花組「エンジェリックライ」「Jubilee(ジュビリー)」

2024-10-27 23:49:30 | TAKARAZUKA
いつもなら、お芝居から感想を書くのですが、今日はショーから書きます。

このショー、めちゃくちゃ大好き!!!

ショーほぼ興味なし人間のワタクシでも、このショーだけで通える!

それくらいめちゃくちゃ良かった!!

なんせ、稲葉先生の選曲センスが私にドンピシャだった!

クラシック好きな方には定番な選曲かもしれませんが、その選曲がマジ最高!!

ひとこちゃんと美咲ちゃんのトップお披露目のショーではあるが、

それ以上に、この公演で卒業するカチャやアカさんの餞となるショーにもなっていて、

ベートーヴェンの交響曲の中で私が一番好きな第7番の第2楽章を使ったシーンでカチャがメインだったので、もうそのシーンから完全に掴みオッケー!!藁

エドガーの♪威風堂々♪の行進曲に乗って、カチャが大階段をドヤ顔?キメ顔?過去一の男っぷりな表情で降りてきたときにゃあ、ワタクシ、マジ、ウルっときた!

そこから、威風堂々と言えば有名かつ定番の名メロディーに合わせて、ひとこちゃんセンターの群舞から涙腺がヤバくなった。

ゆうひさん時代の宙組作品「トラファルガー」思い出し、ゆうひさん演じるネルソンの下僕役だったカチャの姿がフラッシュバックされ、

その名メロディーがエンディングで使われていたこともあり、めちゃくちゃ泣いた思い出があるから余計涙腺がヤバくなった。

ゆうひさんの最後のディナーショーで最下級生として出演し、当時はドキンちゃんというあだ名のあおいさんも出演していて、あの時はまだまだヤンチャでいたずらっ子だった(らしい)宙組時代の下級生のカチャが走馬灯のように蘇ってきて、

そのカチャが、月組に異動、それから専科に異動となり、今では立派な男役に成長していて、大空組の最期のメンバーと言っても過言ではないカチャがこの公演で卒業だと思うともうウルウルがヤバかった。

まるで、シメさん(紫苑ゆうさん)の再来かのようにカチャが王子様姿で登場したかと思ったら、ドヤ顔のイケオヤジならぬイケ男役で大階段を降りてきたりとか、

マジ、カチャ最高!!

ひとみさコンビのお披露目のショーなんだけど、稲葉先生のカチャへの愛がたくさん詰まったショーでもあって、

稲葉先生、マジ、Good Job!!

カチャには1作でもトップになって欲しかったが、こういう形のサヨナラもありだと思った。

ついつい、トドちゃん(轟悠さん)も同じように大劇場の舞台に立ってサヨナラショーをして卒業して欲しかった…と思ってしまったほど…。


交響曲第7番第2楽章以外では、私が知る限りでは、「くるみ割り人形」、ベートーヴェンの♪月光♪、ショパンの♪英雄ポロネーズ♪、ひとみさのデュエダンがリストの♪ため息♪、あと「フィガロの結婚」もあったな…、

私の好きな曲ばかり!それを現代風にアレンジしたかと思うと、オリジナルのままだったり、編曲がマジ素晴らしかった!!

アカさんも歌手として美声を轟かしていたり、稲葉先生の愛を感じざるを得ない構成だった。

今日は立ち見で観させてもらいましたが、まさか、お芝居でも客席降りがあり、ショーはひとこちゃんが立ち見近くまで来てくれて、マジ最高だった!

ひとみさもトップとしての異彩を放ちつつも、カチャやアカさんも花を持たせる演出に、

マジで、このショーだけで通える!!

お芝居は…、

ぶっちゃけ書いて申し訳ないけど、最初の60分は子供だまし的な展開が続いたので、正直、立ち見はつらかった。

設定や関係性があまりにも子供じみていて、最初の60分は時間が気になって仕方なかった。

m(__)m

60分過ぎてからは、急に大人の展開に変わったのでラストまで面白く観れた。あ、決して笑えるという意味ではなく、展開が良かった。

60分過ぎてからは、どんでん返しとまではいかないが、二転三転と物語が展開していくので、中々面白かった。ちとウルっともきた。

最初の60分は、ツッコミどころ満載で、導入部分だから致し方ないが、アカさん演じるラファエルに指輪を盗ませたらええやん…どうせ人間に見えないんだから…なんて思いながら観てたが、真面目な天使だから盗みは出来ないという人物像ならぬ天使像設定だったので、谷先生的にはちゃんと計算してるんやな〜というのは後々分かった。

って以上に、やはりオリジナル作品だけあって、ひとみさコンビのお披露目ではあるが、この公演で卒業するカチャやアカさんにも当て書きしていたのも良かった。

そうなんだよ、カチャとあおいさんが…な関係だから、正直絡みが欲しかった。せっかく当て書きしてるのに、宙組時代を共にした2人の直接的な絡みがないのが正直残念。

ぶっちゃけ、お芝居を観てる時はそんなこと微塵も感じなかったが、ショーを観終えたあとにこの感想を書いていると、カチャとあおいさんの元大空組の絡みが欲しかったと思ってしまった。

アカさんは、ひとこちゃんの同期生役設定なのもオリジナル脚本の当て書きならでは。

カチャもそうだけど、出番も多いし、カチャに至っては餞の台詞もあり、これぞ当て書きの妙である。

谷先生も、Good Job!!

開始60分後からGood、Good!!藁

ひとこちゃんの天使役は、決してホラ吹きではないが、嘘つきでもない。本人は正直に話してるのに、美咲ちゃん演じるエレナには嘘に聞こえている設定なので、嘘つきと正直者の中間という意味でホラ吹き設定にしたんだと推察。

エレナは半分、ある人?の血が?流れているので、とんでも設定ではあるんですが、

終わりよければ全てよし!

多少の矛盾も、強引設定も結果的には悪くなかった。

今回はコメディー作品ではありましたが、次は、ひとみさコンビで悲劇作品が観たいと思った。

二都物語を観たいけど、太田先生作品やからな〜。

ダークなひとこちゃんを観たい!

まる

2024-10-19 18:08:52 | 映画
めっちゃ、荻上ファミリー集結してるやん!?

ま、聡美さん、はいりさん、柄本明さんだけやけど…。

いやいやいやいや、十分最強アシスト&ディフェンダーやで!

かもめ食堂好きには堪らんキャスティング!!

柄本さんは、ホンマにドラマでも映画でも引っ張りダコやね!

ということで、舞台挨拶ライビュー付き上映回を観てきました。

久々のつよっさん。生ではないが…。

本来なら、8月、毎年恒例の平安神宮奉納公演に行けたのに、台風10号のせいで中止。

だけども、つよっさんの活動は凄まじい!あらゆる音楽フェスに呼ばれ、参加し、つよっさんが敬愛しているジョージ・クリントンとのコラボ曲も配信となり、結婚してもSTARTOを退所してもその勢いは劣らず。

素晴らしい&カッコイイとしか表現できない!

そして今作は、まさにつよっさんへの当て書きのような物語。

めちゃくちゃメッセージ性があり、また、ワタシタチはモノガタリを観るのが必然かのような内容に、これまた、いつもの

お導き!

(笑)

どこにでもいる普通の青年が、ある人との出会いによって世界的なアーティストへと変貌していく。 

あ、あくまで私のイメージであって、映画の粗筋ではないので悪しからず。

例えば、芸名があれば、芸名の自分が世界を駆け巡り、出すCDや本が大ヒット。あっちでもこっちでもテレビ局やマスコミに引っ張りだこ。

求められるのは世間が求める姿や言葉。本名の自分は、決して世間が求めるような強い人間じゃないのに、まるでトイレにも行かないような人物像を作り上げられ、自らも作り続けなくてはならない。世間の評判も、賛否両論。少しでも、いや、ほぼ全ての否を減らすために必死なってイメージアップに努めなくてはならない。

本名の自分が芸名の自分についていけなくなって、精神を壊すことは多々ある。

もしくは、別に有名人になったり出世したいとは思ってなかったのに、出会いやふとした行いが評判を生み、有名人や出世することもある。

上手く風に乗って立身出世していき大手を振って喜べるか、その地位を維持するために自分の心を殺すかは己次第。

良かった、芸能人にならなくて!!

という話ではなく、

芸能人に限らず、誰もが、理想と現実のギャップに自分がどう生きていけばいいのか一度は悩んだことはあるはず。

目標に向かって一生懸命勉強したり努力して、やっとこさ目標を叶えたのに、現実は、自分が想像した以上に過酷であったり虚しくあったり…。理想が高ければ高いほど、現実とのギャップに苦しんだり…。

逆に、有名人に憧れて真似たり、偽物になったり作ったり…。

結局のところ、自分は自分でしかない。誰かを真似ても、同じことをしても、その人にはなれない。ダイエット本と同じ。その人に出来たことが万人に通用するとは限らない。むしろ、本なんて購入されてナンボ。成果ありか無しかは二の次。

いかに購買意欲をそそる宣伝ができるか、マーケティングで世間の関心を調査できているかで、売上が変わる。それが現実。

結局、自分の理想は理想。現実には敵わない。理想は、現実のはるか先にあるもの。

ワタシタチはモノガタリでも書きましたが、売れるために、読者が喜ぶ作品を作るのか?売れるまで自分が表現した作品を作り作り続けるのか?をテーマにしたような作品でもありました。

今作もそうだけど、結局のとこ、アンタは何がしたいの??に結びつくと思うんよね。

今作は、つよっさんと綾野君のダブル剛君が対照的に描かれていたので、よりメッセージ性がリアルに表現されていたと思う。

そう、世の中の90%は綾野剛君演じる横山なんだよ。

アーティストとして、芸能人としてそれだけで生活出来る人はほんの一握りなんだよ。

テレビに出てるからといって、みんな六本木ヒルズに住んでいるわけじゃない。

あ、つよっさん演じるさわだより、綾野剛君演じる横山よりに書いてます。私も横山側の1人だったからね。今は、人は人、自分は自分精神で生きてます。

そういった格差社会も描いていたし、世界平和への想いもあの○の中に込められていたと思う。

森崎ウィン君が舞台挨拶で言っていたように、人間は丸くならないと生きづらいと思うし、

荻上監督が、○に込めたメッセージがつよっさんや他のキャスト陣を通して随所に散りばめられていたと思う。

まさに主人公の生き様が、今の、昔のつよっさんと被る脚本になっていて、

関西弁を喋ってくれたら、マジつよっさんのドキュメンタリー映画と言っても過言じゃないくらい、ラジオやライブで語られているつよっさんの過去の経験や生き様がそのまま主人公に投影されていたと思う。

つよっさんだけでなく、綾野剛君や森崎ウィン君の役柄も世間を象徴する人物像でもあったし、吉岡里帆ちゃんの役は、まさしく、弱者の心の声だったと思うし、彼らの学びや生き様、そして考え方は、観客への強いメッセージになっていたはず。

本当に本当に素敵な作品でした。

27年ぶりのつよっさんの主演作がまさかの荻上直子監督作品とはね。

めちゃくちゃ当て書きされていて、とても名誉なことだったと思う。

主人公の闇がつよっさんのかつての闇にも感じられて、エンドロールの♪街♪の歌詞がめちゃくちゃ響く。

すべての音楽はつよっさんだったんやね。めちゃくちゃ自然にマッチングしてた!

主人公の隣に住む、綾野君演じる横山も、破天荒にデフォルメされているけど、大多数の弱者?の代表だと思った。

みんな一握りの一員に選ばれたくてもがき苦しんでるんよ。

森崎ウィン君こそ、そのままの役で、彼が発する悟りや哲学は心に響く。

せやねん、いつまでも泣いていても助けてくれへんね。特に私みたいなオッサン?人間は。

セクハラ発言するわけじゃないけど、若くてカワイイ女の子なら誰かが助けてくれるかもしれへん。若いうちだけや。

年をとったら男も女も扱われ方はさほど変わらん。

だからこそ、

アンタ、何がしたいん?どう生きたいん??

を強く訴えかけてくる作品に感じた。

なんのために生きるのか?

20%の働かない蟻は生きる価値はないのか?

そりゃ、自分の存在が誰かの役に立てれば、それに越したことはないが、

だからといって、誰かの役に立つために身をすり減らしてまでも自己犠牲する必要はない。

今の私が言えることは、心臓が動いている限り生き抜け!

ただそれだけ。

どう生きるかは己次第。

つよっさん✕荻上直子監督作品ということで、それだけで楽しみしていたら、

まさかの小林聡美さん、まさかの片桐はいりさん(最初誰だか分からなかった)、荻上監督の前作「波紋」でもエエキャラだった柄本明さんが出演されていて、より作品の価値がグレードアップしたよ!

もう一回観たくなる作品だった。

そう、志村けんさんの間かどうか確かめないといけないし(笑)

舞台挨拶の内容はいずれYouTubeにアップされるのでそこでご確認してください。

チョイ役だったが戸塚純貴君も舞台挨拶に出てた!めちゃくちゃ引っ張りダコやな!

つよっさんが描いた○欲しい!!

ワタシタチはモノガタリ

2024-10-16 21:53:24 | 舞台
めっちゃ面白かった!

強いて言うなら、ピロティホールみたいなハマグリ型客席じゃなく、もう少しキャパが狭く兵芸のようなスクエア型客席で観たかったな〜。

ピロティホールは2階席がない分客席空間が広いねんな…。

ということで、昼の部の雷神不動北山桜を観た後に、ピロティホールで観てきました。その次がベルばら。ラストが夜の部の連獅子という流れ。

それはさておき、

最初、江口のり子さんと松尾諭さんの関西弁がわざとらしいな〜と思って聞いていたけど、いつの間にか自然な関西弁の会話になっていた。

その関西弁バトルがめちゃくちゃ面白かった!さすがお二人とも地元関西出身!

ちなみに、松尾諭さんは、実は高校の後輩です。必然的に、月亭方正さんも同じ高校です。もちろん2人とも面識ありませんけどね。

もっと書くと、これ書いていいのか分からないけど、もう書いてるけど、堤真一さんは中学校の先輩です。もちろん面識はないです。あ〜堤さんと同じ高校に行きたかった!

同じ西宮内の近くの高校には常盤貴子がいらした。これも書いていいのか分からないけど…。(あ、鳴尾高校だと思ってたら、堤さんと一緒だった!)

地元では超有名なネタ。

っていうか、西宮出身の芸能人、意外と多い。

芦田愛菜ちゃんも!知らなかった。

鶴瓶さんの御子息駿河太郎君も!

藤原紀香さんも!

凄いな、西宮民!

あー、私も加わってるはずやったんやけどな〜。どこで人生設計くるったんやろか〜??←知るかいっ!

(笑)
 
他に西宮民を調べたら、

鈴木亮平君も!知らなかった。

松下優也君も!知らなかった。

あいみょんは有名だね。ってか、同じ高校やん!?知らなんだ…。

生瀬勝久さんは、名字が西宮の地名。芸名やと思ってた。生瀬出身ではないみたいだけど。

いや、マジすげー、西宮民。

タカラジェンヌやお笑い芸人を含めたらもっと多いけどね。

っていうか、西宮民を公言してたことに驚いた!あ、もちろん「私は西宮民です!」とは言ってないですよ。西宮出身という意味です(汗)


は、さておき、

江口さん演じる富子(とみこ)の理想の恋人?理想の自分?を演じている松岡茉優ちゃんとバーチが、どの役を演じているのか途中から分からなくなってくる展開になっていましたが、

そんなことどうでもいいくらい、松尾諭さん?君?演じる徳人(のりひと)が、江口のり子さん演じる富子(とみこ)に何度も何度もしつこいくらいに訴えかけている言葉が、脚本の横山拓也さんの本心だと思った。

まだ小説は未完なのに、SNSでバズり、本になり…、映画化まで話が進む…となると、さて、未完の小説の結末をどうする?

原作者の思い通りにするか?読者が喜ぶ結末にするのか?がこの作品のテーマではあるんだけど、

読者や演者が喜ぶ本を書くべきか、自分が本当に書きたい本を書くべきか、創作活動家にとっては経済的なことも含め死活問題にもなりかねない、常に自問自答するテーマだと思った。

理想は、自分が描きたい世界観と読者が喜ぶ世界観が同じなのが理想だけど、世の中、そんなに理想通りにことは運ばないのが現実。

を、富子の初恋だった松尾諭さん?君?演じる徳人とは、全く現実の姿とかけ離れた理想の恋人をバーチ演じるリヒトと、

もちろん、江口のり子さんとは似ても似つかないm(__)m松岡茉優ちゃん演じる富子の分身ミコが、主役2人の裏主役として、現実と空想の世界を行き来する設定。

富子と徳人は学生時代から15年間文通し、30歳になってもまだお互い独身だったら結婚しようと約束(富子の思い込み)したが、結局、徳人は別の女性と結婚。

元々小説家を目指していた富子であったが、全然芽が出ない。たまたま15年間文通していた手紙の内容をそのまま、または富子の脚色も加えて手紙のやりとりを小説としてSNSにアップしたら、バズったという展開。

詳しいあらすじは、HPからご覧下さい。

はてさて、このリアルな手紙のやりとりが読者のハートを掴んだのはいいが、小説を書いたのは富子。だが、手紙の相手の徳人がいてこその文通なわけだから、

著作権の問題が出てくるよね〜???という展開になる。

徳人も原作者じゃないの?ってことから始まる富子と徳人のバトル。

映画化が進み、誰が、富子をモデルにしたミコ役を、徳人をモデルにしたリヒト役を演じるのかというサブストーリーに、茉優ちゃん演じる女優とバーチ演じる書道家アーティストが絡んでくる。

だから、茉優ちゃんもバーチも、ミコと女優、リヒトと書道家アーティストの二役を演じることになる。

現実の富子と徳人のバトルだけでなく、茉優ちゃんとバーチの演じ分けもこの作品の面白さとなっている。

富子と徳人は、ガッツリ関西弁なのに、富子の理想のリヒトとミコは標準語なのも面白い。いかにも関東の人間が喋るわざとらしい関西弁もありだったかもしれないね。あ、手紙は標準語やったわ。

せやねん、関西人は、手紙は標準語で書けるねん!?

これ、当たり前やと思ってたけど、よく考えたら凄くない??バイリンガルやん!?英語じゃないけど(笑)



なんせ茉優ちゃんが、二役の演じ分けが、まーお見事!

リカちゃん人形とスケバンくらいの違いがあった。

ドラマの茉優ちゃんは強気キャラが多いので、本作の女優役に近かった。

ミコ役は、まーリカちゃん人形。私のイメージがね。

見事なキャラ変だった!

その点、バーチ演じるリヒトと書道家アーティストはどちらもバーチだった。良い意味でね。

お坊っちゃま役(私のイメージ)も根暗役(私のイメージ)もバーチが演じると、どう見ても36歳には見えない年齢不詳故のキュートさがある。

「アメンメット」のバーチはめちゃくちゃ等身大で役と本人の見分けがつかないくらいリアルな人物像を作り上げてた。

今回は、明確なキャラを作らないといけないけど、バーチのキュートさがより際立つ役作りだった。

松尾諭さんに全く似ても似つかない役だけに、松尾諭さんには申し訳ないが、ギャップが最高。バーチの存在は、富子の想像上の恋人リヒトにピッタリ!

江口さんと松尾諭さんは、もうドラマで観るそのまんまのキャラだから、2人の関西弁バトルがリアル過ぎて楽しかった!

演出的には、最初に登場するミコとリヒトは、富子の空想上の登場人物だと思わせておいて、実は女優ちゃんと根暗君が演じていたのではないかという伏線にもなっていたのが面白かった。

ラストは、女優ちゃんと根暗君が演じているミコとリヒトなのか?富子の空想上のミコとリヒトなのか?それとも、どちらでもない、小説の中から飛び出したミコとリヒトなのか?

どちらか分からない見せ方も良かった。

どちらか分からないから、最初のミコとリヒトもどっちのミコとリヒトなのか分からなくなってくる。という見せ方になるので余計面白く思えた。

何度も書きますが、もっと小さな劇場で観たかった。富子と徳人のどちらにももっと共鳴できたはず。あのハマグリ型劇場の空間を支配するには少人数では厳しい。

でも、演じ分けに関しては、他の方も見事なキャラ変だった。存じあげない役者さんだからこそ余計、同じ人物だと思えないくらい見事な演じ分けだった。

今月は、演じ分けがキーワードか!?と思うくらい、映画も舞台もそういう作品が多かった。

バケモノ好きのワタクシには堪らない演じ分けだった。

話題を脚本に戻すと、

創作活動家なら誰でも悩むテーマ、読者や観客が喜ぶ作品を作るべきか?自分が作り上げたい作品を作るべきなのか。どちらを優先にするかは、結局どっちも必要だと思ってる。

ただ、ヒットや有名になる手掛かりをどっちにするかが悩みの種なんよね。

ヒットするまで好きなものを作り続けるのか?市場リサーチして客が好む作品を作ってから自分の好きなものを作るのか?

いずれにせよ、どちらも運だけどね。

でも、どちらを選んでも、その人の人生設計には変わらない。

結果なんか、未来のことも、何がヒットするか、消えていくのか誰も分からない。ま、お金の力があれば話は別だが…。

いずれにせよ、創作活動家には堪らないテーマだったと思う。


雪組ベルばら 東宝千秋楽 by L.V.

2024-10-15 20:14:47 | TAKARAZUKA
13日、ライブビューイングで咲ちゃんのサヨナラショーと卒業挨拶を観てきました。

土日祝に観劇が集中して、観た順にアップしなくてスミマセン。

m(__)m

実はもう1作あり。後日アップします。



先ずは約2ヶ月ぶりのベルばら。

千秋楽かつ咲ちゃんのラストフェルゼンだけあって、失神夫人と悶絶夫人のアドリブが愛に溢れていて楽しませてもらいました。

その後に続くオスカルアーサがどう切り替えようか、アドリブを入れるべきか迷ったのが伝わってきた。ため息で切り替えてましたが…。

カメラがちゃんと咲ちゃんが喜んでいる表情を捉えていましたね。

正直に書くと、カメラワークが非常に残念だった。引きで撮るとこ、アップで撮るとこ、ターンするタイミングとか、酷かった。

タダで観てるなら文句言えないけど、5000円以上も払ってるんだよ!

マジNHKを見倣って欲しいと何度も思ってしまったよ。

客席からなら自分目線で見たい所を観れるからいいけど、映像はカメラマンや指示する人の目線になるから、

大劇場2階席で観た2回目の、そこでウルウルする??の感動がなかったのが本当に残念だった。

だけども、

カセキョー(華世京くん)が大劇場の時よりも更に良くなってた!!

ラストの“カぺー未亡人!!”胸熱やった!そこだけウルっときた。

はっきり書いて申し訳ないけど、カメラワークのせいで、あやちゃんの名シーンが台無しだった。断頭台は引きで撮って欲しかった。

サヨナラショー以降は、カメラワークに関しては全く文句なかったけどね…。

っていうか、パレードの客席からの登場は、東宝は、大劇場と違って真後ろの扉から出てくるんやね。1階席で観たことないから知らなかった。

それは良しとして、

咲ちゃんのラストフェルゼンは、大劇場の時から文句なし。完成されたフェルゼン像だった。

逆に、カメラのアップが多かったせいか、あやちゃんのアントワネットの大芝居が悪目立ちした感は否めない。やはり、あのあやちゃんの大(お)芝居は、広い劇場で観てこそ生きてくる。

オスカルアーサが、大劇場の時よりも更にリアルオスカルになっていたのも良かった。

脚本に関しては、私はなーちゃんの花組や過去作、原作で補完されているから最初から違和感はなかったが、世間ではフェルゼンの手紙からの今宵一夜シーンが唐突過ぎると評判が悪かったようであるが、千秋楽は違和感を感じなかったはず。

縣アンドレは、カメラワークのせいで存在感が薄まった感があるが、バスティーユは縣君独占やったね。その後は、当たり前だが、アーサが独占だったけど…。

やはり、ひまりちゃんのロザリーと
ゆうちゃんさんのメルシー伯爵が劇画の世界観を膨らませる素晴らしい担い手だった。

今まで、メルシー伯爵は、アントワネットとハプスブルク帝国の名誉しか考えていない人物だと思っていたが、

いやいやいやいや、今日のメルシー伯爵は、めちゃフェルゼンの主張を受け入れてたように感じた。

今までは、フェルゼンの主張も、お前も自分勝手やんけ!と詰ってる感が強かったが、

フェルゼンの言わんとするとこも分かった上で、真実の愛を貫くために身を引いて欲しいという優しさが垣間見えるメルシー伯爵像だった。

今までもずっとそうだったのかも知れないが、私は、フェルゼンもメルシー伯爵も身勝手な人間やな〜と思ってた。

なので、ゆうちゃんさんのメルシー伯爵の助言を素直に受け入れたフェルゼンの帰国の決断も自然に感じた。

フェルゼンも嫌嫌帰国するんじゃなく、王妃の名誉を尊重する決断に思えた。今までは、俺が帰国すればいいんやろ!的な納得いかなさを感じてた。

今回は全くの皆無だった。

やはり、お芝居が上手いと想像や解釈が膨らむ!

サヨナラショーは、まるで、サヨナラショーをもってベルばらが完結するかのような演出になっていて、バラのタンゴ、黒燕尾。マジ素晴らしい演出だった!

咲ちゃんとアーサの「蒼穹の昴」の台詞&デュエットがウルっときた。

咲ちゃんの口から、次のトップコンビのアーサとあやちゃんを推す言葉とか、雪組愛とかマジ最高だった。

咲ちゃんは、雪組の御曹司と言われながらも、苦労も多かったと思うんよね。

私が言うのもなんですが、人一倍苦労した分、とっても頼もしいトップだった思うよ。

今思えば、新公のフェルゼン、バウのパルムの僧院、炎のボレロ、ヴェネツィアの紋章&ル・ポァゾンを生の舞台で観れたのは、神様のお導きやね!どれも本当に良かった!

なんてたって、蒼穹の昴とフェルゼンは、マジ最高傑作!!

咲ちゃん、本当に本当にお疲れ様でした!!

咲ちゃん、そして、共に卒業される、ひまりちゃん、希良々うみちゃん、有栖妃華ちゃん、聖海由侑君、第二の人生も素晴らしきことを祈ってます!



雷神不動北山櫻

2024-10-15 18:51:17 | 古典芸能
やっぱり、広い歌舞伎座で観るより、コンパクトな松竹座で観る方がええわ〜。

この作品、2012年(松竹座)と2021年(歌舞伎座)と観ていますが、

やっぱ、この作品大好き!!

今回もアッパレじゃ!!

ぶっちゃけ、歌舞伎に関係ないけど、龍神様大好き人間には堪らんエピソードが盛り込まれているから(鳴神ね)松竹座で巡演ラストに選んでくれてありがとうございます!!と言いたい。

有名どころというか、お寺や神社の近く?管轄?にある瀧には大体お不動様が祀られてるんよね。

松竹座の2階ロビーには成田山新勝寺の大阪別院より御本尊の不動明王様が鎮座されていて、

お不動様も龍神様の化身とも言われているし(倶利伽羅龍剣がその象徴)、龍神様は瀬織津姫に市杵島姫様とも深い関係があるから、

松竹座がめちゃくちゃ神聖な場所になっていて、マジ最強パワースポットやわ!!!

雨乞いの札と鳴神が、単独上演される「毛抜」、「鳴神」、「不動」(これは単独上演はないらしい)を繋げる役目になっていて、

最近は「毛抜」ばっかり観ることが多かったので、「鳴神」「不動」、あと安倍清行の登場や早雲王子の最期の場を連続で観れるのはマジで有り難い!

連続で観るからこその可笑しみ、例えば、久米弾正の両刀使い、雲の絶間姫の色気に騙さる鳴神とか、歌舞伎だから抑えられているだけであって、内容は結構エロい!そこがオモロイ!(笑)

伊達の十役や星合世十三團ほど早替わりの連続ではないが、團十郎さんの5役はキャラ設定や役作りが全く異なるので、「憐れみの第三章」のウィレムやエマ並みに役替りを楽しめた。

自虐ネタとは言わないが、安倍清行とか久米弾正とか鳴神なんて、色男團十郎さんにピッタリすぎて本当に面白かった。

この作品のメインイベントは、二幕目の早雲王子のシーンだと思うが、梯子に登って逆さ吊りとか、命がけのシーンなので本当に見応えがあった。

私の中では、雲の絶間姫は中村扇雀さんのイメージが強かったのですが、

中村雀右衛門さんも素晴らしかった!

2021年の時は別の役でしたが、雲の絶間姫はちょっと歳が…って思っていましたが、なかなかの色気と若さがありました。

9月に拝見した楊貴妃が年齢設定的にも高齢の役だったのですが、

雀右衛門さんの雲の絶間姫は、全く実年齢を感じさせない色気と若々しさがあって正直ビックリしました。

っていうか、めちゃくちゃ失礼なこと書いて申し訳ありませんm(__)m

チョイ役と書いたら申し訳ないですが、虎之介君が出ていて、夜の部にも出るんだと思ったら出てなくて残念。

めちゃくちゃ顔が小さいのが3階席からも分かるが、声は誰よりも大きかった。出番が少なすぎて本当に残念。

「毛抜」の秦秀太郎役は、やはり若い方が演じるとリアル。今回は児太郎君が演じてましたが、夜の部の静御前といい、秦秀太郎といい、どちらも儚げな感じがお見事でした。

苔玉君も、昼の部しか出てなくてもったいない。

そうそう、開始早々芝のぶさんも出ていて嬉しかった!

なのに、幹部の方以外は、ちょっとしか出て来ないから本当に残念だった…。