秀山祭九月大歌舞伎

2024-09-27 00:33:04 | 古典芸能
歌舞伎座千秋楽を観てきました!「勧進帳」だけ観てないですが…。

今回は、「摂州合邦辻」観たさで歌舞伎座に行きました!

いや〜、菊様の玉手御前、素晴らしい!

私が今まで観たことない菊様の役柄だったけに、菊様自身は何度も玉手御前を演じられていますが、ポスターからも伝わってくる全身から漂う魔性性にめちゃくちゃ惹きつけられました!

ブロマイド買っちゃたよ。

あー、合邦庵室の場だけでなく、四幕通しで観たかった!

らい病になった継子俊徳丸に恋する玉手御前。     

夫がいる身でありながら、許嫁がいる継子に横恋慕する玉手御前。

俊徳丸を追って実家まで戻ってくる。

娘の不義に娘を刺してしまう父親。

俊徳丸がらい病に罹ったのは玉手御前が毒を飲ませたからではあるが、その理由が…。お調べ下さいませm(__)m

俊徳丸を生かしたかった気持ちも分かるが、やはり俊徳丸に恋していたとしか思えない菊様の玉手御前だった。

俊徳丸にらい病の毒を飲ませた正当な理由はめちゃくちゃ分かる。だからといって、俊徳丸と許嫁の浅香姫と別れさせる理由には結びつかない。そこには下心があったとしか思えない。

玉手御前にとっては気の毒なラストだが、俊徳丸には有り難いラストではあるけども、

いくら俊徳丸のらい病が治ったとて、玉手御前が死んでしまったら、玉手御前の意思に反して、俊徳丸か兄の次郎丸のどちらかが死ぬ運命にあると思うんよね。らい病は治らなかった方がよかったのかとついつい考えてしまう結末だった。

それにしても、寅の月寅の日寅の刻生まれの奇跡はめちゃくちゃ斬新な発想だと思った。

玉手御前役の菊様は言わずもがな、玉手御前のお父さん合邦を演じた歌六さんもめちゃくちゃ良かった!

めっちゃええ声!

次の演目「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」にも出演されてましたが、見た目が全くの別人で合邦と同じ人物だとは思えなかった。ええ声ではあるけどね。

その「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」は、唐の国に渡った空海の物語で、ファンタジックな物語でした。

楊貴妃が登場するので空海と同じ時期の人物かと思ったら、ウィキペディアで見る限り全然重なってない。

ということは、物語に出てくる楊貴妃は、幽霊ではなく、実はまだ生きていたと解釈したほうが正しいのかもね。そんな感じの物語だったからね。

物語自体には大きな感動はなかったけど、

高麗屋三世代を拝見出来たことが嬉しかった。

白鸚さんがお元気で良かった!まだまだ貫禄があった。

幸四郎さんは元々お芝居上手な方なのは存じてますが、失礼発言しますが、御子息の染五郎君がちゃんと歌舞伎役者だったことに驚いた。

正直、染五郎君はバラエティーやインタビューで話してる姿しか見たことがなく、覇気がなくおっとりした印象しかなかったからビックリした。

めっちゃ上手いやん!しかもイケメンやん!?

いや〜、今の若い役者さんのお芝居を見たら、ひと昔の女遊びは芸の肥やしと言っていたのが当たり前の時代が嘘としか思えないね。

ただの女好きやん!?としか言いようがない。

ま、一般市民にはない色気はあるか…。

っていうか、今の若い歌舞伎俳優の実力が凄い!としか言いようがない。

とても女遊びしまくってるようには見えんしな。

本当に真面目な子が多いんやと思う。

それはさておき、白鸚さん、幸四郎さん、染五郎君の三世代が同じ舞台に立ってる姿が本当に感慨深った。ストーリーはさておきね。

午後の部は、幕見席で「妹背山女庭訓」だけ観させてもらいました。「勧進帳」は早々に幕見席完売だった。

「妹背山女庭訓」は、歌舞伎版ロミオとジュリエットと言われるだけあってラストが切な過ぎる!

すすり泣きがあちこちで聞こえてきた。と同時に寝てる方々もちらほら。

ぶっちゃけ書いて申し訳ないですが、台詞の間が長くないですか?もっと早く台詞を喋ったり義太夫で語るなりした方が良いのでは?と思ってしまった。実は私も睡魔に襲われた。

それはさておき、

物語が本当に不条理過ぎて、今の世界情勢にピッタリな物語だった。

いやいやいやいやいやいや、

親が子を殺すって…。

我が子を殺さないといけない背景こそが、マジ世界情勢と同じ。

殺さずに済む方法はたくさんあったはずなのに。ま、子供同士が駆け落ちしたとて、親が入鹿に殺さたとは思うが。

マジ不条理!

愛し合う子供同士を演じた左近君と染五郎君がいい味だしてた。

左近君の雛鳥がま〜儚げで、所作も丁寧で、間違いなく玉三郎さんのご指導があったと思いますが、めちゃくちゃ良かった!

誰かに似てる!とずっと思い巡らしていたけど思い出せなかった。

その千鳥の恋人?想い人の久我之助役の染五郎君の、午前の部のイケメンぶりと打って変わって、弱々しさ?雛鳥の儚げと違う立役の儚げさが上手く嵌まってた。

もうさ、松緑さん演じる大判事清澄よ、さっさと介錯したれよ!と思ってしまった。

その久我之助のお父さん役の、最近めっきり東京でしか拝見できなくなってる松緑さんがめちゃくちゃ目力が強く貫禄があり、感情表現も豊かで、ラストの息子を介錯する表情と介錯後の表情が見ていてこっちまで心苦しくなった。

雛鳥は生きてはいないが、2人に祝言を挙げさせる姿や2つの首を持つ姿など、親としても人間としてもやりきれない表現が本当に素晴らしかった!

ただ台詞回しがゆっくりだったのが睡魔と戦わざるをえなかったが…。

雛鳥のお母さん役が玉三郎さんで、松緑さんは台詞のテンポがゆっくりだったが、玉三郎さんは途中から普通に発してくれたのは良かった。

入鹿に入内したくない、入内するくらいならいっそ死んだ方がいいと思う娘の気持ちもわかってるし、久我之助を生かしたい気持ちもあり、親としては本当に複雑な心境の表現が素晴らしかった。娘を手に掛けた後の表現も素晴らしかった。

親同士は敵同士。だが子供達は愛し合っている。まさにロミジュリの世界観。

最後は親同士仲直り?する玉三郎さんと松緑さんの2人の表現もまた心を打つものがあった。

舞台中央に吉野川が流れ、下手が妹山(大和国)、上手が背山(紀の国)の設定が良かった。

まるで「あかねさす紫の花」の中大兄皇子と大海人皇子と額田王の三角関係を大和三山になぞらえた歌を思い出した。

今回は、「勧進帳」を観ることが出来なかったのは残念でした。

というか、今回限りでしばらく東京に行くことが出来ません。

10月から異動で勤務が変わり公務員みたいに平日勤務になり、なんといっても給料が減る。

土日に東京に行く経済的余裕がない。土日は交通費も高くなるし、安いチケットもすぐ売りきれるし…。

ま、東京に行かなくても仙台にいくことはあるかもですが…。

12月の玉三郎さんと團子君の「天守物語」も観ることができません。

だからといって関西に来てくれたら観れるとも限らないし。

もし次東京に行くことが出来た時は経済的余力が出来たと思って下さい。ま、興味ないと思いますが…。


ムーランルージュ

2024-09-25 08:16:31 | ミュージカル
やっぱ、ボヘミアンの回想シーンは最初に持ってきてほしかった。前座?がなかったら可能…。

ラスト、本物のピストルを持ったクリスチャンが現れるところは、デュークが絡んで欲しかったな…

それ以外はめちゃくちゃ良かった!

まさかウルっと来るシーンが何回もあるとは思ってなかった!

っていうか、このミュージカル、絶対梅芸の方が良い!帝国劇場より空間がコンパクトで臨場感があった。帝国劇場は無駄に広い。

ただ、ロビーの空間作りは帝国が圧倒的に良い。梅芸はいつもの梅芸だった。1階席のロビーにキャスト陣の大パネルがあったくらい。

今日のメインキャスト陣は、ダイモン、井上君、さとしさん、伊礼君、上野哲也さん、中井智彦さん、藤森蓮華さん。

ダイモンと井上君は昨年観てないコンビなので今回チョイス。

昨年良かった松村さんとK君の回のチケットを取ったはずなのに、ジドラーが登場するシーンで、最近聞いた声だな〜と思ったらさとしさんだったからびっくりした!

日にちを間違えたかと思ったよ。ソワレとマチネのチケット取り間違えたかと思った。もし日にち間違いなら、席のチケット保持者がくるはずなのに誰も来ない。あれっ?どうなってんの??

そしたら、次は伊礼君のデュークが現れ、完全にチケット取り間違えた!と思ってしまった。ソワレが松村さんとK君だったのか…と思ってしまったほど。

幕間に確認したら、まさか松村さんもK君も体調を崩されたとのこと。こればかりは仕方がない。無理はしては欲しくないですが、千秋楽までに復帰されることを祈るばかりです。

本当に本当に、さとしさんと伊礼くんには申し訳ありませんが、なんで松村さんとK君じゃないの!?と去年がイマイチだったから正直ガッカリした。登場した瞬間はね。

m(__)m

でも、そのさとしさんと伊礼君が!

昨年よりめちゃくちゃ良かった!!

さとしさんは、パワフルで愛嬌たっぷりでコメディーセンスもサービス精神も満載。松村さんファンにも受け入れてもらうよう元気いっぱいだったのが伝わってきた。全く文句なし!

劇中劇の練習シーンの間も良かった。本当に楽しかった。

そのコメディー要素と裏腹に、真面目なトーンで体調を崩しているサティーンへの気づかいぶり、デュークの強引な経営方針に対する無言での不満表現が堪らなく良かった!ギャップ萌えレベルだった!


そして、伊礼君もまた、昨年よりも全然良くて貫禄が半端なかった。男前やのに始終嫌味たらたらなで残忍像が想像できる見事な侯爵像を作り上げていて、サティーンとクリスチャンの秘めたる恋がめちゃくちゃ引き立ってた。

やはりデュークにはラストシーンでも登場して、ジドラーに殴られて退場してほしかったな…。

まさかこんな形で、さとしさんと伊礼君にリベンジされられるとは思ってなかったよ。本当にお二人とも素晴らしかった!

そしてそして、井上君のクリスチャンは、去年よりさらに純度が上がってた。サティーンを想う純粋さや、裏切られた時のショックぶりとか、ウルウルさせられまくり!

特にラストの劇中劇本番での、銃口をサティーンに向け、どう生きて行けばいいか子供のように嘆く台詞がめちゃくちゃウルウルした。

いやマジ、バケモノ領域やったわ!←あくまでもバケモノとは超褒め言葉なので誤解なきように願いますm(__)m

本当に素晴らしかった!

そしてそして、ダイモンが!

こんなこと書いたら、本当に失礼になりますが、去年のサティーンは私的には全然良くなかった。圧倒的に綾香さんの方が歌も表現力も素晴らしかった。

だから今回は全く期待してませんでした。

m(__)m

単純に去年観れなかった井上君との組み合わせが観れたらそれでいいと思ってただけ。だから去年素晴らしかった松村さんとK君が出演の日を選んだわけですが…

m(__)m

そなダイモンが!

最高に良かった!!

完全にサティーンだった!!!

おそらく去年は、体調を崩したから不完全な状態なまま部台に立ち喉もセーブしていたのかと想像した。

もう、ダイモンのサティーンがニコールのサティーンだった!

あ、歌はもちろんニコールよりダイモンの方がはるかに上手いですよ!

井上君のクリスチャン同様、サティーンがクリスチャンを想う気持ち、特にデュークに脅されてクリスチャンを拒絶するシーンがめちゃくちゃ良かった!

クリスチャンが去ろうとしたあとの表情にウルウルした。

ラストの劇中劇の台詞の言い方がリアルに表現していたのも良かった。

そこに関してはジドラーのさとしさんもカッコ良かった!

宝塚時代からお芝居や歌ともにピカ一だったダイモンの本領発揮を味あわせてもらった。

線の細さなんて全く気にならなかった。本当に本当に素晴らしいサティーンだった!

あと、ニニ役の藤森蓮華さんにめちゃくちゃ惹きつけられる存在感だった。セクシーな衣装だからではなく、ダンスのクオリティーも表現力もめちゃくちゃ惹きつけられた。 

サンティアゴ役の中井智彦さんも良かった!

ぶっちゃけ、ニニもサンティアゴもアンサンブルの1人としか認識してなかったから、今回、圧倒的な存在感に驚いた。

そしてそして、ロートレックの上野哲也さんも、自分の作品のため、ボヘミアン精神を貫くため、演出や脚本に口出しするデュークに対し信念を貫く姿勢にマジ痺れた!

ぶっちゃけ、ロートレックもアンサンブルの1人としか見てなかった。

今回は、去年あまり意識して見てなかった方々の存在感が本当に良かった。

そしてそしてアンサンブルのダンス!

超ノリノリ!最高に熱くて感動した!

やっぱさ、この作品、梅芸の空間の方が合ってると思ったくらい、客席空間と一体化しやすいダンスと音楽性だと思った。

梅芸のコンパクトな空間が客席との距離を埋める役割を担っていたと思う。

ぶっちゃけ今回は、宝塚ネタしか情報が入ってきてなかったら、ムーランルージュは完全に蔑ろ状態でしたが、

めちゃくちゃ良かったわ!

まさかあんなにもウルウルさせられるとは思ってなかった!

松村さんとK君を拝見出来なかったの残念でなりませんが、綾香さんと翔真君ももう一度観たかったな…

本当に素晴らしいムーランルージュでした!


正三角関係

2024-09-23 01:07:00 | 舞台
凄い、70%はカラマーゾフの兄弟やった!

ラストの松潤の独白はやはり泣かされる。

私のバイブル的小説をこんなにメッセージ性豊かに脚色して下さった野田さん、キャスト陣の熱演に感動しました!

ということで、

東京公演の抽選はどのプレイガイドも全滅。当日券を並ぼうと計画を立てましたが、月組全ツ初日のチケットが舞い込み断念。

私のバイブル的小説の「カラマーゾフの兄弟」がベースの作品なのに、

なぜ、観れないんや!?

とガッカリし続けた7月と8月。

今まで東京公演も大阪公演も観てきたのに!(2016年『逆鱗』以降)

今回ばかりは、

当日券抽選に毎回500人以上もエントリーするなんて!!

宝塚トップのサヨナラ公演の千秋楽か!?

と言いたくなった。

これも松潤効果か!?と、このままチケットが取れなかったら、松潤を恨みそうになりましたが、

大阪公演の抽選2回目?2件目?でやっと1枚ゲット出来たので、つよっさんもそうだったけど、テレビの中だけにしか存在しないと思っていたスーパーアイドル、今はアーティストかな?

ワタクシも、ナマ松潤様を拝んで参りました!!!←ただのミーハー

(笑)

そりゃファンなら毎日でも当日券狙いで抽選に参加するよね〜くらいのカッコ良さ。これが13年ぶりの舞台だとは思えないくらい素晴らしい表現力と運動神経!

決してビジュアルだけのアイドル演技ではなく、役者魂がこもった迫真の演技。やはり、蜷川さんが目をつけただけあって、ラストの独白まで素晴らしい表現力でした。

運試しで東京に行かなくて良かったよ。間違いなく交通費の無駄になってたよ。


今をときめく松潤、長澤まさみちゃん、瑛太君の競演!

松潤だからではなく、そりゃチケット争奪戦になるわさ!

話題性も断トツトップ!

そして、そして、なんてたって、

野田さんの脚本と演出に今回も脱帽!

カラマーゾフの兄弟好きには堪らないエピソードがしっかり盛り込まれていた!

カラマーゾフの兄弟の主要な登場人物の日本名が天才的。

名字のカラマーゾフを唐松(からまつ)
ドミートリーは富太郎(とみたろう)
イワンは威藩(いわん)
アリョーシャは在良(ありよし)
カテリーナは生方莉奈(うぶかたりな)
グレゴリーは呉剛力(くれごうりき)
グルーシェニカはそのまま花街の源氏名になってた。

ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」の話じゃないのに、日本が舞台なのに、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を観てる感覚だった。

ここから原作のストーリーの記憶を思い起こしながら書いてますが、いかんせん読んだのは20年以上前なので記憶違いの可能性があるので悪しからずm(__)m

カラマーゾフの兄弟と言えば、親父殺しのエピソードは鉄板。そこに至るまでの過程(凶器を手に入れる流れ)とその後(グルーシェニカを将校から奪い去り、捕まるまで)もしっかり盛り込まれていた。

アリョーシャが崇拝しているゾジマ長老の亡くなる前のエピソード(元気な時は市民から愛されていたのに、亡くなる前は醜態をさらし誰も近寄らなくなった)まで盛り込んでいてくれてし、

エカテリーナとグルーシェニカのつかの間友情と裏切りも盛り込まれていたし、

真犯人であるスメルジャコフのエピソードも盛り込まれていたし、

一番の唸りは、原作でいうとこの3000ルーブル問題。グルーシェニカを手に入れるために散財したお金が、カテリーナから借りた3000ルーブルなのか、それとも親父殺しで奪い去った3000ルーブルなのかが裁判の焦点に当たるシーン。

その親父が大事に持っていたお金を火薬(または権利書)と見立てるあたりとか、野田さんの天才ぶりに脱帽。

なんてたって、長男の粗野さ、次男の知的さ且つ無神論者、三男の信仰心、親父の強欲ぶりといった原作のイメージをそのままに、瑛太君演じる次男威藩を物理学者設定にしたのがマジで素晴らしい!

カラマーゾフの兄弟のエピソードがすべて原爆投下に繋がっていくなんて、

普通なら絶対に結びつかない設定だよ!

本当に本当に野田さん天才としか言いようがない。

最近は、戦争問題より、社会性がテーマの作品が続いていたので、原点に戻った感じがした。原点と言っても「パンドラの鐘」だけどね。

今思えば、「パンドラの鐘」から戦争問題も含め、社会性があるテーマに変わっていったと思う。

今回は、まるで「贋作・罪と罰」の第二弾的作風になっていただけでなく、映画「オッペンハイマー」や「太陽の子」の要素も盛り込まれていて本当に素晴らしい!

日本でも原爆を作ろうとしていたなんて「太陽の子」の存在を知るまで全然知らなかった。

大阪公演の抽選1件目に外れた時点で、大阪公演も観れないかも…と戯曲が掲載されている新潮を購入していたので、テーマが何かは分かっていましたが、

やはり、戯曲を読んだ時も思いましたが、人ひとり殺したら罪に問われるのに、戦争で何万何十万殺しても罪に問われないなんてマジナンセンス!

お前らは地震や台風か!?自然現象か!?神様か!?

他人を殺せるんやったら、自分の親や兄弟、妻も子供も仲間もみんな殺せるんか!?

と問いたい。

なんのための宗教やねん?

洗脳されるためにあるんとちゃうぞ!

簡単に利用されるなよ!

と強く訴えたい。

昨今の戦争はすべて第三次世界大戦へと導いているとしか思えない。

マジで意味不明!

舞台のラスト、長崎に原爆が落とされるシーンはマジでつらい。

結末を知ってるだけあって、長澤まさみさん演じる在良の台詞が本当に本当に苦しい。

教会って、あんたらが崇拝している神様の家とちゃうん?日本やから関係ないんか?

人間を襲撃しているんじゃなく、土地を襲撃している感覚が私には全く理解できない。インベーダーゲームやってるんじゃないぞ!

原作では、ドミートリーは本当は冤罪なのに有罪となりシベリアへ流刑となるが、野田版では、富太郎の罪が冤罪であることを実証しようと努める。ここは日本だから最後まで真実を追求するといったメッセージに感銘を受けた。

ラストの松潤の台詞にもあるように、日本に限らず、世界中の誰もが空を見上げる時、戦闘機でもB29でもなく、もちろんミサイルでもなく、美しい打ち上げ花火を見上げられたらどれだけ素晴らしいことか、世界平和を祈るばかりです。


松潤の富太郎役の演技は言わずもがな、まさみちゃんの二役もお見事でした。

まさみちゃんのグルーシェニカは、りえちゃんの足跡姫みたいに出番が少なかったけども、圧倒的な存在感だった。在良との演じ分けが上手かった!

瑛太君の威藩は、瑛太君のまんまのイメージ。決して情にほだされない冷静さ、内に秘めたる情熱とか威藩そのものだった。

三兄弟の父親役と判事役の竹中直人さんの演じ分けもお見事!いつもそうですが、上手く声音を変えて全くの別人になれるのは本当に天才技!

謎のロシアの夫人ウワサスキー夫人役の池谷のぶえさんも、間が上手い!池谷さんのコメディーセンス大好き!旧ソ連を象徴する人物であり、日ソ不可侵条約破棄を伝える役目。日本とソ連の友好的な橋渡し的存在から一転するまで、キュートさを維持しつつもついつい機密事項をバラしちゃう魔性性が潜んでいる役どころが上手かった!

富太郎の婚約者の生方莉奈役の村岡希美さんは、今回は珍しく身体を張ったシーンがあってびっくりしましたが、若いのか年増なのかわからない微妙な存在感が絶品。

弁護士役と神父役の野田さんは、相変わらずの威勢の良さ。声の張り上げ具合も動きもまだまだ若い!凄い身体能力!脳ミソも含めてね。

個人的にはスメルジャコフ役が森田真和さんだったのがめちゃくちゃ嬉しかった。最初の裁判シーンから登場(審判員)してるのに全く声を出さない。全然台詞がないと思ったら重要な役で登場してくれていたのでめちゃくちゃ嬉しかった!森田さんの声マジ好き!

呉剛力役の小松和重さんは、初めて拝見させていただく方だと思いますが、野間口徹さん同様に名脇役な方ですね。

東京公演は観れなくても、大阪公演が観れただけでチケットの神様に感謝です!

今日の鳴り止まないカーテンコールの締めは、なんと!

野田さん、松潤、まさみちゃん、瑛太君4名の土下座でした!超感動!

あの様子だと東京でもやってたのかな??

ちなみに今日は、MBSスカイシアター2階席てっぺんで観させていただきました。めちゃくちゃ観やすい席だった!設計者のセンスがまじ素晴らしい!

星組「記憶にございません!」「Tiara Azul -Destino-」

2024-09-21 23:24:14 | TAKARAZUKA
すげー、石田先生ポイズン炸裂やな!

あ、全体じゃなくて一部ね。

ぶっちゃけ、今のご時世、悪趣味としか言えない。

っていうか、最近は毒を抑えてきてたのに、なんでここにきて出しちゃうかね??

今日は、恐らく中学生だと思われる団体が来てましたが、正直これはアカンやろ?

高校生は反応が分かりやすいが、中学生は、楽しめたのか?つまらなかったのか?幕間の雰囲気では分からなかった。

いずれにせよ、バウホールならいざ知らず、大劇場で世にお届けする演出じゃなかったと思うよ。

いかんせんセンスが悪い。

AKBを意識したのか昭和なアイドル…、ピンクの照明…。

正直、古い!

昭和アイドルは、キレキレのダンスの櫻坂46くらいカッコよく、ほのかちゃんは、ネグリジェみたいなエロ全開の衣装じゃなく、峰不二子みたいに存在自体が大人の色香を漂わせる程度に留めておいた方が良かったのでは?と思うよ。

一体、中学生にはどう映ったんだろね…。感想が知りたかった。

が、 ワタクシはもう中学生じゃございませんので、めちゃくちゃ面白かった!

星組も芸達者揃ってるなー!

輝咲玲央さん、ひろ香祐さん、天希ほまれ君、専科のまゆポン、めちゃくちゃ好き!!!

昭和なアイドルやSMとか、石田先生の悪趣味が超悪目立ちしていたけど、

三谷幸喜さんのオリジナル映画版と同じなのかは観てないから分からないけど、  

メッセージ性は良かった!

NOと言える日本の在り方。ただNOと言うだけじゃダメ。NOと言えるだけの理由が大事。

日本は、農家だけに限らず、酪農もしかり、自国の作物や文化も守っていかないといけないんよ。

もちろん外交も大事。かといって、防衛を理由に他国の言いなりになるのは別の話。

三谷さんが伝えたいメッセージなのか、石田先生が伝えたいメッセージなのかは分からないが、

腹を割って話し合う関係性は、外交に限らず、学校でも職場でも社会生活においては絶対絶対大事!!

ということで、 今回はチケットが全く取れず、ブロガーさんの評判もあまり良くなかったし、月組全ツが観れたから星組はいいか〜と思っていたら、 またもや知人からチケットを譲って貰えることとなったので、評判が悪い理由を確かめたく、なこちゃんのサヨナラ公演を観てきました。  

まあね、清く正しく美しい宝塚ファンの方々には、最初に書いた理由でお気に召さなかったと推察しますが、 ワタクシ個人といたしましては、時代錯誤演出はさておき、星組生の芸達者ぶり、作品を楽しませようとするファンサービス精神は観て損はなかったと思っています。

オリジナル映画を観てないから、比較はできませんが、舞台だけ観たら、

政治活動も私生活もとんでも総理大臣が、記憶喪失になって真っ当になる過程、理想の総理大臣像だけでなく人格者としても理想の人間に成長していく様は、

あくまで絵空事ではあるが、 一個人にも言えることなので、決してつまらない内容だとは思わなかった。

かと言って映画を観たいとは思わなかったけどね。

芝居の月組を観たあとだけに、芝居の間の悪さが目立つが、ベテラン勢は上手い!

特にコメディーって、間が悪いと笑えないんよね〜。客席の空気を読みながら笑いに変えないといけないからね。人を笑わせるのは普段の生活でも本当に難しい。

それはさておき、 こっちゃんの総理大臣、善悪のギャップがマジピカ一! マジ嫌な総理大臣から、マジええやん!な総理大臣の変貌ぶりに説得力があった。

ほのかちゃんとのシーンは、善の総理大臣との絡みだったけども、悪の総理との関係性が見えてくる絡みでもあった。 ほのかちゃんは意に反する役だとは思うがよく頑張ってたよ!

なこちゃんの総理大臣夫人は、アリちゃんの秘書とよろしい仲ではある役柄で、

サヨナラ公演で不倫役?とは思ったが、最終的には…、観てのお楽しみ!

なので、石田先生の愛情なのか、オリジナル通りなのかは分からないが、今までで一番良いエンディングだった。

っていうか、今までが酷すぎる!

こっちゃんとトップコンビのはずなのに、相手役が違うとか、劇団の意向に理解に苦しむ。

それを思うと、お芝居もショーも素晴らしい餞になったと思う。

アリちゃんは、なこちゃんの不倫相手だけど、総理大臣の右腕的存在なので、決して悪人役ではなかったのが良かった。そこはこっちゃんの総理の人格がものを言う。

もう一人の秘書の詩ちゃんも良い存在感だった。意外とキャリアウーマン的な役も出来ることに驚いた。やはり、娘役芸を心得た娘役さんでしたね。素晴らしかったです。

あとはもうキャラ立ちしたお兄様の方々の存在感がマジ楽しかった。

ベテランの役者芸はアッパレとしか言いようがない。上記に挙げた方々ね。

そうそう、休演中の朝水りょう様の写真の登場って、どれやったん??全然分からなかったよ。まさか、まゆポンとのツーショットの方???

ショーは、もう、こっちゃんとなこちゃんのデュエダンに尽きる。

シメさんとあやかさんのサヨナラショーで観た♪心はいつも♪

ゆうひさんとすみ花のサヨナラショーでみた♪ひき潮♪

を彷彿させるデュエダンにマジウルウル状態。

これは観に来て正解だったよ。

全体的には運命の出会いをテーマにしたストーリー性があるショーだったのも良かった。

ラテンショーでもあったので、舞台も客席も熱い熱い!

最後まで見応えがあるショーでした。


ニコール!!

2024-09-08 11:29:22 | ニコール・キッドマン
久々のニコールネタ。

今たまたまネットニュースを見たら、ヴェネツィア映画祭で主演女優賞を獲得したとのこと。

本当に本当におめでとうございます!

めちゃくちゃ嬉しいです。

最近は映画より圧倒的にドラマに出ることが多いので、3大映画祭の一つヴェネツィア映画祭で主演女優賞って、めちゃくちゃ嬉しい!


ですが、悲しいことにお母様が亡くなられ、受賞式には出席せず帰国したとのこと。

ニコールにとってお母様は、本当に本当に心の支えとなり憧れの女性であり理想の母親像だったと思うんよね。

「めぐりあう時間たち」でオスカーを獲得した時、お母様とのツーショットが思い浮かぶ。

こんなこと書く必要ないですが、トムと別れてからキース・アーバンとの出会うまで、浮世ネタも含め私生活は大変だったと思うんよ。

ずっとお母様様は、もちろんご存命だったお父様も妹さんもだけど、ニコールの味方だったと思うんよね。心の支えになっていたと思うんよね。

身をそがれる思いで帰国したと想像しえます。

お母様が亡くなられたは、受賞の知らせを知った後なのかは分かりませんが、いずれにせよ、お母様も受賞を喜んでいると思います。

受賞式よりお母様を選んだニコールを本当に誇りに思う。

お母様のご冥福を心からお祈り申し上げます。