花組「巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜」「Fashionable Empire」

2022-06-30 17:26:02 | TAKARAZUKA
いやいやいやいやいや、

生田先生、なかなかやるやん!?←お前、何様や!?

いやいやいやいやいや、

めちゃくちゃミュージカルやん!?

これは、宝塚の舞台じゃなく、完全に海外ミュージカルやで!?

これ、絶対輸出できるよ!

ハンガリー大使館の方に観てもらって、ハンガリーで上演してもらいましょうよ!

と素直に思えた作品でした。私なら賞あげる!

ついこの前までチケットが余っていたのに、もう完売やん!?

当たり前やわな。

めちゃくちゃ良かったからな!

ということで、

花組公演を観てきました。

噂には聞いていましたが、ホンマに良かった!

ここまで完成されたミュージカル作品になっているとは思ってなかった!

しかも、ワタクシの大好物のテーマ!

めちゃくちゃええやんかいさ!!

もちろん、生田先生の脚本演出が素晴らしいのは言うまでもないですが、

やはり、レイ君率いる今の花組にしか出せないエネルギーの放出力が凄まじかった!

組子皆が、生田先生が創り上げたい世界観を咀嚼して理解し、一体となって伝えようとしていたので、

誰かを演じている演技じゃなくて、生きた人物がまさにその舞台で呼吸している、役じゃないリアルな人物が舞台上で生きていた。

ぶっちゃけ、90分だからある程度は端折らないといけないのは仕方ないけど、人間の深層心理が上手く描けていたし、人間ってそうやねん!?像を丁寧にリアルに表現されてました。

リストにとって音楽とは何か?これをメインテーマとして、

まるで魂の片割れともいうべきマリーとの出愛(会い)。

魂が求めている深層心理の欲求と、意識上で求める名声や地位。

やはり、意識上の表面欲求が深層欲求を支配することは、この資本主義社会では当然。だってお金があれば、何でも買えるからね。

でも、深層心理が求めているものは、そんなお金で買えるものではない。

まさに、魂が安らぐ場所。

ま、深層心理にフォーカスして生きている人なんて基本いないけどね。

せっかく魂が安らぐ場所であるマリーに出会えたのに、いとも簡単に表面欲求に転がってしまう。

めちゃくちゃよく描けてる!!

生田先生、天才!

表面欲求に負けてしまったリストの学びも描けていたし、その学びに気づかせる役割として天才ショパンの存在。

天才は短命。リストが望む天才の姿。

天才だから短命なのではない。役目を終えたから短命なだけ。

リストが本来学ぶべきことは、なぜ音楽を必要としているのか、深層心理の欲求。地位や名声やお金じゃない。

リストとマリーは、一旦別れたが、長い?年月が経ち再会。その時のリストの描き方が素晴らしい!

たった90分の中で、リストの表面心理や深層心理だけでなく気づきと学びも描いていて、

しかも、魂の片割れが出会う時は必ず障害があるんよ。人生は上手くいかない。2人は、それを乗り越えることができたのに…結果…も描けていたし、

生田先生、マジ天才!!

ジョルジュ・サンドを恋多き小悪魔ちゃんみたいに描けているけど、彼女の生き方はまさに現代の象徴。誰かを陥れようとしているのではなく、純粋に自分に素直に生きている人。

ショパンは、リストが羨む天才として描けているようで、実は逆。ショパンの方が達観しているけど、リストこそショパンが羨む存在。才能もあるし、人気もある、何より長く生きられる。多くの作品を残すことが出来る。そして何より、愛する人と長くいられる。

リストのパトロンであるラプリュナレド伯爵夫人とマリーの夫であるダグー伯爵は、まさにリストとマリーの2人の魂を解放の障害となる人物。その描き方も見せ方も上手かった!

演出の見せ場として、もちろん、リストを異端児のようにジョースターに見せる演出もさることながら、革命シーンがスペキュタルな演出で良かった!

これ、ホンマに90分なん??と疑いたくなるくらい、テンポがよく無駄がなく派手さもあり、なにより、音楽のセンスがピカイチ!


見せ方は、正直さ、フレンチミュージカルのロックオペラみたいな感触はあったけど、ぶっちゃけ書いて申し訳ないですが、「カサノバ」より数倍も素晴らしかったよ!

ぶっちゃけ書いて申し訳ないけど、「カサノバ」は、それこそ太田健先生が音楽担当したら印象はだいぶ変わったと思うよ。

ま、それはさておき、

レイ君のリストがマジ素晴らしい!レイ君も憑依型の役者さんではありますが、
レイ君はやはり狂気めいた演技がピカイチ!めちゃくちゃヤンさんの狂気演技がちらついたわ!意外と花組、お芝居の組やで!の伝統が継承されてる!

リストの心の闇も上手く表現したし、プロローグのピアノ表現も素晴らしかったし、ジョルジュ・サンドとのラブシーンはエロかったし、

めちゃくちゃ感情表現が真に迫っていて本当に素晴らしかった!

まどかちゃんのマリーは、とても落ち着いた存在感で、マリー自身も自分の居場所がなくて息苦しかった中、リストと出会い安らぐ場所を見つけるわけやん。マリーもマリーで自分に正直に生きようとしているのに、リストに振り回されてしまう。その静かな葛藤表現がリアルだった。

レイ君とまどかちゃんの2人のシーンは、噂どおり、「うたかたの恋」「エリザベート」「モーツァルト」要素があり、来年の1月公演が楽しみでしかない!

来年こそ、「エリザベート」お願いします!

マイティーのショパンは、病いがちなので元気がないのは役柄上しかたないですが、マイティーの優しさがショパンに反映されていたと思う。これは当て書きやね。ラストのリストへの一芝居が泣ける!

ひとこちゃんのジョルジュ・サンドも自然な存在でした!めちゃくちゃ美味しい役でしたね!

くり寿ちゃんも憑依型であり演技センスがピカイチの娘役さんだから、早すぎる退団が残念で仕方ないですが、

ラプリュナレド伯爵夫人は、リストのパトロンでもあるけど、実はリストを本当に愛している人だと思うんよね。もちろん、お金で世間を動かす力はあるし、リストに裏切られて腹いせをしたくなる気持ちも分かるけど、やはり、ただの金持ち意地悪マダムではなく、恋多き純粋な女性でもあると思うので、リストとタールベルクのビアノバトルでの真に迫る演技が本当に素晴らしかった!

くり寿ちゃんの透明感がある声が好きだったので、本当に残念で仕方ないです。

飛龍つかさ君もだけど、次の作品には、くり寿ちゃんもつかさ君もいない。今の組子だからこその、今の組子じゃないと観れない作品に仕上がってました。

コーラスも良かったし、今の花組の充実度を感じる素晴らしい作品でした!

ショーは、もうダンス、ダンス、ダンス!

レイ君✖まどかちゃん、マイティー✖くり寿ちゃんのシンクロリフトが凄かった!

タイミングが最後まで同じだったね!さすが男役も娘役も同期同士!

くり寿ちゃんにもつかさ君にも見せ場や餞シーンも用意されていて、退団者への愛を感じられる素晴らしいショーでした。

くり寿ちゃん、つかさ君、若草萌香ちゃん、芹尚英君の第二の人生も素晴らしきことを祈ってます!


お芝居もショーもこんなに素晴らしいなら、もう一回観たかったけどチケット完売。

これは、本当に必見ですぞ!!

っていうか、いつになったらガラかめ50巻出るんや!?

あ、大事なことを書き忘れてました!

マイティー、二番手羽おめでとうございます!!!

そうそう、ショーでマイティーが冴羽獠にしか見えなかったのは私だけ??

(笑)







ふるあめりかに袖はぬらさじ

2022-06-27 00:46:00 | 古典芸能
さすが玉三郎さん!

いなせでお節介やさん、喋りすぎがたまに、ではなく、しょっちゅう傷であるお園役を、気品漂う玉三郎さんがどう演じるのかと思ったら、

めちゃくちゃ玉三郎さんだった!あ、いい意味でね!

第一声から素の玉三郎さんかと思った。トーク番組でお話しされている玉三郎さんのままだった。全く声音を使ってなかったからね。

ちゃきちゃきな江戸っ子まではいかないけど、女寅さんみたいないなせな感じが、お園役なのか玉三郎さんなのか分からないくらい同化してた。

人間味にあふれ、ラスト恐怖におののきお酒に溺れ乱れた玉三郎さんの演技が超絶素晴らしかった!

場面場面での見せ場が本当に秀逸!

お節介ぶりから一転して見事な語り手に化け、そしてお酒に溺れる。人生の山と谷、喜怒哀楽が絶品でした!

ぶっちゃけ書くと、台詞をかまれることはありましたが、自殺した亀有(亀遊)の嘘の武勇伝を語る台詞回しがもうアッパレでした!水を得た魚のようでした。客席から拍手が湧きましたね。

ということで、歌舞伎座に行ってきました!

実は、ワタクシ、90年代に杉村春子さんのお園を観てます。とても大きなホールでの公演だったので、声が小さくて聞き取りにくかったですが、めちゃくちゃ面白かった印象がありました。

それから、2000年代前後に新橋耐子さんのお園を観ました。玉三郎さん版に比べたら圧倒的に登場人物が少なかった印象。でも面白かった印象しかない。

そして、今回玉三郎さんのお園を観させてもらい、やはり、めちゃくちゃ面白いと思った。

声に出して笑ったらアカンと気を付けていたんですが、いつもは頷きオッサンになっているんですが、今回ばかりは、有吉佐和子さんが紡ぎ出す掛け台詞が上手すぎてついつい声に出てしまった。

すでに2回観てるのに、ストーリーを忘れているので、新鮮に観させてもらいました。

まさに今の社会を風刺した内容でもあったので、1972年が初演なのにめちゃくちゃリアリティーがありました!

仁左衛門さんの体調不良により急遽演目が変わることとなり、まさかの歌舞伎と新派のコラボが歌舞伎座で観れるなんて!雪之丞さんと喜多村緑郎さんを拝見できる!そして、福ちゃんがめちゃくちゃいい役!

東京まで来た甲斐がありました!

もうさ、歌舞伎では、玉三郎さんと雪之丞さんの女形の美女対決は、正直五分五分ですが、

今回は、圧倒的に雪之丞さんが美しく儚げ。リアル女性にしか見えない声音の出し方や所作の美しさ!

全てにおいて雪之丞さんと役作りが対照的な玉三郎さんのお園だったので、2人の演じ方の違いがめちゃくちゃ楽しめた!

美女対決の時はどちらも美しいので決着がつかないけど、今回はもう、お互いの存在がお互いを引き立て合っていたので、ある意味、北島マヤと姫川亜弓の対決に思えた。もちろん、勝負に決着がつくわけではないですが。

見事な演技バトルでした。もちろん競い合ってないですが。見応えがありました!

そして、そして、福ちゃんがまぁー男前!紳士!いい男!エエ声!

お兄ちゃんに似て、現代劇なのに型を壊すことをしないので少し不器用さを感じましたが、真面目に取り組んでる様、型を大事にする様は逆に好感が持てた。

ハッシーもそうだけど、決して演技が下手なわけじゃないんよ。アドリブと融通が利かないだけ。歌舞伎は確かに型は大事だけど、お芝居の醍醐味は生であること。時間は戻らない1回切なんだもん。現代劇ならもっと遊んだらいいのに。楽しんだらいいのに。もっと先輩方の懐に飛んで行ったらいいのに。ま、緊張するわな。でも、いい機会が貰えて良かったね!

ぶっちゃけさ、歌舞伎の世界では、恋人同士を演じる上で、役者同士の年齢差が大きいことが当たり前だったりするじゃないですか?

雪之丞さんと福ちゃんも実年齢はある意味親子。

なのに、なのに!

全然違和感ない!同年代にしか見えない!これが一番の驚き!

こんこと書いたら雪之丞さんに失礼ですが、下手すると年増の花魁になりかねないのに、めちゃくちゃ自然に若い女性にしか見えない!

そして福ちゃんも、若い紐になりかねないのに、めちゃくちゃしっかりした青年だったので、2人の実年齢差を全く感じることなく観させてもらいました。

お二ともとても良かったです。

そして緑郎さんも、語弊があるように聞こえるかも知れませんが、歌舞伎の化粧が似合う!

雪之丞さんも緑郎さんも歌舞伎座おかえりなさい!と素直に思えたよ。

そしてもう一人、中村鴈治郎さんがめちゃくちゃいい味を出してる!いい意味で関西のお芝居が生かされている。稽古場ではムードメーカーの役割を担っていたいたと推察。

私には、鴈治郎さんの演技と存在感で場が和んで見えた。空気が変わる。歌舞伎役者さんと新派の女優さん方と歌舞伎座をかけ混ぜるのに必要な、接着剤の役割を担っていたと思います。だから役者さん方は、垣根を超えて伸び伸びと演じられたのではないかと思います。もちろん玉三郎さんの功績もありますが。

あと演出的に、第1幕はさておき、2幕目からの演出が見事に賑やかになりましたね!

さすが歌舞伎座公演!芸者さんは沢山でてくるし、武士も多いし、私が2回みた演出と派手さがちがった。より遊郭?の派手さと亀遊が隔離された部屋とのギャップの見せ方が非常に素晴らしかった。

杉村さんのときよりも、障子の隙間から漏れこぼれる陽の光の演出がもう最高に良かった!背中で表情を見せる演技が最初と最後で異なる点も哀愁があって良かった。


物語は、まさにいまの社会やメディアを風刺していて、注目を集めるため、収益につながるからとスキャンダルをでっちあげたり、真実をねじ曲げたり、噂が独り歩きして色々と憶測で脚色されることが多々あります。

嘘はいつかめくれる、また、嘘が真実になることも大いにある。

ぶっちゃけ、関係ない話ですが、ダーウィンの進化論、猿が人間になった説は私は信じてないんですけどね。

中国四千年歴史で何が進化しました?身長が伸びただけじゃないですか?猿が人間に近づきましたか?

ネアンデルタール人の骨。じゃあそれ以降亡くなったかたの骨はどこにあるの?なんでネアンデルタール人の骨だけが見つかるの?違和感ありません?いきなり火葬文化が世界に広まったの?私には謎だらけです。卵が先か鶏が先か?私は細胞が先だと思います。

脱線しまくり(笑)

真実が1%で嘘が99%の情報が報道されるのがメディア。脚色されまくり、都合のいいことしか伝えないのがマスメディア。これはしばらく変わらないと思う。なぜなら、スポンサーがいるから。お金貰ってるんだもん。綺麗事を演じる、見せるのが仕事やん。

これからは、しばらくはYouTubeが真実が語られる、真実がみえる、嘘がめくれる場になること間違いない。

そしてまた、YouTubeにかわる新しくツールが生み出され、またそれにのかっていく…の繰り返し。

そのうち、簡単に宇宙に行ける日も遠くないでしょう。ガンダムみたいに宇宙で生活することも大いにありうるね。

進化してきたのはお猿さんじゃなくて、人間の脳だと思うよ。

私のわけわからん説はさておき、有吉佐和子さんの人間観察力や洞察力や社会を見る目は本当に素晴らしいと思った。言葉遊びも上手いし。タイトルの回収の仕方が絶品!

生きていらしたら日本の文化ももう少しメスが入って、真実を見る目を持つ方が増えたことと思います。

改めて、たまたまとはいえ、この舞台を上演して下った玉三郎さんと松竹さんに感謝です。私も日頃の愚痴が書けたし(笑)

歌舞伎座に子役で女の子が舞台にたたれるこもはありますが、新派の女優さんが歌舞伎座の舞台に立つことは非常に珍しいですね。

今回は特別な事情がありましたが、江戸時代には存在していた女性歌舞伎、当時は娼婦まがいなことをしていたらしいですが、健全な女性歌舞伎も実現する日は遠くないのかなと思います。これに関しては永遠に賛否両論あると思いますが。誰かさんの言うように多様化する必要はあるのかもしれませんね。


8月は、南座で再び玉三郎さんで「東海四谷怪談」。雪之丞さんも緑郎さんも立たれる。伊右衛門は歌舞伎界の愛ちゃん。楽しみでしかない!

必ず観させて頂きます!

仁左衛門さんも大阪七月歌舞伎で復帰です。良かった!

あー、仁左衛門さんの碇知盛を観ておけばよかったと後悔…。

追記:残念ながら、仁左衛門さん、休演されることになりました。

一日も早く回復されることを祈ってます。











ククルス・ドアンの島

2022-06-26 16:50:39 | 映画
全然泣くシーンじゃないのに出だしからウルウル状態やった!

もうさ、ぶっちゃけ書いちゃうと、オリジナルの声優さんは、もう亡き方ばかりやん。

ブライトさんも、ミライさんも、セイラさんも、スレッガー中尉もマ・クベも、そして、調べたらククルス・ドアンも。きっと他にも亡くなられた方もいらっしゃると思いますが。

なのに、なのに、まるで魂が乗り移ったかのようにオリジナル声優さんへの敬意がめちゃくちゃ伝わってきて、今も泣きそう。

観る前は、なんでスレッガー中尉がいるの?と不思議に思っていましたが、

見終えたら、

これは、完全に安彦監督のオリジナル声優さんへの敬意の表れとしか思えない。

15話には、まだスレッガー中尉もマ・クベも出てこないよ。

本来なら違和感アリアリだよ!

でもね、

もちろん今も現役のアムロもカイもシャアも頑張っていらっしゃいますが、オリジナルの声優さんがいてこその、今も受け継がれているガンダムなわけじゃないですか!?

15話にはあんな登場人物はおらへん!あんなに子供はおらへん!デザートザク?ORIGIN知りません!

じゃなくて、

15話には、平和を憂う、願う方たちの魂が宿ってるんよ。

その魂を今の声優さん達も受け継いでるんよ。泣けるに決まってるやん!?

見せ方として、遠山の金さん的なガンダムの登場の仕方に、ちょっとした逆襲のシャア的なラスト。

ほくそ笑みが止まらなかったし、正直、詰めがまだまだ甘いとは思ったけど、それ以上に、今はなき声優さんへの敬意と平和への祈りを感じる内容だったから全く文句はありません!!

音楽も、新旧のサウンドが上手くアレンジして使われていて、そこでそれ使う!?って思うことはありましたが、サントラが欲しくなるくらい素晴らしいアレンジでした!

そうそう、アムロとブライトさんの名シーンもどさくさ紛れに盛り込んでいて、シャアもアムロママもパパもちょこっと出てましたね。

めちゃくちゃオマージュされてましたね。

正直、私は、ORIGINの絵面が苦手なので全く観てませんが、最後には登場人物だちが愛おしくなりました。

今日は、これを観る予定に全くなかったのに、時間潰しに検索したら、近くの映画館で後20分後に上映開始になることが分かり、急いで映画館に向いました。

特別興行だったからポイントが使えなかったけど、めちゃくちゃ導かれた感があります。

ファーストガンダムを知ってる方は、是非とも観て頂きたいです!

エンドロールに流れる森口さんの曲が心地よい余韻を残します。

追記:ストーリー展開は、本来たった30分にも満たないストーリーを3倍に膨らませていて、確かにTVアニメ版は、一話完結で物語が進んでいる回もあるので、人物や背景の描写が足りないことがありました。

3倍に膨らませた中には、ドアンの人柄は、先ずはTVアニメ版15話を見ておく必要性を感じましたが、

それに付随して、子供たちの描写、彼らの住む島の描写、ドアンとジオン軍の関係性、はたまたシャアとの比較、島の灯台の役割、そして島の存在理由が、物語の外堀から埋めていたので、ククルス・ドアンの「島」自体がとても魅力的に描写されていました。

ただ、灯台に灯りが灯されたときのハラハラ感がなかったことが、伏線として、見せ方として、捻りや緊張感が足りなかった。ここめちゃくちゃ大事なシーンだと思った。

あとは、セイラさん、スレッガー中尉、カイ、ハヤトの活躍と、アムロがガンダムで登場するときの引き立て役としてのお決まり見せ方は、遠山の金さんみたいで非常良かった。

「逆襲のシャア」では、核燃料を積まれたアクシスが地球にぶつかるかどうかが最大の見せ場だったのが、今回は、「島」がある役割を秘めていたのも想像外の展開だったので、その見せ方も意表を突いていて良かった。

あと、どなたかも記事で書かれていましたが、ガンダムが敵兵を…のシーンは、正直引きましたが、今後の展開(宇宙一年戦争終結までの過程)を考えるとアムロ自身も軍人として成長しなくてはならないので、綺麗事だけを描写しなかった点は、やり過ぎではなくむしろ必然シーンだと思いました。

ここは、モビルスーツが爆破するのと意味が異なるので、安彦監督も脚本担当者も議論された上での決断と描写だったのではないかと推察しました。

正直、まだまだ、なぜ今、「ククルス・ドアンの島」だったのかが腑に落ちないですが、

ファーストガンダム世代、ファーストガンダムファンしか知らんやん!?の異色回の15話の映画化。

時々、ファンの間(芸能人)で話題に上がるシーンだったので、ファンサービスだったのかな?とも思いました。

ホント、特にファーストガンダムファンには観てもらいです。


関数ドミノ

2022-06-04 08:52:44 | 舞台
やはり、イキウメ作品は、シアターイーストのような小さい劇場で観る方が臨場感がある!

大阪公演がありますが、正直、イキウメ作品は、もっと小さな劇場で観たいので、ちょうど、マチネで「貴婦人の来訪」をソワレでこちらを観てきました。

たまたまの休みで、両方観れるなんて!

ワタクシ、ドミノかもしれない!(笑)

ということは、私の裏で誰かが泣いているということか…。

我ながら上手く話を持ってきた!

(笑)

ということで、数年ぶりのイキウメ公演を観てきました!

「関数ドミノ」は、「太陽」に並ぶ名作という噂を聞いていたので戯曲本だけ買って読んでました。

戯曲を読んだ時からめちゃくちゃ面白かったので、再演を待ち望んでいました!

完全なるフィクションだと分かっているのに、一つ一つの状況や台詞が私にはとてもリアルに感ぜられ、ずっと頷きながら観てました。(笑)

喋っていいなら、ずっと「そう!そう!そう!そう!」と言っていたかもしれないくらい、ドミノの存在を確証するくらい、前川さんが紡ぐ台詞の数々に納得しながら観てきました。

ミイラ取りがミイラになってしまう、というか、実は自分がミイラだったという内容だけど、

ドミノが奇跡を起こす人であろうとなかろうと、純粋な願いや想いは必ず叶うと私も思ってる。

結局叶わないまま終わったり、その時は叶わなくても、何年か越しで叶ったこともあったり、叶ったら叶ったで、こんなもんなんだ…と冷めていたり…。

安井順平さん演じる主人公のネガティブ感情もめちゃくちゃ分かるし、というか、誰もが思う感情だと思う。

他人の芝がめちゃくちゃ青々しく美しく見えることもあるけど、実は、その芝もいつまでも青々しいわけではない。←意地悪やね!藁

他人の芝なんて気にしなくていいんだよ。

それより、自分の芝を手入れすることのほうが大事。ケアしていく方が大事。

太田緑ロランスさん演じる女性のように、あそこまで信念が強いと宗教になってしまうけど、純粋な願いは本当に叶うと思う。

あの、ロランスさんが演じた人、本当にいるからね!前川さんの観察力は凄い!

今まで私が観てきたイキウメ作品が「世にも奇妙な物語」のような怪奇現象に対して、「関数ドミノ」は、怪奇現象であるようで思想がテーマだよね。戯曲でしか読んだことない「太陽」も思想だよね。

今回は、奇跡がテーマだけど、本当に前川さんの思想がめちゃくちゃ反映されている作品だと思う。奇跡を起こす、奇跡が起こる云々より、生き方、考え方が大事なんだということが前川さんは伝えたかったんだと思うんよね。

人間は、自分の思考でしか他人を判断できない。だから、その思考が正しいか否かは、正直他人には関係ない。だから気にすることはない。

他人の意見は、占いと同じで、当たるも八卦当たらぬも八卦。都合のいいことだけ聞いていたらいいと思う。いちいち他人の意見に左右される必要はない。

本当に久々のイキウメ作品で、久々のイキウメメンバーだったので、改めてこの世界観好き!

前川さんの脚本演出は面白い!

美術なんて超シンプルなのに、凄くイマジネーションを掻き立てられる演出だった。

これ、実は台詞劇なんだよ!というのを思わせない前川演出が凄い!

やっぱ、イキウメ、病みつきになる!
(笑)

追記:Myブロガーさんもご覧になられ、ラストの台詞に戸惑われた様子だったので、改めて私が持っている戯曲で確かめたら、台詞が変わってました。

自分がドミノだと気付き、死にたくなった真壁。精神崩壊したような台詞を発して暗転。

今回の舞台では、一度死にました、と告げる。

いずれにせよ、真壁はドミノだったので純粋に死にたい願望が叶ってしまったと解釈。舞台で独白している真壁は、幽霊または輪廻転生前の魂と私は解釈しています。























貴婦人の来訪

2022-06-03 23:22:18 | 舞台
秋山菜津子さん、めちゃキュート!

涼風のカナメさんのミュージカル版の方がめちゃ悲劇性が強かった。

秋山さんのストプレ版は、同じ不条理劇なのになぜかユーモアに溢れていた。

ミュージカル版の方が圧倒的に不条理で残忍で救いようがなかったのに、

ストプレ版には、なぜか救いがあった。同じ悲劇なのにね。

そう思えたのは、もちろん脚本演出が違うのは当たり前のことですが、一番の違いは、やはり、カナメさんと秋山さんの演じ方と復讐心の度合いと表現の違いだと思った。

クレールは、かつての恋人でとんでもない裏切りをしたイルの死と引き換えに多額の寄付するというとんでもない条件を市民持ちかけるわけですが、

ストプレ版は、悲劇性というよりかは、滑稽というよりかは、ブレヒトの「三文オペラ」や「セツアンの善人」に似た風刺が利いた作品だと思った。

ミュージカル版は、カナメさんの狂気さ、市民が狂気に染まる様、イルがいつ殺されるか分からない緊張感が始終漂い、音楽がさらに助長させる役割を担っていましたが、

ストプレ版は、人間の心理を上手く描いている風刺劇だと思った。


誰もお金目当てにイルに死んで欲しいとは望んでないんよ。だけど、お金は欲しい。無意識ではイルに死んで欲しいわけよ。だれも自分の手を汚そうとはしないだけ。結局、…な展開になりますが、恐怖心は一切ない。ただただブレヒトみたいだと思っただけ。

設定は不条理だけど、伝えようとしているメッセージ性は、誰もが善悪の二面性を持ち合わせている、時と場合と状況と現実が善を悪に変えるということ。

まさしく今の世情を反映している。

どうでもいいスキャンダルに対して、あんた直接関係ないやん!?被害を被ってないやん!の方々によるSNS攻撃。ロシアと同じやんか!

私も人のことは言えないけど、身割れしていると思って書いてますけどね。

どこの社会もそうだけど、1人1人は善人なんだよ。でもね、集団になるとたちが悪くなるケースが多い。

1人の悪口に反応し、共鳴していく。収まるとこ知らず。そんなこと言ったらあかんで!なんて言うもんなら村八分にされてしまう。無意識にハミゴになりたくない心理が働く。

まだニ極に分かれて対立できるならまだいい。もちろん議論にかぎるけど。戦争みたいに武力で押さえつけるのは、善悪関係なくルール違反。

議論されできれば、我にかえれるチャンスがある。政治みたいに本音でなく自己都合しか語らないなら全く意味ないけど。

たちが悪いのは、少数派が多数派に支配されること。どちらが善であろうと悪であろうと圧倒的多数派が支配する。そこには平和はない。

その象徴がイル。過去の過ちが何十年も経って不条理な形で罰せられる。

皆、権力者財力者に傾倒していく。本音をぶつけても結局は現実に負けてしまう。

それが本当の現実。

本来の第一目的が、その目的を叶えるための手段が第一目的に取って代わることは大いにありうる。

いくら正義を主張しても、その正義を貫くための手段が第一目的にとって代わる。

クレールにとっての本来の正義は、イルを殺すことだったのだろうか?

街が裕福になるためには、イルを殺すしかなかったのか?

結局、市民はイルの二の舞いになって裕福になっただけ。きっとそのことは、将来、仕方なかったこととして揉み消されるだけなんだろね。

不条理だけど面白い戯曲だった。

ただ一言、あまりにも単調な見せ方だったので、正直眠たかった。 

ミュージカル版みたいに、感情がぶつかり合うシーンはほぼないからね。

秋山クレールはずっとキュートのままだったからね。ミュージカル版みたいにクレールの狂気は感情では表現されていない。

今まで味わってきた屈辱を、究極の条件をつきつけることで楽しんでる感じ。もはや、サイコパスの領域やね。

ミュージカル版と似て非なるストプレ版でしたね。見比べると面白い!

ということで、今年初東京に行ってきました。

たまたま連休を貰ったから、今どんな作品をしているのか検索したら、この作品がヒットした。

ミュージカル版も観たしな…、ドイツ戯曲じゃなくスイス戯曲だけどドイツ語圏の作家だしな…、これだけのために東京に行くのはな…、同じ東京に行くならもう一つ観たいしな…

ということで、別の舞台も興味をそそられたので、東京に行くことにしました。

戯曲としては、本当に面白い。ミュージカル版とも似て非なる内容だったし、

なんせ、何度も書きますが、秋山さんがキュートにクレールを演じられていて、本当にカナメさんのミュージカル版とは別物の印象!

秋山さんは、声の出した方も振る舞いもキュート。確かに内心は、復讐心が煮えたぎっているのかもしれないけど、確かにサイコパスにも思えたけど、秋山さんのクレールには、最初から最後までアルフレードへの愛しかなかったように思えた。

イルを殺すことは、憎さや恨みだけではなく、独占めにしたい独占欲の表れのようにも思えた。

それは生きた形でなくていい。どういう形であれ、誰よりも自分がイルの側にいたいだけ。

究極の条件を突きつけて、結果的には、妻や子供が裏切るように仕向け、見捨てさせ、そして、イルが眠っている(喩え)棺と共に街を去る。

ミュージカル版は、置き去りにしてクレールだけ飛行機で出ていったよね?

秋山さんのクレールには、戯曲として観たらサイコパス要素が強いけど、演じ方は、圧倒的にユーモアの方が優ったね。

だから、ラストが余計、イルを殺すことが目的というより、イルと一緒にいたいことが第一目的だと思うクレール像でした。

やっぱ、秋山さん、元タカラジェンヌとちゃうの??と思うくらい歌が上手い!また、その歌詞がウケル!(笑)

ミュージカル版の時は、なぜカナメさんは杖をついて歩いていたのか、きっと聞き逃しているだけだとは思うが、理由は分からなかったけど、

ストプレ版は、むしろ強調してたね。足だけでなく腕も義手だった。

クレールは、何度も何度も死にかけたのに、何度も何度も生き返った、ある意味強運の持ち主。

財力も手にいれ、何でも財力で欲しいものを手に入れてきた。最後に、抜け殻でもあり、魂でもあるイルを手に入れた。

秋山さんには、やはり、残虐非道さだけではない、イルと愛し合っていた若いままのクレールだったんだろうな、と思った。ほんと、キュート過ぎて憎めなかった。

相島一之さん演じるイルは、この作品のヒロインならぬヒーローでもなく、悲劇の人ですが、相島さんもユーモア度が強いイル像でした。

クレールとイル、どちらに感情移入したかというと、正直どちらも感情移入しなかった。

そこはやはり、ブレヒト作品と同じで、登場人物に共感させることより、俯瞰して社会を見る、見比べさせる作品だと思った。

演出は、たしかにヤマ場がない単調な見せ方だったけど、ギュレンの街の貧しさを、特急列車も各駅停車も止まらない、客席側を列車に見立てた演出は良かった。貧しい市民たちが、エセ裕福になる様の見せ方も良かった。個人的にはイルが魂になる見せ方が好き!藁

あと、歌舞伎じゃないのに道行の台詞があったことに驚いた!

秋山さんと相島さん以外は存じ上げない方ばかりでしたが、皆さん声が素晴らしかった!
 
ミュージカル版をご覧になられた方は、比べる楽しさがありますよ!