカの同時多発テロとどう絡んでくるのかが一番の関心事だったんですが、ほとんど関係ないのに、イスラムとの比較という意味において重要でしたね。負の連鎖をどう断ち切るかという意味においても比較対照になったかもね。

無差別殺人テロ。関係ない人達の命が犠牲になる。やってることは戦争と同じ。

愛国心を謳いながら、やってることは人殺し。そんなのなんの愛国心でもない。愛する人達が殺されて、黙ってられず報復し、そしてまた報復される。永遠に報復合戦。どこに愛国心があるていうわけ?国を愛する前に人を愛せよ!じゃないの???それが本当の宗教の存在じゃないの?

じゃあ黙って指を咥えて見てろと言うのか!?と反論する気持ちも分かるけど、優劣を決めたら平和になるわけ?そんなわけないやん。どこかで終止符を打たないといけないわけやん。

って考えると、コステロは本当に裏切りものだったのか?殺されるべきだったのか?はいささか疑問。

そういう意味での一番の謎は、なぜコステロがマイケルに自分を殺させようとしたのかが腑に落ちない。私がコステロなら、マイケルにだけは血に染めさせたくないから。

って考えると、あのバスルームの銃声は…?ってなる。

あえて私の推理は書きませんが、もし想像通りなら、9月11日の悪夢の数分前のマイケルの日常が全てを語っていたと思う。数分後は闇だけど、あのごくありふれた平和な日常を考えると、あの日常を取り戻していることを考えると色々推理してしまいました。

メキシコが死の床の象徴になっていたのも印象的でしたが、あのマイケルの恋人は本当にメキシコに連れていかれたのか?も疑問。これはパンフレットの年譜通りなら、まだ救いがある。台詞にエリアスって名前が出ていたなら救いはないけど…。

私には本当に易しくない脚本だったのでちんぷんかんぷんでしたが、もう一回観てもきっと謎のままだと思う。

ということで、ウッチーと浦井氏の競演。めちゃ楽しみにしてました。ウッチーの生舞台を観るは「欲望という名の電車」以来だから10年以上前です。ドラマの「JIN」の竜馬がめちゃ良かったから本当に楽しみでした。組織のトップのコステロをウッチーの持つ骨太な素材が活かされていてめちゃ渋かった!最後の演説はちとウルッときた。私は嘘だと思っているから。そうであって欲しい…。

マイケルの浦井氏はストレートプレイでは珍しく低音でのアプローチでしたね。声フェチとしては、腹から声が出ていて良かったです。ルエリの成河君がめちゃウザキャラで良くも悪くも存在感が強くて彼に圧され気味でしたが、マイケルは平和主義キャラで基本静かな印象なのでストレートプレイの浦井氏としてはめちゃ良かった。

今だから書きますが、演技派の役者さんと共演するときの浦井氏って、シャルルみたいな天然キャラは別にして、大抵引き立て役に回って地味な演技になる印象が強かったけど、今回はそうでなかったのが良かった。前回の「シャーロック・ホームズ」からかなり見せ方が上手くなった。←超上から目線m(__)m

浦井氏のエロシーンも新鮮だったけど、やはりラストの沈黙の演技がわざとらしくなく自然だったのが良かった。あの日常の演技がマイケルの人間性を象徴していたと思うし、救いを感じる演技だった。数分後は大惨事だけど、バスルームの銃声からのストーリーが見えてくる演技で、たくさん想像力を掻き立てられた。非常に良かった!浦井氏の化けの皮はまだまだこんなもんじゃないと思っているのでこれからが益々楽しみやな。

ルエリの成河君。まじウザイ!(笑)何度心の中で、黙れ!って叫んだことか(笑)一見頭が弱そうなルエリなんだけど、実は腹黒いというか計算高いというか、でも憎めないキャラを上手く演じてました。裏切り行為にも同情できる部分があって私の中の道徳心が揺らぐ役柄でした。夢のためならなんでもしていい訳ではないけど、気持ちも分からないでもない…みたいな複雑な感情。彼の家族想いの気持ちはコステロを動かしたと思う。

仲間のトム役の黒田さんは、肉食系的な感情剥き出しの演技が迫力があって良かった。

殺人鬼マシーンのような存在の小林さんがリアルに恐かった。電気ドリルの演出がリアル過ぎ。この人もきっとプラスの方向に改心されたことを祈る。

ルエリに言い寄る町田さん演じる女性が実は曲者なんですよね~。演技も個性的でしたね。

マイケルの愛人役の明星さん(名前間違えましたm(__)m)はエロシーンにしか出ないけど、マイケルの人生観を変える重要な役柄なのでリアルに可哀想でした。暗転直前ルエリの台詞が印象的でした。

演出が意外とリアリティーがあって、暴力関係は、血糊の見せ方・細工が上手くてへんなとこに感心してしまった(汗)

個人的にはカンディンスキーの絵に驚いた。あれは何の象徴だったのか?亡命?
追記:もう一つの絵はモンドリアンの「コンポジション」ですね。検索して調べました。この方も亡命してますね。このお芝居の裏テーマは“生き続けろ!”だと思う。

マイケルの部屋はほぼ同じ模様だけどラストが印象的だった。照明が良かった。で、あのタイマーは何???めちゃ気になった(笑)

今日のまとめ:この作品、ほんと謎だらけで困る。